ユーロ/円のレートや今後の見通し・過去の推移、リスクについて解説 | SBI FXトレード 

ユーロ/円のレートや今後の見通し・過去の推移、リスクについて解説

FX市場分析

UPDATE 2025.03.24
POST 2025.03.24

ユーロ/円のレートや今後の見通し・過去の推移、リスクについて解説

1. ユーロ/円のチャート・価格推移

ユーロ/円の過去の推移を把握するために、2007年から2024年末までのユーロ/円の動きを見てみましょう。

ユーロ/円のチャート・価格推移

2007年にアメリカで発生したサブプライムローン問題をきっかけに、リーマン・ショックが発生しました。

サブプライムローン問題とは、住宅ローンの会社が破綻したことがアメリカ市場の株価暴落、さらには世界同時株安にまでつながった事件のことです。さらに、サブプライム関連の証券を大量に購入していた大手の投資銀行であるリーマン・ブラザーズが倒産したことで、世界経済に大きな影響を与えたのがリーマン・ショックです。

リーマン・ショックの影響でユーロ/円は下落し、また、2009年から2012年にかけてはギリシャの財政破綻から始まったユーロ危機とも重なり、長期的な下落トレンドを形成。ユーロ/円は一時的に100円を割り込みました。

その後、2012年に発足した第2次安倍内閣によるアベノミクスでは、大規模な金融緩和政策により円安が進んだことで、2015年にユーロ/円は一時145円台まで上昇しました。

2020年以降は、コロナショックやロシア・ウクライナ問題などから世界中でインフレが発生して、各国が金融引き締めで利上げを行うも、日本は、2024年3月に解除するまでマイナス金利政策を行っていたため金利差が拡大しました。その結果、2024年7月には過去最高値の175円台まで上昇しました。

その後、2024年7月末に日本銀行が追加利上げに踏み切ったこともあり、8月以降は価格上昇が落ち着いており、2025年1月24日現在では150円台を推移しています。

(参考:財務省関税局「外国為替相場(課税価格の換算)」)

2. ユーロ/円の今後の見通し・相場を予想するためのポイント

2020年以降、ユーロ/円は上昇トレンドとなっており、2024年に過去最高値となる175円台を記録しました。ただし、今後も続伸するのか、それとも下降トレンドに転換するのかは、注視すべき状態です。

今後の見通しを予想するには、日本とヨーロッパの金利差がポイントの1つといえます。欧州中央銀行(以下、ECB)は2024年に利下げを行った一方、日銀は2024年7月に追加利上げを発表しました。

現在の金融政策の方向性だけを見れば、円安の転換点が近いと判断できるかもしれません。

しかし、もし日銀がさらに利上げをしたとしても、日欧の金利差は依然として開きがあるため、すぐに解消されるとは考えにくい状況です。

また、ロシア・ウクライナ問題が長期化しており、ヨーロッパ全土を巻き込んだ情勢の悪化の懸念も、注意する必要があります。今後の見通しを正確に把握するためには、定期的な情報収集が大切です。

3. ユーロ/円の概要

ユーロはEU加盟国27ヶ国のうち、ドイツやフランスをはじめとする20ヶ国 (2025年1月時点) が利用する法定通貨です。ここでは、ユーロの概要やユーロ/円の特徴について解説します。

3-1. ユーロの通貨としての特徴

1993年11月に発足したEU(欧州連合)で実施された通貨統合によって、1999年1月から取引が開始されたのがユーロです。

ユーロはEU加盟国27ヶ国のうち、ドイツやフランスなど20ヶ国で利用されています。ユーロを採用している国と不採用の国の内訳は、以下の通りです。

ユーロ採用国(20ヶ国) ユーロ不採用国(7ヶ国)
ドイツ
フランス
イタリア
スペイン
オランダ
ベルギー
ルクセンブルク
オーストリア
ポルトガル
アイルランド
フィンランド
ギリシャ
スロベニア
キプロス
マルタ
スロバキア
エストニア
ラトビア
リトアニア
クロアチア
スウェーデン
チェコ
デンマーク
ハンガリー
ブルガリア
ポーランド
ルーマニア

出典:外務省「EU加盟国
独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)「為替管理制度

ユーロの取引量は米ドルに次いで世界第2位、ユーロ/米ドルは世界一の取引量を誇ります。国にとってユーロを採用するメリットは、ユーロ圏内の国同士で両替する時間や手数料を削減でき、為替変動リスクを避けられる点などです。

一方、ギリシャ危機のように、一部の国に問題が発生するとユーロ加盟国全体が影響を受けユーロの価値が下落するリスクもあり、場合によっては問題解消のために、ユーロ圏の他国が財政支援を行う必要が生じることがデメリットといえます。

3-2. ユーロ/円の特徴

世界第2位の取引量であることやスプレッドの狭さから、ユーロ/円は人気の高い通貨ペアです。スプレッドとは、売買における価格差のことであり、FX取引において取引コストとなります。

スプレッドが狭いユーロ/円は取引にかかるコストが比較的安いため、人気が高い理由の1つといえるでしょう。

また、同じトレンドが長く続く傾向にあり変則的な動きが少ないため、相場を分析しやすいこともユーロ/円の特徴です。ロンドン時間(16時〜翌2時、冬時間は17時〜翌3時)にユーロ/円の値動きが活発になる傾向があり、日本時間の夕方から夜にかけて取引しやすいこともポイントといえます。

ユーロ/円はクロス通貨と呼ばれる、米ドルを介して価格を導き出す通貨ペアで行う取引です。ただ、あくまで計算上の仕組みであり、実際に「日本円を使って米ドルを買い、その米ドルを使ってユーロを買う」わけではありません。そのため、アメリカの経済状況やユーロ/米ドルの値動きも踏まえて、相場を見る必要があります。

クロス円の概要や取引の考え方については、下の記事で詳しく解説しているのでご確認ください。
>>「ドルストレートとは?クロス円との違い、初心者向けの通貨ペアも解説

4. ユーロ/円の主な変動要因・リスク

安定したトレンドが続く傾向があるユーロ/円ですが、全くリスクがないわけではありません。ユーロ/円の主な変動要因には以下が挙げられます。

  • ユーロ圏各国の経済状況
  • 周辺の軍事問題や世界的な金融問題
  • ECBの金融政策

ユーロ圏内の各国の経済状況の変化によって、ユーロ/円が変動する場合があります。実際に、2009年に発生したギリシャの財政危機では、EUが金融支援を行いました。それにより、2008年には160円台を推移していたユーロ/円が、2009年には114円台に下落しています。

また、周辺国の状況によっても変動するリスクがあります。2022年に始まったロシア・ウクライナ問題によって輸入コストが高騰し、インフレが加速しました。インフレを抑えるためにECBが利上げを行った結果、日本との金利差が広がり、ユーロ/円は2023年にかけて大きく上昇しました。

比較的安定した値動きをすると言われるユーロ/円でも、ユーロ圏内や周辺国の情勢によってECBが金融政策を決定するため、大きく変動するリスクがあることを理解しておく必要があります。

ユーロ/円の取引で大きく損失を出さないためには、普段からの情報収集が大切です。SBI FXトレードでは、相場を予想するのに役立つニュースを配信しております。10分程度で確認できるため、日々の情報収集に活用してください。

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>>「FXで人気の通貨ペアは?初心者向けに特徴と選び方を解説

6. SBI FX トレードで取引を始めよう

ユーロ/円は比較的トレンドが長く続く傾向があり、取引量も多いため初心者がFX取引を始めやすい通貨ペアといえます。実質的な手数料であるスプレッドが狭いことも、初心者が取引しやすい理由の1つです。

ただし、EU加盟国の経済状況や周辺国の情勢によってECBが政策を変更すれば、ユーロ/円が大きく変動する場合があります。取引で損失を避けるためには、定期的な情報収集が大切です。

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この記事を監修した人

SBIリクイディティ・マーケット株式会社
金融市場調査部長
上田眞理人

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