米雇用統計特別レポート

掲載日:2020年02月03日

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2020年1月米雇用統計(2月7日発表)直前レポート

8月 9月 10月 11月 12月 1月
(予想)
非農業部門就業者数(万人) 21.9万人 19.3万人 15.2万人 25.6万人 14.5万人 16.0万人
失業率(%) 3.7% 3.5% 3.6% 3.5% 3.5% 3.5%
時間給賃金(前月比) 0.4% 0.0% 0.4% 0.3% 0.1% 0.3%
時間制給賃金(前年比) 3.2% 3.0% 3.2% 3.1% 2.9% 3.0%

米12月雇用統計の総括

・就業者数は11月(25.6万人)から14.5万人へ5月以来の低水準へ伸びが鈍化

・製造業の就業者数が11月(5.8万人増)から1.2万人減へ減少

・米中通商交渉、12月に制裁関税の棚上げで合意したものの改善につながらず

・時間給賃金$28.32 (11月:$28.29 10月:$28.20  18年12月:$27.53)

・時間給賃金の伸びが鈍化、個人消費への影響が懸念される状況に

・時間給賃金は前年比+2.9%と2018年9月以来の3.0%割れへ鈍化

・10年ぶりに女性の就業者数が男性を上回るなどサービス業の雇用拡大を象徴

米1月雇用統計の注目点

新型ウィルスの米経済への影響が懸念される中、雇用統計への反応は限定的か?

1月10日発表の米12月雇用統計を前に、1月8日にイランと米国との緊張の高まりを背景に一時107円65銭へ下落した直後に、トランプ大統領がイランとの交戦を望んでいないとする発言を行ったこともあり、109円台半ばまで回復して迎えた雇用統計となり、結果を受けたドル円は109円49銭から109円69銭の限られた反応に留まりました。今回、2月7日発表の米1月雇用統計を前に新型コロナウィルスの感染拡大に終息の兆しが見えない状況が続いており、雇用統計発表を前に3日から再開される上海株が7日までに底打ちが見られるか注目されます。さらに、先週1月30日に発表された米10-2月期GDP速報値の内訳で個人消費支出(コア)が7-9月期の前期比+2.10%から+1.3%へ大幅に低下。米GDPの約7割りを占める個人消費支出が今後一段と低下するか、注目される中、今回の雇用統計では時間給賃金が前月で一旦の底打ちとなり、再び上昇基調に転じることができるか注目されます。ただでさえ、新型コロナウィルスの影響で米国では、公衆衛生上の緊急事態宣言を発動するとともに、米航空3社が中国行きの直行便を運休とすると、リスク回避の動きが加速。米国の個人消費や企業活動への影響が懸念されるだけに、低失業率の継続など堅調な米労働市場を確認するとともに、個人消費を支援する時間給賃金や労働時間を含めた賃金の鈍化に歯止めがかかるか、今回の雇用統計の注目点の一つとなりそうです。

米非農業部門就業者数(万人) 失業率(%)

米非農業部門就業者数(万人) 失業率(%)

米時間給賃金 前年比(%) 前月比(%)

米時間給賃金 前年比(%) 前月比(%)

前月12月雇用統計を前後してのドル円の反応

雇用統計を前後してのドル円の反応

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