本日の注目通貨トピックス Jan 18

トランプ大統領と民主党とのメキシコ国境への壁建設を巡る対立を背景に予算案の一部承認が滞り、政府系機関の一部(商務省、財務省、国土安全保障省など)閉鎖が27日目に入るなど長期化しています。本日18日も引き続き閉鎖が続くことが予想され、2月1日に発表される米1月雇用統計では政府系機関の自宅待機を命じられている職員らが失業者として算入する期限となります。トランプ大統領が昨年何度か雇用統計発表前に「良い数字になる」などとツイートするなど雇用回復を掲げるなど高い関心を寄せています。雇用統計の悪化に結びつく政府系機関閉鎖の長期化は雇用のみならず、小売売上高、耐久財受注、住宅着工などの経済指標の発表の停止につながっておりFRBの金融政策にも影響を及ぼしています。NY株式市場は昨晩まで主要三指数揃って三日続伸するなど堅調地合いを取り戻しつつあるものの、閉鎖長期化はボディーブローのように今後に悪影響を及ぼすとの警戒が高まっています。今月下旬にもトランプ大統領の一般教書演説が予定されており、閉鎖解除の兆候が見られればリスク選好の動きが強まる可能性もあり、動向が注目されます。一方、英EU離脱協定案が今週15日の議会採決で否決、来週21日にはメイ首相が修正案を議会に示し、29日に議会での再採決の予定です。ポンドはメイ首相の不信任決議案が否決されたことで対ドルで昨年11月以来となる1.30㌦台を回復するなど上昇を続けていますが来週も引き続き、野党幹部やEUとの交渉などを背景にポンドの動向が注目されます。

◇来週(1月21日~1月25日)の注目通貨 

・21日
米中通商問題の影響から中国経済の減速懸念が高まる中、21日に発表される中国の10-12月期GDPをはじめ12月小売売上高、鉱工業生産、固定資産投資に数値が注目されます。今週序盤に中国・国家発展改革委員会が今年の中国経済が良い発進を切れるように景気刺激策や株価支援策が講じられるとの期待が高まり、16日には一日としては過去最大規模の市場への資金供給を実施しています。GDPをはじめとする指標が悪化した場合でも、景気刺激策への期待につながれば過度な悲観は後退するだけに市場の反応が注目されます。同時に経済的に影響の大きい豪㌦の動向も注目されます。また、21日に英メイ首相が15日の議会採決で否決されたEU離脱協定案の修正案を公表、これに基づき29日に採決の予定となっており修正案を受けてのポンドの動向も注目です。

・22日
独1月ZEW景況指数が発表されます。今週15日にドラギECB総裁が欧州の経済指標は予想を下回るものが目立つとして引き続き大規模な刺激策が必要とする発言が聞かれました。今年夏以降の利上げ時期が後づれするとの観測も聞かれているだけにこうした指標に対するユーロの反応が注目です。

・23日
日銀政策会合、黒田日銀総裁の会見が予定されています。市場ではあまり材料視されていないものの、英EU離脱問題や米政府系機関の一部閉鎖長期化の影響、さらに米中通商問題など外部要因による国内経済への影響についての言及が注目されます。また、ユーロ圏1月の消費者信頼感(速報値)も発表されるだけに、22日発表のZEW景況指数、25日の独IFO企業景況感指数とともにユーロの反応が注目されます。・24日
繰り返しになってしまいますが、今週15日のドラギECB総裁の会見で欧州経済の下振れ懸念を表明しているだけに、ECB理事会後のドラギECB総裁の会見でダメ押しとなるような発言をするのか注目されます。同時に英EU離脱問題を巡る不透明感を背景にしたユーロ圏経済への影響についての言及の有無についても注目されます。

本日の注目通貨トピックス Jan 17

◇南アランド

日本時間、今晩22時10分に南ア中銀が政策金利を発表します。これを前に昨晩、一部から利下げ観測も聞かれていたトルコ中銀が政策金利を24.0%に据え置くことを決定、トルコリラは対円で東京市場での19円85銭を下値に、NY市場終盤には年明け1月2日以来となる20円41銭へ上昇しました。新興国通貨トルコ円の上昇も南アランドの対円での上昇を支援しランド円も昨年12月14日以来およそ1ヵ月ぶりの高値となる7.9793円へ上昇しました。一昨日15日に発表された南ア・11月の鉱物生産高が減少したことから伸び悩んだものの昨晩発表の11月実質小売売上高が前年比+3.1%と10月(+2.1%)から改善したこともランドの上昇につながりました。加えて、中国の景気刺激策への期待が囁かれる中、昨日中国人民銀行が一日の供給量としては史上最大となる資金供給を実施、こうした動きも懸念される世界経済への減速懸念の後退につながったと見られ、ランドの上昇につながったと思われます。

上記は、昨年10月以降のランド円の日足チャートです。ランド円は、一目均衡・日足・雲の下限(7.9297円)を上抜けて来ており、節目の8.00円台を回復できるか目先の焦点となりそうです。8.00円を回復できれば、日足・雲の上限(8.0696円)さらには昨年11月7日の8.1707円を回復できるかポイントとなるだけに、今晩の南ア中銀の政策委員会後の反応が注目されます。

◇ドル円

ドル円は、昨晩のNY市場の終盤に109円20銭まで上昇、1月3日に105円割れまで下落後の戻り高値である1月8日の109円09銭を上抜けたことで一段と上昇しました。しかし、1月8日の109円台回復時も109円台前半からの上値の重さを確認し1月10日には107円77銭まで反落した経緯があり、今回も109円台前半で頭打ちとなり、日足・基準線(109円34銭)を上抜けることができないまま反落してしまうのか、注目されます。日足・基準線を上抜けることができれば、上昇基調が続いている日足・転換線(108円48銭)が来週以降にも基準線を上抜けることになり、ドル円の上昇を支援する可能性も考えられるだけに、週末を挟んでの動きが注目されます。

本日の注目通貨トピックス Jan 16

ポンド

英EU離脱協定案は賛成202、反対432の大差で否決されました。最大野党労働党のコービン党首はメイ政権に対する内閣不信任決議案を提出、日本時間17日午前4時00分に不信任決議案の採決が行われます。①不信任決議案が可決された場合  労働党は2週間以内に組閣に取り組み、組閣に失敗  すれば議会は解散され、総選挙が実施されることになります。 ②不信任決議案が否決された場合  メイ首相はEU側と協定案の一部変更を巡る交渉を行い  承諾を得て修正協定案を来週21日までに議会に提出、その後数週間以内に議会で採決  される見通し

⇒ポイント 1
EUがどの程度の修正に応じるのか、北アイルランドの国境問題や移民受け入れ義務など英国の求める修正に対するEUの対応が焦点になると思われます。21日までと期限が限られる中、どこまで交渉が進展するのか注目されます。

⇒ポイント 2
修正案の内容次第ですが、今回の採決での大差を逆転するためには相当な修正が必要であること、21日の修正案提出後、3月29日の離脱期限まで時間が限られることから数週間以内に議会での採決が行われる可能性もあります。これと並行して3月29日のEU離脱期限の延長をEU側が容認するかといった点も焦点になりそうです。

③メイ首相が自ら辞任、内閣を解散し総選挙を行う可能性もあるほか、あらためてEU離脱の是非を問う2回目の国民投票を実施、世論を味方につけることによって議会採決を進めるとの選択肢も残されているかもしれません。秩序ある離脱のために最後の手段を使う可能性も否定できないと思われます。しかし、3月29日の離脱期限の延長が最低必要条件となるため、EU加盟各国の全会一致が必要となります。

こうした状況下、ポンドの買戻しもどこまで続くのか、メイ首相に代わるリーダー不在があらためて認識せざるを得ないこととなり先行きの政局不透明感が増すことへの懸念からポンドの先行きにも不安が残ることになりそうです。

トルコリラ

今晩、日本時間の 20時00分にトルコ中銀の政策委員会が開催されます。現状の政策金利24.0%を若干でも引き下げるのか、現状維持か注目されます。トルコの消費者物価指数(前年同月比)は12月に20.3%と10月の25.24%をピークに低下していることから利下げが実施される可能性はゼロではないかもしれません。昨日15日に発表されたトルコ10月の失業率は11.6%と前月の11.4%から悪化しているほか、 トルコ政府が昨年9月に公表した2019年~21年までの中期経済計画の中で新規のインフラ投資を凍結する意向を示しており成長の鈍化が一段と進む可能性も懸念されています。今年3月に統一地方選を控えるエルドアン大統領にとって支持率の低下率の低下を避けるためにも昨年12月に最低賃金の引上げを行うなどの刺激策を講じたこともあり、景気刺激のための利下げの可能性には注意が必要かもしれません。

本日の注目通貨トピックス Jan 15

ポンド

日本時間の明朝午前4時過ぎに英EU離脱協定案を巡る英議会採決が行われる予定です。既に議会では否決を織り込んでいるとも言われ、否決された場合、メイ首相は3日以内に代替案を提出、数日後に再度の議会採決を実施するとの観測も聞かれています。昨日、メイ英首相は2016年6月のEU離脱の是非を問う国民投票で約70%の住民が離脱支持を支持した地域、マンチェスターとバーミンガムの中間地点に位置するストークオーレンで演説を行い、「離脱協定案が否決されることになれば英国のEU離脱そのものが消滅する恐れがあり、そうなれば国民投票という民主主義のプロセスに対する国民の信頼を裏切り、政治家はそうした影響に苦しむことになる、何としても国民投票の結果通りに離脱を実行する必要がある」などと発言、無秩序な離脱を何としてでも避ける必要があると訴えました。さらにユンケルEU委員長やトゥスクEU大統領はEU離脱協定案が英議会で承認可決され次第、英国とEUとの通商協定に署名・締結する用意があるとの考えを明らかにするなど英国の議会採決での可決を支援する書簡を送付しています

昨年12月12日に与党保守党内でメイ首相(保守党党首)に対する不信任決議案が提出された際、反対(信任)200票、賛成(不信任)117票で不信任決議案は否決されましたが、事前予想以上に賛成(不信任)票が多い結果となりました。また、2016年6月のEU離脱の是非を問う国民投票でも予想外の結果となっており、投票は実施されるまでわからない、すなわち離脱協定案にどのくらいの反対(否決)票が投じられるか不透明な情勢で、結果次第でその後のシナリオに影響を及ぼすのではないかと見られています。

ケース1 ~圧倒的な反対票により否決された場合~

メイ政権に対する不信任との見方から、政権の議会運営が難しくなり、解散総選挙の可能性が高まるかもしれません。しかし、英議会の解散総選挙を理由にEU側に3月29日の離脱期限の延長を求めるなど、事態の先送りを前向きに捉えることが出来るか焦点となりそうです。期限の延長をEUが認め、総選挙実施までの様々な選択肢の可能性や期待を背景にポンドの大幅な下落は避けられるかもしれません。

ケース2 ~僅差での否決となった場合~

メイ首相があらためて独メルケル首相やユンケルEU委員長らに会談を要請、EUから譲歩を引出し、改定案をまとめた上で反対票を投じた議員の説得にあたり賛成票を得るとのシナリオにつながるかもしれません。改定案としてEUの理解が得られるとの前提を基に、3月29日の離脱期限を数ヶ月延長し、離脱協定案について時間的猶予を与えるというものです。争点の一つとされるアイルランドの国境問題について安全策が発動されれば、英国はEUの関税同盟に半永久的に残る可能性が指摘されることから、こうした安全策が発動されることがないようEU側に確約を求めると同時に、国境問題に改善策がないか再度検討するなどの案も模索することもあるかもしれません。仮に僅差での否決となり、2回目の投票でEU離脱協定案が可決される可能性が高まることになれば、EU側の首脳から何らかの決め手となる妥協案の提供も議論される可能性があるとの観測もあり、ポンドは対ドルを中心に主要通貨に対し上昇するかもしれません。

本日の注目通貨トピックス Jan 11

1月3日のドル円の104円台への急落をはじめクロス円も含めて円買いが進んだ流れから今週は回復途上の中、NY株式市場が、年明け2日、3日と続落した動きも4日以降昨晩まで5日続伸と持ち直し、日経平均株価も20,500円に迫る水準まで回復するなど金融市場が落着く兆候が見られました。こうした中で米中通商交渉を巡る次官級協議では中国による米国からの農産物輸入拡大の一方、米国が要求する知的財産権など米国が求める内容に隔たりが見られ、高官協議へ持越しとなったほか、米政府系機関の閉鎖が続くなど懸念も残っています。来週の注目すべき材料を中心に注目通貨をまとめてみました。ご参考になればと思います。

◇来週(1月14日~1月18日)の注目通貨

【14日】

米政府系機関の一部閉鎖がクリントン政権時代の1996年年末-97年年始を挟んで21日間続いた記録を更新(昨晩10日までの閉鎖で20日間継続)すると思われ、トランプ大統領が非常事態宣言を発令してまでメキシコ国境との壁建設費用を捻出すれば議会軽視、大統領の職権乱用との非難が高まる可能性もありNY株式・債券が荒れる可能性もあり警戒が必要かもしれません。また、翌日15日に英EU離脱協定案を巡る議会採決を控えて要人からの発言も予想されることから英株式・債券市場、さらにポンドの動向にも注意が必要です。経済指標では14日に発表される中国12月貿易収支での対米黒字に対する反応のほか、中国の景気減速懸念も警戒される中、輸入減となれば豪㌦にも影響が及ぶ可能性もあり注意が必要です。

【15日】

英EU離脱協定案を巡る議会採決が最大の注目となります。既に議会では否決を織り込んでいるとも言われ、メイ首相は3日以内に代替案(ブランB)提出が義務付けられており、どのような代替案を示すことができるのか注目されます。さらに与党保守党のEU残留を支持するグループが最大野党の労働党と協議を進める動きのほか、労働党のコービン党首が総選挙実施を要求するとの観測も聞かれるなど慌ただしい動きとなっており、ポンドは上下へ振れ幅の大きな動きなることに警戒が必要です。

【16日】

日本時間20時00分にトルコ中銀政策委員会が予定され、政策金利が変更されるか 注目されます。トルコ政府は昨年12月25日に最低賃金を26%引上げるなど財政支出の拡大に動いているほか、トルコのインフレ率(消費者物価指数、前年同月比)も10月の25.24%をピークに12月は20.3%へ低下しており、現状の政策金利(24.0%)を若干引き下げる可能性もあるだけに政策委員会を経てのトルコリラの動向が注目されます。また、22時30分に発表される米12月小売売上高も注目されます。好調なクリスマス商戦の一方、12月22日から続く、米政府系機関の一部閉鎖が続く中、個人消費への影響が確認されるのか注目されます。

【17日】

南ア中銀政策委員会、6.75%の政策金利を維持との見通しが聞かれる中とはいえ、前日のトルコ中銀が政策金利を引き下げた場合、新興国通貨の一つであるランドにも影響が及ぶ可能性があるだけにランドの値動きも注目されます。

【18日】

日本やカナダの12月消費者物価指数に対する反応が注目されます。日本の金融政策に及ぼす影響は殆どないと思われる一方、カナダは9日の政策委員会で政策金利を据え置いたものの、声明の中で今年4-6月期にも経済が上向くとの内容を示し、金利を引上げる必要性にも言及していました。加えて原油価格が12月の42㌦台を下値に9営業日連続で上昇し52㌦台を回復しており、カナダの消費者物価指数も注目されます。

本日の注目通貨トピックス Jan 10

◇カナダ㌦ 

昨晩のカナダ中銀政策委員会で政策金利を1.75%に据え置くことを決定しました。10月の政策委員会で政策金利を1.50%から1.75%に引き上げて以降、米中貿易問題の影響が顕著となり世界経済全体に金利低下が顕著となり、長短金利差が縮小したほか、世界的に株式市場の調整が見られたと世界経済を総括。世界経済の成長率見通しを2018年の3.7%から2019年見通しを3.4%に下方修正しました。

一方、カナダ国内経済については原油価格下落の影響が見られる一方、2017年の3.0%成長には及ばないものの、2018年、2019年ともに2.0%成長を維持する見通しであると自信をのぞかせています。また、労働市場も2017年の水準ではないものの引き続き堅調に推移、設備稼働率も高水準を維持、今年4-6月期にもカナダ経済は上向く見通しであるとして、金利を引き上げる必要があるとのタカ派的な考えを継続しています。今後発表されるカナダの経済指標が注目されます。カナダは対ドルで昨年末1.3664㌦まで下落したものの、年明け以降の原油価格が昨晩まで8営業日連続で上昇するなど反発基調への転換を支援材料に1.3179㌦へカナダ㌦は対ドルで上昇しました。さらに米国の一部政府系機関閉鎖が一段と長期化するとの懸念もドル売りに影響しているものと思われます。

カナダ㌦は対ドルで昨年10月1日の1.2782㌦から12月末の1.3664㌦までカナダ売りが進行したものの、高値・安値の半値水準(=1.3223㌦)を上抜けたことから61.8%水準にあたる1.3119㌦までカナダ買いが進むか注目されます。

(出所:SBILM)

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