マーケット情報

本日の注目通貨トピックス

2019年09月13日 (金)

9月6日の米8月雇用統計では就業者数が伸び悩んだ一方、賃金の上昇が確認される中でドル円は106円62銭まで下落したものの、パウエルFRB議長が米経済は好調であるとの認識を示したほか、米中通商協議に向けた電話会談が順調に進んでいるとの報道を好感、106円92銭で取引を終えました。週明け9日には107円台を回復したものの、106円76銭へ反落。しかし6日の雇用統計後の安値を手前に下げ止まったこと、さらに日経平均株価が8月1日以来となる200日移動平均線を回復、海外投資家らによる日本株への買戻しの動きと共にドル円や米債券市場にも巻き戻しの動きが観測され、徐々に下値を切り上げ、10日には107円49銭まで反発しました。6日に発表された中国人民銀行による預金準備率引き下げの発表に続き、ドイツでの財政出動検討の報道や英EU離脱を巡る合意なき離脱の回避期待など市場のリスクセンチメントに変化が見られました。10月の米中通商協議再開に向けてファーウェイが米政府への訴訟の一部を取り下げたほか、ファーウェイへの制裁緩和を条件に中国が米農産物の輸入拡大の方針を示すなど米中間の対立緩和期待を好感、リスク選好の動きが高まりました。さらに、中国が米国との貿易戦争の悪影響緩和に向けて重要な措置を導入する見通しが報じられたほか、米8月卸売物価指数がコア指数ともに前年比で予想を上回ったことで債券売りに反応。米10年債利回りは一週間前の1.45%台から1.74%台へ上昇、センチメントの改善が明らかになりました。足許の米長期金利の上昇は、国債入札と社債の起債が続く中で堅調な消費者信頼感や雇用統計での賃金上昇が確認されたことも影響していると見られており、FRBの年内の利下げペースが予想より鈍化する可能性もあるとの見方も聞かれました。ドル円はNYダウが6日続伸し高値引けとなった11日にはNY市場終盤に107円86銭まで上昇、さらに12日にはトランプ大統領が10月1日発動分の対中制裁関税に対し10月15日までの延長を表明したことで、来週の米中通商交渉実務者協議に続く、10月の閣僚級協議への進展期待を背景に8月1日以来となる108円台を回復しました。一方、注目されたECB理事会では中銀の預金金利を0.1%引き下げ-0.5%としたほか、利下げに伴う金利負担軽減に向けて金利階層化を導入。加えて11月から債券買入れや長期資金供給オペの条件緩和などの措置を決定しました。ユーロは対ドルで1.1065㌦から1.0927㌦へ下落。ユーロ円も119円29銭から117円55銭へ下落したことからドル円も一時107円52銭まで反落しました。しかし、ECBの決定は市場の期待ほどの大胆な緩和策でなかったとの見方となり、ユーロは対ドルで1.1087㌦へ、対円で119円83銭への反発しました。こうした中でドル円も反発する中、トランプ政権が中国の知的財産権の保護や農産物輸入を条件に制裁関税措置の延長や税率引き下げを検討との報道も聞かれ、ドル円は108円19銭へ上昇しました。また、ムニューシン財務長官が50年債の発行について来年に向け真剣に検討との発言も聞かれ米10年債利回りは1.80%手前まで上昇、ドル円の堅調な値動きを支援、13日の東京市場では108円26銭まで上昇しています。  (午前10時30分現在)来週は19日の明け方午前3時00分にFOMCの結果が示され、午前3時30分からパウエルFRB議長が会見、さらに正午前後に日銀政策会合の結果に続き、15時30分から黒田日銀総裁の会見が注目されます。さらに、16時30分にはスイス中銀、20時00分には英中銀政策委員会の結果および議事要旨が公表されます。加えて南アフリカ中銀も19日に政策委員会が開催されることからランドの反応も注目されます。昨晩のECB理事会に続き、FOMCでも0.25%の利下げが予想される中、日銀政策会合ではフォワードガイダンスの強化という緩和政策の維持を強調に留まると予想されるだけに、金利差縮小への思惑が円高への懸念を高めるとの警戒感も聞かれます。それだけに黒田日銀総裁の会見も含め、その後のドル円の反応が注目されます。一方で10月の閣僚級による米中通商協議に向けた次官級協議が来週開催されることから、今週大きく膨らんだ閣僚級協議に向けた期待感が持続するのか、次官級協議の行方はドル円の方向性を大きく左右するだけに注目されます。当然のことながら失望の内容となれば、これまでのドル円の上昇が一転、円高への懸念が再燃されます。また、FOMC後のパウエルFRB議長の講演も、従来通り、米国経済の堅調持続のために適切な措置を講じるとの基本的スタンスには変化がないと思われるものの年内及び来年初めにかけてのFRBの緩和継続の観測が後退することとなれば、NY株式市場が再び調整に見舞われる可能性もあり注目されます。そのほか、東京市場が休場となる16日に発表される中国8月鉱工業生産や小売売上高を受けて中国経済の減速懸念が高まるか、また、17日には豪中銀の政策委員会議事要旨および4-6月期住宅価格指数、さらに19日の豪8月の雇用統計も含め、豪ドルの対ドル、対円での上昇基調が継続するのか、上昇のピークアウトを印象付ける結果となるか注目されます。さらに、米国の経済指標では17日発表の米鉱工業生産に米中通商問題の影響を懸念する状況が続いているのか株式・債券市場の反応も含め注目されます。また、欧州では独9月ZEW景況感指数の低下に一服感が見られるかユーロの対ドル、対円での反応が注目されるほか、英国のEU離脱に向けたジョンソン首相の動静も引き続き注意が必要です。

2019年09月11日 (水)

◇ユーロ

明日のECB理事会を前にECBが中銀預金金利を0.1%~0.2%引き下げる決定を行うほか、月間300億~400億ユーロの債券買入れを再開するとの観測の一方で、米中通商問題を中心にした世界的な貿易問題や英国のEU離脱問題などに先行き不透明感も残ることから、その後の対応策を温存すべきとの慎重な見方も聞かれています。また、マイナス金利の深堀りは銀行の収益圧迫につながるとの指摘も聞かれています。4-6月期のマイナス成長に続き、7-9月期もマイナス成長が続くとの懸念も聞かれるドイツ経済、前日には連邦予算の枠外で財政投資を行う計画が検討されているとの報道に続き昨晩はドイツが経済危機に見舞われれば、数十億ユーロの投入も可能とするシュルツ財務相の発言も聞かれ、財政政策での対応も浮上しています。既に低金利の状況にある中、家計や企業、さらには政府の借り入れコストは、かなり低く抑えられており、金融緩和の効果に否定的な見方も聞かれています。

これに対し11月1日にドラギ総裁の後任が決まっているラガルドIMF専務理事はECBの政策手段についてコストやメリットを改めて評価する意向を示しており、ドラギ総裁は債券買入れの再開をラガルド次期ECB総裁に委ねる可能性もあるとの観測も聞かれます。しかし、ユーロ圏4-6月期GDPは年率+0.8%と低迷、ドイツの鉱工業生産や製造業受注の落ち込みなどを背景に独連銀の月報では7-9月期のドイツ経済もマイナス成長に陥るとの警戒感が示されました。

ドイツの財政出動に対する期待が聞かれるものの、ユーロ圏経済は成長の多くを貿易に頼っており、金融緩和策への依存度が高いとされています。さらに、ドイツは人口が米国の4分の1程度に留まるものの、世界の輸出に占めるシェアは米国と肩を並べるほどの状況にあります。金融緩和を通じてユーロ安が進行すれば、輸出にも押し上げ効果がもたらされる可能性もあり、ドラギECB総裁がどのような判断を下すのか注目されます。

ユーロは対ドルで9月3日に付けた2017年5月以来の安値(1.0927㌦)を下値に一目均衡・日足・転換線(1.1005㌦)を回復、この水準を上抜けた一方、20日移動平均線(1.1058㌦)が上値抵抗として意識され伸び悩んでいます。明日のECB理事会の決定次第ではユーロは日足・基準線および9月5日高値である(1.1084㌦)を上抜け、この水準を下値支援に一段と反発する可能性もあり、8月26日の高値(1.1163㌦)を回復すれば、ユーロの下落基調の一服を確認する格好となるだけに、ECBの決定が注目されます。

2019年09月10日 (火)

◇豪ドル円

来月の米中通商協議再開に向けて中国側がファーウェイへの輸出規制緩和を条件に米国産農産物の輸入拡大を提案したとの報道に加え、ムニューシン米財務長官が中国貿易交渉担当官が米担当者と協議を再開したことは中国側の誠意の表れと評価するなど米中通商協議への進展期待が続いています。こうした動きを背景に米長期金利が上昇、10年債利回りは1.64%台へ上昇、ドル円は昨晩のNY市場で107円28銭まで上昇後も堅調な値動きを続け、今朝の東京市場では107円19銭を下値に107円50銭まで上昇、一目均衡・日足・雲の下限(107円42銭)を上抜けるなど堅調な値動きを続けています。

こうした中、豪ドル円は8月1日以来の高値となる73円83銭まで上昇、一目均衡・日足・雲の上限(73円76銭)を上抜けてきたことから、豪ドル円の上昇に弾みがつくか注目されます。また、豪ドルは対ドルでも9月3日から昨日まで5日続伸するなど、豪ドルの対ドルでの売りポジションの解消が進行していることと思われます。12日のECB理事会、政策金利の引き下げや債券買入の再開が予想される中、景気刺激策として、ドイツ政府が連邦予算に含まれない新たな債務を引き受ける独立した公共団体を設立を検討していると伝えられ、こうした団体を通じてインフレ整備などの支出拡大を可能とすることで、財政規則の上限を上回る公共投資を可能性にするとの財政政策が打たれるとの期待が、ECB理事会での利下げ観測を背景にしたユーロ売りを封じているとされ、ヘッジファンドらによるユーロの対ドルでの買い戻しの流れが続いています。12日のECB理事会の決定以降、ユーロの底堅い値動きを確認し、ユーロ円が堅調に推移すれば、豪ドル円の一段高につながる可能性があるだけに注目されます。

豪ドル円は7月22日の高値(76円16銭)と8月26日の安値(69円94銭)とのフィボナッチから38.2%日のあたる水準が73円78銭にあたります。本日午前10時30分時点、ここまでの高値(73円83銭)が38.2%水準(73円78銭)を上抜けてきたことから、一目均衡・日足・雲の上限(73円76銭)と合わせてこの水準を下値支援とする堅調な値動きを継続することができる、豪ドルの金利先安観といった足枷を消化して尚、上昇基調を継続するか注目されます。

2019年09月06日 (金)

今週ここまでのドル円は9月1日の米国に対中制裁関税発動の影響が懸念され2日の早朝に105円88銭まで下落、8月30日のNY市場終値である106円28銭から下方乖離しての週明けとなりました。しかし、米中両国からの制裁関税発動に関する新たな発言も聞かれず、過度なリスク回避の動きには至らず、日経平均株価も84円安と小幅な下げに留まる中、上海株はプラス圏で取引を終了。さらに中国8月財新製造業PMIが3ヵ月ぶりに好不況の節目となる50.0を上回る50.4へ改善したこともドル円の下値支援になりました。NY市場休場の中、米債券先物での金利上昇を背景に106円台前半へ上昇したものの、中国が米国の対中制裁関税をWTOに提訴したことが材料視され105円台後半へ反落する中、米8月ISM製造業景況指数が3年ぶりの50.0割れまで低下したことも影響し、105円74銭まで下落しました。一方、英EU離脱を巡る不透明感や9月12日のECB理事会での緩和観測を背景にドルが対ポンド、対ユーロで上昇したことから106円08銭まで反発するなど105円台後半を下値にした底堅さを確認しました。また4日には香港の「逃亡犯条例案」の撤廃や中国人民銀行が近く預金準備率引下げを実施すると観測などを受けて、香港株や上海株が上昇。さらに合意なき離脱に向けたジョンソン首相の議会解散も否決されたことで、ポンドが対ドル、対円で上昇する中、ユーロ円や豪ドル円が上昇したこともドル円の支援材料になりました。ドル円は徐々に下値を切り上げる中、中国・国営中央テレビが、中国の劉鶴副首相とライトハイザー通商代表部代表、ムニューシン米財務長官が電話で協議、10月に閣僚級の貿易協議を再開することで合意したとの報道がリスク選好の動きを加速、ドル円は106円75銭まで上昇しました。さらい米ADP雇用統計やISM非製造業景況指数が予想を上回ったことで米国経済の減速懸念が後退、リスク選好の流れに伴い債券から株式市場への資金シフトが加速する中、ドル円は107円23銭まで上昇、その後も堅調地合いを継続しています。

来週は今晩の米8月雇用統計、さらにはパウエルFRB議長の講演を消化しても尚、ドル円は堅調地合いを維持するか週明けの動向が注目されます。引き続き、米中通商交渉を中心にした政治的な動きに変化があるのか注目される一方、中国8月消費者物価指数など通商問題の影響による減速懸念が見られた場合にも、中国人民銀行による預金準備率の引き下げなど10月の中国建国70周年を前に景気対策を講じるとの期待が中国経済や上海株の下支えとなる可能性もあり、動向が注目されます。さらに政治的な動きとして注目される英合意なき離脱を巡るジョンソン首相の動向も注目されます。9日には議会の解散を求める動機を再提出するとの観測のほか、敢えて自ら内閣不信任案を提出した上で暫定政権成立が2週間以内に議会が承認しなければ解散・総選挙に至る法案を逆手に取るといった観測もあり、依然予断を許さない状況が続くものと思われます。一方、来週は米国で消費者物価指数や小売売上高が発表されるだけに、再来週のFOMCの行方を占う上で注目されます。一方、12日にはECB理事会での緩和策の行方が注目され、市場で観測される0.1%の引き下げや債券買入の再開といった緩和策が決定した場合のユーロの反応が注目されます。また、ドラギECB総裁の会見では先々の更なる緩和サイクルの入り口との認識か、一時的な動きか方向性への認識が注目されます。また、再来週の日銀政策会合を控えて9日の4‐6月期GDP改定値や11日の7‐9月期法人企業予測調査の結果も注目されます。さらには、12日のトルコ中銀政策委員会で7月に続く利下げがあるのか、トルコ円の行方も注目されるほか、豪・企業景況感や消費者信頼感など10月の追加利下げ観測が高まるか、こうした指標に対する豪ドルの動向も注目されます。

2019年09月05日 (木)

◇カナダドル

昨晩、カナダ中銀は政策金利を1.75%の据え置きを決定、カナダは対ドルで1.3218㌦、さらに、本日の東京市場では8月14日以来の高値となる1.3215㌦へ上昇しています。カナダ中銀は声明の中で「貿易摩擦の激化とそれに伴う不透明感が、世界とカナダの経済を圧迫している」との懸念を表明しており、来週のECB理事会、再来週のFOMCで 利下げが見込まれる中、カナダ中銀も緩和への選択を迫られるのか注目されます。

◇トルコリラ

来週12日にトルコ中銀政策委員会が行われます。トルコ中銀はインフレの沈静化を背景に7月には政策金利を24.00%から19.75%へ引下げています。今週発表されたトルコ4-6月期GDPが前期から改善したほか、8月消費者物価指数でもインフレの沈静化が一段と進んだことから、トルコ中銀の決定が注目されます。

トルコ円は香港の「逃亡犯条例」の撤廃や中国人民銀行による預金準備率の引き下げ観測などリスク選好の中で、新興国通貨の上昇とともに8月20日以来となる18円78銭まで上昇するなど堅調な値動きとなっています。トルコ円は90日移動平均線(18円65銭)や一目均衡・日足・雲の下限(18円74銭)を下値支持として、雲の上限(19円13銭)を目指して一段高となるのか、或いはこうした水準を上値抵抗として下落に転じるのか、来週のトルコ中銀政策委員会での政策金利の行方が注目されます。

(出所:SBILM)

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