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本日の注目通貨トピックス




◆USDJPY

4月雇用統計の非農業部門雇用者数は前月比+26.6万人となり、市場予想(100万人前後)を大幅に下回る冴えない結果となりました。全体の就業者数を見ても感染拡大前の水準を依然として820万人ほど下回っています。また、失業率は前月比+0.1%の6.1%と12ヶ月ぶりに悪化しました。雇用統計の結果を受けて1.56%台で推移していた米10年国債利回りは3月4日以来となる1.470%台へ急低下したことから、ドル円も4月27日以来の108円34銭まで下落する場面が見られました。一方、季節調整前の数値では就業者数はおよそ110万人増加しており、一部のアナリストからは4月の結果を額面通りに受け止めるべきではないとの見方も聞かれます。こうした動きもあり、米10年債利回りはNY市場終盤にかけて雇用統計発表前の水準を回復するなど、4月の雇用統計は好調な景気回復の中での一過性の下振れと市場が受け止めていることを示唆しているのかもしれません。しかし、ドル円は雇用統計発表前の水準には届かず、108円34銭へ下落後の反発も108円88銭まで反発したものの、NY市場中盤から終盤にかけて108円50-60銭台をコアレンジとして、上値の重さが意識されたまま108円58銭で先週末の取引を終えました。

今回の雇用統計が市場予想を大幅に下回った要因として①感染による自宅での食事機会が増えたことに対応し、スーパーマーケットなどの雇用者数はワクチン接種が進む中、外食機会の増加に伴い削減されたこと ②食事や野菜などの宅配業者も雇用者数の削減に追い込まれたこと ③ワクチン接種の状況を踏まえ、正規雇用者を削減し人材派遣での対応に切り替えていた業種でも、接種の拡大により人材派遣の雇用を削減した業種も見られたこと ④半導体不足による一時帰休に追い込まれたサプライチェーン関連業種への影響 ⑤雇用環境の改善により求人の選択肢が広がったこと ⑥保育施設の改善が進まず、子供を預ける場所がないことで離職状態にある女性従業員などが考えられます。

米国でのワクチン接種の加速による経済活動正常化への楽観的な見通しを踏まえれば、労働市場の先行きに対する期待値を下げる必要はないとの見方も聞かれています。単に季節調整の影響に過ぎなかったのか、そうした意味では5月の雇用統計が2ヵ月連続で期待外れとなるまでは、過度な悲観も必要ないのかもしれませんが、仮に5月の雇用統計で4月分の上方修正もなく、5月の数値も予想を大幅に下回る結果となれば確実にリスク回避のドル売りが本格化することにつながることになりそうです。そうした観点からも今週14日発表の米4月小売売上高が予想を上回るか、ドル円の方向性を左右する上で注目されます。

さらにバイデン大統領は、インフラ整備や育児、教育などに何兆ドルもの予算を投じる計画を明らかにしたが、共和党との共通認識を見出すことができるか注目されます。バイデン大統領は12日にペロシ下院議長(民主)、マッカーシー下院院内総務(共和)、シューマー上院院内総務(民主)、マコネル上院院内総務(共和)らと巨額の景気対策法案を巡り協議を行うほか、13日には5,680億ドルのインフラ整備計画を提案しているカピト上院議員(共和)や共和党上院議員グループとホワイトハウスで会談する予定です。会談を経て民主・共和両党が最終的に妥協点を見出すことができれば議会下院でのインフラ関連法案の採決を7月4日に行うことを目指しているだけに注目されます。

週明けの東京市場でドル円は一時108円91銭まで反発しています。(午前11時30分現在)ドル円は日足・基準線(109円11銭)、日足・雲の上限(109円18銭)、さらに雇用統計発表前の高値(109円25銭)を回復することが出来るか上値メドとして注目されます。



◆GBPJPY

① 今年2月4日の安値(142円84銭)と3月24日の安値(148円53銭)を結んだライン①

② 今年4月6日の高値(153円41銭)と4月29日の高値(152円40銭)結んだライン②

③ 昨年12月21日の安値(136円97銭)と4月23日の安値(149円06銭)を結んだライン③

④ 昨年11月11日の高値(140円33銭)を起点にライン③と平行に引いたライン④

ライン②③を下値支持線としてライン①を上抜けライン④を上抜けできるか注目。

先週投開票のスコットランド議会選挙では、独立推進派のスコットランド国民党(SNP)が4期連続で政権を維持することが決定。SNPは英政府に対し独立を巡る新たな住民投票の実施を求める可能性があるものの、関連法案を整備して投票を実施するまでに少なくとも1年は時間が掛かるとして、この問題が直ちにポンド売りにつながる可能性が限定的と見られます。

また、スタージョン党首が喫緊の課題は感染対策にあると表明しており、独立のリスクが先送りされることを考えれば、力強い英国の景気回復、EU離脱関連リスクの大幅な後退に支えられ、年内はポンドの堅調地合いが続くとの見方も。

加えて、英国のコアインフレ率(エネルギー、燃料、アルコール、たばこ除く)の上昇がインフレ率を約1.2%押し上げ、3月の0.7%から年末までに1.9%へ上昇する可能性も。さらに、英中銀はこうした状況を一時的な供給不足が一因にあるとしてインフレ率の上昇を問題視しないと予想されるものの、仮にこうした要因が解消されず、価格上昇が賃金上昇やインフレ期待に影響するようになった場合には、英中銀が対応を迫られる可能性につながることも。

◆目先の注目点

明日12日発表の1-3月期の国内総生産(GDP)は前期比-1.6%と減速が予想されている一方、4-6月期以降、しばらくはマイナス成長に陥ることはないとの見方もポンドの上昇を支援。

英国経済が完全に回復するまでは時間を要す可能性があるものの、4-6月期には大幅な反動増が見込まれるとの見方も。7-9月期、10-12月期は労働市場の回復とEU離脱の影響による輸出減など成長鈍化の影響などに焦点は移る可能性も。



◆TRYJPY

・ 4月15日の高値(13.56円)と4月29日の高値(13.33円)を結んだライン①

①ライン①および20日移動平均線が上値抵抗線として意識され伸び悩んでいるほか、今週に入って以降、日足・転換線および基準線(いずれも13.11円)を下回る値動きを継続。

②4月の消費者物価上昇率は17.14%と3月(16.19%)から上昇。一部からはこの水準で一旦ピークアウトとなり、6月3日に発表される5月消費者物価指数が鈍化することになればトルコ中銀の利下げ圧力が高まるとの見方も聞かれることもトルコ円の上値を抑制する一因と推察。

③商品市況の上昇の影響から鉄スクラップ相場が急騰したほか、銅や植物油の上昇などトルコ5月の卸売物価指数の上昇基調が継続するとともに、消費者物価指数が一段と上昇する可能性も。しかし、そうした場合でも市場ではトルコ中銀が将来的に利下げをすると見ており、先々の利下げの思惑を払拭できない状況から、トルコ円の戻り売り優勢の流れを大きく変えるには至らないとの見方も上値の抑制要因。

5月6日のトルコ中銀政策委員会で政策金利を19.0%に据え置いたほか、声明では物価上昇率を下回る利下げは行わないとしたもののトルコ円の反発も13.15円までに留まりました。
先週末7日の米4月雇用統計が予想を大幅に下振れドルが対主要通貨で売られたほか、豪 ドル円やユーロ円などのクロス円は上昇し、新興国通貨の一角であるランド円も直近の高値を更新。しかし、トルコ円の上昇は限定的となりました。また、昨日発表された3月小売販売や鉱業生産はいずれも市場予想を上回った一方、前日10日発表の3月失業率は13.1%と2月(13.2%)から改善したものの、市場予想(12.7%)までの改善に至らず高止まりの状態が続いています。

目先は5月31日に発表されるトルコ1-3月期GDPや6月3日発表の5月消費者物価指数まで相場を大きく動かす材料に乏しい中、日足・転換線および基準線(いずれも13.11円)やライン①および20日移動平均線を回復し、これらの水準を下値支持線として4月29日の高値(13.33円)や4月15日の高値(13.56円)を回復できるか注目されます。



◆USDPY

・2016年12月15日の高値(118円66銭)と2018年10月4日の高値(114円55銭)を結んだライン①

・2017年4月17日の安値(108円14銭)を起点にライン①と平行に引いたライン②

① 下降チャネルの抵抗線であるライン①を上抜けたほか、200週移動平均線(108円91銭)や週足・転換線(109円22銭)を下値支持線として、これらの水準を維持し、節目となる110円台を回復することができるか注目。

② 3月31日の110円97銭を高値に4月23日には107円48銭へ下落。この高値・安値に対する38.2%(109円64銭)を引値ベースで維持できるか注目。

◆EURJPY

・昨年5月6日の安値(114円41銭)と昨年10月30日の安値(121円62銭)を結んだライン①

・昨年6月5日の高値(124円43銭)を起点にライン①と平行に引いたライン②

① 先週の週足は3週連続の陽線引けとなったほか、5月10日に2018年9月以来の高値となる132円53銭まで上昇後、伸び悩んでいるものの今週もここまで陽線を継続。

② 上昇チャネルの支持線であるライン①や週足・転換線(130円41銭)を維持するなど上昇基調に変化は見られません。さらに、週足・基準線(127円69銭)の上向き基調に変化がないことから2018年9月21日の高値(133円13銭)を回復できるか、さらに2018年2月2日の高値(137円50銭)を目指して一段高となるか注目されます。



◆MXNJPY

昨日のメキシコ中銀政策委員会では、政策金利を2会合連続で全会一致で4.0%に据え置きました。4月の消費者物価指数は2017年12月以来の高水準となる前年比+6.1%と、3月(+4.7%)から加速。しかし、インフレ率の上昇について主にエネルギーコストの増加によるもので、原油価格が1年前の感染流行当初の安値から持ち直したことが影響。インフレ圧力は向こう数カ月で和らぐと予想されているものの、今後も中銀のインフレ目標(2.0%から4.0%)の上限を上回り続ける見通しであり、今後のインフレ次第では中銀が利上げする可能性など先高観がペソをサポート。

・ 3月25日の安値(5.17円)と5月4日の安値(5.37円)を結んだライン①

・ 4月1日の高値(5.45円)を起点に真横に引いたライン②

ライン①および20日移動平均線が下値支持線としてライン②を上抜けてきたことから、今後ライン②を割り込むことがなければ200週移動平均線(5.52円)、さらに昨年3月の高値(5.61円)を目指して一段高となる可能性もあり注目。

◆ZARJPY

・昨年8月10日の安値(5.96円)と昨年9月24日の安値(6.11円)を結んだライン①

・昨年6月10日の高値(6.56円)を起点にライン①と平行に引いたライン②

今週12日に7.80円まで上昇するなどライン② を上回っており、2019年12月の高値(7.82円)を上抜けることが出来るか注目されます。南アでは昨日発表された3月の鉱物生産量も前年比+21.3%と市場予想(+3.85%)を大幅に上回るなど足元で発表されている南アフリカの経済指標の良好な結果が続いています。しかし、11日に一時1ドル=13.9450ランドと2020年1月以来の水準まで上昇しており、高値警戒感から利益確定売りも観測され伸び悩んだものの、堅調地合いを継続しています。同様にランド円も強い買いシグナルとされる三役好転の状況にあり、200週移動平均線(7.56円)のほか、日足・転換線(7.65円)や基準線(7.63円)も下値支持線としてサポートしています。

南アでは来週19日に4月消費者物価指数(予想:前年比+4.3% コア指数:+2.8%)が3月から上振れると予想されています。翌20日の南ア中銀政策委員会では政策金利を現状3.50%に据え置くと見られますが、緩和政策の終了や先々の引締めに前向きな見通しが示されることになればランドは対ドル、対円で一段高となる可能性があるかもしれません。来週に向けて堅調な値動きが予想されるだけに動向が注目されます。

(出所:SBILM)

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