FXのレバレッジとは | SBI FXトレード 

FXのレバレッジとは|意味や仕組み、メリット・デメリットをわかりやすく解説

取引ルール

UPDATE 2024.12.26
POST 2020.05.25

FXのレバレッジとは|意味や仕組み、メリット・デメリットをわかりやすく解説

1. FXのレバレッジとは

レバレッジとは、「梃子(てこ)の原理」の英語表現です。FX投資では、担保となる証拠金をFX口座に預けることで、預けた資金の最大25倍*相当の取引が可能になる仕組みを指します。

このレバレッジの仕組みにより、投資家は自己資金以上の金額で取引ができるというメリットを享受できるのです。

なお、レバレッジを活用して取引することを「レバレッジを効かせる」「レバレッジをかける」といい、少ない資金で利益を生むことを「レバレッジ効果」と呼びます。

*個人口座の場合

証拠金とは

FXにおける証拠金とは、取引を行うためにFX会社に担保として預け入れる資金のことで、保証金とも呼ばれます。

2. レバレッジ=てこの原理

レバレッジ(leverage)は、「てこの原理」を意味する言葉です。

てこの原理では、支点を利用して力点に力を加えることで、本来であれば動かせないような重い物を持ち上げることができます。

レバレッジ=てこの原理

レバレッジを効かせることで、少ない証拠金で何倍もの大きな金額の取引が可能になります。

少額の資金でも投資効果を上げられる取引手法として活用されており、レバレッジ倍率を上げるほど、より大きな利益を狙うことができます。

3. FXのレバレッジとロット(Lot)の違い

FXにおけるロット(Lot)とは、取引単位を指します。例えば、米ドルを1万通貨単位で取引するという場合は、「1Lot=1万ドル」となります。ロットの単位が小さいほど、少額で取引できることを意味します。

ロットについてはこちらの記事もご覧ください。

※FXロットとは

4. レバレッジの計算方法・計算例

国内FXにおけるレバレッジは※最大25倍(個人の場合)です。この倍率については金融商品取引法により定められており、25倍を超える取引は認められていません。

基本的にレバレッジは25倍の取引となり、SBI FXトレードでは取引ツール上で変更することはできませんが、資産評価額や取引数量を調整することで、実質的なレバレッジを設定することが可能です。レバレッジの算出方法を確認しておきましょう。

(現在の為替価格×取引数量)÷資産評価額=レバレッジ

レバレッジの計算例もご紹介します。

例)
1ドル=150円
資産評価額=100万円
取引数量=10万ドル

(150円×10万ドル)÷100万円=15

上記の例では、レバレッジは15倍になります。

※なお、お客さま自身で資産評価額や取引数量を調整することで、実質的なレバレッジを設定することが可能です。

5. FXレバレッジのメリット

FX取引におけるレバレッジのメリットは、主に以下の2点が挙げられます。

  • 少額でも取引が可能
  • 大きな利益が狙える

5-1. 少額でも取引が可能

レバレッジを効かせることで、少額の証拠金でその数倍もの金額の取引が可能になります。

例えば、10万円分の米ドル/円の取引をしたい場合、レバレッジ25倍に設定すれば、証拠金は4,000円で済みます。

また、10万円の証拠金を用意してレバレッジを25倍に設定すれば、250万円分の取引が可能です。

多額の初期投資費用を準備する必要もなく、少ない資金で取引がスタートできる点が、レバレッジの大きなメリットといえるでしょう。

5-2. 大きな利益が狙える

FXでは、少ない証拠金でもレバレッジを効かせることで、大きな利益を狙うことが可能です。以下の例で具体的に見ていきましょう。

証拠金=6万円
レバレッジ=25倍
1ドル=150円で1万ドル購入
1ドル=155円で1万ドル売却

この場合の利益は以下の通りです。
155円-150円=5円
5円×1万ドル=5万円

つまり、この例では、6万円の証拠金で5万円分の利益を得たことになります。少ない資金で効率良く利益を上げたい方は、FX取引に注目してみてはいかがでしょうか。

6. FXのレバレッジ取引を行うことで生じるリスク

ハイリターンが狙えるレバレッジ取引には、同時に大きな損失を被る可能性があることも理解しておかなければなりません。

為替相場が予想と反対方向に大きく動いた場合も想定し、証拠金に余力を残した状態で取引することが大事です。

ただし、損失が大きく膨らむ前に、保有しているポジションを自動的に決済する「ロスカット」という仕組みが設けられています。

ロスカットは損失を限定するための安全装置ですが、レバレッジを効かせた取引をする際には、ポジションを持ち過ぎないように注意しなければなりません。

ロスカットとは

ロスカットとは、損失が一定水準に達したとき、ポジションが強制決済されるルールです。
>>ロスカットについて詳しく見る

※証拠金維持率とは、取引必要証拠金に対する資産評価額の割合のことです。「資産評価額÷取引必要証拠金×100」で算出します。
また、証拠金規制(レバレッジ規制)についてもチェックしておきましょう。

各営業日の取引が終了した時点でレバレッジ判定が行われます。この際、証拠金維持率が100%未満となっていると、証拠金規制の対象となります。

証拠金規制が適用されると、翌営業日の取引終了30分前までに以下の対応を行い、不足額の解消を行わなければなりません。

  1. 不足している証拠金を入金
  2. 保有ポジションの一部または全ての決済
  3. 入金と保有ポジションの決済の併用

不足額が発生すると、発注中の新規注文は取消になります。翌営業日の取引終了30分前までに不足額が解消されない場合は、全てのポジションが決済されますので注意してください。

7. FX初心者がレバレッジをかけて取引する際のポイント

FX取引ではレバレッジを効かせることで、少額の証拠金でも大きな金額の取引ができるようになります。FX初心者は以下のポイントも押さえておきましょう。

  • ポジションを持ち過ぎない
  • 証拠金には余裕を持つ
  • 損切りのルールを決めて徹底する

7-1. ポジションを持ち過ぎない

FX取引における「ポジション」とは、取引で保有している外貨のことを指します。ポジションを多く持つことで、為替相場の動きが小さくても多くの利益を狙うことができます。特にFXでは、最大25倍*のレバレッジが認められているため、少額の証拠金でもより多くのポジションを持つことが可能となっています。

しかし、ポジションを持ち過ぎると、わずかな為替相場の動きでも大きな損失を被るリスクがあります。初心者のうちは、ポジションを持ち過ぎないように注意し、取引に慣れてから徐々に増やしていくようにしてはいかがでしょうか。
*個人口座の場合

7-2. 証拠金には余裕を持っておく

自分の予想した方向とは逆に為替相場が動いてしまうと、先にご紹介した「ロスカット」で強制決済され取引が終了する恐れがあります。ロスカットになると、大きな損失となってしまいます。

また、強制決済まではいかなくても「レバレッジ規制」で不足した証拠金の入金やポジションの決済を求められることもあるかもしれません。

FX取引のリスクを抑えるためにも、証拠金は余裕を持って預けておき、認められている最大のレバレッジを使い切る取引は避けるようにしましょう。

7-3. 損切りのルールを決めて徹底する

為替相場の動きの影響で損失が出た場合、そのまま保有し続けると、さらに損失が拡大する恐れがあります。損失を最小限に抑えるためにも、あらかじめ損切りのルールを決めて、それを徹底することが重要です。

例えば、以下のような損切りルールがあります。

  • 1回の取引で〇円以上損失が出たら損切りする
  • 1ドル=〇円以上円安(円高)になったら損切りする
  • テクニカル分析の結果を見て損切りする

損切り水準に達した場合は決済注文を入れることになりますが、以下の注文方法がありますので、確認しておきましょう。

  • 逆指値注文

「この価格になったら自動決済」という設定を行います。仕事などで相場を常に見られない方におすすめです。

  • OCO注文

指値注文と逆指値注文を同時に出しておき、一方が成立するともう一方が自動でキャンセルされる注文方法です。損切り、利益確定どちらにも対応できます。

  • IFD注文

新規注文と同時に決済注文を出す方法です。新規注文が成立すると、決済注文が有効になります。決済注文は指値・逆指値のどちらも可能です。

8. 実質レバレッジとロスカットの関係とは?

レバレッジを効かせた取引ができる点は、FX取引の魅力の一つです。ただし、最初から「レバレッジ25倍」で取引を行うのではなく、初心者のうちは、レバレッジ2倍、3倍など低めの倍率から始めることをおすすめします。大きくても5倍以内に設定するようにしましょう。ただし、SBI FXトレードでは取引ツール上でレバレッジ自体の変更はできません。お客さま自身で資産評価額や取引数量をコントロールすることによって、実質的にレバレッジを設定することが可能です。
実質レバレッジの倍率は「資産評価額÷取引必要証拠金」で計算できます。例えば、取引金額が100万円で証拠金が10万円の場合、実質レバレッジは10倍になります。

次に、実質レバレッジの違いによって、ロスカット価格がどう変わるかを確認してみましょう。なお、SBI FXトレードでは、証拠金維持率が50%を下回るとロスカットが発動されます。

【例1】

  • 1ドル=150円(米ドル/円)
  • 1万通貨を買い
  • 証拠金=10万円
  • 現時点での証拠金維持率=166.66%
  • 実質レバレッジ=15倍

上記のケースの場合、1ドル=143円を下回るとロスカットが発動されます。

【例2】

  • 1ドル=150円(米ドル/円)
  • 1万通貨を買い
  • 証拠金=25万円
  • 現時点での証拠金維持率=416.66%
  • 実質レバレッジ=6倍

上記のケースの場合、1ドル=128円を下回るとロスカットが発動されます。

ロスカットを防ぐためには、証拠金を多めに入れて、実質レバレッジを低く抑えることが有効です。

9. FXでレバレッジなしの取引は可能!メリット・デメリットは?

SBI FXトレードでは取引ツール上でレバレッジ自体の設定は変更できませんが、お客さま自身で資産評価額や取引数量をコントロールすることによって、実質的にレバレッジを設定することができ、レバレッジなし(レバレッジ1倍)の取引も可能となります。
次に、レバレッジなしのメリット・デメリットも確認してみましょう。

9-1. レバレッジなしで取引するメリット

レバレッジなしで取引するメリットは以下の通りです。

  • ロスカットのリスクを抑えることが可能
  • 長期的な視点での取引が可能
9-1-1. ロスカットのリスクを抑えることが可能

レバレッジを上げると、大きな金額の取引が可能になりますが、予想外の為替相場の動きにより、大きな損失を抱えるリスクも高まります。FX取引では、損失はそのまま保有することはできず、強制的にロスカットされ、決済されてしまうことがあります。

一方、レバレッジなしで取引すると、損失を抑えられますので、ロスカット水準に至る可能性も低くなります。また、FX相場を常に確認する時間がない場合でも、相場の動きに対して過度に敏感になる必要がありません。

9-1-2. 長期的な視点での取引が可能

FX取引では、ロスカットだけでなく、証拠金規制(レバレッジ規制)にも注意しなければなりません。証拠金規制では、各営業日の取引終了時点でレバレッジ判定を行い、証拠金維持率が100%未満であれば、規制が発動され、追加の証拠金を差し入れる必要があります。

レバレッジ倍率が高いと、ロスカットや証拠金規制にかかるリスクが高まり、長期的に取引を続けたくてもできない場合が多くなります。しかし、レバレッジなしで取引することで、このような規制にかかるリスクが低くなり、長期的な視点で安心して取引を続けることが可能です。

また、レバレッジなしで長期間取引を続ける場合、通貨ペアの金利差である「スワップポイント」を得やすくなります。スワップポイントは毎日発生するため、取引期間が長くなるほど得られる金額も増えます。

9-2. レバレッジなしで取引するデメリット

レバレッジなしでの取引には、以下のようなデメリットもあります。

  • 必要資金が多くなる
  • レバレッジありと比較すると資金効率が悪い
9-2-2. 必要資金が多くなる

レバレッジ25倍の場合、元の資金が1万円であれば25万円分の取引ができます。しかし、レバレッジなしの場合は、1万円分の取引しかできません。大きな取引をしたいのであれば、それだけ多くの資金を準備する必要があります。

また、元の資金が少ないと、得られる利益も少なくなる点には注意してください。

9-2-3. レバレッジありと比較すると資金効率が悪い

レバレッジなしの取引では、為替相場の変動リスクを抑えることができますが、その分、レバレッジありと比較して資金効率が悪くなります。つまり、同じ資金で得られるリターンが少なくなるというデメリットがあります。

レバレッジなしで取引を始める場合は、十分な投資資金を準備しておくことが重要です。
とはいえ、レバレッジありに比べてリスクが低い点は大きな魅力です。安全性を重視する方には、レバレッジなしでの取引をおすすめします。

10. SBI FXトレードでのレバレッジのルール

SBI FXトレードでは、預けた証拠金に対して25倍相当のレバレッジ取引が可能です。

10-1. 個人口座の場合

個人口座の場合、レバレッジ25倍(一部通貨ペアについては異なります)となります。

SBI FXトレードでは、1通貨単位から取引が可能で、6円の証拠金(1ドル=150円の場合)で1通貨の取引ができます。

SBI FXトレードでのレバレッジのルール

10-2. 法人口座の場合

法人口座に適用されるレバレッジについては、「一般社団法人金融先物取引業協会」が毎週発表する、通貨ペアごとのレバレッジを参照して設定されます。

詳しくは「法人口座のレバレッジ一覧」のページをご覧ください。

11. 併せて知りたいSBI FXトレードの主な特徴・魅力

これからFX取引を始めたい方は、SBI FXトレードに注目してみてはいかがでしょうか。SBI FXトレードの特徴や魅力をご紹介します。

11-1. リスク・コストを抑えた取引が可能

リスクやコストを抑えて取引をしたい方にSBI FXトレードはおすすめです。特徴を詳しく見ていきましょう。

  • 最小取引数量が小さく、最大取引数量が大きい

SBI FXトレードでは、最小1通貨から、最大1,000万通貨まで取引が可能です。自由に取引数量が選べるため、初心者から上級者まで幅広く利用しやすいでしょう。

  • 各種手数料が無料

口座開設手数料・クイック入金手数料・ロスカット手数料・口座維持手数料がすべて無料です。コストを抑えて取引したい方にとって、大変魅力的な条件です。

  • スプレッドは業界最狭水準

FXにおけるスプレッドとは、売値と買値の価格差です。スプレッドが狭い=売り買いの価格差が小さいことになるため、コストを抑えた取引ができます。SBI FXトレードのスプレッドは業界最狭水準です。

11-2. 豊富な通貨ペア数を用意

SBI FXトレードは、業界トップクラスの34種類の通貨ペアの取引ができます。日本円・米ドル・ポンド・ユーロのようなメジャー通貨だけでなく、ポーランドズロチ・メキシコペソ・ブラジルレアルなどの通貨も取引可能です。

為替リスクを分散させ、なるべく多くの国の通貨で取引したいという方にも、SBI FXトレードはおすすめです。

11-3. 業界最良水準のスワップポイントの提供

SBI FXトレードは、業界でも最良水準のスワップポイントを提供しています。
長期的にFX投資をしたい方は、スワップポイントにも注目してFX会社を選ぶことが重要です。

11-4. 充実のシミュレーションツールを提供

シミュレーションツールの充実度もSBI FXトレードの魅力の一つです。

  • 証拠金シミュレーション

取引を開始するための証拠金の金額を確認することができます。

  • ロスカットシミュレーション

証拠金規制発生レート(証拠金維持率100%)とロスカットレート(証拠金維持率50%)の算出ができるシミュレーションです。

  • スワップポイントシミュレーション

指定した日時や期間に受け取ったスワップポイントの算出ができます。過去の実績に基づき、最大10年分のシミュレーションも可能です。

12. まとめ

FXといえば「ちょっとの為替相場の動きで大きな損失が出てしまう」というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。ただし、それはレバレッジの倍率を大きくした場合になります。

25倍というレバレッジは変更できませんが、証拠金維持率を上げることで実質レバレッジを下げることは可能です。取引開始時には、なるべく多くの証拠金を入れ、証拠金維持率を高めに設定しておくことをおすすめします。

SBI FXトレードは、1通貨単位から取引が可能なFX会社です。最大で1,000万通貨単位の取引が可能なので、FX初心者から上級者まで幅広くおすすめできます。さらに、業界トップクラスの34通貨ペアを取り扱い、業界最良水準のスワップポイントを提供しています。この機会にSBI FXトレードの口座開設をぜひご検討ください。

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この記事を監修した人

SBIリクイディティ・マーケット株式会社
金融市場調査部長
上田眞理人

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