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ニュージーランドドル特別レポート
【2024年3月11日時点】

ニュージーランド

【基本情報】

【首都】 ウェリントン

【面積】 270,534㎢ (日本の約4分の3)

【人口】 520万人 (2023年3月 NZ統計局推計)

【元首】 チャールズ三世国王陛下 (英国国王)

【首相】 クリストファー・ラクソン(国民党)

【通貨】 NZドル

【経済規模】 GDP 2,469億米ドル (2022年)

       インフレ率:4.7% (2023年10-12月期) 失業率:4.0% (2023年10‐12月期)

NZ経済を取り巻く基本情報

ニュージーランドの人口は、520万人と福岡県の人口とほぼ同規模であり、経済規模も限られていることから豪経済および世界経済の好不況の影響を受け易いとされています。
また、豪同様に最大の貿易相手国は中国ですが、豪が鉄鉱石や石炭を主な輸出産品としているのに対し、乳製品が主な輸出品で全体の25~30%近くを占めるなど、第一次産品輸出に依存する小規模経済です。また、農林水産業分野はGDPの5.3%に過ぎないものの、輸出額で見ると半分以上を占めており、第一次産品が要となっているため、世界経済の影響を受け易く、為替相場にも敏感と言えます。

政策金利

2月28日の中銀政策委員会では政策金利を5会合連続で5.50%に据え置くことを決定し、声明では「コアインフレ率とインフレ期待の大半の指標が低下し、インフレ見通しに対するリスクがより均衡した状態になった」との考えを明らかにした上で、政策金利のピーク水準の予想を2023年11月時点の5.7%から5.6%に引き下げました。一方、「インフレ率を中銀の目標(1.0‐3.0%)に戻すためには政策金利が長期間に渡り制約的な水準に留まる必要がある」との認識を示したことから、市場では、今後数ヵ月政策金利をいずれの方向にも動かすのは厳しい状況が続くと見られるものの、次の中銀の行動は利下げとの声が多く聞かれます。

【インフレ】

商品価格の上昇や米ドル高などが一服したこともありインフレも落ち着きを見せ、2023年10-12月期総合インフレ率は前年比+4.7%、コアインフレ率も+4.1%といずれも2年半ぶりの水準へ鈍化しました。ただ、足もとの動きは中銀見通しを下回っていますが、サービス物価や非貿易財を中心にインフレ圧力がくすぶるなどインフレ収束と判断するのは時期尚早と思われる状況にあります。

【NZ経済】

2023年10‐12月期GDPが3月21日に発表されますが、同年7-9月期GDPは前期比-0.3%と1‐3月期以来2四半期ぶりにマイナス成長となりました。製造業など第二次産業が冴えず、設備投資の減少のほか、中国経済の減速懸念から財・サービス輸出が前期比‐2.6%、輸送・倉庫も‐4.5%と落ち込みました。2023年11月27日に新たに就任したウィリス財務相は、「国内経済が厳しい状況にある中、長引くインフレに対応するため高止まりした政策金利のもたらす生活費の高騰が家計を圧迫している」との認識を示しました。

また、2023年12月以降、FRBによる利下げ観測を背景にNZドルは米ドル高圧力の後退とともに米ドルに対して底入れしたものの、足もとではFRBの早期利下げ観測の後退から米ドル高圧力の再燃や中国経済の減速懸念の高まりを受け上値が抑えられるなど、外部環境に翻弄され易い状況が続いています。また、2023年11月に発足したラクソン新政権が「『政権発足から100日間に行う行動計画』を発表し、実行する」と表明したものの、失業率が上昇基調をたどり景気浮揚に懐疑的な見方もある中、3月21日に発表される2023年10‐12月期GDPが2四半期連続のマイナス成長となれば利下げが前倒しされるかもしれません。また、日銀が3月もしくは4月にもマイナス金利の解除を決め、金融政策の正常化に向けて前進することが市場のコンセンサスとなりつつあり、今後は円買い圧力が増すと考えられることから、2月23日につけた2015年1月以来の円安水準の93円45銭がNZ円の当面の上値メドとして意識される中、下振れのリスクを警戒すべきかもしれません。また、FRBによる利下げ開始時期も6月が有力視され、今後の指標次第では後ろ倒しされる可能性もあり、3月のFOMCの結果次第では対ドルでも下押し圧力が高まる可能性に注意が必要です。

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