FXとは?投資初心者が知っておきたい基本をわかりやすく解説 | SBI FXトレード 

FXとは?投資初心者が知っておきたい基本をわかりやすく解説

FX初心者ガイド

UPDATE 2024.12.18
POST 2021.02.24

FXとは?投資初心者が知っておきたい基本をわかりやすく解説

1. FXの仕組み

FXとは具体的にどのようなものなのでしょうか。まずはFXの基本的な仕組みについて、初心者でも分かりやすいよう解説していきます。

1-1. 海外旅行をイメージしよう

FXの仕組みは、海外旅行をイメージするとわかりやすいでしょう。

例えば、アメリカへ旅行に行く際に、日本円を米ドルに両替する際の為替レートが「1ドル=150円」だったとします。そして、旅行を終えて帰国した際に、使わずに残った米ドルを日本円に再度両替する時、為替レートが「1ドル=160円」なっていたとしましょう。

この場合、旅行前より帰国時の方が、1ドルあたり10円多く日本円を受け取ることになります。もし1,000ドルを日本円に両替した場合、10,000円多く日本円が手に入る計算です。

簡単に言うと、このように両替した時のレートの差によって手に入るお金が増える(=利益が出る)というのが、FXの基本的な仕組みです。

1-2. 二国間の通貨で売買をおこない、差益を得る

FXとは「Foreign exchange」の略語で、直訳すると「外国為替」を意味する言葉ですが、金融の世界では「外国為替証拠金取引」を指します。

先ほどの海外旅行の例では日本円と米ドルの組み合わせでしたが、世界にはユーロ・ポンド・スイスフランなどさまざまな通貨があり、日々それぞれの価値が絶えず変動しています。そのため、円と米ドル以外の通貨を組み合わせても同じことが起こるのです。

海外旅行の例では「両替」と表現しましたが、FXではこれを「日本円を売って米ドルを買う」といった形で表現します。つまり、日本円・米ドル・ユーロなどから2種類の通貨を選択し、一方を買ってもう一方を売ることで発生する差益を目的に取引するのが「外国為替証拠金取引」です。

なお、この時に選択した2種類の通貨をFXでは「通貨ペア」と呼び、米ドルと日本円のペアは「USD/JPY」、ユーロと日本円のペアは「EUR/JPY」のように表記します。

1-3. 円安?円高?通貨の価値は常に動いている

日本でも「円安・円高」などのニュースが連日報道されているように、世界中で各国の通貨の価値は常に変動しており、これを「変動為替相場制」といいます。

再び冒頭の海外旅行の例で考えてみましょう。米ドルと日本円の相場が「1ドル=150円」から「1ドル=160円」に変動した場合、1ドルに対する日本円の価値が下がったことを意味します。この状態を「円安になった」と表現します。

海外旅行の例では、円安になったタイミングで両替することで差額による利益が発生しており、これを「為替差益」といいます。

この為替差益を狙って、各国の通貨の価値の変動を見ながらタイミング良く売買していくのがFXの基本的な取引方法です。

2. FXで利益が出る仕組み

FXで利益が出る仕組みは「為替差益」と「スワップポイント」の2つです。それぞれについて詳しく解説します。

2-1. 為替差益

為替差益とは、特定の通貨の買値と売値の差額で生じる利益のことで、投資用語では「キャピタルゲイン」に該当します。

例えば、「1ドル=130円」で米ドルを買い、「1ドル=150円」になったタイミングで米ドルを売った場合、「150円-130円」で20円の為替差益(=利益)が生じます。この時に売買した金額が1,000ドルだったとすると、買値は13万円で売値が15万円になるため、その差額である20,000円の利益を得られることになります。

この例では、「安い時に買って高い時に売る」という方法で利益を得ており、これを「買いから入る」と表現します。FXでは「高い時に売って安くなったら買い戻す」という「売りから入る」方法でも、同じように為替差益(=利益)を得られるのが大きな特徴です。

2-2. スワップポイント

FXにおけるスワップポイントとは、異なる国の通貨間で生じる「金利差調整額」のことです。

各国で定めている金利が異なることで金利差が発生します。その差がプラスになる通貨ペアを保有している場合、利息のような形で利益を受け取ることができ、投資用語では「インカムゲイン」に該当します。

スワップポイントは、金利差が発生している通貨ペアの建玉を保有したまま営業日をまたぐ(=ロールオーバー)ことで付与され、金利差が続く限り、ほぼ毎日受け取れます。ただし、保有するポジションによってはスワップポイントを支払う場合もあるため、注意が必要です。

なお、土日や祝日はスワップポイントが付与されず、その分は前もって調整されます。

3. 初心者向け|FXの5つのメリット

続いて、FXにおける以下5つのメリットを初心者向けに解説します。

  1. 平日は24時間いつでも取引が可能
  2. レバレッジをかけることができる
  3. 相場が下落している局面でも利益が狙える
  4. 外貨預金と比べて手数料が安い
  5. 短期から長期までいくつかの投資スタイルがある

3-1. 平日は24時間いつでも取引が可能

平日は24時間いつでも取引が可能

FXは、平日であれば24時間いつでも取引することができます。

日本円や米ドルなどの通貨は世界中で利用されている上、1日中どこかの国の市場は開いているためです。

主要な市場の開場時間は以下の通りです。

  • シドニー:7時〜16時
  • 東京:9時〜18時
  • ロンドン:17時〜1時
  • ニューヨーク:22時〜7時

※季節により多少の変動あり

このように、平日は24時間必ずどこかの国の市場が開いているので、FX会社のメンテナンス時間を除き、ほぼ24時間取引可能です。また、祝日であっても、月曜日から金曜日であれば取引できるのもFXの特徴です。

3-2. レバレッジをかけることができる

レバレッジをかけることができるのもFXのメリットであり、大きな特徴の1つです。レバレッジとは「てこの原理」を意味する言葉で、運用資金に倍率をかけて、実際の資金力以上の取引を行える仕組みを指します。

例えば「1ドル=150円」の場合、1,000ドル買うには15万円が必要です。しかし、25倍のレバレッジをかけると、同じ15万円で25,000ドルを購入でき、利益も損失も25倍になります。

株式でも信用取引でレバレッジをかけられますが、最大で約3.3倍であることを考えると、FXでかけられるレバレッジの高さがわかるでしょう。

国内の個人口座では、最大25倍までレバレッジをかけることができ、法人口座の場合はFX会社や取引する通貨ペアによってレバレッジの上限が異なります。

レバレッジは資産評価額や取引数量をコントロールすることによって、実質的にレバレッジを設定することも可能です。

3-3. 相場が下落している局面でも利益が狙える

相場が下落している局面でも利益が狙える

FXでは相場が下落している場面でも利益を狙うことができます。FXは「買い」だけではなく、「売り」から取引を始めることができるためです。

一般的に、相場がこれから上がるだろうと予測した時には「買い注文」を入れ、相場がこれから下がるだろうと予測した時には「売り注文」を入れます。

例えば、1ドル150円の時に「これから相場は下がるだろう」と予測した場合には、新規で売り注文を入れます。それが予想通りに下がった場合には、下がった分だけの利益が出ることとなります。ただし、予想に反して相場が上昇してしまった場合には、その分だけの損失が発生することとなります。

株式投資では相場が上昇しなければ利益を得ることは難しいですが、証拠金取引であるFXでは、下落相場の時にも利益を狙うことができます。上昇局面だけでなく下落局面でも利益を狙えるのは、FXの大きな特徴と言えます。

3-4. 外貨預金と比べて手数料が安い

FXのメリットの一つは、外貨預金に比べて手数料が安い点です。

多くのFX会社では取引手数料が無料で、その代わりに通貨ペアの買値と売値の差額である「スプレッド」が実質的な手数料となっています。

具体的な条件はFX会社によって異なりますが、SBI FXトレードは取引手数料・口座開設料などが無料で、スプレッドも外貨預金に比べて狭く設定されているため、少ないコストで取引可能です。

外貨預金の手数料と比べると、FXのスプレッドは数十分の一から数百分の一程度で済むため、コスト面で大きな優位性があります。

3-5. 短期から長期までいくつかの投資スタイルがある

FXでは、短期から長期までいくつかの投資スタイルが存在します。ここでは代表的な4つの投資スタイルを紹介します。

3-5-1. スキャルピング

スキャルピングとは、非常に短い時間で細かく取引を繰り返し、小さな利益を積み重ねていく短期的な投資スタイルです。

スキャルピングは、一度に大きな利益を狙うのではなく、小さな利益を積み重ねることを目的としており、1回当たりの取引を数秒から数分程度で終わらせるのが一般的です。集中力と迅速な意思決定が求められるため、ある程度経験が豊富なトレーダーが採用する傾向にあります。

必然的に取引の回数が多くなるため、取引手数料が無料だったり、スプレッドが狭かったりと、取引にかかるコストが少ない環境が必要になります。

3-5-2. デイトレード

デイトレードとは、スキャルピングよりは長い時間で取引を行いますが、これも短期的な投資スタイルに分類されます。

数秒から数分で取引を完了させるスキャルピングに対して、デイトレードは数分から数時間程度の時間で取引を行い、その日のうちに全ての取引を終了させるのが一般的です。

デイトレードでは、値動きやチャートの傾向からその先の動きを予測するテクニカル分析や短期的な市場の動きを重視し、経済指標やニュースの発表に注目して取引を行います。

3-5-3. スイングトレード

スイングトレードとは、2〜3日から数週間程度の間で取引を行う手法で、他の投資スタイルと比べると中期的な投資スタイルといえます。

スイングトレードでは、デイトレードとは異なり、より長い時間軸でのテクニカル分析やチャートの傾向、トレンドなどを読み取りながら、買いや売りのタイミングを決定します。

1回の取引にかける時間が長いため、スキャルピングやデイトレードに比べ、より大きな利益を狙うことが一般的です。

3-5-4. 長期保有

長期保有とは、数ヶ月から年単位で保有し続ける長期的な投資スタイルです。

このスタイルでは、長期的な経済のトレンドや、国の経済成長率・金利政策・財政政策などから通貨の価値を分析するファンダメンタルズ分析に基づいて通貨ペアを選び、市場の短期的な変動に左右されず、長期的な利益を狙うことが特徴です。

また、長期保有はスワップポイントを積み上げることもできるため、金利の高い通貨を選ぶ傾向にあります。

4. どれぐらいの資金があればできるのか

多くのFX会社では、最低取引数量が定められています。

例えば、最低取引数量が1万通貨である場合、米ドル/円(1ドル=150円)を取引する場合の必要資金の計算は下記の通りとなります。

150円×1万通貨÷25(レバレッジ25倍)=60,000円

これに対してSBI FXトレードの場合であれば、最低取引通貨量が「1通貨」となっているため、上記に比べて少ない資金でFXを始めることができます。

150円×1通貨÷25(レバレッジ25倍)=約6円

初心者のうちは、利益だけでなく損失が出る可能性を考えなければいけません。まずは少額からスタートして、取引の感覚を徐々に掴んでいきましょう。

5. 知っておきたいFXのリスク

FXにおいて、知っておくべき以下8つのリスクを解説します。

  1. 為替変動リスク
  2. 金利変動リスク
  3. レバレッジリスク
  4. スリッページリスク
  5. カントリーリスク
  6. 信用リスク
  7. 流動性リスク
  8. 取引システムのリスク

5-1. 為替変動リスク

為替変動リスクとは、予想とは反対に為替相場が変動することで損失が生じるリスクを指し、これを「為替差損」といいます。

損失額が一定のラインを超えると、追加で証拠金を差し入れる必要が生じたり、損失拡大を防ぐために強制的に決済(=ロスカット)されることがあります。

具体的なルールはFX会社によって異なりますが、急激な値動きによって予期せぬ損失が発生する可能性があるため、常に注意が必要です。

5-2. 金利変動リスク

金利変動リスクとは、政策金利の変動により、通貨ペアの価格やスワップポイントが変動することにより損失が生じるリスクを指します。

金利が大幅に変動すると、これまでスワップポイントを受け取っていた立場から、逆にスワップポイントを支払う側に逆転してしまうケースもあります。スワップポイントの逆転に気付かずにいると、継続的に受け取っているつもりが支払い続けることになり、証拠金の追加入金やロスカットの対象になる可能性があるため、十分な注意が必要です。

5-3. レバレッジリスク

レバレッジリスクとは、レバレッジを利用したことで大きな損失が生じるリスクを指します。

レバレッジは適切に使えば、少ない資金で大きな取引が可能になりますが、取引量が多くなることで利益と損失の両方が倍率で拡大します。例えば、10万円の資金で25倍のレバレッジをかけると、250万円の取引が可能になりますが、利益も損失も25倍に増幅されます。

レバレッジを利用すると、実際に預け入れている資金(=証拠金)を上回る損失が発生する可能性があるため、十分な注意が必要です。

5-4. スリッページリスク

スリッページリスクとは、値動きが激しい際に、注文を出した価格と実際に成立した価格が乖離するリスクのことです。

このような現象は、経済指標の発表や重要なニュースによって値動きが激しくなった場合や、取引参加者が少なく流動性が低い場合に発生しやすくなります。

スリッページが発生すると、不利な価格で約定する可能性が高くなり、スプレッドが広がることで予期せぬコストや損失を招くことがあります。

5-5. カントリーリスク

カントリーリスクとは、投資対象としている通貨の国における政治・経済などの状況変化によって、通貨の価値が大きく変動するリスクを指します。

具体例として、政治不安・経済政策の変化・戦争・自然災害などが挙げられます。

通貨の価値はその国の情勢と密接に関連しているため、カントリーリスクの高い国の通貨は、想定外の急激な価格変動や取引停止のリスクが伴うことがあり、十分注意が必要です。

5-6. 信用リスク

信用リスクとは、利用しているFX会社の業績悪化や経営破綻により、ユーザーが不利益をこうむるリスクを指します。

FXは取引所を介した取引所取引ではなく、各FX会社と直接取引する相対取引が主流になっています。そのため、FX会社が資金難や経営破綻に陥ると、正常に決済が行われなくなったり、預け入れている証拠金が返還されなかったりする可能性があります。

リスクヘッジの内容は各FX会社で異なりますが、SBI FXトレードでは、お客さまの証拠金と会社の資産を分けて管理する信託保全を実施し、安全性を確保しています。

5-7. 流動性リスク

流動性リスクとは、何らかの理由で取引参加者や注文が少なくなっている際に、希望する価格で売買が成立しにくくなるリスクを指します。

この現象は、取引量が少ない時間帯や、市場に大きな影響を与える可能性がある指標やニュースの発表前後などに起こる傾向にあります。流動性が低い時はスリッページが発生しやすく、スプレッドの拡大により取引コストが増加する可能性もあるため、注意が必要です。

5-8. 取引システムのリスク

取引システムのリスクとは、取引に使用しているシステムのトラブルによって、ユーザーが不利益をこうむるリスクを指します。

FX会社側のシステム障害だけではなく、自身の通信障害や機器の故障なども含まれます。FXの取引はインターネットを介して行われるため、どうしてもシステムの影響を受ける可能性があります。

また、注文ミスや入力ミスといったヒューマンエラーや、パスワードなどの情報漏えいなど、FXに限らないインターネット利用上の一般的なリスクがあることも理解しておきましょう。

6. FXで取引をするまでの流れ

FXで取引をするまでの流れ

6-1. FX口座を開設する

本人確認書類とマイナンバー確認書類があれば、PCやスマートフォンから簡単に口座開設手続きをすることができます。わざわざ銀行やFX会社に足を運ぶ必要はありません。

6-2. 最初の証拠金を入金する

口座開設が完了したら、最初の証拠金を入金しましょう。この際、生活に必要な資金ではなく、あくまでも余裕資金を入金するようにしてください。

また、取引に必要な最低の証拠金だけ入金すると、相場が思惑と反対に進んだ場合、すぐに取引ができなくなる恐れがあります。たとえば、1通貨で始めるなら最低必要資金である6円の倍にあたる「12円」、1,000通貨で始めるなら最低必要証拠金である6,000円の倍にあたる「12,000円」程度は口座に入金しておくのが望ましいでしょう。

6-3. 取引スタイルを決める

上記でも紹介した通り、FXには短期から中長期まで、さまざまな取引スタイルがあります。まずは、自分に合った投資スタイルを見つけることが大切です。

最初は短期での取引を少額で経験しながら、徐々に自身に合ったスタイルを見つけていくのが良いでしょう。

ただし、「投資に費やす時間を毎日捻出することが難しい」という方は、中長期の取引スタイルを検討してみるのも一つの選択肢です。

6-4. 通貨ペアと取引量を決める

次に、取引する通貨ペアを決定しましょう。FXではさまざまな国の通貨を取引することができますが、最初は日本円が絡むメジャーな通貨ペアを選択した方が良いでしょう。

たとえば「米ドル/円」や「ユーロ/円」は、世界中で多くの投資家が取引しているため、情報が豊富で値動きが比較的安定しています。

まずはメジャーな通貨ペアでの取引に慣れてから、マイナーな通貨ペアの取引を検討することをおすすめします。

6-5. 新規注文をする

投資スタイル・通貨ペア・数量を決めたら、新規注文をしましょう。上がると思うのであれば「買い」、下がると思うのであれば「売り」の注文をしてみましょう。

また、利益を狙ったり損失を限定したりするために、さまざまな注文方法を使いこなすことが重要です。

FXではリアルタイムで通貨の売買をするだけでなく、指定した価格に達したときに自動で売買が行われるよう、事前に注文を出すこともできます。

具体的には、指値注文・逆指値注文・IFD注文・OCO注文などがあり、それぞれの方法は別のページで詳しく紹介しています。

7. まずは口座開設!少額から始めて感覚をつかもう

FXは二国間の通貨の売買を行い、利益を狙う取引です。平日24時間取引が可能で、下落局面でも利益を得られるチャンスがあるという特徴があります。

また、レバレッジを活用することで、少ない資金で大きな利益を狙うこともできますが、その分、損失を負うリスクも高くなるため注意が必要です。

初心者はまず、FXの仕組みを理解するために少額で取引を始め、少しずつ慣れていくことをお勧めします。

SBI FXトレードでは、少額資金(約6円)での取引が可能な上、PCやスマートフォンからいつでもどこでも口座開設申込が可能です。オンライン本人確認にも対応しているので、口座開設完了後、すぐにお取引を開始できます。まずはFXの世界を体感してみてはいかがでしょうか。

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この記事を監修した人

SBIリクイディティ・マーケット株式会社
金融市場調査部長
上田眞理人

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