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テクニカル教室

第10回「目標値計算編 その3」

掲載日:2019年11月27日

一目均衡表計算

一目均衡表には、値幅観測論という理論があります。値幅観測論は、過去の値幅から将来の値幅を予測するという理論です。そして、アルファベットのN型の波動上において、E計算、N計算、Ⅴ計算、NT計算という4種類の計算方法があります。

E計算

E計算は、①から②までの上昇・下降に対して、「押し目」や「戻り」の後にどの位の上昇・下降があるのかを測る計算方法です。重要なポイントである②の延長線上を抜けた場合、どこまでの上昇・下降があるのかを計算で予測する方法です。①から②までの値幅と同等の値幅を➁の延長線上から計算すると、目標値の➃が計算で導き出されます。

N計算

N計算は、①から②までの上昇・下降に対して、その後の押し目や戻りの後にどの位の上昇・下降があるのかを測る計算方法です。「押し目」や「戻り」のポイントである③からどこまでの上昇・下降があるのかを計算で予測する方法です。①から②までの値幅と同等の値幅を➂から計算すると、目標値の➃が計算で導き出されます。

Ⅴ計算

Ⅴ計算は、②から③までの「押し目」や「戻し」の後にどの位の上昇・下降があるのかを測る計算方法です。重要なレジスタンスやサポートである②の延長線上を抜けた場合にどこまでの上昇・下降があるのかを計算する方法です。②から③までの値幅と同等の値幅を➁の延長線上から計算すると➃が導き出されます。②から③までの上昇や下降に対する倍返し(2倍の下降や上昇)の目標値が計算できます。

NT計算

NT計算は、➀から➁までの上昇に対する「押し目」や「戻し」のポイントである③からどこまでの上昇・下降があるのかを計算する方法です。①から③までの値幅と同等幅の値幅を③から計算すると、➃が導き出されます。ただ、出現頻度や見極めなどの点から、やや実践的には使い難い面もあります。

以上4つの計算方法をご紹介しましたが、個人的には目標水準を予測する上でN計算、E計算を多用しており、Ⅴ計算、NT計算に関しては出現頻度や見極めなどの点から使い難い面もあり、あまり使っていません。そのため、このような手法があるという程度に留めて良いかと。また、必ずしも計算通りの上昇・下降とならない場合もあるので、最初の波動で要した日数を考慮し、オシレーターなどのツールを合わせて、目標の期間や値幅を判断するようにしています。

下のチャートでは、➀から➁までの上昇後、➂までの調整となりました。その後、底打ちとなり重要なレジスタンスとなる➁を抜けたことからN計算(➀から➁までの値幅を➂からプラス)で上値の目標値を計算すると➃が導き出されます。➀から➁まで日柄を考慮してオシレーターのMACD合わせて見ると、MACDで両線がクロスしたBのポイントが日柄を考慮した手仕舞いのポイントと判断します。結果的に➃のポイントまでは到達できなかったケースとなります。

【提供:SBIリクイディティ・マーケット株式会社】

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【筆者紹介】

竹内 友浩
SBIリクイディティ・マーケット 金融市場調査部 副部長
国際テクニカルアナリスト連盟(IFTA) 認定テクニカルアナリスト
日本テクニカルアナリスト協会 検定会員

証券会社などでコモディティー、証券業務に従事、為替部門ではカスタマーディーラーとして勤務。現在、SBIリクイディティ・マーケット 金融市場調査部に所属、日々ディーリングルーム内で為替動向をウォッチ。SBI証券、SBIFXトレード、住信SBIネット銀行、Yahooファイナンス、雑誌などに寄稿