マーケット情報

本日の注目通貨トピックス

2019年11月15日 (金)

今週ここまでのドル円は、米中通商交渉を巡るトランプ大統領をはじめとする要人発言のほか、一部メディアからのヘッドラインがドル円の方向性を大きく左右する状況を継続する値動きに終始しています。11月7日に報じられた中国商務省からの米中通商交渉の部分合意署名後に関税の段階的撤廃で合意したとの報道に対し、先週末8日にはトランプ大統領がこうした報道を否定、ドル円は7日の109円49銭、翌8日の109円48銭を高値に109円08銭まで下落しました。週明け11日、NY債券市場が休場となる中、香港の反政府デモと警察との対立激化が嫌気され、状況次第では米中通商交渉への影響も懸念され、ドル円は109円25銭を高値に108円台へ反落。しかし翌12日には香港ハンセン指数の反発を好感し109円29銭へ反発、結果的にこの水準が今週これまでの高値となっています。また、トランプ大統領が「中国との第一段階の貿易合意の成立は近い」との考えを示した一方、「米国側にとって良いものしか受け入れる用意がない」「貿易交渉の合意に至らなければ、関税率の大幅な引き上げ」といった中国側への牽制発言も嫌気されたほか、ユーロ円やポンド円の下落などクロス円の軟化もドル円の上値抑制の一因となりました。さらにパウエルFRB議長が議会証言で現行の金融政策を維持する方針を示したことで米長期金利が低下。加えて米中農産物交渉が難航しているとのヘッドラインも嫌気される中、14日発表の中国の鉱工業生産など経済指標の悪化を受けて世界経済の減速懸念を高めたほか、米長期金利の低下とともにドル円は、108円台半ばに観測されていた損失確定売りを巻き込み108円24銭まで下落しました。しかし、15日の東京市場の朝方には、クドロー米国家経済会議委員長が中国との通商交渉を巡る部分合意が近いことを示唆する発言も聞かれ、108円38銭を下値に108円62銭まで反発、米中通商交渉が相場の方向性を大きく左右する状況を継続しています。

来週も今週ここまで同様、米中通商交渉を巡る米中両国要人の発言や各メディアからのヘッドラインに一喜一憂する相場展開が予想されます。来週22日深夜には、10月FOMC議事要旨の発表を控えているものの、今週のパウエルFRB議長の議会証言での発言以上に新たな情報が得られる可能性も限られることから、引き続き米中通商交渉の部分的合意や12月15日の追加制裁関税の棚上げに向けた具体的な進展があるか、もしくは決定的な後退・失望につながる発言や報道があるか、その一点に絞られていると言っても過言ではないと思われます。米中通商問題が来年に大統領選を控える米国経済の行方はもちろん、政府の想定を下回る成長率の鈍化が懸念される中国経済の行方を左右する重要な焦点になっていると言えます。そのほか、米国ではISM製造業景況指数の先行指標とされる11月フィラデルフィア連銀製造業景況指数をはじめ、11月製造業PMIに通商問題の影響が見られるか注目されます。また、欧州ではドイツやユーロ圏をはじめとする11月製造業及びサービス業PMIのほか、ECB理事会議事要旨やラガルドECB総裁の講演などを受けて、ECBの更なる緩和の必要性が示されるかユーロの動向が注目されます。また、英国では12月の総選挙に向けて16日に立候補者の受付が締め切られ、与党保守党と野党との支持率を示す世論調査の結果がポンドの動向に影響を及ぼすものと思われます。さらに14日の豪10月雇用統計が予想を下回ったことで、来年2月の追加利下げ観測の高まりつつある豪ドルの行方を左右する豪中銀政策委員会議事要旨に対する反応や香港の反政府デモの動向などにも注目です。

2019年11月14日 (木)

◇豪ドル

今朝、午前9時30分発表の豪10月雇用統計、失業率は市場予想や前月(いずれも5.2%)に比べ悪化し5.3%へ上昇しました。また、就業者数も1.9万人減と冴えない結果となったほか、個人消費への影響が大きいとされる正規雇用者数は前月比1.03万人減、非正規雇用者数も前月比0.87万人減。さらに、前月分の就業者数も正規雇用者数、非正規雇用者ともに下方修正されました。

こうした結果を受けて豪ドルは、対ドルで日足・基準線(0.6820㌦) を下回り、10月17日以来となる0.6802㌦へ下落したことから、一目均衡・日足・雲上限(0.6785㌦)が次なる下値メドとして注目されます。また、豪ドル円は10月25日以来となる73円96銭まで下落。先週11月7日に7月24日以来の高値となる75円67銭から一週間におよそ1円70銭(2.2%)下落したことになります。既に先週末、日足・転換線(74円82銭)を下回ったことに続き、日足・基準線(73円76銭)を下回ることになれば、10月10日以降、日足・転換線や日足・基準線を下値支援として続いた上昇基調の終了を意味することになります。そうなれば、一目均衡・日足・雲上限(72円83銭)が次なる下値メドとして意識される可能性もあり、今回の雇用統計を受けた豪中銀の追加利下げ観測が再度高まるか注目されます。

豪ドル円は、8月26日の安値(69円94銭)から9月13日の高値(74円49銭)まで上昇した後、10月2日には71円73銭へ反落、9月13日の高値から3.73%下落しました。仮にこの下落率を11月7日の75円67銭の高値に当てはめると72円87銭まで下落する計算値が導きだされ、日足・雲の上限(72円83銭)に近い水準となります。それだけに、仮に豪ドル円が日足・基準線を下回った場合、下値メドの一つとして意識されるかもしれません。

2019年11月13日 (水)

◇ユーロ

独11月ZEW景況感指数は前月(‐22.8)から大幅に改善が進み-2.1とマイナス幅を大きく縮小したものの、ユーロは対ドルで前日高値(1.1043㌦)までの反発に至らず、ポンドの対ドルでの下落(1.2873㌦⇒1.2842㌦)につれ安となりました。

ポンドに関しては、前日に12月総選挙で与党・保守党を候補者擁立で支援する方針を示していたブレグジット党ファラージ党首が、これ以上の支援はないと表明したほか、英10月雇用統計で、ILOベースの失業率が1975年初以来の3.8%に改善した一方、平均賃金上昇率が市場予想に届かなかったことも下落した要因と受け止められたようです。

さらに明日11月14日発表の独7-9月期GDPが前期(4-6月期)に続き、2四半期連続でマイナス成長に陥るとの観測もユーロの対ドルでの重石となりました。ユーロは、10月15日以来の1.1003㌦へ下落し、1.1009㌦で昨晩のNY市場の取引を終了しました。

ユーロが1.1000㌦を割り込んだ場合、一目均衡・日足・雲下限(1.0967㌦)が下値支持線として下げ止まるか注目されます。いずれにしても、今晩発表される独10月消費者物価指数(改定値)を含め、明日16時00分発表の独7-9月期GDP速報値に対する反応が注目されます。

2019年11月12日 (火)

◇ポンド

ポンドは対ドルで200日移動平均線(1.2703㌦)を下値支持線として底堅い値動きを続けている一方、日足・転換線(1.2872㌦)が上値抵抗線として伸び悩んでおり、12月12日投開票の総選挙前に先月31日の1.2975㌦や10月21日の高値である1.3017㌦を更新するか今後の動向が注目されます。

昨夕発表された英7-9月期GDPは前期比+0.3%と前期(‐0.2%)から改善し、市場の一部から懸念されていた景気後退を回避しました。

さらに英ブレグジット党のファラージ党首が、総選挙に向け、保守党が議席を持つ317選挙区への候補者擁立を見送る方針を明らかにしたことから、保守党が選挙戦を優位に進めるとの思惑を背景にポンドは1.2897㌦へ上昇、対円でも140円49銭まで上昇するなど底堅い値動きとなりました。ファラージ党首は、どの政党も単独過半数を獲得できないハングパーラメントとなればEU離脱の行方を含め、政治的不安定な状況に陥る事態に陥るとの懸念を明らかにし、そうした事態を避けたいとの意向を明らかにしました。同時に候補者の擁立は労働党や他の残留支持政党が占める選挙区に限定するとの考えを明らかにしたことで保守党が選挙戦を優位に進めることにつながるとの期待がポンド上昇の支援材料につながりました。

英国で今週末16日に立候補者の受付が締め切られることから、来週以降、選挙戦に向けた世論調査が本格化すると思われます。選挙戦の行方そのものが英国の秩序あるEU離脱の行方を左右するとされる形を変えた国民投票と捉える見方もあり、保守党優位に選挙戦が進むのか世論調査の結果を睨みながらポンドの動向を注視する必要がありそうです。

2019年11月11日 (月)

◇トルコ円

トルコ中銀は今年7月、9月、10月と段階的に利下げを実施、利下げ開始前の24.00の政策金利は14.00%へ低下、24.0%あったピークから10.0%もの大幅な利下げにもかかわらずトルコリラは対ドル、対円で限定的な下落に留まっており、トルコの主要国営銀行がリラ買いの介入を実施しているのではとの観測も聞かれています。トルコの対外債務残高はリラ安が一段と進行すれば債務編纂負担の増加につながることから介入によるリラ安に歯止めをかけていると見られている根拠の一つになっています。また、政府の財政赤字は税収の伸び悩みが影響、早期の改善を見込むことは難しい中で中小企業向け信用保証基金に対する財務省の保証債務残高はGDP比5.4%に達しておりデフォルトに陥った場合、公的債務残高の増加も懸念される状況にあります。トルコのエルドアン大統領は米国の牽制を無視し、ロシア製の地対空ミサイルの導入を決定したほか、10月にはクルド人勢力への軍事行動を行ったことで米トランプ政権はトルコに対し武器禁輸措置などの経済制裁を実施。しかしトルコ円は10月1日の19円15銭を高値に10月10日の18円17銭までの下落に留まり、24日の利下げ以降の安値も翌25日の18円75銭で下げ止まっており、その後は底堅い値動きを続け、10月30日には19円08銭まで値を戻しています。トルコ円は200日移動平均線(19円13銭)が上値抵抗線として意識される一方、日足・雲の上限(18円68銭)を下値支持線として意識される堅調地合いを継続しています。

一つには為替介入が行われていると見られ、国営3銀行がリラ買いを実施しているとの観測が下支えしているとのこと。さらに対前年比消費者物価指数(インフレ率)がおよそ25%まで達していた昨年から比べ8%台へ低下。今後も急激な上昇は見込まれず10%~12%前後で落ち着くと見られている安心感。さらには景気低迷による輸入減少を背景にトルコの経常収支は7月以降黒字に転換していることなどが挙げられます。しかし、短期対外債務(1年以内の返済期限)の返済に必要な外貨準備は1700憶㌦程度と見込まれているのに対し、現状の外貨準備は360億㌦程度に留まっています。仮にリラ安が加速度的に進行することになれば債務返済が滞ることになりかねないリスクを抱えているという点には注意が必要で介入によるリラ安に歯止めをかける状況からは大幅な上昇は見込みにくいとの見方も聞かれています。トルコでは今週15日に8月の失業率、来週20日に10月の政府債務が発表されます。政府債務残高の増加や外貨準備不足が懸念される中、トルコの経済成長率は昨年10-12月期以降、今年4-6月期にかけて3四半期連続でマイナス成長が続いています。12月2日に発表される7-9月期GDPもマイナス成長を続けるのか、介入を頼りに安定を続けるトルコリラですがいつまでこうした状況を続けることができるのか、注意して見ていく必要がありそうです。

2019年11月08日 (金)

◇今週11月4日~8日東京市場朝まで

先週のFOMCで追加利下げ休止が示唆された流れを11月1日の米10月雇用統計が裏付けた格好となり、ドル円は107円89銭を下値にそれまで続いた主要各国の緩和競争の流れに変化が見られると同時にNY株式市場で主要株価指数が揃って史上最高値を更新する中で、ドル円は109円台の回復に向けて確実に歩を進めた一週間となりました。また、欧州でも先の英EU離脱を巡る懸念後退やECBでも金融政策が意図する経済への悪影響の声も聞かれる中、ドイツやフランスの主要株価指数も連日で年初来高値を更新。日本株に対する外国人投資家の売り一巡を契機に需給にも確実に変化が表れ、日経平均株価も連日の年初来高値を更新するなど、世界的なリスクセンチメントの改善が進む一週間となりました。こうした中で米中通商問題も11月1日の閣僚級による電話会談を契機に部分的合意に向けたコンセンサス形成に進展が見られ、昨晩は部分合意文書の両国首脳による署名を経て段階的に関税引下げの意向が明らかとなったことからドル円は109円49銭まで上昇、実に5月31日以来の高値を回復しました。ドル円は200日移動平均線を下値支援として、110円台回復に向けた足場固めの基礎を築いた流れとなりました。一方でユーロやポンドは成長率見通しの下振れが指摘されたこともあり対ドルで下落基調を強める結果となりました。

◇来週11月11日~15日

今年5月1日、令和への改元とほぼ時を同じく、ワシントンでは米中通商問題を巡る協議が棚上げされ、リスク回避の動きへと大きく変化してからおよそ半年。週末10日には祝賀御列の儀(天皇即位パレード)が予定されており、週明け11日の日経平均株価は祝賀ムードを背景に上昇基調継続が期待されます。米長期金利もFOMCの追加緩和を受けた1.50%~1.75%の誘導目標に対し、2年債利回りが1.66%、10年債は誘導目標を上回る1.91%台へ上昇しており、12月FOMCでの追加利下げ観測を一蹴する展開となっていることもドル円の下押し圧力の緩和に大きく寄与する流れを来週も踏襲すると思われ110円台を伺う場面があるか、110円台回復への足掛かりを固める週となるか注目されます。こうした中で13日の米10月消費者物価指数のほか、13日と14日のパウエルFRB議長の議会証言、さらには15日の米10月小売売上高が注目材料となります。パウエルFRB議長は先のFOMC会見での意向から目立った変更もしないと思われ債券・株式市場への影響も限られると思われます。一方、消費者物価指数も前年比+1.7%コア+2.4%と9月と変わらずの水準が予想され大きな波乱もないと思われます。また、小売売上高はNY株式市場が史上最高値を更新している好調な流れに加え、低失業率を反映して前月からの改善が見込まれています。そのほか、米国では10月鉱工業生産や中国の鉱工業生産の発表も控える中で、米中通商交渉の今週これまでのような進展期待に水を差す波乱がなければ多少の下振れへの反応も限られると思われるだけに、引き続き米中通商交渉を巡る部分合意に向けた両首脳による署名の日程等が明らかになるか注目されます。一方で欧州ではドイツ11月ZEW景況指数(12日)、ドイツ7-9月期GDP(14日)が注目されます。特にドイツGDPに関しては前期のマイナス成長に続き2四半期連続のマイナス成長となるか、ゼロ成長に留まるか注目されます。また英国では総選挙の立候補者の受付が16日に締め切られ、世論調査の動向とともに7-9月期GDP(11日)の発表にも関心が高まるものと予想されます。

2019年11月07日 (木)

◇ユーロ

昨晩の欧州株式市場では独DAX指数が4日続伸し、昨年1月31日以来の高値で引けたほか、 仏CAC指数も同様に4日続伸し、2007年7月24日以来の高値を更新するなど堅調な値動きとなりました。一方、大手格付け機関Moody`sは欧州における所得格差の拡大が各国の信用度に対するリスクとなっているとの認識を示し、こうした傾向が続けば政治リスクの上昇や改革機運の後退、財政支出拡大への圧力増加、あるいは成長見通しの悪化が進み、各国の格付けに影響が及ぶ可能性を指摘しています。こうした中で昨日発表された独9月製造業新規受注は前月比+1.3%と前月(-0.4%)から改善。さらにユーロ圏10月総合PMI(改定値)は速報値(50.2)から50.6へ上方修正、また独10月総合PMI(改定値)も48.9と速報値(48.5)から改善、しかしユーロ圏全体の経済活動は停滞に近いといわれる状況にあると見られ、ユーロは対ドルで1.1093㌦までの反発に留まるなど為替市場での反応は限定的となりました。また、市場ではFRBが緩和政策の休止へと金融政策の転換点にあるとの見方が聞かれる一方、ECBは来年3月にも再び中銀預金金利を現状のマイナス0.50%からさらに0.1%引き下げるとの見方が大勢となっています。そうした中で一部には、金融緩和政策が意図する経済への影響が反転すると指摘する動きもあり、金融政策の限界や財政政策の必要性も今後の焦点の一つとなりそうな状況です。

こうした中、本日16時00分にドイツ9月鉱工業生産が発表されます。市場予想は前月(+0.3%)から-0.4%へ低下が見込まれており、数値次第ではドイツ経済の7-9月期成長率が4-6月期のマイナス0.1%成長(前期比)に続き、2四半期連続のマイナス成長となる可能性が懸念されます。2四半期連続のマイナス成長となればリセッション入りと定義付けられることからユーロの反応が注目されます。

ドイツの4-6月期成長率がマイナス0.1%へ減速しましたが、この間の鉱工業生産を見ると5月の前月比+0.1%を除くと4月、6月がいずれも前月比マイナスとなっています。同様に7-9月期でも本日発表の9月が予想通りマイナス0.4%となれば、8月を除き7月、9月がいずれもマイナス。7-9月期のマイナス成長への警戒を高めることになりかねません。ユーロは一目均衡・日足・雲の上限(1.1064㌦)、日足・基準線(1.1060㌦)を下値支援に下げ止まっており、今回のドイツ9月鉱工業生産を受けてこれら下値支援の水準を下回るか注目されます。ちなみにドイツ7-9月期GDPの発表は来週13日、16時00分となっています。

(出所:SBILM)

提供:SBIリクイディティ・マーケット株式会社
お客様は、本レポートに表示されている情報をお客様自身のためにのみご利用するものとし、第三者への提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。情報の内容については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。 また、これらの情報によって生じたいかなる損害についても、当社および本情報提供者は一切の責任を負いません。本レポートに表示されている事項は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、勧誘を目的としたものではありません。投資にあたっての最終判断はお客様ご自身でお願いします。