米雇用統計特別レポート
掲載日:2019年10月28日
2019年10月米雇用統計(11月1日発表)直前レポート
5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 (予想) |
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非農業部門就業者数(万人) | 6.2万人 | 17.8万人 | 16.6万人 | 16.8万人 | 13.6万人 | 9.0万人 |
失業率(%) | 3.6% | 3.7% | 3.7% | 3.7% | 3.5% | 3.6% |
時間給賃金(前月比) | 0.3% | 0.2% | 0.3% | 0.4% | 0.0% | 0.3% |
時間制給賃金(前年比) | 3.1% | 3.1% | 3.3% | 3.2% | 2.9% | 3.0% |
前回9月雇用統計のポイント
米労働市場に対する過度な悲観が後退した一方、時間給賃金の鈍化が懸念
・就業者数は13.6万人増、8月(速報値+3.8万人)7月(+0.7万人)上方修正
・ヘルスケアが4.14万人増、輸送・倉庫が1.57万人増、一方小売りは1.14万人減
・失業率は3.5%と1969年12月以来、50年ぶりの低水準へ改善
・労働参加率は63.2%と前月と変わらず、失業率改善により就業率の上昇を確認
・正規雇用を望む広義の失業率(U6)も2000年12月以来の6.9%へ改善
失業率は50年ぶりの低水準ながら時間給賃金が鈍化、低インフレ継続を示唆?
・失業率は1969年12月以来50年ぶりの低水準となる3.5%へ改善
・時間給賃金は前月比横ばい、前年比2.9%と鈍化
・失業率の低下は物価や賃金の上昇につながるとの経済理論が通用せず
・高い賃金を目指し自発的の離職する高所得者層と、単純労働に従事する低所得者層との格差が拡大?との推測
⇒25歳以上の高校卒業以下の労働者の失業率は5.4%から4.8%へ大幅に改善
高校卒以上大卒以下の失業率は7月以降3ヵ月連続で3.6%と変わらず
大卒以上の失業率も3.1%から2.9%への小幅な改善
学士以上の高学歴労働者の失業率は2.1%から2.0%へこちらも小幅な改善
・対前年比インフレ率はFRBの掲げる2.0%目標を下回る状況を継続
米10月雇用統計の注目点
米中通商交渉を巡る不透明感を背景に米8月ISM製造業景況指数が3年ぶりに好不況の節目とされる50.0を下回る49.1へ低下。9月もさらに低下の47.8。雇用統計発表後に発表される10月ISM製造業景況指数も(予想:48.8)も3カ月連続で50.0割れへ低下されると予想されることから米国経済の先行き減速への懸念が増幅される可能性があります。10月雇用統計では低失業率は維持すると見られるものの就業者数が今年5月(6.2万人増)以来の10万人割れとの予想も聞かれます。また、ISM製造業、非製造業PMIの低下を反映するように民間部門では製造業のみならずサービス業でも就業者数の鈍化が見られており、雇用統計と合わせた米国の景気減速が想定以上に懸念される状況に陥っているとの警戒感につながらないか注目されます。
米ISM製造業景況指数
米非農業部門就業者数(万人) 失業率(%)
米時間給賃金 前年比(%) 前月比(%)
前月9月雇用統計発表時のドル円の15分足チャート
提供:SBIリクイディティ・マーケット株式会社
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