米雇用統計特別レポート
掲載日:2020年08月31日
2020年8月米雇用統計(9月4日発表)直前レポート
3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月予想 (予想) |
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非農業部門就業者数(万人) | ‐137.3万人 | ‐2078.7万人 | 272.5万人 | 479.1万人 | 176.3万人 | 140.0万人 |
失業率(%) | 4.4% | 14.7% | 13.3% | 11.1% | 10.2% | 9.8% |
時間給賃金(前月比) | 0.5% | 4.7% | -1.0% | -1.3% | 0.2% | 0.1% |
時間制給賃金(前年比) | 3.3% | 8.0% | 6.6% | 4.9% | 4.8% | 4.5% |
米7月雇用統計の総括
就業者数は176.3万人増と6月(479.1万人増)から鈍化したものの、予想(158.0万 人増)を上回ったことに加え、失業率も10.2%と3カ月連続で改善。また、政府系機関 の雇用増が製造業、サービス業の雇用鈍化を補填、飲食関連など感染拡大の影響が 顕著に。さらに感染前の2月の雇用者数を1,300万人近く下回る状況にあり、雇用回 復は道半ばの状況にあることを確認する結果となりました。
米8月雇用統計の注目点
失業給付特別加算金(週当たり600ドル)が7月末で期限切れとなったことが労働参加率を高めることにつながった可能性がある一方、感染の影響による飲食関連を中心にした雇用調整がどの程度進んだか注目。また、8月の消費者信頼感指数やフィラデルフィアおよびNY連銀製造業指数がいずれも7月から鈍化したほか、新規失業保険申請件数も高止まりの状況が続いていることも就業者数の伸び悩む状況を示唆しており懸念材料となるかもしれません。
今回の雇用統計でサービス業を中心に低所得層の失業が増加している可能性もあるほか、労働市場の回復の遅れが懸念される状況となるかもしれません。失業給付特別加算金(週当たり600ドル)が7月31日で期限切れをなり、週明け3日も協議が継続される見通しです。感染者拡大の中で失業者の増加や時間給賃金の伸びの鈍化などとなれば米GDPの7割を占める個人消費への影響も免れないだけにリスク回避のドル売り・円買いが再燃する可能性もあり注意が必要です。
米新規失業保険申請件数(万件)
一方、先週の講演でパウエルFRB議長はインフレは期間「平均」で2%を達成する、いわゆるアベレージ・インフレの導入を決定したと発言。アベレージ・インフレの導入により、従来の固定された物価目標ではなくなり、FRBは金利を何年もゼロ近辺に据え置くことを明確に示す可能性もあるとの観測も聞かれました。また、その結果として長期的なインフレ期待を高めることにつながるといった解釈も聞かれ米長期金利が上昇。さらに、市場は議長が既に「政策の変更」に取り組んでいると発言したことで、9月FOMCで新たな緩和策が示される可能性が後退したと捉えました。今回の雇用統計が追加緩和策の必要性につながるほど悪化するか、先週の発言を裏付けるか注目されます。
米非農業部門就業者数(万人)
米 失業率(%)
米時間給賃金 前年比(%) 前月比(%)
前月6月雇用統計を前後してのドル円の反応
提供:SBIリクイディティ・マーケット株式会社
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