米雇用統計特別レポート
掲載日:2020年04月07日
2020年3月米雇用統計(4月3日発表)結果
前回値 | 予想 | 結果 | |
---|---|---|---|
非農業部門就業者数(万人) | 27.5万人 | -10.0万人 | -70.1万人 |
失業率(%) | 3.5% | 3.8% | 4.4% |
時間給賃金(前月比) | 0.3% | 0.2% | 0.4% |
時間制給賃金(前年比) | 3.0% | 3.0% | 3.1% |
米3月雇用統計の総括
2009年10月以来の就業者数の減少に転換
・就業者数は2009年10月以来の減少に転じ、予想(10.0万人減)以上の70.1万人減
・70.1万人減(製造業:5.4万人減、サービス業:65.9万人減)は2009年3月以来の減少幅
・レジャー、接客関連の雇用が45.9万人減と全体の約65%を占めるなど大きな影響
・3月12日に一時閉鎖を決めたディズニー関連施設やブロードウェイの閉鎖が影響?
・失業率は2017年8月以来の水準へ悪化した一方、時間給賃金は28.62㌦へ上昇(前月比+0.4%、前年比+3.1%)へ増加、非熟練など低賃金労働者の失業が加速した可能性
・週労働時間は2月(34.4時間)から34.2時間へ縮小
・労働参加率(62.7%)は2018年8月以来の低水準
4月以降の雇用統計は・・・?
今回の雇用統計の調査は3月12日週のデータを基に集計されたものであることやウィルス感染拡大に収束のメドが立たず、全米で約40州が外出制限などの規制策を講じており、新規失業保険申請件数が直近2週間(330.7万件、664.8万件)の合計が約1,000万件に達しており、推計総労働人口1.6億人から試算しても失業率は今後一段と悪化することが予想されます。上記にあるようにテレワークが難しい産業の大半をサービス業が占めていること、失業予備軍が相当な数に達していることを考えるとレイオフ(一時的解雇)も含めて、さらに失業者、失業率の増加は否定できません。一方で政府の2兆㌦に及ぶ景気・雇用対策では通常の失業給付に加え、自営業者なども含め毎週600㌦を加算して支給するほか、政府が企業にローンという形でありながらも就業者の給与を2ヶ月分肩代りすることで経営者が失業を踏みとどまる効果が期待されるだけに、ここ2ヵ月あまりでウィルスに対する治療薬やワクチン開発にどの程度の進展が見られるか、こうした点を合わせてウィルス感染拡大がいつの時点で拡大から減少へ転じる兆候を確認することが出来るか注目されます。
米非農業部門就業者数(万人) 失業率(%)
米時間給賃金 前年比(%) 前月比(%)
雇用統計を前後してのドル円の反応
提供:SBIリクイディティ・マーケット株式会社
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