米雇用統計特別レポート

掲載日:2020年01月14日

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2019年12月米雇用統計(1月10日発表)結果

前回値 予想 結果
非農業部門就業者数(万人) 25.6万人 16.4万人 14.5万人
失業率(%) 3.5% 3.5% 3.5%
時間給賃金(前月比) 0.3% 0.3% 0.1%
時間制給賃金(前年比) 3.1% 3.1% 2.9%

米12月雇用統計の総括

米労働市場の堅調持続の一方で失業率の改善も低インフレは継続

・女性の就業者数が10年ぶりに男性の雇用を上回るなどサービス部門の雇用が拡大

・製造業の就業者数が前月の5.8万人増から1.2万人減へ

・労働参加率は前月と変わらずの63.2%、失業率は2ヵ月連続で3.5%と低水準

・時間給賃金$28.32 (11月:$28.29 10月:$28.20  18年12月:$27.53)

・賃金上昇率が鈍化、女性労働者の増加や製造業の雇用減が影響か?

・低インフレの状況に変わりはなく、FRBは当面の金融政策を維持する見通し

・昨年通年で製造業の就業者数は4.6万人増、賃金上昇率は0.4%

・昨年通年で製造業を除く就業者数は210万人増、賃金上昇率は1.5%増

米非農業部門就業者数(万人) 失業率(%)

米非農業部門就業者数(万人) 失業率(%)

・時間給賃金、前年比は2018年9月以来の3.0%割れ

・ボーイング最新鋭機の運航停止や米中通商問題の製造業への影響が製造業に影

・米中通商交渉進展が製造業の労働需給の引き締めや賃金上昇に寄与するか注目

・低インフレ下の好調な経済を背景に「適温相場」持続への期待からNY株式は堅調

・個人消費の堅調が企業業績や労働市場の堅調持続を牽引するか注目

米時間給賃金 前年比(%) 前月比(%)

米時間給賃金 前年比(%) 前月比(%)

15日の米中通商協議第一段階の合意・署名、その後に注目

今回の米中通商協議第一段階の合意が米国産農産物の対中輸出拡大に留まるのか 注目されます。これだけの合意に留まれば一旦の材料出尽くし感が広がる可能性があるほか、あらためて交渉の難しさを印象付ける可能性に注意が必要かもしれません。

単に中国が米国産農産物の輸入拡大に留まれば、世界全体の貿易拡大につながることはなく、世界経済に対する好影響も限定されることになります。米国が今後の交渉によって過去の対中関税の引き上げ分の撤廃など、保護主義政策の転換の可能性が 示唆されるか注目されます。

今後、今秋の大統領選以降であれ、第2段階の合意に向けてトランプ政権の保護主義的な通商政策が転換する期待が高まることになれば米製造業の経営者の投資マインドにも好影響を及ぼす可能性があり、米ISM製造業PMIの好転のほか、製造業における雇用にも改善が期待できるかもしれません。米中通商交渉第一段階の合意・署名後、内容が明らかになる中で、今後の交渉に対する期待が持続するのか、単なる材料出尽くしで終わるのか、米労働市場の先行きへの影響が注目されます。

雇用統計を前後してのドル円の反応

雇用統計を前後してのドル円の反応

提供:SBIリクイディティ・マーケット株式会社

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