本日の注目通貨トピックス Nov 12

◇南アランド

10月に南アフリカのネオ財務相が富裕者層との癒着疑惑を背景に辞任、その後、元中銀総裁のムボウェニ氏が新たな財務相に就任したものの、10月24日の予算編成方針の発表の席で世界経済のリスクに言及しました。国内でも農業生産が天候不順の影響で干ばつに見舞われた影響からワイン生産に影響が及ぶなど農業部門の4-6月期成長率は前期比年率29.2%のマイナスと1-3月期の2.6%マイナスから大きく低下しました。その他、製造業の不振も続いたことで運輸産業も冴えない結果となり、4-6月期GDPが前期比年率-0.7%と1-3月期の前期比-2.6%に続き2四半期連続でマイナス成長となりました。

さらにムボウェニ財務相は予算方針で今年2018年の成長率見通しを+0.7%へ大きく下方修正、さらに2018年度の財政赤字もGDP比4.0%と2月時点の3.6%から拡大するとしたほか、2021年度までGDP比4.0%台の赤字が続く見通しを明らかにしました。

そもそも今年2月までのズマ大統領政権下では汚職が当たり前となっていたほか、大衆迎合的な「ばらまき」によって財政が悪化、後継となったラマポーザ大統領の下、ムボウェニ財務相は歳出抑制を打出しているものの、医療やインフラ投資などへの資金配分に重点を置く政策を主張しています。しかし、こうした政策実現のためには、少なくとも+2.5%~+3.0%の成長が必要不可欠であり、厳しい財政運営が続くと予想されます。さらに米中貿易問題の影響もあり、南アから中国への鉱業輸出も伸び悩んでいるほか、プラチナも欧州の排ガス不正問題の影響から需要が減少すると見込まれています。

こうした中で先週のFOMCでは12月の利上げが見込まれたほか、利上げ継続姿勢が明らかとなり新興国からの資本流出への警戒感が強まり、他の新興国通貨と共にランド売りが優勢となりました。加えて原油価格が一時60㌦割れまで下落するなど10日続落したことで商品市況も下落したことも南アの主要産業である鉱業への懸念が拡大、ランドは1ドル=14.27ランドとドル高・ランド安、対円も7.8929円へランド安・円高となりました。

ランド円の20日移動平均線が90日移動平均線を下から上へ抜けるゴールデンクロスを達成すればランド円は90日移動平均や20日移動平均線を下値支援として再度上昇する可能性があるものの、90日移動平均が20日移動平均線を上から下へ抜けるデッドクロスとなれば下押し圧力が高まる可能性もあるだけに、今後の値動きが注目されます。

本日の注目通貨トピックス Nov 9

◇ドル円

昨晩のFOMCでは市場予想通り、FF金利の誘導目標を2.00-2.25%据え置きを決めた一方、声明文では、12月の次回会合で利上げの可能性が高いことを示唆、今後も緩やかなペースで利上げを継続するとの姿勢にも変更が見られませんでした。さらに失業率が安定的な物価上昇と整合性があるとみる水準を割り込み続ける限り、経済成長を抑制して景気過熱を防止する水準に金利を引き上げる必要があるとの意見が聞かれました。FOMCを前に10月前半以降、長期金利の上昇への懸念を背景にしたNY株式市場の急落、中間選挙を受けての「ねじれ議会」、さらには米中間の貿易摩擦問題の長期化など幾つかの懸念材料が見られる中、一部からは今回の会合でFRBは利上げに慎重なスタンスにシフトするとの見方も聞かれていただけに今回の声明文はタカ派スタンスに変更なしと受け止められる内容となりました。唯一、設備投資について「今年これまでの急速なペースが和らいだ」として鈍化傾向が見られると指摘されたものの市場の反応は限られました。こうした内容を受けて米10年債利回りは一時3.20%台へ低下する場面が見られたもののFOMCを受けて3.24%台へ上昇。一方、NYダウはマイナス圏に沈んだものの、取引終盤にかけてプラス圏を回復、10㌦高と4日続伸して取引を終えるなど金利上昇以上に米国経済の強さに反応するなど金利上昇に対する抵抗力を増した感もありドル円は10月5日以来、およそ1ヵ月ぶりの114円09銭へ上昇しました。

今朝の東京市場では114円08銭を高値に113円88銭まで小幅に反落、昨晩の114円09銭を上抜けず肩を並べているだけに上値の重さが懸念されます。一方で下値の目処として注目されるのが113円80銭、さらに欧州市場中盤以降、揉みあった113円61銭から113円74銭の水準、さらに5下値支援として意識される5日移動平均線の走る113円64銭、こうした下値水準を維持できれば来週以降、10月4日に付けた年初来高値の114円55銭を試す場面が見られるかもしれません。

◇昨晩17時00分から午前11時00分までのドル円、15分足チャート

本日の注目通貨トピックス Nov 8

◇NYダウ

米中間選挙は事前の世論調査の通り、民主党は下院で8年ぶりに過半数を奪還した一方、共和党は上院支配を維持しました。世界の株式相場は上昇し、先物市場はNY株の高寄りを示唆、結果的にNYダウは2.13%高の26,180㌦で取引を終え、10月10日以来1ヶ月ぶりに26,000㌦台を回復しました。しかし、米中貿易問題のほか、「ねじれ」議会を背景に財政規律に厳密な民主党の反対によりトランプ政権は追加減税をしづらくなるほか、通商面での対中、対日をはじめ圧力を強める可能性があり、中国の景気減速懸念が増す可能性もあるかもしれません。昨晩の上昇が単なる中間選挙を通過した安心感や米中貿易問題を巡る協議進展期待を背景にしたものだけに10月3日の史上最高値(ザラ場:26,951㌦、終値:26828㌦)を更新できるか、今晩のFOMC声明文に対する反応が注目されます。NYダウをはじめナスダック、S&Pが上昇基調を続け、アジアや欧州株の上昇となればリスク選好主導の円安進行に弾みがつく可能性もあるだけ注目されます。

◇NZドル

NZ中銀は日本時間午前5時00分に政策委員会での1.75%の政策金利据置きを発表。また、声明文では2019年から2020年もこの政策金利の水準を維持する見通しが示されたほか、前回まで見られた「引上げも引下げもある」との文言は削除されました。また、昨日発表した7-9月期の雇用統計では、失業率が10年ぶりの低水準となる3.9%に低下したこともありNZ㌦は対ドルで0.6817㌦へ上昇していたものの、本日の政策委員会の結果に対する反応は限られ0.67㌦台後半での小動きとなっています。また、対円では昨日の77円08銭を上抜けるには至っていないものの77円00銭を挟んで上下10銭程度の小動きとなっています。NZ円は今年6月半ばに付けた77円88銭を上抜けることが出来るか、目先上値のポイントとなるかもしれません。ニュージーランドでは再来週19日の7-9月期卸売物価指数、その後26日の小売売上高、27日の貿易収支、29日の企業景況感まで注目すべき指標の発表もないだけに、高値圏を維持できるか注目です。

本日の注目通貨トピックス Nov 7

◇NZドル円

米中間選挙に市場の注目が集中する中、今朝6時45分に発表された7-9月期雇用統計の失業率は前期(4.4%)から3.9%と2008年4-6月期以来10年半ぶりの低水準まで改善が進みました。また、就業者数も前期比+1.1%(予想:+0.5%)、前年比+2.8%(予想:+2.0%)を上回る強い内容となりました。これを受けてNZ㌦は対円で7月19日以来の76円半ば、対米ドルではほぼ3ヶ月ぶり高値圏となる0.6778ドルへ急伸しました。今回の結果を受けて金利先物市場が2019年3月までの利下げを織り込む確率は、昨日の11.1%から3.5%へ大きく低下しました。NZ中銀は明朝、日本時間午前5時00分に政策委員会を開催、政策金利を1.75%に据え置くことが確実視されるなどハト派寄りの政策スタンスを維持する見通しですが、景気の底堅い推移が示されたことで声明文にタカ派的な内容が示されるのか注目されます。今回の結果を受け利下げの可能性は大きく後退したと見られますが、労働市場の力強い状況が持続的に推移するのか、今後発表される経済指標が注目されます。

◇豪ドル円

豪ドル円はNZ㌦円の上昇に牽引され10月2日以来となる一時82円32銭まで上昇しました。豪ドル・円は200日移動平均線(2月上旬以降の抵抗線)を上抜け、9月下旬から10月初めに形成した82円半ばの強い抵抗線域の突破が視野に入りつつあります。しかし豪ドルに特段の買い材料もないほか、米中間選挙を終えてドル円も伸び悩む中、豪ドル円が上昇基調を続けるのか注目です。

本日の注目通貨トピックス Nov 6

◇豪ドル円

本日午後12時30分に公表される豪中銀政策委員会では政策金利は現状1.50%に据え置かれることが確実視されるだけにあまり材料視されないと見られています。むしろ今週末9日に豪中銀が四半期金融政策報告を発表する予定で、経済成長や労働市場、さらに物価指数に対する先行き見通しや経済リスクについて公表されることから今回の豪中銀の声明の注目度は限られており、むしろ本日開催の競馬レース『メルボルンカップ』の方が関心が高いと揶揄されるほど冷めた見方も聞かれているようです。豪ドル円は先週末2日に一目均衡・日足・『雲』の上限を上抜け81円94銭まで上昇後、やや伸び悩んでいる状況です。目先、『雲』の上限(81円25銭)を下値支援に今年2月上旬以来となる200日移動平均線(82円17銭)を上抜けることができるか注目されます。200日移動平均線を上回ることができれば、9月下旬から10月上旬にかけて上値抵抗となった82円台半ばが次なる上値メドとして注目されます。勿論、今回の米中間選挙の結果を受けてドル高になるのか、ドル安になるのか、こうした影響も含めて今週末9日、日本時間午前9時30分に公表される豪中銀四半期金融政策報告に対する反応に注目です。

◇NZドル

NZ中銀は8日、日本時間午前5時00分に政策金利を発表しますが、豪中銀同様にこちらも政策金利を現状1.75%のまま、据え置かれることが確実視される中、200日移動平均線(75円92銭)を上抜けることが出来るか上値メドとして注目されます。

本日の注目通貨トピックス Nov 5

◇トルコリラ

先週末2日に米財務省は、トルコ閣僚2人に発動していた制裁を解除、10月にトルコ在中の米国人牧師を釈放して以降、トルコと米国との関係が改善。こうした中で米国が制裁を解除したことで両国の関係が一段の改善に向かうとしてトルコリラが堅調に推移、トルコ円は8月9日以来の20円86銭まで上昇。週明けの東京市場では明日の中間選挙を前に慎重な見方が聞かれるほか、日経平均株価が一時300円超の大幅下落となっていることや上海株の反落などを背景にドル円が伸び悩んでいることも影響し、トルコ円は20円台後半での小動きとなっています。

トルコでは本日16時00分(日本時間)にトルコ10月の消費者物価指数や生産者物価指数が発表されるだけに反応が注目されます。消費者物価指数は9月の前年比24.52%から24.70%へ上昇すると予想される一方、前月比では9月(+6.3%)から2.5%へ低下すると予想されており、消費者物価指数も頭打ちの水準が近いとの見方も聞かれています。10月25日のトルコ中銀政策委員会では9月13日に24.0%(従来17.75%)へ大幅に引上げた効果を見極めたいとして政策金利を据え置いていますが、高金利がインフレ沈静化に有効に機能したと見れば、今後トルコの政策金利は24.0%から徐々に低下する可能性もあるかもしれません。仮に10月の消費者物価指数が予想(前年比+24.70%)となるのか、予想を下回るのか、結果次第ではトルコ円も大きく反応する可能性もあるだけに注目されます。

トルコ円は10月10日以降、5日移動平均線(現状:20円55銭)を下値支援として上昇基調を続けており、この水準が下値メドとして意識されるかもしれません。一方で上昇した場合、8月10日の急落前、8月9日の20円98銭、さらには8月8日の21円30銭が上値メドとして意識されることになるかもしれません。

また、先週末発表の米10月雇用統計を受けて米10年債利回りが3.21%台へ上昇、明日の米中間選挙で予想に反し、上下両院ともに共和党が過半数を維持する結果となれば、政策推進期待を背景に米長期金利は一段と上昇する可能性もあり、米金利の上昇次第では新興国市場から米国への資金流出懸念が高まる可能性もあるだけに、米10年債利回りが10月初旬に付けた3.25%台を上回る水準まで上昇していくのか注意をしながら見て行く必要があるかもしれません。

本日の注目通貨トピックス Nov 2

◇NYダウ

NYダウは10月3日の26,951㌦の史上最高値更新から10月29日には24,122㌦へ下落しましたが、先週後半以降底打ち感が見られ昨日まで3日続伸、NYダウは25,396㌦へ反発しています。

10月3日の高値と10月29日の安値との半値(25.537㌦)までの回復に至っておらず、少なく途もこの水準まで反発できれば底入れ完了が確認され、年末に向けて再度上昇基調に転じることが出来ると思われます。まず、一つ目の試金石となるのが、今晩の米10月雇用統計、さらに6日の中間選挙、さらに日本時間8日午前4時00分に発表されるFOMC声明と三つのイベントを経て、長期金利が上昇した場合のNYダウの反応が注目されます。雇用統計では失業率が7月以降4ヵ月連続で3%台を維持することが確実視される中、9月の3.7%から一段と改善し3.6%となるとの予想もあるだけに注目されます。また時間給賃金が前年比+3.1%と2009年以来の3.0%台への上昇となれば賃金インフレが懸念され、長期金利は上昇することが予想されます。また、来週6日の中間選挙で議会上院の過半数を共和党が維持することが確実視されるほか、民主党優勢が伝えられる下院でも共和党が追い上げていると伝えられているだけに、上下両院ともに改選前と変わらずに共和党が過半数を維持する結果となれば政策期待を背景に米長期金利上昇、ドル高の動きが再燃されると見られています。

さらにFOMC声明で12月再利上げの可能性が高まれば、これも米長期金利の上昇要因となるだけに、金利上昇を嫌気してNYダウが再度下落圧力を高めることになるのか、あるいは好調な米国経済を反映したものと好感され、NYダウ上昇のアクセルになるか注目されます。あらためて今晩21時30分発表の雇用統計、最新の予想値は以下の通りとなっています。

本日の注目通貨トピックス Nov 1

◇南アランド

昨日の南アランドは1ドル=14.8014ランドとドル高・ランド安と続落したほか、対円でも7.6294円まで下落した流れを継いで今朝のランド円は一目均衡・日足・雲の下限を下回る値動きとなっています。NY株式市場が調整局面を脱したとの見方もあり、米長期金利が上昇するなどドルが対主要通貨で上昇する中、新興国市場からの資本流出懸念も聞かれ、ランドも上値を徐々に切り下げる値動きとなりました。さらに、先週公表された中期予算の中で財政赤字拡大や経済見通しの下方修正が示されたことで南ア経済の先行き警戒感もランド売りの一因となっています。こうした中で昨晩発表された9月の貿易収支が前月の88億ランドの黒字から市場予想(42億ランドの黒字)に対し29.5億ランドの赤字となったこともランド売りに反応しています。明日の米雇用統計、来週6日の米中間選挙を踏まえて米長期金利が一段と上昇するのかドルの対主要通貨での上昇基調が続くのか注目されます。ランド円は一目均衡・日足の雲の下限(7.6635円)や5日移動平均線(7.6636円)が上値抵抗として意識されるようであれば一段のランド安につながる可能性もあるだけに注意が必要かもしれません。

◇ユーロ

昨晩のNY株式市場が調整局面を脱したとの見方のほか、10月ADP雇用リポートの民間雇用者数や米7-9月期雇用コスト指数が予想を上回る中、米10年債利回りも10月24日以来となる3.162%まで上昇しました。こうした中で独9月小売売上高が前年比-2.6%と5年3ヶ月来最大のマイナス幅を記録したこともあり、ユーロ圏の景気失速リスクが意識される中でユーロは欧米の景況格差と金融政策運営の違いが意識され、8月15日の1.1301㌦以来となる1.1302㌦へ下落しました。ユーロは8月15日の1.1301㌦と昨晩の1.1302㌦とのダブルボトムを確認するためには9月24日の1.1815㌦まで反発する必要があり、ドイツの政局不透明感やイタリアの財政問題などのネガティブな材料を考慮すると1.1300㌦割れの可能性は否定できず、仮に1.1300㌦を割り込んだ場合、1.1265㌦、1.1238㌦が次なる下値メドとなる可能性もありそうです。明晩の米10月の雇用統計では時間給賃金が前年比+3.2%と2009年4月以来となる3.0%台を回復するとの予想も聞かれるだけに、予想通りの結果となれば米長期金利の上昇に伴ってドル買いが優勢となる可能性があるだけに、ユーロの下値リスクには備える必要がありそうです。

(出所:SBILM)

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