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オーストラリアドル特別レポート
【2024年2月22日時点】

オーストラリア

【基本情報】

【首都】 キャンベラ

【面積】 約769万2,024㎢(日本の約20.3倍)

【人口】 約2,626.8万人(2022年)

【首相】 アンソニー・アルバニージー

【通貨】 オーストラリアドル

【経済規模】 GDP 2兆4,345億9,000万オーストラリアドル(2022年)

       インフレ率:4.1%(23年10-12月期) 失業率:3.9%(23年12月)

【政策金利】

 豪中銀は、2月6日の政策理事会で政策金利であるオフィシャル・キャッシュレートを2会合連続で4.35%に据え置きました。一方、声明でインフレ率と成長率見通しを下方修正しながらも、フォワード・ガイダンスでは「追加利上げを排除できない」とタカ派姿勢を維持しました。
 しかし、中東情勢を巡る地政学リスクの高まりによる原油価格の急騰、あるいは中国経済の急速な回復などがない限り、インフレが再燃・加速するとは想定し難く、市場では、以下の理由から豪中銀の次の動きは「利下げ」との見方が根強いのが現状です。
 ①消費者物価指数の鈍化基調が続いていること
 ②欧米主要中銀も年央から年末にかけて利下げに転じることが確実視されていること
 ③豪最大の貿易相手国である中国の景気減速が懸念されていること

豪労働市場

 1月18日に発表された豪12月就業者数は、前月5.7万人増加していたフルタイム就業者が10.66万人減となったことが影響し、全体で6.51万人減と1.5万人増の予想に反し大幅な減少となりました、また、失業率も11月から横這いの3.9%と2022年5月以来の高水準が続いています。こうした労働市場の逼迫緩和は、政策金利がピークに達している可能性を示唆しているとともに、2月6日の政策理事会の声明で示されたインフレ率と成長率見通しの下方修正の根拠の一つとなったと思われる一方で、フォワード・ガイダンスで示された「追加利上げを排除できない」との見解は説得力に欠けるものと捉えられそうです。9月に総裁に就任したブロック総裁は一部から市場とのコミュニケーションが不得手との声も聞かれます。今後発表される消費者物価指数や雇用統計などの指標がフォワードガイダンスで示した「追加利上げの可能性を排除できない」との見解からさらに乖離し、今後の政策理事会で声明のトーンが修正される場合には、豪ドル売りが加速するリスクがあり注意が必要です。

豪経済/為替市場の注目

 ①豪の国別輸出先比率では中国が36.4%と圧倒的な比率となっているなどアジア太洋州向け が大半を占めています。また、鉄鉱石が全体の32.0%、石炭が12.0%、天然ガスが10.0%と資源が主要輸出品目となっています。中国経済と密接な関係にある豪経済の行方は、中国経済の動向に大きく左右されるだけに、今後中国経済の減速懸念が一段と高まるか注目されます。

 ②欧米英各国中銀の利下げが視野に入る中、豪中銀も利下げ時期を模索する動きが続くと見込まれます。今後は、豪欧、豪米の景況の違いが相場動向に大きく影響すると思われるだけに、小売売上高、雇用統計、消費者物価指数などのデータがこれまで以上に注目されます。また、日銀がマイナス金利解除など正常化に向けて動く中、日豪金利差の縮小が見込まれることから対円での下振れにも注意が必要です。

 ③中東情勢を巡る緊張がどのような方向に向かうのか、原油価格が大幅な上昇となれば資源国通貨の一角として豪ドルの支援材料になるものの、中国をはじめ世界経済の減速懸念が高まることになれば、上値抑制の一因になると見られます。

提供:SBIリクイディティ・マーケット株式会社
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