UPDATE 2025.03.07
POST 2025.03.07
FXを始めるためには、まず通貨ペアを選ぶ必要があります。通貨ペアといえば「ドルストレートでの取引がおすすめ」と聞いたことがあるかもしれません。
しかし、FXを始めようとする方の中には「そもそも通貨ペアとは?」「ドルストレートのどれを選べば良い?」と悩んでいる方もいるでしょう。
こうしたFX初心者に向けて、この記事ではドルストレートの特徴やクロス円・クロス通貨との違い、通貨ペアの選び方、初心者におすすめの通貨ペアを解説しますので、ぜひ参考にしてください。
FXにおける通貨ペアは、FX取引の基本となります。通貨ペアの選び方によって、利益を得るチャンスやリスクの大きさが変わります。
まずは、通貨ペアの定義と、メジャー通貨・マイナー通貨の特徴について見てみましょう。
通貨ペアとは2つの国の通貨を組み合わせたもので、例えば「米ドル/円」や「ユーロ/米ドル」などがあります。FXではこれらの通貨の売買によって利益を狙います。
例えば「米ドル/円」の通貨ペアでは、米ドルが「基準通貨」、日本円が「決済通貨」となります。基準通貨は売買の対象となる通貨で、この通貨を買うか、あるいは売るかという取引が行われます。
一方の決済通貨は、取引の結果として利益や損失が確定する際に使われる通貨です。つまり、米ドル/円の取引では「米ドルを買って日本円を売る」または「米ドルを売って日本円を買う」ことで、最終的な損益が日本円で計算されます。
FX取引では、自分のトレードスタイルやリスク許容度に合わせて通貨ペアを選ぶことが非常に重要です。例えば、安定した値動きを期待するならメジャー通貨ペア、リスクを取りつつ高リターンを狙うならマイナー通貨ペアが選択肢に入るでしょう。
外国為替市場で取引される通貨の中で、取引量が多く、流動性が高い(売買がしやすい)通貨を「メジャー通貨」と呼びます。明確な定義はありませんが、一般的に以下の8種類がメジャー通貨とされています。
これらのメジャー通貨は取引量が多いため、相場が安定しており、値動きも比較的分析しやすいのが特徴です。そのため、初心者がFXを始める際には、これらメジャー通貨同士のペアで取引を始めると良いでしょう。
安定した相場環境で取引することで、リスクを抑えつつFXの基礎を学べます。
マイナー通貨とは外国為替市場での取引量が少なく、流動性が低い通貨を指します。以下は、一般的にマイナー通貨とされる通貨の例です。
マイナー通貨は流動性が低く値動きが激しい傾向があり、大きなリスクが伴うためFX初心者にはあまり向いていません。
マイナー通貨を試してみたい場合は、対円で「クロス円」と呼ばれる通貨ペアを選ぶことをおすすめします。クロス円は比較的流動性も確保され、円高・円安というわかりやすい動きをベースに、リスクを抑えた取引が可能です。初心者でも比較的扱いやすい通貨ペアといえます。
ドルストレートとは、米ドルを含む通貨ペアを指します。例えば「米ドル/円(USD/JPY)」や「ユーロ/米ドル(EUR/USD)」が代表的です。
米ドルは国際社会で最も広く使われる基軸通貨です。そのため、米ドルを含む通貨ペアは取引量が多く、相場も安定しています。急激な値動きが総じて少ないため、初心者でも安心してトレードしやすいことがドルストレートの特徴です。
特に、初心者には「米ドル/円(USD/JPY)」や「ユーロ/米ドル(EUR/USD)」といった、メジャー通貨同士のドルストレートから取引を始めることをおすすめします。相場の急変動が比較的少ないので、リスクをしっかり管理しながらトレードに慣れることができるでしょう。
ドルストレートは米ドルを含む通貨ペアの総称です。特にメジャーなドルストレートの通貨ペアとして以下が挙げられます。
上記の通貨ペアは、世界で取引量の多い通貨ペアのランキング上位に入ります。相場も安定しており、FX初心者にとっても取引を始めやすい通貨ペアといえるでしょう。
FX初心者が最初に取り組むべき通貨ペアとして、よく推奨されるのがドルストレートです。なぜドルストレートが初心者におすすめされるのか、難しいと感じる部分はあるか、それぞれ以下で解説します。
ドルストレートには、急激な値動きが起こりにくい特徴があります。これは、米ドルの取引量が多く流動性が高いため、イレギュラーな価格変動が起きにくいからです。
また、取引量が多い通貨同士のペアでは、一般的にスプレッドが狭くなります。スプレッドとは売値と買値の価格差を指し、これが実質的な取引コストになります。
そのため、ドルストレートは他の通貨ペアに比べて、コストを抑えて取引を繰り返すことができます。流動性の高さからスリッページ(決済時の価格ずれ)も少なく、狙い通りの利益を得やすい点もメリットです。
ドルストレートペアは取引量が大きく、多くのトレーダーが参入しているため、情報を得やすいのが特徴です。例えば、アメリカの経済指標や金融政策に関するニュース・分析レポートは世界中に配信されており、日本語でも容易に入手できます。
一方で、こうしたファンダメンタルズに関する分析は、経済指標や金融政策、国際情勢など、多くの要素を考慮しなければならないため、難しいと感じる方もいるでしょう。
しかし、ドルストレートペアは、FX会社が提供するチャート分析ツールを用いたテクニカル分析がよく機能します。取引量が多いドルストレートでは、値動きに一定のパターンが現れやすいからです。つまり、経済的な知識が乏しくても、テクニカル分析で補いやすく、初心者でも価格変動を予測しやすい通貨ペアといえます。
クロス通貨とは「ポンド/円(GBP/JPY)」や「ユーロ/ポンド(EUR/GBP)」など、米ドルを介さない通貨ペアのことです。ドルストレートについて知識を深めた後は、クロス通貨・クロス円についても知っておきましょう。
クロス円とは、日本円と他の国の通貨を組み合わせた通貨ペアを指します。例えば「ポンド/円(GBP/JPY)」や「豪ドル/円(AUD/JPY)」などです。ただし、「米ドル/円(USD/JPY)」は、ドルストレートであってクロス円に含まれません。
クロス円の価格は、例えば「ポンド/円(GBP/JPY)」の場合、ポンド/米ドルと米ドル/円のレートを掛け算し、以下のように導き出します。
GBP/JPY=GBP/USD×USD/JPY=1.30(ポンド/米ドルの価格)×150.00(米ドル/円の価格)=195.00
しかし、実際の市場では、クロス円の市場が存在しているので、計算する必要はありません。
クロス円の通貨ペアを取引する際は、通貨の強弱を把握して相場を分析することが重要です。クロス円は米ドルを介して取引が行われるため、米ドルを含む3つの通貨ペアの相関関係を考える必要があります。
この関係はチャートで見ると視覚的に分かりやすいでしょう。例えばEUR/JPYの場合、EUR/USDとUSD/JPYのチャートを参考にします。以下の仮想チャートをご覧ください。
上のチャートを見ると、次の動きが確認できます。
→EUR/JPYも相乗効果で上昇角度が急になる
→EUR/JPYも相乗効果で下降角度が急になる
→両者の動きのより強い方へ連動して動きやすくなる
一般的にはEUR/USDとUSD/JPYのチャートは非対称(3のように両者の動き方が異なる場合)になることが多くなります。しかし、ユーロ独歩高安、円独歩高安といった値動きもあるため、複数のチャートを見比べて、通貨ペア毎のトレンドを探す癖をつけるようにすると勝率を上げやすいでしょう。
初心者向けの通貨ペアは、以下の特徴を備えたものです。
それぞれのポイントについて、用語の説明を交えながら解説します。
FX取引では、取引量が多い通貨ペアを選ぶことが非常に重要です。なぜなら、取引量が多い通貨ペアは、相場が安定しやすく、トレンドに沿った値動きになりやすいからです。
市場参入者の多さにより大きな力が働いてチャートが動き始めるため、一方向への動きが長く続きやすくなります。相場の初動を捉えるのは難しいですが、安定したトレンドに後から乗る「トレンドフォロー」であれば、初心者でも利益を得やすいでしょう。
もう1つの理由は、取引量が多い通貨は関連するマーケット情報が入手しやすく、リスクの回避策を講じやすい点です。例えば、アメリカの雇用統計やFRBの政策発表などの情報は日本でも広く報道されるため、事前にポジションを調整しやすいメリットがあります。
スプレッドは通貨を売る時の価格(Bid)と買う時の価格(Ask)の差額であり、実質的な取引コストに当たります。つまり、取引コストを抑えるためには、スプレッドの狭い通貨ペアを選ぶことが重要です。
例えば、米ドル/円の買値が150.003円、売値が150.000円の場合、1通貨単位での取引であればスプレッドは0.3銭(0.003円)です。この差額が毎回の取引コストとなるため、スプレッドが小さいほど利益を得やすくなります。
小さく感じるかもしれませんが、レバレッジをかけて1回の取引が1万〜10万通貨となれば、大きなコストとなります。スプレッドは通貨ペアやFX業者によって異なりますが、米ドル/円やユーロ/米ドルなどのメジャーな通貨ペアは、スプレッドが狭く設定されていることが一般的です。
「ある期間に通貨の価格がどのくらい動くか」を示す指標のことを、ボラティリティと呼びます。例えば、ある取引日に1ドルが150円から152円に動いた場合、この動きの幅(2円)が1日のボラティリティです。
ボラティリティが大きいと利益を得るチャンスが増えますが、その分リスクも高くなります。一方でボラティリティが低すぎると、価格があまり動かず利益を出すのが難しくなります。
そのため、初心者は適度なボラティリティのある通貨ペアを選ぶのがおすすめです。例えば、米ドル/円やユーロ/米ドルのように比較的安定しつつ、ある程度の値動きが期待できる通貨ペアが良いでしょう。
ここまでの内容を踏まえて、FX初心者が取引を始める際におすすめの代表的な通貨ペアを3つご紹介します。どの通貨ペアにするか迷っている方は、以下を参考にしてください。
米ドル/円は、先述した取引量・スプレッド・ボラティリティの3つの条件を全て満たしています。
世界の外国為替市場で2番目に取引量が多く、2022年時点で全体の13.5%を占めている通貨ペアです(※)。また、日本国内では最も取引されており、スプレッドは業界最狭水準で約0.2銭となっています。
ボラティリティの面では、ユーロやポンドなどの欧州通貨と比較して値動きが緩やかですが、適度にボラティリティがあります。安定した取引環境でありながら十分な利益を得られるチャンスが多いため、初心者に適した通貨ペアといえるでしょう。
※出典:BIS『Triennial Central Bank Survey OTC foreign exchange turnover in April 2022(p.13)』(2022年)
ユーロ/米ドル(EUR/USD)は世界で最も取引されている通貨ペアで、上記資料によると取引量は市場全体の22.7%を占めています。この高い流動性により、スプレッドは業界最狭水準で約0.4pips(0.00004ドル)です。
また、ユーロ/米ドルは一度トレンドが形成されると持続しやすい特徴があります。例えば、一度上昇が始まると大きな押し目をつくらず、上昇が続くケースがよく見られます。強いトレンドに乗って利益を狙いたいトレーダーには、特に魅力的な通貨ペアといえるでしょう。
クロス円にチャレンジする場合はユーロ/円がおすすめです。前述の資料によると取引量は全体の1.4%と少ないですが、スプレッドは業界最狭水準で約0.4銭と狭く、コスト面で有利です。
ユーロは米ドルの次に取引量が多く、変則的な動きが起きにくいことが特徴です。ただし、ユーロ圏各国の経済指標や政治的な動向などの影響を受けやすいため、相場の状況に注意を払いながら取引する必要があります。
ユーロ/円は、ロンドン市場が始まる16時ごろ(日本時間)から値動きが活発になります。そのため、夕方から夜間を中心にトレードしたい方にもおすすめです。
FXを始める際に、FX業者の選択は非常に重要といえます。手数料やスプレッドなどが異なるため、場合によっては利益が大きく増減するからです。FXをこれから始める方におすすめなのは、2025年オリコン顧客満足度(R)調査「FX 初心者」部門において、6年連続で第1位を受賞したSBI FXトレードです。
SBI FXトレードの魅力の1つに、取引コストの安さが挙げられます。SBI FXトレードは業界最狭水準のスプレッドを提供しており、コストを抑えた取引が可能です。また、各種手数料が無料で少額から取引を始められるため、初めてのFX取引を考えている方にとっても安心でしょう。
さらに34種類の通貨ペアでの取引が可能で、取扱通貨ペア数は業界トップクラスです。米ドル/円やユーロ/米ドルなどの主要なドルストレートは当然ながら、メジャー通貨をひと通りカバーしており、さらに金利の高さで人気のトルコリラやメキシコペソといったマイナー通貨も取引できます。
SBI FXトレードは、初心者から上級者まで幅広いニーズに合わせたサービスを提供しており、長く利用できるFX業者です。まずはFXの基礎知識を学びながら、取引の準備を進めましょう。
>>「初心者向けFXの基礎知識」
SBI FXトレードは、業界トップクラスの34通貨ペアを取り扱い、米ドルや日本円、ユーロなどのメジャー通貨を組み合わせたドルストレートでの取引可能となっています。取引単位が1通貨(一部通貨ペアを除く)となっており、少額の資金から始められるので初心者でも安心です。SBI FXトレードでは口座開設を無料でできるので、まずは少額の資金で様々な通貨ペアを少しずつ試して、自分に合った通貨の取引を見つけてみてください。
SBI FXTRADE
FX(外国為替証拠金取引)は異なる通貨を売買し、売買時のレートによって生じた差額で利益を出そうとする取引です。
SBI FXTRADEは、スプレッドやスワップポイント、通貨ペア数など、業界最良水準のサービスをご提供しています。また、初心者の方から、上級者までご満足いただける取引ツールをご用意しております。
この記事を監修した人
SBIリクイディティ・マーケット株式会社
金融市場調査部長
上田眞理人