米雇用統計特別レポート
掲載日:2020年08月03日
2020年7月米雇用統計(8月7日発表)直前レポート
2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 (予想) |
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非農業部門就業者数(万人) | 23.0万人 | ‐137.3万人 | ‐2078.7万人 | 269.9万人 | 480.0万人 | 157.8万人 |
失業率(%) | 3.5% | 4.4% | 14.7% | 13.3% | 11.1% | 10.5% |
時間給賃金(前月比) | 0.3% | 0.5% | 4.7% | -1.0% | -1.2% | -0.5% |
時間制給賃金(前年比) | 3.0% | 3.3% | 8.0% | 6.6% | 5.0% | 4.2% |
米6月雇用統計の総括
・6月の就業者数は480万人増と5月(269.9万人増)から増加したほか、失業率も5月の13.3%から11.1%へ改善。一方で就業者数は感染前2月と比べ1470.0万人も少ない状況が続き、労働市場の改善は道半ばとの懸念も。
・6月の雇用統計の発表は米独立記念日の休場の影響から同時に新規失業保険申請件数も発表されました。申請件数は142.7万件と高水準が継続し、7月1日までの週に飲食店、小売店など小規模事業者に雇用されている時給制従業員も減少するなど労働市場の先行きに不透明感を払拭するには至らない状況を継続。
・低賃金労働者の労働市場への回帰により全体的な平均時給は前月から低下。時間給賃金は4月の30.03㌦、5月の29.72㌦から6月は29.37㌦へ低下。黒人やヒスパニック系、さらには低学歴者の失業率も低下するなど個人消費への影響が懸念。
米7月雇用統計の注目点
フロリダ州、カリフォルニア州、テキサス州など全米で感染第2波への懸念が囁かれ、一部レストランなどでの店内飲食が再び閉鎖されるなどサービス業の雇用回復への懸念が再燃。求人検索サイトに掲載された求人件数は2月時点と比べ60%も減少している状況です。こうした求人が一段と減少する可能性もあり、感染の影響が予想以上に長期化していることで事業計画の見直しや設備投資計画も縮小せざる得ない状況も聞かれるなど、労働市場の回復への期待が後退しつつあります。先週のFOMCの声明でも「雇用はある程度持ち直している」としながらも、「年初の水準を大きく下回っている」との認識を示しました。さらに「経済の今後の道筋は、感染状況に左右される」という文言が追加されました。OECDが所得階層を4段階に分けて働き方の変化を調査したところ高所得層では86%が在宅や従来と変わらずの環境で従事し、仕事を辞めた人は僅か14%に留まりました。一方、低所得層では30%の人が仕事を辞めています。
今回の雇用統計でサービス業を中心に低所得層の失業が増加している可能性もあるほか、労働市場の回復の遅れが懸念される状況となるかもしれません。失業給付特別加算金(週当たり600ドル)が7月31日で期限切れをなり、週明け3日も協議が継続される見通しです。感染者拡大の中で失業者の増加や時間給賃金の伸びの鈍化などとなれば米GDPの7割を占める個人消費への影響も免れないだけにリスク回避のドル売り・円買いが再燃する可能性もあり注意が必要です。
米非農業部門就業者数(万人)
米 失業率(%)
米時間給賃金 前年比(%) 前月比(%)
前月6月雇用統計を前後してのドル円の反応
提供:SBIリクイディティ・マーケット株式会社
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