米雇用統計特別レポート

掲載日:2019年07月08日

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2019年6月米雇用統計(7月5日発表)結果

前回値 予想 結果
非農業部門就業者数(万人) 7.5万人⇒7.2万人 16.0万人増 22.4万人
失業率(%) 3.6% 3.6% 3.7%
時間給賃金(前月比) 0.2%⇒0.3% 0.3% 0.2%
時間制給賃金(前年比) 3.1% 3.2% 3.1%

① 6月雇用統計のポイント

・就業者数は22.4万人増 1-6月月平均は17.2万人増、前年同期は22.3万人増

・失業率は3.7%と前月から悪化も労働参加率(62.8%⇒62.9%)の上昇で説明可能

・景気に影響されない教育・ヘルスケアも6.1万増(前月2.8万増)と回復

・会計士、弁護士など専門職雇用が5.1万増(前月:2.4万人増)と前月から改善

・内需に関係深い民間サービス部門雇用は前月7.2万人増から15.4万人増へ改善

米非農業部門就業者数(万人) 失業率(%)

② 今回の雇用統計を受けてFRBの金融政策は?

前月の雇用統計の就業者数(速報値:7.5万人増)を受けて7月30-31日のFOMCで0.50%の利下げ観測が台頭したものの、今回、就業者数の22.4万人増への改善を受けて米国経済の回復力の強さが示されたとの見方も聞かれ、今月のFOMCでは少なくとも0.50%の利下げ観測は後退しました。一方、時間給賃金は前月比+0.2%、前年比+3.1%と市場予想をそれぞれ0.1%下回ったことで、低インフレに対する予防的利下げ(0.25%)は依然、残ることから今週10-11日のパウエルFRB議長による上下両院での議会証言の内容が注目されます。

米時間給賃金 前年比(%) 前月比(%)

③ あらためて、今後の米経済指標に注目

先週1日発表の米6月IMS製造業景況指数は2016年10月以来の低水準へ低下したほか、6月製造業PMIも2016年2月以来の低水準を記録するなど米製造業の景況感の鈍化傾向が続いており、年内利下げ観測の根拠の一つとなっています。

米ISM製造業景況指数

こうした中で、今週11日発表の6月消費者物価指数、来週16日の6月小売売上高や6月鉱工業生産、さらには7月26日の4-6月期GDP速報値などの米経済指標を見極めた上で利下げの必要性が議論されると思われるだけに、今後の米経済指標が注目されます。

提供:SBIリクイディティ・マーケット株式会社

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