米雇用統計特別レポート

掲載日:2020年03月30日

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2020年3月米雇用統計(4月3日発表)直前レポート

10月 11月 12月 1月 2月 3月
(予想)
非農業部門就業者数(万人) 15.2万人 26.1万人 18.4万人 27.3万人 27.3万人 ‐10.0万人
失業率(%) 3.6% 3.5% 3.5% 3.6% 3.5% 3.8%
時間給賃金(前月比) 0.4% 0.3% 0.1% 0.2% 0.3% 0.2%
時間制給賃金(前年比) 3.2% 3.1% 3.0% 3.1% 3.0% 3.0%

米2月雇用統計の総括

労働市場の堅調持続が確認されたほか、賃金上昇にも懸念は見られず

・直近3ヵ月の就業者数の平均が前月(23.9万人増)から24.3万人増へ増加

・就業者数が予想比上振れ 1月(4.8万人上方修正)12月(3.7万人上方修正)

・ヘルスケア5.7万人増 レストラン・外食 5.3万人増 政府系4.5万人増

・小売り5千人減  輸送 7千人減 の中、民間部門の就業者数は22.8万人増

・時間給賃金は前月から改善、週平均労働時間も前月34.3時間から34.4時間へ増加したことで個人消費減少への懸念はみられず、但し、ウィルス感染前の統計であり為替、株式、債券市場への影響は限定的

米3月雇用統計の注目点

欧州以上に米国でのウィルス感染拡大に沈静化の動きが一向に見られない中、先週発表されたの米新規失業保険申請件数が328.3万件とリーマンショック後を上回る過去最大の急増となりました。今後も全米各州での人やモノの移動制限の長期化が予想される中、さらなる失業保険申請件数の増加が予想されるだけに今週も4月2日に発表される新規失業保険申請件数も315.0万件と高止まりすると予想されています。こうした中、今週末3日に発表される米3月雇用統計では2009年10月以来となる就業者の減少(10.0万人減)が予想されるなど、これまで米国経済の堅調を支えてきた労働市場に明らかな変調が確認されることになれば、今後発表される米国の主要な指標の悪化が当面続くとの思惑を高めると予想され、株安・円高といったリスク回避の動きが本格化し、ドル円は105円台への下落の可能性も含め、急激な円高進行に注意が必要です。ドル円は日足・基準線(106円44銭)や直近の高値・安値の半値(106円44銭=3/9の101円18銭と3/24の111円71銭)を当面の下値として下げ止まるか更なる円高の進行につながり、新たな下値模索の契機になるかもしれません。

米非農業部門就業者数(万人) 失業率(%)

米非農業部門就業者数(万人) 失業率(%)

米時間給賃金 前年比(%) 前月比(%)

米時間給賃金 前年比(%) 前月比(%)

前月2月雇用統計を前後してのドル円の反応

雇用統計を前後してのドル円の反応

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