ポンド特別レポート
【2024年8月8日時点】
英国
【基本情報】
【首都】 ロンドン
【面積】 243,610㎢ (日本の約3分の2)
【人口】 約6,812万人 (2023年4月 IMF推計)
【元首】 チャールズ三世国王陛下 (2022年9月即位)
【首相】 キア・スターマー (2024年7月~)
【通貨】 スターリング・ポンド
【経済規模】 名目GDP:3兆3,447億㌦ (2023年)
インフレ率:2.0% (2024年6月) 失業率:4.4% (2024年6月)
ロンドン市場が世界の外国為替取引高に占めるシェアは38%とトップ
ポンドの取引規模は米ドル、ユーロ、日本円に次いで第4位
※国際決済銀行(BIS)「2022 年外国為替市場及び店頭(OTC)デリバティブ市場に関する中央銀行サーベイ」の結果(2022年10月27日公表)
英中銀政策委員会/インフレ率
インフレ率は5月、6月と2ヵ月連続で中銀目標の2.0%を達成したものの、宿泊/外食/家賃などサービス価格が過去の平均を上回っていることから、ベイリー中銀総裁は「インフレ率を低水準に留めることが必要」、「金利を急激に、あるいは大幅に引き下げ過ぎないように注意する必要がある」と述べ、連続利下げ観測を牽制しています。
成長率/インフレ見通し
5月、6月と2ヵ月連続で中銀目標の2.0%に達し、金融経済報告書は概ね5月の報告での見通しに沿った内容となりました。ただ、成長率は、今年に入って急激に回復しているものの、基調的モメンタムは弱まっていると指摘しています。
また、来年の成長率は若干後退すると予想していますが、政策金利の高止まりの影響が緩和されるとし、来年末に向けて再び上振れすると見込んでいます。ただ、今回政策金利を引き下げたとは言え、依然として高水準であることから25年中に経済のスラッグが生じる可能性に加え、中期的に失業率が上昇する虞もあり、供給が下押しされるリスクがあるとの見通しを示しています。
インフレ率に関しては、昨年のエネルギー価格の低下要因が外れることから年後半にかけて2%を上回ることも予想され、インフレの粘着性、加えて国内物価と賃金上昇の影響が表面化するのに時間差があると想定されることから不確実性が残るため、慎重に判断していくとしています。外部コスト上昇圧力やインフレ期待が持続するのか、それとも緩和されるのか政策委員の間で見解が分かれており、今回の政策委員会で利下げを決めたものの、先々については引き続き慎重な姿勢で臨むとしています。
さらに、米国経済の減速懸念が台頭、米国の利下げペースが加速するとの見通しが高まる中、英国経済がソフトランディングに向かうとの安心感が得られるか注目されます。また、現時点ではハリス、トランプ両候補の支持率が拮抗する米大統領選や緊張が続く中東情勢など先行き不透明感も燻っており、インフレ圧力が再び高まるのか、あるいは一段と緩和するのか、原油価格をはじめ今後の商品市況などの影響を見極めつつ慎重に金融政策を運営するものと思われます。
提供:SBIリクイディティ・マーケット株式会社
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