米雇用統計特別レポート
掲載日:2019年04月01日
2019年3月米雇用統計(4月5日発表)直前レポート
10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 (予想) |
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非農業部門就業者数(万人) | 27.7 | 19.6 | 22.7 | 31.1 | 2.0 | 17.5 |
失業率(%) | 3.8 | 3.7% | 3.9% | 4.0% | 3.8% | 3.8% |
時間給賃金(前月比) | 0.2% | 0.3% | 0.4% | 0.1% | 0.4% | 0.3% |
時間制給賃金(前年比) | 3.3% | 3.3% | 3.3% | 3.1% | 3.4% | 3.4% |
今週末の米2月雇用統計の注目点、その前に・・・
① 前回2月雇用統計のポイント
・就業者数は2.0万人増と2017年9月(1.8万人増)以来の低い伸び
・建設業が3.1万人減、レジャー産業が0.0万人と厳冬など悪天候の影響との見方も
・対前年比時間給賃金は+3.4%と2009年4月以来の高い上昇率を記録
・12月下旬から1月半ばにかけての政府系機関の閉鎖などが影響した可能性
・直近の失業率は1月の4.0%をピークに4.0%割れを継続
②時間給賃金の上昇もインフレ上昇につながらず
米時間給賃金と消費者物価指数 コア(前年比/%)
米2月消費者物価指数(前年比/%)
前月2月雇用統計で対前年比時間給賃金が+3.4%、対前月比でも+0.4%と上昇したにもかかわらず,翌週3月12日に発表された米2月消費者物価指数は予想を下回り前年比+1.5% 食料品とエネルギー価格を除いたコア指数は前年比+2.1%といずれも前月から低下しました。すなわち、雇用統計での時間給賃金の上昇が物価上昇につながっていないことが明らかになったことで米FRBの金融政策はインフレ防止など、利上げする正当な理由を失ったことになり、当面の間、FRBの政策金利は据え置かれるとの見通しを強めることになりそうです。
今週末の米3月雇用統計の注目点
・就業者数は前月の2.0万人増の反動から17.5万人増へ改善の予想
・2月雇用統計の就業者数の鈍化が一時的な動きと確認できるか注目
・時間給賃金の上昇基調が継続するか、いずれインフレ率上昇につながるか期待?
・長短金利差の解消を継続し、先週の金利差逆転は一時的との認識となるか注目
・FRBの年内利上げ観測を繋ぎとめることが出来るか注目
米非農業部門就業者数(万人) 失業率(%)
米時間給賃金 前年比(%) 前月比(%)
前回2月雇用統計の発表を前後にしたドル円の15分足チャート
提供:SBIリクイディティ・マーケット株式会社
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