米雇用統計特別レポート

掲載日:2020年06月01日

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2020年5月米雇用統計(6月5日発表)直前レポート

12月 1月 2月 3月 4月 5月
(予想)
非農業部門就業者数(万人) 18.4万人 21.4万人 23.0万人 ‐87.0万人 ‐2050万人 ‐800万人
失業率(%) 3.5% 3.6% 3.5% 4.4% 14.7% 19.6%
時間給賃金(前月比) 0.1% 0.2% 0.3% 0.5% 4.7% 0.9%
時間制給賃金(前年比) 3.0% 3.1% 3.0% 3.3% 7.9% 8.5%

米4月雇用統計の総括

サービス業でのレイオフが急拡大

・米就業者数は統計開始以来最大の減少となる2,050万人減、製造業で235.5万人減少、非製造業で1,716.5万人減

・1,800万人あまりが一時的レイオフ、一時的でない失業者数は250万人程度と楽観的見方も

・低賃金労働者の失業が増加したことが全体的な時間給賃金の上昇に寄与。テレワークが難しい建設業やレジャー・娯楽産業従事者の失業者が増加

・トランプ政権による中小企業向け給与保障プログラムを通じた失業給付金拡充に対する安心感も労働市場に対する悲観ムードを緩和

米5月雇用統計の注目点

5月の雇用統計、失業率予想は19.6%と4月の14.7%から大幅に悪化すると予想される一方、就業者数は4月の2,050万人減から経済活動の再開により800万人減への改善が見込まれています。4月の雇用統計で見られた一時的レイオフや一時的でない失業者数がどの程度改善しているか注目されます。4月の小売売上高や4月の個人消費支出が過去最大の下落率まで低下するなど、労働市場の悪化がGDPの約7割を占める個人消費に影響が及んでおり、4-6月期GDPを占う上でサービス業を中心にどの程度、雇用の改善が見られるか注目されます。さらに、4月、5月の雇用統計で米労働市場は大底を打ったという安心感が見られるか注目されます。米10年債利回りは0.6%台を中心に低位安定した水準で推移している中、労働市場及び米国経済の底入れから回復に向かう道筋を描くことができるきっかけになるか、今回5月の雇用統計が注目されます。さらに、ドル円は直近2週間余り、107円台を中心にした小動きを続けており、107円台前半から1088円台前半での推移している流れに終止符を打ち、上下いずれかに振れるきっかけとなるか、為替市場の反応が注目されます。

米非農業部門就業者数(万人)

米非農業部門就業者数(万人)

米 失業率(%)

米 失業率(%)

米時間給賃金 前年比(%) 前月比(%)

米時間給賃金 前年比(%) 前月比(%)

前月4月雇用統計を前後してのドル円の反応

雇用統計を前後してのドル円の反応

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