FXのポジションとは?詳しい意味や関連用語を解説 | SBI FXトレード

FXのポジションとは?詳しい意味や関連用語を解説

FX用語集

UPDATE 2025.09.30
POST 2025.09.30

ポジション

1. ポジション=通貨を売買し、決済していない状態のこと

FXにおけるポジションとは、通貨を売買し決済が完了していない状態のことです。FXでは売り・買いのどちらでもトレードできるため、ポジションには2種類あります。

例えば、米ドル/円を買ってまだ売っていなければ「買いポジション(ロングポジション)」です。逆に、米ドル/円を売ってまだ買っていなければ「売りポジション(ショートポジション)」と呼びます。

日本の相場用語でポジションに相当するのは「持ち高(もちだか)」です。また、「建玉(たてぎょく・たてだま)」もポジションとほぼ同じ意味です。売買の注文が市場で成立してポジション(持ち高、建玉)を持つことを「約定(やくじょう)」と言います。

なお、ポジションには「売りと買いのバランス」という別の意味もあります。例えば、「米ドル/円を10万通貨買い、5万通貨売っている」なら、買いが多いため「買いポジション」です。反対に、売りの方が多ければ「売りポジション」となります。

この「売りと買いのバランス」という意味での用法は、主に金融機関や機関投資家、金融メディアなどによく用いられます。個人のFXトレーダーは、同一通貨ペアで売りと買いのポジションを同時に保有するケースは少ないため、あまり使いません。

1-1. 買いポジション(ロングポジション)とは

FXでは、買い注文が成立してから決済されるまでの状態を「買いポジション」と呼びます。「ロングポジション」や「買い建玉(たてぎょく)」も同じ意味で使われます。

買いポジションは、今後の値上がりを見込んで通貨を買う取引です。そのため、為替レートが上がれば利益が出ます。

例えば、米ドル/円で1万通貨を「1ドル=150円」で買い、その後「1ドル=155円」で決済(売った)した場合、5円×1万通貨=5万円の利益です。反対に、買ったあとに為替レートが下がると損益がマイナスになります。

1-2. 売りポジション(ショートポジション)とは

FXでは、売り注文が成立してから決済されるまでの状態を「売りポジション」と呼びます。「ショートポジション」や「売り建玉(たてぎょく)」も同じ意味で使われます。

売りポジションは、今後の値下がりを見込んで通貨を売る取引です。そのため、為替レートが下がれば利益が出ます。

例えば、米ドル/円で1万通貨を「1ドル=155円」で売り、その後「1ドル=150円」で決済(買った)した場合、5円×1万通貨=5万円の利益になります。反対に、売ったあとに為替レートが上がると損失が出ます。

このように、売りポジションは買いポジションと売買の方向が逆であるだけで、基本的な考え方は変わりません。

2. ポジションと関連するFX用語

ポジションを持ったり手放したりすることは、FXの本質的な行為です。そのため、ポジションに関連するFX用語も多く存在します。

ここでは、代表的なポジションの関連用語の意味と使い方をご紹介します。これらを知っておくと、チャートや相場解説の内容が理解しやすくなります。また、為替ニュースやトレードツールなどを活用しやすくなり、トレード判断にも役立つでしょう。

2-1. スクエア(ポジション)

スクエア(ポジション)とは、同一の通貨ペアにおいて売りと買いのポジションが同じ量になり、実質的にポジションを持っていない状態です。この状態では、為替の値動きによる利益や損失が発生しません。

ただし、FXでは、スプレッド(売値と買値の差)やスワップポイント(金利差調整分)、取引タイミングのズレなどにより、損益が出ることがある点に注意が必要です。また、一部のFX会社は、同一通貨ペアでの両建てを制限している場合もあります。

【FXでの用例】
「重要な経済指標の発表前に、ポジションをスクエアにしておいた」

2-2. ロールオーバー

ロールオーバーとは、保有中のポジションを翌営業日へ自動的に持ち越す処理のことです。FXでは、通貨の受け渡し(決済)は取引成立日から起算して2営業日後に行われるのが原則ですが、ロールオーバーによってその受渡日が1日ずつ繰り延べられます。

ただし、FXでポジションを保有し続けたい場合、FX会社のシステムにより自動的に翌営業日へ繰り越されるため、トレーダーは持ち越しのための特別な注文を行う必要はありません。

【FXでの用例】
「スイングトレードでは、数日~数週間ロールオーバーしてポジションを持ち続けることが一般的だ」

2-3. ネットポジション

ネットポジションとは、同じ通貨ペアで保有している「買い」と「売り」のポジションを差し引いて残った実質的なポジションのことです。例えば、米ドル/円で買いポジションが2万通貨、売りポジションが1万通貨ある場合、ネットポジションは1万通貨の買いポジションとなります。

ネットポジションは、実質的にどちらの方向にポジションを持っているかを把握するために利用する指標です。また、FX会社が、顧客全体のポジションデータからネットポジションを算出し、相場動向を分析する場合もあります。

【FXでの用例】
「私の米ドル/円のネットポジションは買い1万通貨だ」

2-4. ポジションメイク

ポジションメイクとは、新たに売りや買いのポジションを持つことです。新規に注文を出して約定した時にポジションが生まれ、この動きのことを「ポジションメイク」と呼びます。日本語では「新規建て」とも言います。

FXでは、「ポジションメイク」とほぼ同じ意味で「エントリー」という用語が使われることも一般的です。ただし、「ポジションメイク」は中長期の文脈で使われる場合が多いのに対し、「エントリー」はトレードのタイミングや判断に焦点を当てる際に用いられる傾向があります。

【FXでの用例】
「豪ドル/円が支持帯で反発したので、ポジションメイクした」

2-5. ポジション比率

ポジション比率とは、ある通貨ペアに対してFX会社の顧客がどれくらい買いと売りのポジションを持っているかを、割合で示したものです。例えば「買いポジション70%、売りポジション30%」のように、どちらに偏っているかがひと目で分かります。

ポジション比率は、個人投資家の多くがどちらの方向に期待しているかを読み取る手がかりになる指標です。例えば、買いが多ければ「上昇を期待する人が多い」といった市場のセンチメント(心理)を読み取れます。

ポジション比率は、FX会社の取引ツールやWebサイトなどで公開されています。

【FXでの用例】
「トルコリラ/円のリアルタイムのポジション比率は、買いに大きく傾いている」

2-6. ポジション調整

ポジション調整とは、既に保有しているポジションの量や方向を見直し、バランスを整えるために売買を行うことです。例えば、買いポジションが多いと感じた時に一部を売却して減らすような行動があてはまります。

FXの取引では、相場の流れが変わりそうな時や重要な経済イベントの前に、リスクを抑える目的でポジション調整が行われます。

【FXでの用例】
「連休前で動きが読みにくいから、少しポジション調整しておいた」

2-7. ポジションクローズ

ポジションクローズとは、既に保有しているポジションを決済し、取引を終えることです。買いポジションのポジションクローズは売却、売りポジションの場合は買い戻しを意味します。

ポジションクローズと同じ意味で、「手仕舞い」や「スクエアにする」といった表現も使われます。

【FXでの用例】
「含み損が大きくなる前にポジションクローズしておいた」

2-8. ショートカバー

ショートカバーとは、ショートポジションを決済するために買い戻す行為です。「カバー」とはカバー取引のことで、ショート(売り)をカバー(買い戻し)する流れを意味しています。

ショートカバーが起きると、為替相場には上昇圧力がかかるため、相場の急反発の要因として説明されることがよくあります。なお、「ロングカバー」という言葉も厳密には存在しますが、FXではほとんど使われません。

【FXでの用例】
「ショートカバーが入って米ドル/円が急騰した」

3. 専門用語に少しずつ慣れて、トレードに活かそう

初心者のうちは、専門用語に戸惑うものです。ポジションについての専門用語も多くありますが、一つずつ理解を深めていくことで、FXのトレードに活かせるようになります。

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この記事を監修した人

SBIリクイディティ・マーケット株式会社
金融市場調査部長
上田眞理人

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