米雇用統計特別レポート

掲載日:2020年09月07日

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2020年8月米雇用統計(9月4日発表)結果

前回値 予想 結果
非農業部門就業者数(万人) 173.4万人 135.0万人 137.1万人
失業率(%) 10.2% 9.8% 8.4%
時間給賃金(前月比) 0.1% 0.0% 0.4%
時間制給賃金(前年比) 4.7% 4.5% 4.7%

米8月雇用統計の総括

失業率は4月の14.7%をピークに4ヵ月連続で改善。経済活動の再開による就業復帰する労働者の増加を反映。しかし、感染前に50年ぶりの低水準となった2月の失業率(3.5%)と比較しても依然として高水準の状況。

各州での経済活動再開による雇用の増加が続いているものの、増加ペースは鈍化。8月の就業者数は2月時点を約1,150万人下回る状況。一時帰休扱いの従業員を部分的に呼び戻したものの、感染の影響から需要の回復が伴っておらず感染前の水準まで従業員を増やせない職種も数多く見られる状況。

8月は国勢調査に関連した臨時雇用により政府系部門の就業者数の増加が寄与。 内訳では小売関連や教育・医療関連サービスで増加。ヘルスケアは7月(19.6万)の半分以下(9.0万)となったほか、レジャー関連も7月(62.1万)の3分の1(17.4万)まで減少。また、中小企業の就業者数は4月から6月にかけて順調に回復したものの、7月以降上昇が鈍化し、8月末時点では1月の水準の約77%に留まる状況。

雇用統計を受けてパウエルFRB議長は雇用統計は良い結果であり、雇用の伸びは予想を上回ったと評価。一方、回復は夏の始めと同じペースに留まっており、FRBは活動を支援するために長期に渡る低金利が必要との考えを明らかに。

時間給賃金は前月比+0.37%の29.47㌦、週平均労働時間は0.1時間増の34.6時間と改善が見られること、株式市場の上昇により個人消費の減少は回避されるか今後の指標に注目。

ドル円は失業率や時間給賃金の改善を好感し、106円51銭まで上昇したものの、前日高値(106円55銭)を上抜けすることが出来ず、あらためて上値の重さを確認。クドローNEC委員長が追加景気対策に否定的な発言を行った影響もあり、NYダウが247㌦高から628㌦安まで下落したこともドル円の上値を抑制し106円18銭へ反落し106円24銭で取引を終了。

米非農業部門就業者数(万人)

米非農業部門就業者数(万人)

米失業率(%)

米失業率(%)

米時間給賃金 前年比(%) 前月比(%)

米時間給賃金 前年比(%) 前月比(%)

雇用統計を前後してのドル円の反応

雇用統計を前後してのドル円の反応

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