デイリーレポート
2024年10月10日(木)
9日の外為市場
概況
ドル円は午前9時半過ぎの148円01銭を安値に、①前日8日に米10年債利回りが4.05%台へ上昇下ことを受けて日米金利差が容易に縮小し難いとの観測 ②中東情勢を巡る不透明感を背景にしたドル買い観測 ③中国当局が12日に財政政策について会見を開くと示したこと ④米長期金利が高止まりし、低調な米10年債入札や9月FOMC議事要旨を経て10年債利回りが4.07%台へ上昇したこと ⑤NYダウが取引終盤にかけて上げ幅を拡大しS&Pとともに史上最高値を更新したことから149円36銭へ上昇し149円31銭で取引を終えました。一方、ユーロドルは連日、109㌦台半ばから後半での動きを続けていたものの、朝方の1.0981㌦を高値に米10年債利回りが4.07%台へ上昇したことから8月13日以来の1.0936㌦まで下落し1.0939㌦で取引を終えました。
ドル円
始値:148円20銭 /高値:149円36銭 /安値:148円01銭 /終値:149円31銭
午前9時半過ぎの148円01銭を安値に前日8日の海外市場で米10年債利回りが2ヵ月ぶりの高水準をつける場面があり、日米金利差の拡大基調が続くとの見方が下値をサポート。さらに、中国当局の藍仏安財政相が12日に「財政政策の調整強化や、質の高い経済発展の促進」について会見を開く見通しとの報道が伝わり、中国の財政政策への期待から、18時にかけて148円75銭へ上昇。ただ、10日の米消費者物価指数の発表を控え、149円台回復を前に伸び悩んだものの148円50銭までの反落に留まる堅調地合いを続け、欧州主要株価指数の上昇やNYダウが取引開始直後の87.02㌦安からプラスに転換し、上げ幅を拡大したこと、さらに米長期金利の高止まりを背景に深夜2時前に149円30銭へ上昇。その後の米10年債入札が低調に終わったほか、0.5%の利上げを決めた9月FOMCの議事要旨で数人の委員が0.25%の利下げを支持するなど今後も含めて利下げ幅を巡って意見が交錯したことが明らかになる中、米10年債利回りが4.07%台へ上昇する中でもNYダウやS&Pが取引終盤にかけて上げ幅を拡大したリスク選好を背景に149円36銭まで上伸し149円31銭で取引を終えました。
ユーロドル
始値:1.0980/高値:1.0981 /安値:1.0936/ 終値:1.0939
午前8時の1.0981㌦を高値に上値の重さが嫌気され14時前にかけて1.0962㌦へ下落したものの、中国当局が財政政策について12日に会見を開くとの報道で1.0976㌦へ反発したものの、上海株が11日ぶりに反落し6.6%安で取引を終えたことから16時過ぎに1.0951㌦へ下落。しかし、8月15日と今月4日及び9日の安値1.0950/51㌦の支持線域の堅さを確認したことで19時過ぎに1.0970㌦へ反発。ただ、米10年債利回りが高止まりを続け、低調な米10年債入札や9月FOMC議事要旨を受けて4.07%台へ上昇したことから深夜3時過ぎに1.0950㌦を割り込み1.0936㌦へ下落。一方、日足・雲の下限(1.0934㌦)を前に下げ止まったものの上値の重い値動きを続け1.0939㌦で取引を終えました。
豪ドル円
始値:100円00銭 /高値:100円41銭 /安値:99円70銭 /終値:100円34銭
午前9時過ぎの99円72銭を安値にNZ中銀が予想通り0.50%の利下げを決めたほか、追加利下げを示唆したことを受けた対NZドルに対する豪ドル買いにサポートされ99円10銭へ反発した一方、米国の大幅利下げ観測の後退や中国の景気の先行き不透明感、さらに中東の地政学リスクを背景に対ドルでの下落を受けて99円71銭へ反落。ただ、中国当局が12日に財政政策について会見を開くとの報道を好感し14時過ぎに100円41銭へ反発したものの、上海株が11日ぶりに反落し6.6%安で取引を終えたことが嫌気され16時過ぎに99円70銭へ反落。ただ、米長期金利の高止まりを背景にドル円が149円台前半へ上昇した深夜1時前に100円40銭へ上伸したものの、東京市場での100円41銭を更新できず、対ドルで下落したことが上値抑制につながり100円34銭で取引を終えました。
ポンドドル
始値:1.3104 /高値:1.3106 /安値:1.3056 /終値:1.3071
朝方の1.3106㌦高値に14時前に1.3081㌦へ下落した後、中国当局が財政政策について12日に会見を開くとの報道を好感し1.3101㌦へ反発したものの、上海株が11日ぶりに反落し6.6%安で取引を終えたことが嫌気され16時過ぎに1.3056㌦へ下落。ただ、日足・雲の上限(1.3069㌦)を下値支持線として20時過ぎに1.3095㌦へ反発したものの、米10年債利回りが高止まりしたことから1.3100㌦を回復できない上値の重い動きを継続。さらに、低調な米10年債入札や9月FOMC議事要旨を受けて米10年債利回りが4.07%台へ上昇したことから明け方5時過ぎに1.3060㌦へ下落し1.3071㌦で取引を終えました。
本日10日の注目ポイント
9日のNYダウやS&Pが史上最高値を更新して取引を終えたほか、シカゴ日経平均先物も9日の終値と比べ388円高となったことから、日経平均株価の上昇が期待されリスク選好を背景に149円台半ばを試す可能性も含め堅調な動きが予想されます。また、先週末4日発表の米9月雇用統計を受けて11月FOMCで0.25%の利下げ確率は約70%、現状維持が約30%、0.5%の利下げ確率は0%で推移するなど米10年債利回りが上昇を続ける中、本日発表される米9月消費者物価指数を受けて、こうした利下げ幅を巡る観測に変化が見られ、ドル円は150円を意識する水準まで上昇するか、本邦通貨当局からの円安牽制への警戒も含めて注目されます。一方、ユーロドルは日足・雲の下限(1.0934㌦)を下抜ければ三役逆転となるだけに1.0900㌦割れを目指して一段安となるか注目されます。
9日の日経平均株価
前日比340円42銭高(+0.87%)の39,277円96銭へ反発しました。前日のNY株式市場の主要3指数が揃って反発刷る中、ナスダックが1.45%高となったことを好感し半導体関連株を中心に買われたほか、ドル円が円安基調を維持したことも好感され取引開始直後に518円74銭高の39,456円28銭まで上昇。しかし、買い一巡後は戻り待ちの売りが上値を抑制。ただ、14時前に中国当局が12日に財政政策に関する会見を開く見通しと報じられ、中国関連株を中心に買われ底堅く推移したものの上海株が11日ぶりに下落したことから伸び悩んだものの堅調な動きを維持したまま取引を終えました。
9日のNY株式市場
NYダウは431.63㌦高(+1.03%)の42,512.00㌦、また、ナスダックも108.70Pts高(+0.60%)の18,291.62Pts、また、S&Pも40.91㌦高(+0.71%)の5,792.04㌦と3指数ともに続伸し、NYダウとS&Pは史上最高値を更新して取引を終えました。米10年債利回りが4.07%台へ上昇したほか、中東情勢を巡る地政学リスクが意識されながらもNY原油先物価格が続落したこと、FRBが公表した9月FOMC議事要旨で利下げ継続姿勢が確認されたことを好感し、NYダウは取引終盤にかけて481.64㌦高の42,562.01㌦まで上げ幅を拡大し、この日の高値圏で取引を終えました。一方、ナスダックはアマゾンやアップルが上昇を牽引した一方、アルファベットはグーグルの事業分割を巡る懸念から下落したことや前日の大幅高の反動もあり、0.60%高の上昇に留まりました。こうした中、シカゴ日経平均先物(12月限/円建)は前日比290円高の39,665円と9日の日経平均株価(39,277円96銭)と比べ388円高で取引を終えました。
提供:SBIリクイディティ・マーケット株式会社
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