UPDATE 2025.09.24
POST 2025.09.24
FXを始めたばかりの方や、これから学ぼうとしている方にとって、よく耳にする「pips(ピップス)」という言葉。その意味や計算方法、活用方法が分からず、取引にどう活かせるのか不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
pipsとは、為替相場の変動を表す単位で、FX取引において非常に重要な役割を担っています。
本記事では、pipsとは何か、どのように計算するのか、実際の取引でどう活用できるのかを分かりやすく解説します。pipsを正しく理解することで、初心者でも自信を持って取引を始められるようになり、実際にSBI FXトレードで取引を始める一歩を踏み出せるようになるはずです。ぜひ参考にしてみて下さい。
まずは、FX取引において重要な役割を持つpipsについて、言葉の意味や導入された背景など、基本的な部分について解説していきます。
pips(ピップス)とは、FX(外国為替証拠金取引)において通貨ペアの変動幅を示す最小単位のことを指します。pipsは「percentage in point」の頭文字を取った略称で、直訳すれば「パーセンテージ内の点」という意味になります。
通常、為替相場は小数点以下まで細かく表示されるため、pipsはその変動を数値で分かりやすく表すための共通単位として用いられています。例えば、米ドル/円やユーロ/円など日本円を含む通貨ペアでは、1pipsは「0.01円(1銭)」を意味します。つまり、米ドル/円の為替レートが「150.00円」から「150.01円」に上昇した場合、1pipsの変動があったということになります。
取引の損益計算や相場分析をする上で欠かせない基本単位となっており、pipsの概念を理解することで、FX取引の精度と判断力を高めることができるでしょう。
FXでは、世界中の異なる通貨を取引しますが、米ドルやユーロ、日本円などはそれぞれ単位が異なるため、「1ドル動いた」「1ユーロ動いた」といった表現では、変動の大きさを比較することが困難です。
このような問題を解消するために導入されたのが、「pips」という共通単位です。pipsを用いることで、米ドル/円で1pips動いた場合も、ユーロ/米ドルで1pips動いた場合も、為替レートにおける最小の変化として統一して捉えられるようになります。その結果、異なる通貨ペア同士でも変動幅を比較しやすくなり、取引判断や損益計算をシンプルに行えます。
pipsは、FX市場で取引を効率的かつ正確に進めるために、欠かせない指標となっているのです。
FXにおける「1pips」の価値は、通貨ペアによって異なります。pipsは、通貨ペアの変動幅を表す最小単位ですが、その単位の大きさは各通貨の表示方法に依存しています。
例えば、米ドル/円やユーロ/円など日本円が絡む通貨ペアの場合、1pipsは「0.01円(1銭)」に相当します。つまり、米ドル/円の為替レートが150.00円から150.07円に変動した場合、「7pips(=7銭)上昇した」という表現になります。10pipsは0.1円(10銭)、100pipsで1円(100銭)の変動となります。
一方、ユーロ/米ドルなどの小数点第4位まで表示される通貨ペアでは、1pipsは「0.0001ドル(0.01セント)」を意味します。このように、pipsの価値は表示形式に合わせて定義されており、どの通貨でも共通の単位で変動幅を比較できるようになっています。
また、pipsはスプレッドの表現にも用いられます。スプレッドとは「買値(Ask)」と「売値(Bid)」の差のことで、FX会社の実質的な手数料にあたります。例えば、米ドル/円のスプレッドが「0.2pips」と表示されていれば、買値と売値の差が0.2銭しかないことを意味し、それだけ取引コストが小さいということになります。SBI FXトレードのような低スプレッドのFX会社を利用することで、取引コストを抑えて効率よく運用を行うことが可能です。
FXにおける「1pips」の定義は、通貨ペアだけでなく、FX会社によっても異なる場合があります。
原則として「1pips=0.01円(1銭)」という定義を採用していますが、SBI FXトレードでは、米ドル/円などの日本円絡みの通貨ペアにおいて「1pips=0.0001円(0.01銭)」という、より細かい単位を採用しております。これは、より高精度な取引環境を提供するためにpipsの基準を細分化していることが理由です。
したがって、同じ「1pipsの変動」と表示されていても、会社によって実際の価格変動幅が異なる可能性があるため注意しましょう。取引におけるスプレッドや損益計算にも影響するため、事前に各社の定義を確認しておくことが大切です。
特に初心者の方は、自分が利用する会社での「pipsの基準」をしっかり理解しておくことで、混乱を避け、より正確な取引判断ができるようになるでしょう。
ここでは、pipsを活用してトレードの損益計算をする方法や、投資効率を算出する方法を分かりやすくご紹介します。
FX取引において、獲得したpipsが実際にいくらの損益になるかを理解することは非常に重要です。通貨ペアの種類によってpipsの基本単位が異なるため、ここでは「日本円が絡む取引」と「日本円が絡まない取引」に分けて、それぞれの損益計算方法を具体的な例を交えて解説します。
米ドル/円など日本円が含まれる通貨ペアでは、基本的に1pips=0.01円(1銭)と定義されます。損益の計算式は以下の通りです。
損益 = 獲得pips × 1pipsの価値(0.01円) × 取引数量
例えば、米ドル/円を1ドル=150.00円で1,000通貨(1,000ドル)購入し、その後、1ドル=150.70円で売却した場合、70pipsの利益となります。この時の損益は、
70pips × 0.01円 × 1,000通貨 = 700円の利益
同じ条件で10,000通貨(10,000ドル)取引していた場合は、
70pips × 0.01円 × 10,000通貨 = 7,000円の利益
このように、取引数量が増えるほど、同じpipsでも損益の額が大きくなることが分かります。
ユーロ/米ドルなど日本円が含まれない通貨ペアでは、基本的に1pips=0.0001ドルと定義されます。損益の計算式は以下の通りです。
損益 = 獲得pips × 1pipsの価値(0.0001ドル) × 取引数量
例えば、ユーロ/米ドルを1ユーロ=1.0000ドルで1,000通貨購入し、その後1.0070ドルで売却した場合、70pipsの上昇による利益が発生します。
この時の損益は、
70pips × 0.0001ドル × 1,000通貨 = 7ドルの利益
ユーロ/米ドルの場合、利益はドル建てで計算されるため、日本円に換算したい場合は、決済時点でのドル/円レートをかけて計算します。仮に決済時点でのレートが1ドル=150円だったとすると、利益は「7ドル × 150円 = 1,050円」となります。
SBI FXトレードなどの多くのFX会社では、取引画面上に自動的に損益が表示されるため、計算に慣れていない初心者でも安心して取引を始められます。ただし、自分で計算方法を理解しておくことで、リスク管理や戦略の立案がより的確に行えるようになります。特に、異なる通貨ペアでの損益比較や、想定利益・損失の試算を行う際にpipsの理解は不可欠です。ぜひこの機会に、pipsを使った損益計算の基本をマスターしておきましょう。
pipsは損益の計算だけでなく、投資効率を比較する際にも有効な指標です。ここでは、取引規模が異なる2つの例を使って、それぞれの利益と獲得pipsから投資効率を読み取る方法を解説します。
米ドル/円が1ドル=150.00円の時に100,000ドルを購入し、
1ドル=150.50円で売却した場合の値動きは、
150.50円 − 150.00円 = 0.50円(=50pips)となり、
利益は、50pips × 0.01円 × 100,000通貨 = 50,000円 となります。
米ドル/円が1ドル=150.00円の時に500,000ドルを購入し、
1ドル=150.10円で売却した場合の値動きは、
150.10円 − 150.00円 = 0.10円(=10pips)となり、
利益は、10pips × 0.01円 × 500,000通貨 = 50,000円 となります。
両者とも利益は50,000円で同じですが、獲得したpipsは例①が50pips、例②は10pipsです。つまり、例①の方がより少ない取引数量で同じ利益を得ており、効率よく相場の値動きを捉えていたことになります。
このように、「獲得したpipsあたりの利益」や「取引数量あたりのpips」を見ることで、単純な利益額では見えにくい取引の内容が浮き彫りになります。pipsベースで効率的に利益を出せているかを把握することが、長期的なFXの成功のカギといえるでしょう。
FX取引におけるpipsの活用方法としては、主に以下の3つが挙げられます。
それぞれについて、具体例を挙げながら分かりやすくご紹介します。
pipsは、異なる通貨ペア間の値動きを直感的に比較するための便利な指標です。各通貨ペアは表示単位や価値が異なるため、「何ドル動いた」「何円動いた」といった表現では、変動の大きさを正確に比較するのが困難です。しかし、pipsに換算すれば単一の基準で値幅を把握でき、複数の通貨ペアのパフォーマンスを同じ指標で評価できるようになります。
例えば、ポンド/米ドルが0.0700ドル上昇した場合、pipsに換算すると「700pips」の値動きです。ユーロ/NZドルが0.0300NZドル上昇した場合は「300pips」、豪ドル/スイスフランが0.0600CHF上昇した場合は「600pips」となります。
このように、pipsで見ると、ポンド/米ドルが最も大きな値幅で動いたことが一目で分かります。単純な価格差だけでは判断しづらい比較も、pipsなら通貨の違いを気にせずに比較できます。
特に複数の通貨ペアを取引している場合は、pipsで統一的に値幅を管理することで、自分の得意な通貨や戦略の傾向も把握しやすくなります。これは取引の改善にも直結するため、pipsを基準に値幅を比較する習慣は、上達の第一歩といえるでしょう。
pipsは、単なる変動幅を示すだけでなく、投資効率を測る上でも重要な役割を果たします。同じ金額の利益であっても、獲得したpips数が異なれば、投資効率が違うことがあるからです。
例えば、10pipsで5万円の利益を得た取引と、50pipsで5万円を得た取引では、前者の方がより少ない値動きで同等の利益を獲得しており、投資効率が高いと解釈できます。このように、損益額では見えない「取引の質」を把握するためには、pipsを使って投資効率を評価することが効果的です。
自分自身のトレード成績を振り返る際にも、pipsは重要な記録指標として活用されます。損益額だけで結果を評価すると、取引数量や為替レートによって成績が不安定になってしまい、単純な比較が困難になります。
そこで、pipsベースで記録をつけることで、取引規模に左右されず、自分のトレードスキルの純粋な成果を可視化できます。
例えば、「今月は+150pips」という記録があれば、たとえ少額取引でも安定して値幅を取れている証拠となり、長期的な戦略の見直しにも役立つでしょう。
FXにはさまざまな取引スタイルがあり、それぞれに合った戦略や目標pipsがあります。ここでは、以下の3つのスタイルの概要とpipsの目安について解説します。
スキャルピングとは、数秒から数分程度の非常に短い時間で売買を繰り返し、小さな値動きから利益を狙う取引スタイルです。
FX市場の一瞬の価格変動を利用して、1回の取引で5pips〜10pips前後の利益を得ることを目的としています。スプレッド(売値と買値の差)が小さい通貨ペアを選ぶことで、取引コストを抑えながら効率的に収益を積み重ねることが可能です。
スキャルピングの最大のメリットは、相場が大きく動かなくても収益チャンスが頻繁に訪れる点です。日中何度も取引できるため短期間で結果が出やすく、相場に張り付く方にとっては有利なスタイルといえます。ただし、瞬時の判断力や反射神経が求められる上に、取引回数が多くなるため、冷静さと継続的な分析力も不可欠です。
pipsでの値幅を意識しながら、着実に小さな利益を積み重ねることが、スキャルピング成功の鍵となります。
デイトレードは、ポジションをその日のうちに決済するスタイルで、数時間単位の値動きを狙って利益を出す方法です。1日の相場の中でトレンドや反発ポイントを見極め、10pips~50pips程度の値幅を目安にトレードを行うのが一般的です。スキャルピングよりも値幅を広く取り、スイングトレードよりも短い保有時間という中間的な特徴があります。
デイトレードのメリットは、翌日にポジションを持ち越さないことによるリスク回避です。為替相場は世界中で24時間動いており、夜間や休日に突発的なニュースが出ることもありますが、日中に完結するデイトレードであれば、そのような急変動リスクを避けやすくなります。
また、スプレッドの影響もスキャルピングほど大きくなく、一定のテクニカル分析に基づいて比較的落ち着いて取引できるのも利点です。pipsで目標値幅を明確に設定しやすく、初心者から中級者に人気の高いスタイルです。
スイングトレードは、数日から数週間という中長期にわたってポジションを保有し、大きなトレンドを狙って利益を得る取引スタイルです。この手法では、100pips以上の値幅を狙うことも珍しくなく、pipsの変動を大きく捉えたトレードが基本になります。1回の取引あたりの利幅が大きいため、取引回数は少なくても高い利益を目指すことが可能です。
スイングトレードのメリットは、時間的拘束が少ないことです。チャートに張り付く必要がなく、日中忙しい方や副業としてFXを行う方にも向いています。また、トレンドに乗って長く保有することで、細かなノイズに振り回されずに済む点も強みです。
ただし、数日単位で保有するため、急激な為替変動リスクやスワップポイント(保有コスト)も意識する必要があります。長期的なpipsの推移を見極める力と、計画的な損切り・利確が重要になります。
FX取引においてpipsを使用するメリットは、主に以下の2つです。
それぞれについて、具体的に解説します。
pipsを使う最大のメリットの一つが、異なる通貨ペアの値幅を直感的に比較できることです。
例えば、米ドル/円が0.50円動いた場合と、ユーロ/米ドルが0.0040ドル動いた場合、単位が異なるため一見すると比較が難しく感じられます。しかし、pipsに換算すればそれぞれ50pipsと40pipsとなり、どちらの変動が大きかったかを明確に判断できます。
さらに、pipsは取引数量の影響を受けずに「どれだけの値幅を取れたか」を表す指標のため、投資効率の分析にも役立ちます。例えば、金額としては同じ利益であっても少ないpipsで獲得できた方が、効率的な取引ができたと評価できます。
pipsを基準にすれば、異なる通貨ペアや取引ごとのパフォーマンス比較がしやすくなり、客観的な戦略評価にもつながるでしょう。
FX取引では、損益額が大きくなればなるほど、感情的な判断に左右されがちです。「あと数千円で利益確定できる」などと考えてしまうと、冷静なトレード判断が難しくなり、結果としてリスクを増大させてしまうことがあります。
そこで有効なのが、pipsという金額にとらわれない単位で値幅を把握する方法です。pipsで見れば、例えば「20pips取れた」「5pips逆行している」といったように、純粋に相場の値動きとして客観的に捉えることができ、心理的なプレッシャーを軽減できます。また、pipsはどの通貨ペアでも共通の基準となるため、混乱なく状況を分析できるでしょう。
冷静な取引を継続するためには、pipsを軸にしたトレード管理が欠かせません。
pipsは、取引の基準として用いることで投資効率を高められる便利な指標です。一方で、pipsを使う際にはいくつか注意すべき点も存在します。ここでは、pipsを使う際の2つの注意点について詳しく解説します。
pipsは、値動きを把握するための便利な単位ですが、「利益確定(利確)」や「損切り」の判断材料としてpipsだけを基準にするのは適切ではありません。
利確とは、十分な利益が出たと判断したタイミングでポジションを決済し、利益を確定させることを指します。一方、損切りは想定外の方向に相場が動いた時に、損失を最小限に抑えるため、あえてポジションを決済することを指します。
pipsだけを目安に損切りラインを設定してしまうと、取引数量によって実際の損失額が大きく変動するため、予想以上の損失につながるリスクがあります。
例えば、10pipsで損切りと決めていても、1,000通貨と10,000通貨では損失額が10倍異なります。そのため、損切りはpipsではなく、「損失金額」で設定するのが望ましいです。
特に、損切りは資金管理の要です。自分の口座残高に応じて「1回の損失を残高の2%以内に抑える」など、具体的な金額に基づいたルールを設けることで、過大なリスクを避けることができます。
FXでは、「pips」と似た言葉に「point(ポイント)」という単位があり、混同されがちですが、この2つは明確に異なる単位です。
pipsは、通貨ペアごとの価格表示に基づく最小変動幅の基準として使われ、通常は「0.01円(1銭)」や「0.0001ドル」といった単位で定義されます。一方、pointは、pipsよりもさらに細かい単位で、1pipsの10分の1(0.1pips)に相当します。
例えば、米ドル/円の取引において1pips=0.01円と定義される場合、1pointは0.001円(0.1銭)です。FX会社によっては、スプレッドや価格表示をより細かくするために、point単位で表記することがありますが、pipsとpointは同じものではないため、読み違えには注意が必要です。
正確に損益を計算する上でも、どちらの単位で表示されているかをしっかりと確認する必要があります。特に初心者は、pipsとpointを混同して誤った判断をしないよう、取引前にFX会社の仕様を確認しておくことが大切です。
pipsは、FX取引における為替レートの変動幅を、共通の基準で表すために使われる便利な単位です。異なる通貨ペア同士でも、pipsを用いれば値動きの大きさを直感的に比較できるだけでなく、取引ごとの投資効率を分析することも可能です。特に複数の通貨を扱う際や取引スタイルを評価する上で、pipsの理解は有効な判断材料となります。
ただし、pipsの定義は通貨ペアごと、またFX会社ごとに異なるため注意が必要です。同じ「1pips」でも、表示形式や単位の違いによって損益が変わる場合があり、思わぬ損失を招く可能性もあります。また、損切りや利確をpipsだけで判断してしまうと、取引数量によって損益額に差が出るため、金額ベースで管理することが重要です。
SBI FXトレードでは、「米ドル/円」や「シンガポールドル/円」など34種類の通貨ペアが取引可能で、1通貨からの少額取引に対応しているため、初心者にも始めやすい環境が整っています。初めてのFXでもリスクを抑えながら練習でき、スワップポイントやロスカット水準のシミュレーション機能も充実しているので、ぜひ一度お試し下さい。
SBI FXTRADE
FX(外国為替証拠金取引)は異なる通貨を売買し、売買時のレートによって生じた差額で利益を出そうとする取引です。
SBI FXTRADEは、スプレッドやスワップポイント、通貨ペア数など、業界最良水準のサービスをご提供しています。また、初心者の方から、上級者までご満足いただける取引ツールをご用意しております。
この記事を監修した人
SBIリクイディティ・マーケット株式会社
金融市場調査部長
上田眞理人