本日の注目通貨トピックス Sep 19

日本株が注目

米株式市場では、ダウ平均株価が年初から+6.2%、S&P500は+8.6%、ナスダックは+15.3%と上昇しているが、日経平均株価は年初から+4.4%の上昇に留まっている。

米中の通商問題が燻っている中では、ここから米国株を積極的に買い続け難い状況でもある。また、イタリアやトルコなどの懸念が燻る一方、波乱含みの英国のEU離脱、またECBの金融政策の遅れなど不安要因が多く、欧州株を積極的に買い難い状況が続いており、欧州主要株価は年初来5%程度下落している。その中で、比較的割安な日本株に資金シフトする可能性も指摘されている。

明日の自民党の総裁選での安倍首相の三選となれ、安定的長期政権、アベノミクス継続となり、海外投資家にとって好材料となる。また、日経平均株価のPERが約13倍であるのに対して、アメリカは約18倍程度であることからも割安である。さらに、長期金利(日本の10年債利回り0.117%、米10年債利回り3.055%)を加味すればなおさらである。

日経平均とドル円の関係

外国人投資家が日本株を買う場合、為替変動によるリスクを考慮するため日本株購入と同時に円売りをしてリスクをヘッジさせる。そして、日本株を売却する時には、ヘッジのための円売りポジションを解消(円買い)させることになる。現状で、日本株が上昇している割には、円売りが進んでないことから、ドル円は比較的割安であり、上昇余地も考えられる。そして、外国人投資家の日本株買いが今後さらに進むようなら、一段の円売りとなる可能性も考えられる。また、日銀の出口戦略が進んだとしても、日本の金利が急速に上昇する可能性は考え難く、当面日米の金利差は開いたままであることも、ドル円の下支え要因となるだろう。

テクニカルで見ても上昇余地

ドル/円は、一目均衡表の雲を上抜けたことで、三役好転の強気シグナルとなっている。当面は、113.17を目指す展開も予想され、113.17を上抜ける動きとなる場合には、前回同様に一段の上昇となる可能性も考えられる。その場合の上値目標の計算値は114.84となる。オシレーターのMACDでは、両線がクロスしてゼロポイントを上抜け、尚且つ両線の乖離幅が拡大していることから、上昇継続を示唆する形となっている。

本日の注目通貨トピックス Sep 18

◇トルコ円

先週13日、トルコ中銀は代表的な政策金利の一つ、1週間物レポ金利を17.75%から24.00%へ市場予想(3.0%~4.0%)を上回る6.25%の引上げを決定しました。政策委員会を前にエルドアン大統領は「インフレはトルコ中銀の誤った金融政策の結果」と中銀への批判発言を行うなど、金融引締めに反対していただけに、あらためてトルコ中銀がエルドアン大統領の圧力に屈することなく、独立性を保ったと市場は評価したことから、トルコリラの反発につながりました。トルコリラは対円でエルドアン大統領の牽制発言を受けて17円割れまで下落したものの、予想以上の利上げを受けて18円台半ば近辺へ反発しました。また、対ドルでも前日比6.0%近い上昇となりました。また、14日には一時18円台半ばを上回ったものの、8月10日~13日にかけて、いわゆる『トルコショック』の15円台半ば付近までの急落後の高値となる8月16日の戻り高値(19円43銭)の回復にはおよそ1円00銭ほど距離があり、この戻り高値を回復できるか、今後のトルコリラの動向を占う上でポイントとなりそうです。今回の決定でトルコリラ安に歯止めが掛るのか、さらに新興国市場全体へのセンチメントの好転につながるか、今週の注目点の一つといえます

トルコの実体経済を見ると、建設や小売、自動車リースなど各業種の資金繰りを見ると、借入はドルやユーロなど外貨の一方、収入はリラとなっているだけにリラ安の影響で状況は厳しくなり、破綻する企業や社債償還の不履行など問題となっています。9月10日発表の4-6月期GDPは前年同期比+5.2%と前期から鈍化、さらにリラ安の影響による消費や投資の減速によって7-9月期、10-12月期以降も成長鈍化に歯止めがかからず、2019年にはマイナス成長に転じるとの予想も多く聞かれています。さらにエルドアン大統領は13日の政策委員会を前に商慣習として定着している外貨建不動産取引や賃貸、リース契約などを突然、リラ建に改定するよう大統領令を発令、こうした規制によって企業の会計処理を混乱させ、結果的にトルコの市中金利の上昇を招くことになっています。

こうした中、先週末14日のNY市場で米10年債利回りは一時3.0%台を回復しており、利回り上昇を抑えていた貿易摩擦や新興国経済を巡る懸念がやや後退、米10年債利回りが3.0%台を定着することになれば再び、新興国市場から資金が流出、米国への資金流入へつながるだけに、リラ安が再燃する可能性も否定できない状況かもしれません。加えて米中間選挙まで50日あまり、与党共和党が上下両院で過半数を死守できるか、最近の世論調査では上院で共和党、下院では民主党がリードする展開となっています。政権と議会の『ねじれ』が生じることになれば予算編成で与野党の調整が必要となり、民主党は予算成立と引き換えにヘルスケア充実など要求を突き付けることが予想されます。トルコで自宅軟禁中の米国人牧師はトランプ政権の支持基盤であるキリスト教福音派であり、中間選挙までにあらためて釈放を求め、これが実現しなければトルコに対し更なる追加制裁に踏み切る可能性も指摘されています。

様々な問題が残る中、昨晩の7月鉱工業生産の反応のほか、18日の7月住宅価格指数、20日の9月消費者信頼感指数の結果が注目され、引き続き動向が注目されます

本日の注目通貨トピックス Sep 13

◇トルコ円

代表的な政策金利の一つ、1週間物レポ金利は現状:17.75%、そのほか翌日物貸出金利は現状:19.25%、さらに後期流動性貸出金利は現状:20.75%となっています。先週3日に発表されたトルコ8月の消費者物価指数(インフレ率)は17.9%と7月(15.85%)から上昇。さらに今週10日に発表されたトルコ4-6月期GDPは前期比+0.9%(前期:1.5%)と減速。こうした中で政策金利(17.75%)からインフレ率(17.90%)を引いたトルコの実質金利は-0.15%と実質マイナス金利となったこともトルコ安の反発を難しくした一因と思われます。

こうした中、今晩日本時間20時00分にトルコ中銀政策委員会で政策金利が発表されます。

前回7月の政策委員会ではインフレ率の上昇やトルコリラ安が進行する中、少なくとも1.0%以上の利上げが予想されていましたが、 現状維持を決定しました。トルコ中銀は声明文でインフレリスクは残る一方、国内需要の減速が見られることが政策金利を据置いた理由であると説明していました。さらに、今後について様々な観点から経済動向を注意深く観察し、必要なら一段の金融引締めを実施する意向であると表明していました。

前回の政策金利据置きの背景としてエルドアン大統領の金融政策への介入があったと見られており、今回の政策委員会でもエルドアン大統領の意向が反映されることになるのではないか、と懸念する声も聞かれています。もともとエルドアン大統領はしばしば金利引下げを望む発言を行っており、インフレ率の上昇や通貨安の中で利上げして当然と思われる市場の見方と異なる姿勢を貫いています。6月の大統領選で再選されたエルドアン大統領は市場からの信認の厚いシムシェキ財務相を再任せず、娘婿のアルバイラク氏を新らに財務相に任命、さらにトルコ中銀の総裁、副総裁を大統領自らが指名する権限を大統領自らに新たに付与したこともあり、エルドアン大統領の金融政策への介入強化が今晩のトルコ中銀政策委員会でも影響を及ぼすのか注目されます。

前回の7月の政策委員会で利上げが見送られたことも影響し、8月10日から13日にかけてトルコリラは急落しました。8月10日にエルドアン大統領やアルバイラク財務相がそれぞれ演説した中でトルコ経済は問題ないとする発言ばかりが目立ち、市場が期待するような具体的なインフレ抑制策やリラ安に歯止めを掛けるような発言は聞かれませんでした。結果的に、その後も中期財政健全化計画や構造改革について何ら具体策は発信されないまま今日に至っています。一方でトルコ中銀副総裁の辞任やトルコで自宅拘束中の米国人牧師の釈放の否定や米国からの経済制裁など米国との関係悪化などの報道が目立ち、前向きな報道が聞かれない状況が続いています。

トルコでは通貨安の影響で企業の外貨建債務の返済に苦しんおり、建設資材もインフレ率の高騰で急騰しており、住宅在庫が200万棟に達し、年平均住宅販売件数(約50万棟)の4倍という厳しい状況が続いています。そうした状況も踏まえると過度な利上げが厳しいと考えられ、エルドアン大統領に配慮して2.0%-3.0%程度の利上げに収まる可能性もあり、リラ安には注意が必要かもしれません。

本日の注目通貨トピックス Sep 12

◇ドル円

ドル円は112円台を回復できるか?日足チャートを見ると109円78銭の安値からの上昇に対する小休止の持ち合いパターンと見ることが出来ます。この事例に当てはめると現状5波動目の上昇と確認でき、最近の事例からは5波動目に上抜けするケースが多く見られています。今回も同様な値動きとなればドル円は112円43銭を目指すことになると考えられます。8月21日の109円78銭から8月29日の111円83銭までの値幅(=2円05銭)を9月11日の110円38銭に上乗せして導かれる水準が112円43銭(=110.38+2.05)となり、これが試算の根拠となります。第1関門として意識されるのが111円83銭と111円76銭を結んだ上値抵抗線が111円69銭、第2関門が9月2日の111円76銭、第3関門が8月29日の111円83銭となります。先週末発表の米8月雇用統計で時間給賃金が大きく上昇したことでインフレ期待を背景に米長期金利が上昇。今月の利上げは確実視されていますが、12月に更なる利上げを確実なものにするためには明晩発表の米8月消費者物価指数が注目されます。今晩発表の米8月卸売物価指数とあわせ一段とインフレ期待が高まるのか、さらに今晩の10年債入札に対する米債券市場の動向が注目されます。米10年債利回りが節目の3.0%を再度上抜けることになるのかポイントとなりそうです。

◇上海株(上海総合株価指数)

日経平均株価は、昨日の291円高と直近2日間で357円高となり23,000円台を再度回復する注目されます。しかし懸念されるのは、上海総合株価指数の動向です。昨日は前日比4.68Pts安の2,664.80と、8月17日の年初来安値である2,668.97を更新。第二次チャイナショックの2016年1月安値2,638.96に次ぐ2月安値、2,655.62に接近するなど際どい水準へ低下しています。中国では株価が下落すれば、証券会社が企業の大株主から株券を預かり、この株券を担保に融資を受けて株式市場に資金投入するという、いわゆる『運用預かり』が破綻する可能性も出てきているとの観測もあるだけに、上海株の下落がチャイナショックのようなリスク回避につながらないか注意深く見ていく必要がありそうです。

本日の注目通貨トピックス Sep 11

◇ユーロ

イタリア政府が2019年度予算で財政規律を遵守する可能性を好感するユーロ買いとなり、1.1584ドルと128円75銭への反発後、EUのバルニエEU離脱首席交渉官が先週末7日のアイルランド国境問題に関して、より簡略化した管理方法を検討する準備があると発言したのに続き昨晩には「6-8週間で離脱合意に至るのが現実的」と発言しポンドが対ドル、対円で上昇した流れに追随しユーロは1.1617㌦、対円で129円07銭まで上昇しました。

今週13日のECB理事会では従来からの方針に基づき、10月からの資産買入れを半減させる計画を確認するに留まると見られ、成長率やインフレ見通しについて市場ではサプライズがあるとは考えにくいという予想が大勢となっています。ユーロは対ドルで直近1ヵ月ほどに渡り、一目均衡・日足・基準線(1.1517㌦)を下値支援とする値動きが続いており、昨日の安値も1.1525㌦で下げ止まり、その後の反発につながりました。一方、上値は一目均衡・日足・雲の下限(1.1649㌦)や90日移動平均線(1.1657㌦)さらに一目均衡・日足・雲の上限(1.1680㌦)が上値抵抗として意識されています。こうした水準を上抜けることができるか注目です。

◇ポンド

先週末7日、バルニエ・EU離脱首席交渉官が「アイルランド国境問題に関して、より簡略化した管理方法を検討する準備がある」と発言したのに続き、昨晩、「英国とのEU離脱交渉、6週間~8週間以内の合意成立は“現実的”」と楽観的な見通しを示したことからEU離脱交渉への期待感を背景に英国債から逃避資金が流出し利回りが上昇。ポンドは対ドルで1.3053㌦へ、対円で145円02銭までそれぞれ8月2日以来の高値まで上昇、その後も堅調な値動きを続けています。さらに昨日発表の英7月のGDPは、前月比+0.3%と、6月の+0.1%から伸びが加速、好天が続いたことで個人消費や建設業の好調さが目立つなど英国のEU離脱交渉の部分的な進展しか見られず、先行き懸念が広がる中でも、英国経済の7-9月期GDPもプラス成長が見込めそうとの楽観的な見通しもポンドの支援要因につながっています。しかし、EU離脱交渉が順調に進んだ場合でも離脱後の英国経済の先行き見通しに対する不透明感は払拭できない状況が続いており、昨日発表された英7月貿易収支は99.73億ポンドの赤字と赤字幅が大きく減少しています。先行き不透明感を背景に英国業者と6ヵ月を超える売買契約を渋っている国外業者が増えており、輸出受注が減少する中で輸入も振るわない状況にあるのかもしれません。先週発表された英8月製造業景況感指数PMIは52.8と2016年7月以来2年1ヵ月ぶりの低水準まで低下しており、先行きに不安が残る結果となっています。こうした指標に改善が見られるか今後の動向が注目されます。

今週13日の英中銀政策委員会では政策金利を0.75%で据え置く方針とし、量的緩和についても現行の方針支持を、全会一致で表明すると予想されています。ポンドは対ドルで今年4月27日以降、一度も一目均衡・日足・雲の下限(1.3104㌦)を回復できておらず、目先、一目均衡の「雲」が右肩下がりに低下する中で雲の下限を回復することが出来るか注目されます。

本日の注目通貨トピックス Sep 10

◇トルコリラ

 新興国市場からの資金流出に歯止めが掛るか、8月13日のトルコリラの急落(=トルコショック)が再び起こるのか、今週13日にトルコ中銀政策委員会で利上げが確実視されるものの利上げを好まないエルドアン大統領の中銀への影響力も懸念されるだけに、どの程度の利上げになるのか、状況次第ではトルコショック第2弾につながる可能性も否定できません。トルコでは本日、日本時間16時に4-6月期GDPが発表されます。市場予想では前期+2.0%から減速し、市場予想の中央値は前期比+0.5%となっています。しかし予想の中には+0.7%もあれば-0.1%との予想も聞かれるなどマイナス成長に陥る可能性もあるだけに、今回の結果も13日のトルコ中銀政策委員会に影響を及ぼす可能性もあるだけに注目されます。

 対ドルでの下落率はアルゼンチンペソの年初来約50%に次ぎトルコリラは約40%に達していますが、一段の下落も警戒されています。先週末7日に発表された米8月雇用統計の時間給賃金(前年同月比)が+2.9%と2009年6月以来の上昇率となったほか、前月比も+0.4%と昨年12月以来の高い上昇率となったことからインフレ圧力が強まり、FRBの利上げペース加速への思惑から米10年債利回りは一時2.95%台まで上昇する場面も見られました。パウエルFRB議長は8月のジャクソンホールでの講演で「米国経済が強く、段階的な利上げが必要」との考えを示した一方、「米国経済が過熱している兆候は見られない」との認識を示していました。しかし、米8月雇用統計で時間給賃金が上昇していることが確認されたことに続き、今週13日に発表される米8月消費者物価指数(コア前年比)が 予想通り+2.4%となればFRBの掲げる物価目標(+2.0%)を今年3月以来6ヵ月連続で上回ることとなり、米10年債利回りが再び3.0%台を回復する可能性があります。

 トルコやアルゼンチンでは、経済改革の遅れや対米関係の悪化のほか、もともと経済基盤の脆弱性のある新興国からの資金流出の動きが顕著になっています。また、米FRBの金融政策正常化に伴う、米金利上昇やドル高の副作用も新興国通貨安の要因となっています。トルコやアルゼンチンなど新興国の多くが2008年のリーマンショック以降の先進国の大規模な金融緩和政策の下、先進国から低金利で資金調達を行い経済成長を支えてきました。しかし、米国の金融緩和終了から出口戦略、正常化への道筋の中でドル高が進むことによって、新興国の債務負担が増すと同時に輸入物価の上昇というインフレの急激な上昇を招く結果となっています。

 13日のトルコ中銀政策委員会で利上げが実施された場合でもインフレ上昇や通貨安に歯止めを掛けるには至らない、と市場が判断すると同時に、米インフレ率の上昇に伴って米10年債利回りが3.0%の大台を回復することになれば新興国からの資金流出が加速する可能性も十分に考えられる状況にあります。トルコのエルドアン大統領の娘婿でもあるアルバライク財務相は『トルコ経済は問題ない』と強気な見通しを示す中、トルコ中銀副総裁が先々週辞任を発表するなど利上げを好まないエルドアン大統領のトルコ中銀への影響力が懸念されます。本日発表されるトルコ4-6月期GDPを踏まえ、13日の政策委員会でどの程度の利上げを決定するのか、トルコショック第2弾への警戒を含めトルコリラの動向には注意が必要です。

本日の注目通貨トピックス Sep 7

◇ドル円

 ドル円は今朝9時過ぎに110円38銭まで下落、8月22日以来の円高水準となりました。昨晩のNY市場では8月ADP全米雇用統計の非農業部門民間雇用者数が、2017年10月以来最低の伸びとなる+16.3万人に留まったことから、今晩発表の米8月雇用統計(就業者数予想は19.1万人の雇用者増)の下振れリスクが意識されたことが一因。さらに米ハイテク関連株への売りが続く中、ナスダックの下落に伴ってNYダウは94ドル安まで売られる場面があり、米10年国債利回りは2.87%台に低下したこともドル円の上値抑制となりました。加えてNY連銀ウィリアムズ連銀総裁は、賃金上昇率が低迷しており、インフレ圧力は不在であるとして、利上げを急ぐ必要はないとの考えを示しました。さらに円高に追い打ちを掛けた材料としてNY市場終盤に、トランプ大統領が「日本が次の貿易問題の標的になる」と発言したと報じられたことでリスク回避の円買いが加速し、ドル円は110円51銭まで下落しました。また、近々第3弾となる対中追加関税が発動される可能性があるほか、米国とカナダとの2国間通商協議の不透明さなど、世界的な貿易摩擦懸念が引き続きドル円の上値抑制となっています。ドル円は8月21日の109円78銭を下値に8月29日に111円83銭、9月5日に111円76銭まで反発したものの上値の重さをあらためて確認、日足チャートではダブル・トップの形状となっているだけに再度110円割れが意識されることになるかもしれません。

 こうした中で今晩発表される米8月雇用統計が予想を下回る冴えない結果となった場合、さらにトランプ大統領が貿易問題で中国からの2000億㌦の追加関税措置に前向きな発言を示した場合には110円割れへの警戒が必要です。また、明日8日、中国が8月の貿易収支を発表するだけに、対米黒字拡大といったようなトランプ大統領を刺激する内容となれば週末中にもトランプ大統領があらためて中国の貿易に対し批判的なツイートを発信する可能性もあり注意が必要です。

◇豪ドル円

 オーストラリア産業グループ(AiG)と住宅産業協会(HIA)が先ほど発表した8月のオーストラリア建設業指数(PCI)はアパート建設の減速が続いていることも影響し51.8と前月(52.0)から0.2ポイント低下しました。業況の拡大と縮小の境目である50を19カ月連続で上回ったものの住宅ブームの後退が懸念される状況が続いています。先月、ウェストパック銀行が住宅ローン金利を引き上げたのに続き、昨日はオーストラリア・ニュージーランド銀行がこうした金利引上げに追随、住宅ローン負担が上昇し個人消費に悪影響を及ぼすことになれば豪経済への懸念が高まり、豪中銀の利上げ時期が一段と後退するとされ豪ドル円は、今朝のドル円の下落にも影響し79円27銭まで下落、2016年11月以来の安値まで下落しています。豪の建設業は引き続き、豪経済の主要原動力の一つとなっていますが、住宅ブームの後退が一段と進む可能性もあり、モリソン新政権が野党・労働党の提案している住宅関連の減控除見直し案を止めることができるか、景気対策も含めて政治手腕が問われそうです。

本日の注目通貨トピックス Sep 6

◇ドル円

ドル円は昨晩のNY市場で111円76銭まで上昇したものの112円台回復には至らず、あらためて111円台後半からの上値の重さを確認。また、関西を襲った大型台風による強風や高波の影響で関西空港が閉鎖、物流やアジア各国からの日本への観光減少への懸念からインバウンド消費にも影響が及ぶとしてインバウンド関連セクターの株価は下落しています。さらに今朝3時過ぎに北海道を襲った大地震の影響により新千歳空港が閉鎖されるなど、こちらも物流や一部企業の工場操業への影響が懸念され日経平均株価は5日続落となっており、ドル円も111円17銭へ反落しています。(午前10時20分現在)

注目材料として
・米国による2000億ドルの中国製品に対する追加関税発動の可能性
 ⇒トランプ大統領のツイッター配信や発言に要注意
・米国とカナダによる北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉の行方
 ⇒トランプ大統領のツイッター配信や発言に要注意
・7-8日のEU財務相・中銀総裁会議でECBの利上げの可能性を巡る議論との観測
 ⇒ユーロの対ドルでの堅調地合いとなれるか注目
・英・独がEU離脱交渉の合意成立を優先させるため、将来の経済・通商関係に関する詳細決定を先送りする意向
 ⇒目先はポンド上昇の可能性があるものの離脱後の英経済への影響を巡る懸念も根強いだけにポンドが対ドルで1.30ドル台へ上昇し定着できるか目先のポイントに
・北海道地震や関西の大型台風や高波被害による企業の工場停止など日本経済への影響を背景に日本株の下落基調継続か? ⇒日本株の下落によるリスク回避が強まれば円高進行のリスクも

こうした中、明晩、米8月雇用統計が発表されます。

パウエルFRB議長は8月24日のジャクソンホールでの講演で「経済が強く、段階的な利上げが必要」と発言した一方。「米国経済が過熱している兆候は見られない」との考えを示しました。こうした発言にも9月26日のFOMCで0.25%の利上げは確実視されており、こうした観測を一段と高めるか、さらには12月の利上げも含め、年内あと2回の利上げ観測を強める結果となるか注目されます。雇用統計が市場の失望を誘う結果となればドル円は再度111円割れを目指す可能性もあり一目均衡・日足・基準線(110円82銭)で下げ止まることができれなければ、8月31日の安値(110円69銭)、さらに110円台半ばへの下落に注意が必要です。  

(出所:SBILM)

提供:SBIリクイディティ・マーケット株式会社
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