FXのロスカットとは?証拠金維持率との関係性
ロスカットとは?
FXにおけるロスカットとは、損失が一定水準に達したとき、ポジションが強制決済されるルールです。
原則20秒毎のロスカット判定により、FX口座全体の証拠金維持率が50%を下回った場合、全てのポジションが自動的に決済される仕組みとなっています。
FX取引をする際には、証拠金維持率をあらかじめ把握し、ロスカットにならないように注意しなければなりません。
- 証拠金維持率とは
- 証拠金維持率とは、必要証拠金に対する純資産の割合のことです。FX会社が各社で設定した証拠金維持率を下回ることで、ロスカットが執行されます。
SBI FXトレードのロスカットのルール
SBI FXトレードでのロスカットは、第1区分のポジション数量(1〜1,000,000通貨)の場合、第1区分のレートで執行されます。
第2区分~第4区分のポジション数量(1,000,001通貨以上)の場合は、第2区分のロスカット判定時のレートで執行いたします。(法人口座の場合は、約定時の数量に応じたスプレッドを適用)
ロスカットは、証拠金以上の損失を防ぐ安全装置のような役割を担いますが、マーケットの急変時など大きく為替レートが動いた場合には、証拠金を超える損失が発生する場合がありますので十分にご注意ください。
なお、証拠金維持率は、以下の計算式で求められます。
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値動き × 数量 + 累計スワップポイント = 損益評価額
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預託金残高 + 損益評価額 - 出金依頼額 = 資産評価額
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資産評価額 ÷ 取引必要証拠金 × 100 = 証拠金維持率
- スワップポイントとは
- スワップポイントとは、金利が異なる2つの通貨における金利差調整分のことです。一般的に低金利の通貨を売り、高金利の通貨を買うことでスワップポイントを獲得できます。
>>スワップポイントについて詳しく見る
- 取引必要証拠金とは
- 必要証拠金とは、取引をする際に必要な1通貨あたりの証拠金のことです。取引必要証拠金は、取引する際に最低限必要な金額(担保金)を指します。
証拠金維持率を参考にしたロスカットの想定
取引の際は、証拠金維持率を参考にして、ロスカットの想定とリスクヘッジをしましょう。
取引の具体例を挙げて、ロスカットになるケースとロスカットにならないケースをご紹介します。(スワップポイント、出金依頼額は考慮しません)
ロスカットになる場合の例
資産(預託金残高)が1,000円、1ドル=100円のときに、250通貨の買ポジションを保有したとします。
1ドル=97円に下落したときに、ロスカットが執行される50%を下回る例を見ていきましょう。
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250(数量) × 4円(1ドルあたりの必要証拠金)=1,000円(取引必要証拠金)
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0円(値動き) × 250(数量)=0円(損失評価額)
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1,000円(預託金残高) + 0円(損益評価額) =1,000円(資産評価額)
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1,000円(資産評価額) ÷ 1,000円(取引必要証拠金) × 100=100%(証拠金維持率)
1ドル=100円のとき、証拠金維持率は100%です。
1ドル=97円に下落した場合、以下のようになります。
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-3円(値動き) × 250(数量)=-750円(損失評価額)
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1,000円(預託金残高) - 750円(損益評価額)= 250円(資産評価額)
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250円(資産評価額) ÷ 1,000円(取引必要証拠金) × 100=25%(証拠金維持率)
1ドル=97円のときの証拠金維持率は25%となり、97円でロスカットされます。
ロスカットにならない場合の例
資産(預託金残高)が1,000円、1ドル=100円のときに、200通貨の買ポジションを保有したとします。
1ドル=97円に下落したとき、ロスカットが執行される50%を下回らない例も見ていきましょう。
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200(数量) × 4円(1ドルあたりの必要証拠金)=800円(取引必要証拠金)
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0円(値動き) × 200(数量)=0円(損失評価額)
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1,000円(預託金残高) + 0円(損益評価額) =1,000円(資産評価額)
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1,000円(資産評価額) ÷ 800円(取引必要証拠金) × 100=125%(証拠金維持率)
1ドル=100円のとき、証拠金維持率は125%です。
1ドル=97円に下落した場合、以下のようになります。
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-3円(値動き) × 200(数量)=-600円(損失評価額)
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1,000円(預託金残高) - 600円(損益評価額)= 400円(資産評価額)
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400円(資産評価額) ÷ 800円(取引必要証拠金) × 100=50%(証拠金維持率)
1ドル=97円のとき、証拠金維持率は50%となりますので、まだ、ロスカットとはなりません。
同じ資産・レートでも、保有するポジション数(取引必要証拠金)によって、ロスカットの発動条件は異なります。さらに、複数のポジションを持ち、異なる約定価格や数量、またスワップポイントがあると、さらに計算が複雑となります。
実際の取引状況においては、取引ツール内の「証拠金維持率」を参考にしてください。