米雇用統計特別レポート

掲載日:2020年06月29日

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2020年6月米雇用統計(7月2日発表)直前レポート

1月 2月 3月 4月 5月 6月
(予想)
非農業部門就業者数(万人) 21.4万人 23.0万人 ‐137.3万人 ‐2068.7万人 250.9万人 300.0万人
失業率(%) 3.6% 3.5% 4.4% 14.7% 13.3% 12.4%
時間給賃金(前月比) 0.2% 0.3% 0.5% 4.7% -1.0% -0.8%
時間制給賃金(前年比) 3.1% 3.0% 3.3% 8.0% 6.7% 5.3%

米5月雇用統計の総括

・就業者数は前月比250.9万人増と市場予想(750万人減)に反し、大幅に改善。新規失業保険申請件数に関する週次統計では前例のない大量の申請や給付などに追われ、申請件数のデータが実体を正確に反映していないとの見方が予想との大幅な差異を生じた一因とされます。就業者数は3月が137.3万人減、4月が2,068.7万人減となったことから、5月の就業者数の増加により減少分の11%程度を回復。

・業種別ではレジャー・飲食が124万人増、建設業が46万人増、教育・医療が42万人増、小売業が37万人増

・失業率は4月の14.7%から13.3%へ改善。労働参加率が4月(60.2%)から60.8%へ改善するなど失業率の押し上げ要因となった一方、就業者数の増加が失業率の改善に寄与。5月の失業者数は2,099万人と4月から209万人減少。しかし、失業期間が5週間未満の失業者は4月の1,428万人から388万人へ減少したものの、3月(354万人)とほぼ同水準となったことで、経済活動の再開を受けて復職者が多数あったと確認。失業者に占める一時的レイオフの割合が4月と同様に比較的高く、経済活動の再開により就業者数が増加することが期待できる裏付けの一つ。

米6月雇用統計の注目点

全米各地で新規感染者数が過去最多を更新する中、比較的早く経済を再開していたテキサス州やフロリダ州が飲食店の営業規制を再強化すると発表。しかし、今回の雇用統計の集計時点6月17日を含む週では感染者拡大への懸念は顕著ではなかったことから影響が限定的と楽観的な見方も聞かれます。また、ニューヨーク市では6月8日に経済活動再開の第1段階に移行したこともあり、就業者数の増加が続くものと予想されます。また、5月の民間部門における週平均労働時間が4月の34.2時間から34.7時間へ増加しており、こうした点も雇用の改善につながる一因として注目されます。

米非農業部門就業者数(万人)

米非農業部門就業者数(万人)

米 失業率(%)

米 失業率(%)

米時間給賃金 前年比(%) 前月比(%)

米時間給賃金 前年比(%) 前月比(%)

前月4月雇用統計を前後してのドル円の反応

雇用統計を前後してのドル円の反応

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