デイリーレポート

2024年07月26日(金)

25日の外為市場

概況

一部海外通信社が、来週30-31日の日銀金融政策決定会合で「利上げを検討する」と英文で報じ、追加利上げ観測の高まりとともに本邦10年債利回りに上昇圧力が強まり、これまで積み上げてきた円売りポジションを解消する動きが活発したほか、日経平均株価が記録的な下落となったリスク回避の円買いも観測され、ドル円は午前9時過ぎの153円97銭を高値に17時半にかけて151円94銭へ下落。一方、ユーロドルは1.0840㌦を軸とした小動きを続け、米長期金利の低下や対ポンドでのユーロ買いとともに19時半にかけて1.0859㌦へ上昇。また、米4-6月期GDPが市場予想を上回ったことからポジション調整のドル買いとともにドル円は154円32銭へ反発したのに対し、ユーロドルは1.0830㌦へ反落後、ユーロ円が欧州市場序盤の164円83銭からドル円の反発に伴い167円59銭へ上昇したことから1.0870㌦へ反発。その後、NY市場終盤にかけてドル円は153円台後半までの反落に留まる底堅い値動きを続け153円93銭で取引を終えたほか、ユーロドルは1.0845㌦で取引を終えました。

ドル円

(始値:153円47銭 / 高値:154円32銭 / 安値:151円94銭 / 終値:153円93銭)
午前9時の153円97銭を高値に日経平均株価が大幅安で取引を開始し下げ幅を拡大したことに伴い午前9時半過ぎにかけて152円80銭台へ下落。その後の反発も153円38銭までに留まる上値の重い値動きを続け、来週の日銀金融政策決定会合での利上げ観測を背景に円キャリートレードの巻き戻しとともに17時半前に151円94銭まで下落。ただ、5月3日の151円87銭や200日移動平均線(151円59銭)が下値支持線として意識され18時前に152円74銭へ反発して以降、米4-6月期GDPの発表を控えて152円台前半から半ば付近での小幅な値動きに終始。また、米GDPが前期比年率+2.8%、個人消費支出も+2.3%と前期(+1.4%/+1.5%)から予想以上に拡大したことを受けて米経済のソフトランディングへの期待やポジション調整のドル買いとともに深夜1時半過ぎにかけて154円32銭まで反発。ただ、その後の旺盛な7年債入札を受けて米長期金利の上昇が一服したほか、深夜2時過ぎに584.95㌦高まで上昇したNYダウが上げ幅を縮小したものの、153円75銭までの反落に留まり153円93銭で取引を終えました。

ユーロドル

(始値:1.0840 / 高値:1.0870 / 安値:1.0828 / 終値:1.0845)
朝方から1.0830-40㌦台での小幅な値動きを続け16時過ぎにかけて1.0828㌦へ下落したものの、米10年債利回りが4.22%台へ低下したことを受けて19時半にかけて1.0859㌦へ反発。ただ、世界的な景気減速懸念を主因とする株安が欧州市場にも連鎖していることが上値抑制につながり1.0850㌦を挟んだ小幅な値動きを継続。その後発表された4-6月期GDPが市場予想を上回り、米長期金利の上昇とともに1.0830㌦へ反落したものの、ドル円が154円台前半へ反発したことに伴いユーロ円も167円59銭へ上昇したことにサポートされ前日の高値(1.0867㌦)を上回る1.0870㌦まで反発。ただ、日足・転換線(1.0887㌦)を前に伸び悩み 1.0844㌦へ反落し1.0845㌦で取引を終えました。

豪ドル円

(始値:101円27銭 /  高値:101円29銭 / 安値:99円22銭 /  終値:100円64銭)
朝方の101円29銭を高値に円キャリートレードの手仕舞いを背景にした円買いに加え、中国の景気減速懸念を受けて豪主要輸出品の鉄鉱石の需要減少への思惑とともに資源国通貨としてのセンチメントの悪化も意識され20時前にかけて昨年6月から続く下値支持線とされた200日移動平均線(99円83銭)を下回る99円22銭へ下落。一方、その後発表された米4-6月期GDPが市場予想を上回り、米経済のソフトランディングへの期待を受けたリスク選好を背景にドル円やユーロ円が反発したことから深夜1時半にかけて101円15銭へ反発。ただ、朝方の101円27銭を前に伸び悩み100円60銭へ反落し100円64銭で取引を終えました。

ポンドドル

(始値:1.2907 / 高値:1.2917 / 安値:1.2850 / 終値:1.2851)
早朝の1.2917㌦を高値に1.28㌦台後半での小幅な値動きを続け欧州主要株価指数の下落や対ユーロでのポンド売り、さらに米4-6月期GDPが市場予想を上回ったことから前日の安値(1.2878㌦)を下回る1.2859㌦へ下落。一方、ドル円やユーロ円の反発とともにポンド円の上昇にサポートされ1.2891㌦へ反発したものの対ユーロでのポンド売りに押され1.2900㌦を回復できないままNY市場終盤にかけて1.2850㌦へ下落し1.2851㌦で取引を終えました。

本日26日の注目ポイント

ドル円は5月3日の安値(151円87銭)や200日移動平均線(151円59銭)を下値支持線として前日の151円94銭までの下落で一旦の底入れを確認するとともに日足・転換線(155円39銭)を回復するか注目。そのため、来週30-31日の日銀金融政策決定会合を控え、朝方発表される東京都区部7月消費者物価指数を受けて本邦新発10年債利回りが前日の朝方につけた1.100%を上回るか、さらには日銀の政策に関する要人発言やヘッドラインに要注意。また、昨日のナスダックやS&Pの下落を受けてシカゴ日経平均先物は前日の日経平均終値比99円安の37,770円で取引を終えており、日経平均平均株価が8日続落となればクロス円を含めて再び円買い圧力が高まる可能性があり、株式市場の動向に加え、FRBの金融政策に影響を及ぼす米6月PCEコアデフレーターの結果と反応と合わせて注目。また、ユーロドルも1.0840㌦台を軸にした小幅な値動きから200日移動平均線(1.0816㌦)を下回るか、あるいは日足・転換線(1.0887㌦)を回復するか、上下いずれに放れるか注目されます。

25日の日経平均株価

前日比1,285円34銭安(-3.28%)の37,869円51銭と7日続落し、下落幅は英国のEU離脱の是非を問う国民投票で離脱派の勝利が確定した2016年6月24日(1,286円安)以来、下落率は21年6月21日(3.29%安)以来の記録的な下落となりました。前日のNY株式市場でナスダックが3.64%安で取引を終えたことを受けて朝方から値がさハイテク関連株を中心に売りが先行。さらに、来週の日銀金融政策決定会合での利上げ観測を背景に連日で続く急激な円高進行も嫌気されプライム市場の8割の銘柄が下落。そのため、取引終盤に1,329円27銭安の37,825円58銭まで下げ幅を拡大するなど軟調な値動きに終始しました。

25日のNY株式市場

NYダウは前日比81.20㌦高(+0.20%)の39,935.07㌦と反発した一方、ナスダックは160.69Pts安(-0.93%)の17,181.72Ptsと続落したほかS&Pも27.91㌦安(-0.51%)の5,399.22㌦と続落しました。3指数ともに大幅安で取引を終えました。米4-6月期GDPが市場予想を上回り、米経済のソフトランディングへの期待が高まったことからNYダウは584.95㌦高の40,438.82㌦まで反発したものの、一時202.05Pts高まで反発したナスダックは米長期金利の上昇が嫌気されエヌビディアやマイクロソフトが下落するなど26日発表の6月PCEコアデフレーターを見極めたいとして伸び悩みナスダックやS&Pが続落して取引を終えたことからNYダウも上げ幅を大幅に縮小して取引を終えました。こうした中、シカゴ日経平均先物(9月限/円建)は前日比345円安の37,770円と25日の日経平均株価(37,869円51銭)と比べ99円安で取引を終えました。






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