米雇用統計特別レポート

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  前月分 予想 結果
非農業部門就業者数(万人) 10.3万人増⇒13.5万人増 18.5万人増 16.4万人増
失業率(%) 4.1% 4.0% 3.9%
時間給賃金(前月比) 0.3%⇒0.2% 0.2% 0.1%
時間制給賃金(前年比) 2.7%⇒2.6% 2.7% 2.6%

4月雇用統計のポイント

① 失業率が17年ぶりの3.9%台へ低下の一方、就業者数や賃金の伸びは予想に届かず
② 失業率の低下も労働参加率低下(62.9%⇒62.8%)の影響もあり、3.0%台が定着するか
③ 時間給賃金(前年比)は下方修正された前月の2.6%と同水準も2.64%⇒2.56%へ低下
④ 就業者数は1月からの月平均が19.98万人増、今後も約20.0万人増を維持できるか
⑤ 賃金インフレの兆しが見えず、FRBの年4回利上げ確率は前週の47%から43%へ低下
⑥ 民間部門就業者は前月(+13.5万)から+16.8万へ、製造業も+2.2万から+2.4万へ改善

米非農業部門就業者数(万人) 失業率(%)

米非農業部門就業者数(万人) 失業率(%)

米時間給賃金 前年比(%) 前月比(%)

米時間給賃金 前年比(%) 前月比(%)

5月3日のFOMC声明文

タカ派

・「12カ月ベースのインフレは依然、2%を下回っている」⇒「2%目標に近づいた」
・「企業の投資は緩やか」⇒「強く拡大した」 へそれぞれ3月FOMCから上方修正
・「インフレが中期目標のSymmetric対称的目標に近づいた」との文言を加え、2%超のインフレも容認する姿勢
・「経済は一段の緩やかな利上げを正当化」「経済の見通しリスクはほぼ均衡」「投資は強く拡大」

ハト派

・「12カ月ベースのインフレは依然、2%を下回っている」⇒「2%目標に近づいた」
・「企業の投資は緩やか」から「強く拡大した」へ、それぞれ3月FOMCから上方修正
・「インフレが中期目標のSymmetric対称的目標に近づいた」との文言を加え、2%超のインフレも容認する姿勢
・「経済は一段の緩やかな利上げを正当化」「経済の見通しリスクはほぼ均衡」「投資は強く拡大」



サンフランシスコ連銀ウィリアムズ総裁

・賃金の伸びは、尚上昇トレンドにある
・インフレ率が2%を短期間上回ることに違和感はない


アトランタ連銀ボスティック総裁

・年内あと2回の利上げを予想


ニューヨーク連銀ダドリー総裁

・経済は潜在的水準を上回るペースで成長
・更なる雇用の健全な伸びが見られた
・インフレは前進、しかしまだ勝利宣言はしない
・貿易協議論争のリスクが逆風に
・インフレ、2%を若干上回ることも問題はない


ダラス連銀カプラン総裁

・賃金圧力が見られる、労働市場のスラックは解消
・FRBは緩やかな緩和解除を継続すべきである
・イールドカーブは後続年度の成長停滞を示している


今回の雇用統計では失業率が3.9%まで低下し、17年ぶりに3.0%台へと改善が進みました。しかし就業者数は今年に入ってからの4ヶ月間の月平均こそ19.98万人増と約20.0万人増の水準を維持したものの、2ヶ月連続で市場予想を下回る結果となりました。さらに時間給賃金(前年比)は2.7%から2.6%へ下方修正された前月と変わらずの2.6%と市場予想(2.7%)を下回ったほか、実際は前月の2.64%から2.56%へ低下しており賃金インフレの兆候を確認するには至りませんでした。失業率も3.9%と改善している一方、労働参加率が前月の62.9%から62.8%へ低下していることも影響しており来月以降も3.0%台を維持できるか疑問視する見方もあるようです。
米中貿易問題をはじめ鉄鋼やアルミの輸入制限に加え、原油高も影響し、原材料価格の上昇が企業収益を圧迫する懸念もあり、賃金上昇への足かせになる可能性にも注意が必要です。さらに、FOMCでも示されたFRBの緩やかな利上げペースを確認する中、6月の利上げ観測は根強いものの「年3回」の利上げペースを「年4回」に引き上げざるを得ないほどの強い経済指標が今後みられるか、今週発表の米4月消費者物価指数をはじめ、今後の個人消費や小売売上高、さらに雇用関連指標にも注目する必要がありそうです。
さらに先週のFOMC声明と合わせて利上げを急がない方針が示されたことで、適温経済の現状を確認し、先週末のNY株式市場の上昇につながりましたが、米中貿易問題やイランの核に対する核合意を巡るトランプ政権の動きを見るまでは不透明感も払拭できず、適温相場への回帰にも懐疑的な見方もあります。
しばらくは神経質な値動きが続く可能性があります。


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雇用統計を前後したドル円の動き

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