UPDATE 2025.09.24
POST 2025.09.24
FXの注文方法を調べていて、「成行注文って何だろう?どうすれば良いの?メリットやデメリットも知りたい」という、初心者の方も多いのではないでしょうか。
FXで安定して利益を積み上げていくためには、注文の仕組みや特徴を把握し、自分のスタイルに合わせて使い分けることが不可欠です。注文の仕組みを理解しないまま取引を続けると、思わぬ損失を抱えたり、資金が減ることによる機会損失が発生したりするでしょう。
今回は、数ある注文の中でも「成行注文」に焦点を当て、基本からメリット・デメリット、注文するタイミングなどを分かりやすく解説します。FXの注文について理解を深めることで、損失をコントロールしながら利益を残せる可能性があるでしょう。ぜひ参考にしてみて下さい。
成行注文は、FXにおいて基本的な注文方法の一つで、現在提示されている価格で即座に売買を成立させる注文方法です。注文した瞬間の価格で即時に成立するため、約定スピードの速さが強みです。
成行注文は、「価格を指定せずに、現時点での価格で売買が行える注文方法」を意味します。価格を指定せずに、注文した時点の価格でほぼ約定できることから、裁量トレードのリズムを崩さずにトレードすることが可能です。
特に、短期間で何度も取引するスキャルピングや急激な変動を狙った取引など、スピード優先の戦略と相性が良いとされています。ただし、スリッページ(約定価格のズレ)のリスクがあることは忘れてはいけません。流動性が急減する早朝や重要指標の発表直後は、想定より大きく滑って損切り幅が拡大する場面もあります。そのため、取引数量の調整といったリスク管理が不可欠です。
また、成行注文は「いつでも手軽に決済できる注文」なので、エントリー後の値動きを見て裁量で損切りすることができます。一方で、中長期のスイングトレードや自動売買のように、価格条件を事前に決めてトレードしたい場合は、後述する指値・逆指値注文の活用が有効です。
「成行注文」の他に、約定したい価格を入力して待機させる「指値注文」、リスク管理のために任意の価格で自動決済させる「逆指値(ストップ)注文」もあります。このような、注文方法をセットで覚えることにより、トレードの選択肢が増えるでしょう。
成行注文に対する指値注文の主な違いは、「価格指定の有無」と「注文の成立条件」です。例えば、150円で推移している時に149円に買いの指値注文を入れておけば、相場が下落して希望の価格に到達した時に約定してくれます。売りの場合も同様です。151.00円に売りの指値注文を出しておけば、価格が上昇した際に自動で約定してくれます。
指値注文のメリットは、画面を見続けなくても希望価格で約定できる効率の良さです。普段から忙しい方にとっては、活用しておきたい注文方法といえます。一方で、設定した価格に到達しなければ、注文が成立することはありません。指値注文の価格と逆方向に相場が急騰・急落すれば、トレードのチャンスを逃してしまう可能性があります。
そのため、使い分けが大切です。例えば、「短期トレード=成行注文」「押し目買いや戻り売り=指値注文」というように、目的や戦略別に使い分けると良いでしょう。
成行注文と逆指値注文の主な違いは、指値注文と同じく「価格指定の有無」と「注文の成立条件」です。例えば、150円で買ったポジションに対し、149円で逆指値注文を入れておけば、設定した価格まで下がった時に自動で損切りしてくれます。売りの場合も同様です。150円で売りポジションを持っており、151円に逆指値注文を出しておけば自動で損失が抑えられます。
逆指値注文のメリットは、放置していても自動で損切りができるため、「感情に左右されない損切りができる」点です。手動の成行注文と違い、相場が突発的に動いても自動的に対処でき、感情に左右されないリスク管理が行えます。一方で、逆指値注文の価格を適切に設定しなければ、少しの変動でも損切りしてしまう「損切り貧乏(損切りを繰り返して資金が減る状態)」になるため、注意が必要です。
また、エントリー価格より有利な価格に逆指値を設定すれば、利益を守る「トレーリングストップ」としても機能します。逆指値注文は、「思わぬ損失を回避するための保険」と「利確」という2つの特性があることを覚えておきましょう。
成行注文の基本を学んだところで、次は具体的なメリット・デメリットについて見ていきましょう。特に、指値注文や逆指値注文と比較しながら見ていくことで、より成行注文についての理解が深まります。成行注文のメリット・デメリット、そして注意すべきポイントについて詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
成行注文には、主に2つの大きなメリットがあります。一つ目は、「指値・逆指値注文よりも約定が優先される」ことです。二つ目は、「操作がシンプルで、初心者でもすぐに使える」ことです。この2つのメリットをしっかり理解しておくことで、相場の動きに応じた柔軟な取引ができるようになります。成行注文を活用して、トレードの精度を高めていきましょう。
成行注文の大きな魅力は、約定の優先順位が高い点です。為替相場は秒単位で変動しており、注文のタイミングが遅れると、想定した価格で約定しないこともあります。しかし、成行注文は現在の価格で即時に約定するため、指値注文や逆指値注文のように「価格に届かず約定しない」といった機会損失を抑えられるでしょう。
指値注文は、相場を見ずとも希望価格で約定してくれる反面、希望の価格に到達しなければ取引が成立しません。逆指値注文は、損切り対策として有効であるものの、条件に満たない限り約定しない仕組みみです。
成行注文であれば、トレーダーが「今だ」と判断したタイミングで即座に注文を出すことができるため、スムーズに取引が成立します。即時に注文ができれば、スキャルピングやデイトレードではチャンスを逃さず取引が行えるため、大きなアドバンテージになります。
成行注文の大きな魅力の一つは、その「簡単さ」にあります。トレードを行う際に、特別な設定や複雑な判断は必要ありません。チャートを見て「この価格で買いたい(売りたい)」と思った瞬間に、ワンクリック(タップ)で注文を出すだけで完了します。複雑な注文に迷ってタイミングを逃すことが少なく、初心者でも直感的に操作しやすいのが強みです。
このように、成行注文は「難しいことを考えず、すぐに取引できる」という点で、FX初心者や短期トレード中心の投資家にとって心強い味方となります。トレードを効率的に進めたい方にとって、操作の手軽さは大きなメリットと言えるでしょう。
SBI FXトレードの「Rich Client NEXT」では、以下のように成行注文が行えます。
入力項目が最小限に抑えられており、確認画面もシンプルな設計になっているため、初めてFXを触る方でも迷わずに使いこなせるでしょう。PC版でも同様に操作性が高いため、簡単に成行注文を出せます。
成行注文には、主に2つのデメリットがあります。一つ目は、「夜間などもリアルタイムで相場をチェックする必要がある」ことです。二つ目は、「注文時点の価格で約定しない場合がある」ことです。メリットだけではなく、2つのデメリットも理解しておくことで、より精度の高いトレードができるようになります。成行注文のデメリットを把握しつつ、適切なトレードを行っていきましょう。
成行注文は、自分のタイミングで瞬時に注文できる反面、適切な取引タイミングを見極めるために、リアルタイムで相場をチェックする必要があります。昼間が仕事の方であれば、夜間に為替相場をチェックしながら注文タイミングを待たなければいけません。
一方で、指値注文や逆指値注文は、事前に価格条件を設定しておけば自動で注文が実行されるため、相場をリアルタイムで確認しなくても取引が成立します。しかし、成行注文では「今だ」と判断した瞬間に手動で操作しなければならず、忙しい日常の中で対応するのは簡単ではありません。
また、深夜や早朝の時間帯に相場が急変することもあります。そのタイミングで成行注文を出すためには、深夜や早朝でも相場をチェックする必要があり、体力的・精神的な負担もかかるでしょう。このように、成行注文は柔軟かつ瞬時に約定できる反面、常に相場を見てタイミングをチェックしなければいけないため、ライフスタイルに応じて使い分けることが重要です。
成行注文は、原則として現在の価格で約定できます。しかし、必ずしも希望通りの価格で約定できるとは限りません。特に、相場の急激な変動時に発生しやすい「スリッページ(注文した価格と約定した価格がズレてしまう現象)」には注意が必要です。
FXでは、「どの注文方法を、どのタイミングで使うか」がトレードの勝敗に大きく影響します。各注文方法の特徴を理解し、状況に応じて適切に使い分けることで、不要な損失を避けながら利益を狙えるようになります。ここでは、各注文方法を使うべき具体的なタイミングについて詳しく解説していきます。トレード時の参考にしてみて下さい。
成行注文を効果的に活用できるタイミングは、「相場が急に動いた時」や「裁量トレードで今すぐ約定したい時」です。相場が大きく変動する時(経済指標の発表直後や地政学リスクの発生時など)には、タイミングの遅れが致命的になることがあります。そうした場面では、成行注文のスピードと確実性が大きな武器になるでしょう。
また、テクニカル分析やチャートパターンを見て、「この瞬間がエントリーや決済のチャンスだ」と自分で判断した際にも、成行注文は適しています。指値注文のように、価格に到達するのを待つ必要がないため、裁量トレードでは非常に重宝されます。特に、スキャルピングやデイトレードといった短期トレードでは、数秒単位のタイミングの差が利益に直結するため、瞬時に約定できる成行注文は欠かせません。
さらに、損切りの判断が必要な場面でも成行注文は役立ちます。「これ以上、損を出したくない」と感じた時、自分の意思で即座にポジションを解消することも可能です。
このように成行注文は、スピード重視・裁量判断・相場の急変時・緊急の損切り判断といった場面で効果を発揮する注文方法といえます。成行注文を状況に応じて的確に使い分けることで、FXで安定した結果を出しやすくなるでしょう。
指値注文を効果的に活用できるタイミングは、「あらかじめ狙いたい価格が明確に決まっている時」です。例えば、「149円まで下がったら買いたい」「151円まで上がったら売りたい」場合には、設定した価格で自動的に約定してくれます。
指値注文の特徴は、トレードのタイミングを為替相場の変動に任せて「待つ戦略」を取れることです。忙しくて常にチャートを見られない方や、取引ルールに沿って淡々と売買を繰り返したい方に向いています。短期ではデイトレード、中長期ではスイングトレードで効果を発揮してくれるでしょう。なお、スキャルピングは短期過ぎるため、指値注文ではタイミングが間に合わない可能性があります。
一方で、設定した価格に届かなければ約定しないため、チャンスを逃す可能性もあるでしょう。指値注文の価格設定は、為替相場の状況から慎重に行う必要があります。現状の流動性や為替相場の勢いも考慮に入れましょう。
損切りとの組み合わせでは、「指値注文で安く買って、設定した価格まで戻らなければ逆指値注文で自動的に損切り」といった戦略も有効です。為替相場を読みつつ、狙い通りの価格で入りたい時には、指値注文が強い味方になります。
逆指値注文を効果的に活用できるタイミングは、「現在の価格より不利な方向に動いた時を想定して、損失を最小限に抑えたい時」です。特に、FXでは含み損を抱えたままチャートを見続けて損切りのタイミングを迷ってしまうと、判断が遅れて損失が拡大することが少なくありません。そういった事態を防ぐために、逆指値注文は極めて重要です。
例えば、今すぐ買いたいと判断した時に成行で購入し、同時に「50pipsの利益で利確」「30pipsの損失で損切り」といった条件をセットすることが可能です。新規注文と同時に、出口を見据えたリスク管理も同時に行えるという点で、非常に効率の良い注文方法といえます。
逆指値注文は、損失をコントロールするのに適しているため、FXにおいてはリスク管理の基本中の基本ともいえます。特に、相場の急変に自分で対応できない時間帯(就寝中・仕事中など)にも損切りを自動化できるため、初心者トレーダーにとっても強力なリスク管理が行えるでしょう。
また、既に利益が出ている場合、逆指値注文の価格を最低限プラスになる価格まで調整すれば、損失を回避する利確にも応用できます(トレーリングストップのような使い方)。逆指値注文は、損失や利確に活用できる注文方法なので、ぜひ活用してみて下さい。
FXには、成行注文・指値注文・逆指値注文といった基本的な注文方法の他に、これらを組み合わせた複合的な注文も存在します。「エントリーと同時に利確・損切りも設定したい」「どちらかの注文が約定したらもう片方をキャンセルしたい」といったニーズに応える注文方法です。ここでは、覚えておきたい4つの注文方法「2WAY注文・OCO注文・IFD注文・IFDOCO注文」について解説します。
2WAY注文は、成行注文と同じく現在提示されている価格で即座に売買を成立させる注文方法ですが、成行注文とは異なり、「決済同時発注」と「許容スリッページ設定」が可能です。
決済同時発注とは、「50pipsの利益で利確」「30pipsの損失で損切り」といった条件で決済注文をセットして、現在提示されている価格で新規注文をすることです。新規注文と同時に、出口を見据えたリスク管理も同時に行えるという点で、非常に効率の良い注文方法といえます。
スリッページとは、トレーダーが注文した時に画面に表示されている価格(注文価格)と、実際に注文が確定する価格(約定価格)が異なってしまうことです。トレーダーが注文を行ってから、サーバーを通して注文が約定するまでにタイムラグが発生するため、スリッページが発生してしまいます。
2WAY注文では、スリッページの許容範囲を自分で設定することができ、 許容スリッページの範囲内であれば約定し、範囲外であれば約定されないようになっています。ただし、許容スリッページの設定によっては、約定しづらくなることもあるので、有利、不利に関わらず約定する成行注文との使い分けが重要となります。
OCO注文とは、「One Cancels the Other」の略で、指値注文と逆指値注文を同時に出す注文方法です。どちらか一方の注文が約定した場合、もう一方の注文は自動的にキャンセルされます。
新規・決済注文、どちらの場合でも活用できるのがOCO注文です。新規注文を出す場合を見てみましょう。例えば、150円の時に「151円まで上がったら売り注文を出したい、149円まで下がったら買い注文を出したい」という場合に有効です。OCO注文を活用すれば、151円に売りの指値注文、149円に買い注文を同時に出すことができます。
相場がどちらに動いても自動的に約定するため、チャートを見続けていなくてもトレードできるのが魅力です。また、現在保有中のポジションを決済する際にも活用できます。OCO注文は、新規・決済どちらの注文も戦略的に行え、感情に左右されない取引を実現します。
IFD注文(イフダン注文)は、「If Done(もし成立したら)」の略称で、自動で新規注文と決済注文を同時にセットする注文方法です。新規注文したい価格を指定し、その注文が約定した際に自動的に決済注文(利確または損切り)が発動します。
例えば、150円で推移している時に、「149円まで下がったら買いたい、買えたら151円まで上がったら利確する」としましょう。149円に新規の買い指値注文、同時に151円の売り指値注文をセットすれば、自動的に取引の流れは完結します。
また、以下のように、逆指値注文で損切りの設定を行うことも可能です。
IFD注文は、チャートを長時間監視できないトレーダーや、新規注文から決済注文までをルール通りに自動化させたい方に最適です。
IFDOCO注文(イフダン・オーシーオー)は、IFD注文にOCO注文を組み合わせた高度で自動化された複合注文です。新規注文の約定を起点に、利確用の指値注文と、損切り用の逆指値注文の両方を同時に設定できます。
例えば、現在の価格が149円の時、「150円まで上がったら買い(IFD注文)。151.5円で利確、148.5円で損切り」といった戦略を立てたとしましょう。IFD注文+OCO注文の活用で、150円の買い指値が約定した瞬間に、151.5円の売り指値(利確)と148.5円の逆指値(損切り)注文が自動で発注されます。
裁量に頼らず、自動でリスクとリターンを管理したい方にとって、安心できる注文方式の一つといえるでしょう。
FXにおける成行注文は、指値注文や逆指値注文とは異なり、現在の価格で瞬時に約定させる注文方法です。「今すぐに注文したい」という、スピード重視の取引に適しています。一方で、常に相場を確認しながら判断する必要があるため、忙しい方や初心者にとっては負担になる場合もあります。そのため、指値注文や逆指値注文、OCO注文やIFD注文なども併せて活用し、より柔軟なトレード戦略を構築していくことで成果を出しやすくなるでしょう。
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この記事を監修した人
SBIリクイディティ・マーケット株式会社
金融市場調査部長
上田眞理人