FXでかかる税金は?確定申告や税金の計算方法について解説 | SBI FXトレード 

FXでかかる税金は?確定申告や税金の計算方法について解説

FX初心者ガイド

UPDATE 2025.02.17
POST 2025.02.17

FXでかかる税金は?確定申告や税金の計算方法について解説

1. FXでかかる税金の種類と税率

会社から給与を受け取ったり、事業で収益をあげたりした場合は、課税されます。給与や事業による収益などの収入から必要経費を差し引いた金額は「課税所得」と呼ばれ、この課税所得の額に応じて税金額が決定します。

なお、所得は以下の10種類です。

名称 概要
利子所得 預貯金や公社債などの保有によって生じた利子による所得
配当所得 株式の配当金や投資信託の分配金によって生じる所得
不動産所得 不動産の家賃収入や地代などによって生じる所得
事業所得 事業の収益として生じる所得
給与所得 給与・賞与など会社から受け取る所得
退職所得 勤務先からの退職金や、社会保険制度の一時退職金などの所得
譲渡所得 株式や土地などを売却して受け取る所得
一時所得 生命保険の利益部分に対する返戻金や懸賞・賞金などの所得
山林所得 山林などを売却して受け取る所得
雑所得 FXや年金、講演料など、上記9つに含まれない所得

FXによって生じた利益は「雑所得」に含まれます。

これらの所得に対しては「①所得税」「②住民税」「③復興特別所得税」の3種類が課税されるので、それぞれ簡単に内容や金額を確認しておきましょう。
なお、別途解説していますが、FXによる所得は「申告分離課税」という仕組みにより、他の所得とは別の税率が適用されます。

1-1. 税金①:所得税

FX取引で得られた利益は「雑所得」として課税対象となり、所得税がかかります。

所得税は国に納める国税の一種で、個人が一年のうちに得た所得に対して課される税金です。所得税は超過累進課税制度が適用されており、所得額に応じて税率が異なります。具体的には、所得が増えるほど税率も高くなり、5%から45%の範囲で課税されます。

ただし、FXの場合は「申告分離課税」が適用される影響により、税率は一律15%に固定されます。例えば、FXによる利益が一年間で50万円あった場合は、50万円×15%で7.5万円の所得税を納める必要があります。

1-2. 税金②:住民税

FX取引で得た利益には、住民税もかかります。住民税とは、所得に応じて地方自治体が徴収する税金であり、課税者が住んでいる自治体の教育や福祉などのサービスを維持するために納める必要があります。

所得税と異なり、住民税は全国共通の税率が設定されており、利益額による税率の変動はありません。住民税には「道府県民税・都民税」と「市区町村民税」が含まれ、通常は前年の所得に対しておよそ10%が課税されます。しかし、FXの利益に限っては、原則として一律5%の税率が適用されます。例えば、FXによる利益が一年間で50万円なら、50万円×5%で2.5万円の住民税を納める必要があります。

1-3. 税金③:復興特別所得税

2013年1月1日から2037年12月31日に得た所得については、復興特別所得税も課税されます。復興特別所得税とは、東日本大震災の復興財源にすることを目的として徴収されている税金であり、FXの所得に関しては一律0.315%(所得税15%×2.1%)が課税されます。例えば、FXによる利益が一年間で50万円なら、50万円×0.315%で1,575円の復興特別所得税を納める必要があります。

2. FXでかかる税金の計算方法

FX取引で得た利益については、金額に応じて一律20.315%(所得税・住民税・復興特別所得税)の税金が課せられます。

FXの利益は、以下の計算式によって決まります。

「利益(課税所得)=為替差益(為替差損)+スワップポイント−必要経費」

FXにかかる税金の算出に必要な「為替差益(為替差損)」「スワップポイント」「必要経費」について、それぞれ概要を解説します。

2-1. 為替差益/為替差損

FX取引の為替差益とは、通貨の売買によって得られた利益を指します。反対に、為替差損は売買によって生じた損失です。例えば、1ドル150円の時に米ドルを購入し、価格が円安方向に動き1ドル160円の時に売却すれば、為替差益が生じます。

一年間の為替差益と為替差損を全て合計してプラスの金額となれば、金額に応じて課税対象となります。為替差益自体の計算方法は単純で、取引の売却価格から購入価格を差し引いた金額を求め、その合計が年間の為替差益または為替差損となります。

2-2. スワップポイント

スワップポイントとは、FX取引において異なる金利の通貨を保有した際に発生する金利差の調整額です。スワップポイントによって生じた利益も課税対象となります。保有する通貨の金利が、取引相手の通貨よりも高い場合、スワップポイントにより利益が発生します。

例えば、日本よりも金利の高い国の通貨ペアで取引した場合は、スワップポイントにより利益が発生することが一般的です。

これらのスワップポイントによって生じた利益は、年間の合計額がFXによる雑所得に含まれます。ただし、決済していないポジションのスワップポイントは、課税対象とはなりません(個人口座の場合)。

2-3. 必要経費

FX取引で利益を得るために使った費用は、必要経費として計上することで、課税所得を減らせます。具体的には、以下のものがFX取引の所得に関する必要経費として計上できる可能性があるでしょう。

  • FXセミナー受講費
  • 新聞・書籍費用
  • FXセミナーへの参加やコンサルティングを受ける際にかかった交通費
  • FX取引で生じた手数料・振込手数料
  • その他FX取引をするために購入した筆記用具やPCなどの機械

ただし、これらがどこまで経費として計上できるかは個人によって異なります。正しく申告をするためには、税理士や税務署に相談してご確認ください。

2-4. FXでかかる税金の計算例

ここまでの解説を踏まえて、実際にFXでかかる税金を計算してみましょう。

また、個人口座の場合、課税はポジションを決済した時に発生するので、決済していないポジションの評価損益やスワップポイント、入出金自体は課税対象ではありません。
ただし、キャンペーンなどでキャッシュバックを得た場合は、利益とみなされ課税対象となるため、注意が必要です。

実際にFXの利益にかかる税金を計算する際は、為替差益とスワップポイントを合算して課税所得として計上します。具体的に、以下の2つのパターンについてFXでかかる税金を計算します。

  1. 為替差益100万円・スワップポイント5万円・必要経費3万円
  2. 為替差益5万円・スワップポイント30万円・必要経費1万円
2-4-1. FXでかかる税金の具体例①

為替差益100万円・スワップポイント5万円・必要経費3万円が発生していた場合は、損益合計は105万円となり、必要経費を差し引いた課税所得は102万円です。102万円に対して20.315%が課税されるため、20万7,213円を納めることになります。

2-4-2. FXでかかる税金の具体例②

為替差益5万円・スワップポイント30万円・必要経費1万円が発生していた場合は、損益合計は35万円となり、必要経費を差し引いた課税所得は34万円です。34万円に対して20.315%が課税されるため、6万9,071円を納めることになります。


ここでは細かく計算例を示しましたが、年間の損益合計について自分で計算する必要はありません。
FX口座で毎年1月中旬ごろに「年間損益報告書」が発行され、「損益合計」に記載されている金額から必要経費を差し引くだけで課税所得が算出できるので、安心してください。

3. FXで確定申告が必要になる条件

FXで確定申告が必要になるかどうかは、個人の状況によって異なりますが、一般的には以下の3つの条件のいずれかに当てはまる人が対象となります。

  • 会社員:FXの利益が20万円超
  • 専業主婦(主夫)や無職:FXの利益が48万円超
  • 個人事業主:FXの損益に関わらず

それぞれ順番にご紹介します。

3-1. 会社員:FXの利益が20万円超で確定申告

一ヶ所からの給与所得で生計を立てている会社員の場合、FX取引で得た利益が年間で20万円を超えると、確定申告が必要です。

通常、会社員は給与所得者として源泉徴収されており、年末調整によって税金が精算されています。しかし、FX取引などからの雑所得が20万円を超えると、確定申告をして追加で税金を納める必要があります。

この20万円の基準は、他の副収入も含めた金額で計算されるため、アルバイトで副業をされている方や、FX以外にも事業所得などがある方は注意が必要です。例えば、FXで15万円の利益があり、その他の副収入が7万円ある場合、合計22万円となり、確定申告が必要となります。

ただし、年収が2,000万円を超えている会社員の方は、会社が年末調整をしてくれないため、FXの所得にかかわらず確定申告を自分で行う義務があるので注意しましょう。

3-2. 専業主婦(主夫)や無職:FXの利益が48万円超で確定申告

専業主婦(主夫)や無職の人の場合は、FX取引で得た利益が年間48万円を超えると、確定申告が必要となります。これは、給与所得者でない人に適用される基礎控除48万円を超える所得が発生する場合、課税対象となるためです。

基礎控除は、所得が48万円以下であれば税金がかからないことを意味しますが、FX取引などで得た雑所得が48万円を超えると、その超過分に対して所得税や住民税が課せられます。例えば、FXで50万円の利益が出た場合、2万円が課税対象となり、確定申告を行う必要があります。

また、パートやアルバイトの収入がある場合など、他の所得と合算して基礎控除を超えるかどうかも確認が必要です。

3-3. 個人事業主:FXの損益に関わらず確定申告

個人事業主の場合、FX取引の損益に関わらず、確定申告が必要です。

個人事業主は、事業所得やその他の所得を全て合算して申告する義務があります。FX取引による損益も、合算した所得の一部として報告しなければなりません。また、個人事業主以外に年収2,000万円超の会社員なども確定申告の義務があるため、FXの利益が20万円を超えていない場合でも確定申告が必要となります。

4. FXで損失が発生した場合は確定申告で税金が還付される

FXで確定申告が必要となるのは、基本的にFX取引によって利益が出た場合に限られます。そのため、一年間を通じてFX取引の損益がマイナスとなった場合は、本来であれば確定申告は不要です。

しかし、確定申告によって税金が還付されたり節税できたりとお得になるケースがあります。

4-1. 税金面で得な理由①:損益通算ができる

FX取引で損失が出た場合に確定申告を行うと、「損益通算」ができるという税務上のメリットがあります。損益通算とは、ある所得で発生した損失を他の所得から差し引くことにより、全体の課税所得を減らし、納税額を軽減する仕組みです。
FXの損失は「先物取引に係る雑所得等」に分類され、他の「先物取引に係る雑所得等(商品先物・日経平均先物・日経225オプション・TOPIX先物など)」との損益通算が可能です。

例えば、FXで年間に30万円の損失が出たとしましょう。この年に、日経平均先物の取引での利益が40万円ある場合、損益通算によって40万円から30万円を差し引き、課税対象となる所得は10万円となります。その結果、所得税や住民税の負担を大幅に減らせます。

4-2. 税金面で得な理由②:損失の繰越控除ができる

FX取引で損失が出た場合、確定申告を行うことで「損失の繰越控除」を利用できる点も、お得になる大きな理由です。

損失の繰越控除とは、発生した損失を翌年以降の3年間にわたって繰り越し、その期間に発生した利益と相殺できる制度です。例えば、昨年FXで100万円の損失が出ていた場合、今年50万円の利益が出ても課税されず、通算マイナス50万円としてさらに翌年にも繰り越せます。

その結果、所得税や住民税の負担が大幅に軽減されます。この制度を活用することで、FX取引で一時的に損失が出たとしても、確定申告をしておけば将来の利益に対する課税を軽減できます。

損失の繰越控除を利用するためには、損失が発生した年に必ず確定申告を済ませておく必要がある点に注意しましょう。そのため、損失が出た年でもしっかりと確定申告を行うことを推奨します。

5. まとめ FXで税金を納めるのは利益が出た場合だけ

本記事では、FXでかかる税金や確定申告の仕組みなどについて詳しくご紹介しました。

FXの利益に対する税金の計算方法は、一年間の所得に対して20.315%の税率をかければいいだけなので単純といえます。また、FXの利益が、副業などの所得と合計して一定額を超えていない場合は確定申告の必要もありません。

ただし、損益通算や損失の繰越控除などを考慮すると、FXによって損失が出ていた場合でも確定申告を行うことで税務上のメリットが得られることを覚えておきましょう。

SBI FXトレードは業界トップクラスとなる「34種類」の通貨ペアがあり、1通貨単位から取引できるため、非常に少ない資金からFX取引が可能です。また、スプレッドは業界最狭水準となっており、利益を上げやすい環境が整っているため、初心者の方にも安心してご利用いただけます。
まずはSBI FXトレードで口座を開設し、FX取引を始めてみましょう。

【ご注意】
本ページ記載の内容はあくまで弊社における解釈でありますので、税金に関する詳細については、国税庁ホームページをご覧いただくか、税理士等の専門家や所轄の税務署にご確認いただきますようお願いいたします。

最短5分口座開設はこちら無料

この記事を監修した人

SBIリクイディティ・マーケット株式会社
金融市場調査部長
上田眞理人

最短5分口座開設はこちら無料