先物取引とは?FXとの違いを分かりやすく解説 | SBI FXトレード

先物取引とは?FXとの違いを分かりやすく解説

FX用語集

UPDATE 2025.09.17
POST 2025.09.17

先物取引とは?FXとの違いを分かりやすく解説

1. 先物取引とは?

先物取引とは、将来の特定された期日に、あらかじめ決められた数量と価格で、特定の金融資産を売買する取引のことです。

以下を例に、先物取引の仕組みを説明します。

<取引日>

  • 商品:原資産
  • 価格:20万円
  • 期日:11月30日

<満期日>

  • 当日価格:30万円
  • 売買価格:20万円
  • 買い手利益:10万円

まず、取引日には売買の約束だけを交わします。この時点で取り決める内容は、以下の4つです。

  • 原資産の種類(例:商品、株価指数など)
  • 約定価格(将来売買する価格)
  • 数量
  • 決済期日(実際に売買が行われる日)

たとえば、上記の例では11月30日に決済が行われます。仮にその日の市場価格(実勢価格)が30万円だったとしても、事前に約束された20万円で売買が成立します。

つまり、買い手は30万円の価値がある資産を20万円で購入できるため、差額の10万円が利益になります。一方、売り手は本来30万円で売れるものを20万円で売らなければならず、10万円の損失をかぶることになります。

なお、もし決済期日までに原資産の価格が下落して15万円になっていた場合、買い手は市場価格より高い20万円で買うことになるため、5万円の損失となります。このように、先物取引では将来の価格変動によって損益が発生するため、価格予想やリスク管理が非常に重要になります。

2. FXとは?

FXとは、ある国の通貨を別の国の通貨に交換する取引です。日本では「外国為替証拠金取引」とも呼ばれており、証拠金を担保にして元手の数倍以上の金額を取引できる「レバレッジ」が特徴です。また、高い流動性と24時間取引ができることも魅力の一つです。世界中の通貨が取引対象となるため、土日を除けばいつでもマーケットが動いており、ライフスタイルに合わせて取引できるのも人気の理由です。

投資初心者の中には、FXに対して「仕組みが複雑で難しそう」というイメージを抱いている方もいるかもしれません。しかし、仕組みは外貨両替とまったく同じ。外貨を売買し、その差益を得る取引です。円高・円安のどちらの局面でも利益を狙えるため、うまく使えば柔軟な運用が可能です。

FXは、世界最大の金融市場の一つといわれており、1日あたりの取引量は数兆ドルにもおよびます。それだけ多くの投資家が参加しており、価格もリアルタイムで大きく動くダイナミックな市場です。

3. 先物取引とFXの違いを簡単に説明

両者の違いを、簡単に表にまとめました。それぞれ詳しく解説します。

先物取引 FX
投資対象 株価指数・国債・貴金属
エネルギー・穀物など
各国の通貨
取引期間 月〜金 8時45分~15時45分、17時00分~翌6時00分※1 月〜金の24時間
インカムゲイン なし スワップポイント
レバレッジ 10〜30倍程度 最大25倍(個人の場合)※2
手数料 各業者の定めた手数料 手数料なし(スプレッドのみ)

※1 大阪取引所 株価指数先物 
※2 お客さま自身で資産評価額や取引数量をコントロールすることによって、実質的にレバレッジを設定することが可能です。
https://www.sbifxt.co.jp/faq/faq816.html

それぞれ詳しく解説します。

3-1. 投資対象


先物取引とFX取引の大きな違いは、投資対象にあります。

表の通り、先物取引の対象は物理的な商品や金融指数など、幅広い資産です。一方、FXの取引対象は各国の通貨であり、例えば米ドル/円やユーロ/米ドルなどを売買して利益を狙います。

3-2. 取引時間


先物取引の取引時間は、日中取引と夜間取引に分かれています。

  • 日中取引...8時45分~15時45分 (大阪取引所 株価指数先物)
  • 夜間取引...17時00分~翌6時00分


先物取引では、「取引日」の区切り方が特徴的で、夜間取引の開始(17時00分)から翌日の日中取引終了(15時45分)までを1つの「取引日」として扱います。

一方、FXは月曜日から金曜日であれば、ほぼ24時間取引が可能です。ただし、SBI FXトレードでは、基本的に夏時間と冬時間で取引時間が異なります。夏時間は月曜午前7時から土曜午前5時30分まで、冬時間は月曜午前7時から土曜午前6時30分までです。

3-3. インカムゲイン


先物取引には、インカムゲインがありません。インカムゲインとは、資産の保有中に得られる利益のことで、株式や保険なら配当金、債券や預金なら利子、不動産なら家賃収入などがこれに該当します。先物取引では、利益は全て価格の変動によって得られるため、保有しているだけでは収益は発生しません。

一方、FXでは「スワップポイント」がインカムゲインに相当します。スワップポイントは、金利が高い通貨を買い、低い通貨を売ることで発生する利益で、「金利差調整分」とも呼ばれます。スワップポイントは、為替相場に関係なく、ポジションを保有している限り原則として毎日付与されます。ただし、金利状況によってはスワップポイントがマイナスになることもあるため注意が必要です。

3-4. レバレッジ


レバレッジとは、投資において少額で元手の何倍もの商品価値を動かせる仕組みのことです。例えば、10万円の証拠金で100万円分の取引を行う場合、レバレッジは10倍ということになります。

先物取引のレバレッジは、商品によって異なりますが、おおむね10〜30倍程度です。一方、FXでは、国内の個人投資家に対するレバレッジは金融庁の規制により、最大25倍までと定められています。

ただし、お客さま自身で資産評価額や取引数量をコントロールすることによって、実質的にレバレッジを設定することが可能です。
https://www.sbifxt.co.jp/faq/faq816.html

3-5. 手数料

先物取引の手数料は、銘柄によって異なります。主な銘柄の手数料は、以下の通りです(立会約定1枚・税込)。


  • 日経225先物...275円
  • ミニ日経225先物...38.5円
  • 日経225マイクロ先物...11円
  • TOPIX先物...330円
  • ミニTOPIX先物・JPX日経400先物・東証グロース市場250指数先物...41.8円
  • 東証REIT指数先物...50.6円
  • NYダウ先物...990円
  • 金・銀・白金・パラジウム・ゴム・とうもろこし・一般大豆・小豆...275円
  • 金ミニ・金スポット・白金ミニ・白金スポット...77円

FXの各種手数料は無料ですが、実質的なコストとしてスプレッドが生じます。スプレッドとは、通貨の売値と買値の差のことで、取引時の為替コストとして考えられます。スプレッドの幅は、通貨ペアや市場の流動性、時間帯によって変動します。

4. 先物取引のメリットとデメリット

先物取引の主なメリットは、受け渡し前に価格を決められるため、価格変動リスクのヘッジ手段として活用できる点です。

また、少額の資金から取引でき、レバレッジを効かせられることも挙げられます。特に、ガソリンや原油などのコモディティは、価格変動が大きいため、短期間で大きな利益を狙えることも魅力の一つです。

さらに、先物取引では、買い注文・売り注文のどちらからでも取引が始められます。相場が上昇している時だけでなく、下落する時でも利益をあげられます。

ただし、先物取引は大きな利益を狙える分、多額の損失を出すことがあります。価格変動が激しいため、元本割れや損失が生じる可能性があり、元本や利益が保証されているわけではありません。

また、先物取引には決済期日が設定されているため、長期保有には向いていません。さらに、相場が急変した場合には、追証(追加証拠金)の差し入れが必要になることもあるため、注意が必要です。

5. FXのメリットとデメリット

FXのメリットは、少額の資金で取引を始められることや、取引可能な時間が長いことが挙げられます。月曜日から金曜日ならほぼ24時間取引が可能であるため、ライフスタイルに合わせて投資に充てる時間を確保できるでしょう。

また、先物取引と同様、買い注文、売り注文のいずれからでも取引をはじめることができることもメリットの一つです。相場が上がっている時は買いポジションで、下がっている時は売りポジションを取ることで利益を狙えます。

一方、FXにも相場の急変動により短時間で大きな損失が出るリスクがあります。例えば、経済指標の発表や大規模な自然災害、地政学的リスクなどによって、為替相場が急変動することがあるため、常に注意が必要です。

さらに、預け入れた額以上の損失が出る場合があることもデメリットの一つです。急激な相場変動時にはロスカットが間に合わず、口座残高がマイナスになった場合、追加で証拠金の入金をしなければなりません。リスクを正しく理解し、適切な資金管理とリスクヘッジを行うことが、FX取引においては極めて重要です。

6. 投資初心者は先物とFXのどちらがおすすめ?

ここまで説明した通り、先物取引とFXは、それぞれ異なる特徴とメリット・デメリットを持つ金融商品です。そのため、どちらが適しているかは、個人の投資スタイルや目的、資金量、リスク許容度によって異なります。

先物取引は、商品や金融指標などの将来の価格を予測し、あらかじめ定めた価格と期日で売買を行う契約です。レバレッジを活用できるため、比較的少ない資金で大きな利益を狙うことも可能ですが、価格変動によるリスクも大きいというデメリットがあります。

一方、FXは、通貨ペアの価格変動を利用して利益を得る取引で、少額から始めることができ、月曜日から金曜日までほぼ24時間取引が可能です。取引の仕組みが比較的シンプルで、情報の偏りも生じにくく、取引時間も柔軟性があるため、初心者にとって始めやすいとされています。

7. 投資初心者はFXで少額から取引してみましょう

先物取引かFX取引のどちらを選ぶにしても、自身の投資目的やライフスタイル、取引にかけられる時間などを総合的に考慮し、十分な理解と準備を持って判断することが大切です。


SBI FXトレードは業界トップクラスとなる「34種類」の通貨ペアがあり、1通貨単位から取引できるため、非常に少ない資金からFX取引が可能です。

また、スプレッドは業界最狭水準となっており、利益を上げやすい環境が整っているため、初心者の方にも安心してご利用いただけます。

まずはSBI FXトレードで口座を開設し、FX取引を始めてみましょう。

いずれにしても、自分の状況に応じて選び、大きな損失を出さないよう、少額から始めることが大切です。

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この記事を監修した人

SBIリクイディティ・マーケット株式会社
金融市場調査部長
上田眞理人

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