UPDATE 2025.05.02
POST 2025.05.02
FXにおいて、取引の精度を高めるための有効な手法として、トレンドの変化を予測するチャートパターン分析が広く用いられています。
チャートパターンの存在は知っているものの、具体的にどのようなものがあるのか、実際の形状や見分け方などを詳しく知りたいと考えている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、FXで押さえておくべき21種類のチャートパターンの見分け方やエントリーポイントについて解説します。チャートパターン分析を活用する際のポイントや注意点もまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
FXのチャートパターンとは、過去の価格変動の傾向やパターンをもとに今後の値動きを予測する、テクニカル分析の一つです。
FXにおいて、チャートは特定の形状を形成する傾向にあります。これらの特定の形状・パターンを理解しておくことで、相場のトレンドや転換点などの見通しを立てやすくなるため、戦略や取引の精度向上が期待できます。
代表的なチャートパターンには、ヘッド&ショルダー、ダブルトップ、ボックスなどがあり、テクニカル分析を重視するトレーダーはこれらを活用してエントリーポイントやエグジットポイントを見極めています。
チャートパターンを理解して活用することは、トレードの精度を高めるだけでなく、リスクを軽減することにもつながるでしょう。
FXにおいてチャートパターンを理解するメリットは、トレンド転換や値動きの予測に役立つことです。チャートパターンを理解していることで、トレーダーは市場の動向を予測しやすくなり、適切なタイミングで取引を行えます。
ここでは、チャートパターンを理解するメリットについて具体的に解説します。
チャートパターンを理解すると、トレンド転換を予測しやすくなることが大きなメリットです。
例えば、ヘッド&ショルダーというパターンが形成された場合、これまでのトレンドが終わり、新しいトレンドが始まる可能性を示唆します。実際のチャートでチャートパターンの完成が確認されると、多くのトレーダーがポジションを変更し、相場が急激に動くケースも珍しくありません。
このように、チャートパターンを認識することでトレンドの変化を早期に察知できれば、損失を回避し、利益を確保できるチャンスが増えます。蓄積された過去のデータに基づいた意思決定ができるようになるため、より多くの利益を狙えるようになるでしょう。
チャートパターンは、トレンドの転換だけでなく、為替相場の具体的な値動きの予測にも役立ちます。
例えば、ダブルトップのパターンが形成された場合は、価格は再度上昇を試みるものの、最初の高値を超えられずに下落するのが一般的です。このように、チャートパターンはトレンドの転換を示すだけでなく、その後の値動きの大きさを予測する手がかりにもなります。
次にどの方向に、どの程度値動きする可能性があるかを予測できれば、取引の精度が高まるのは想像に難くないでしょう。
このように、チャートパターンを理解することで、価格変動の幅も予測できるようになるため、リスク管理や取引の成功率を高められます。
FXのチャートパターンは、大きく分けて「継続型」と「反転型」の2つのタイプに分類されます。継続型は現在のトレンドが続くことを示し、反転型はトレンドの転換を示唆します。
ここからは、それぞれのチャートパターンの特徴や見分け方などについて詳しく解説します。
継続型のチャートパターンとは、現在のトレンドが一時的に小休止した後、再び同じ方向に回帰するパターンで「コンティニュエーションパターン」とも呼ばれています。
このパターンは、トレンドが短期間停滞する局面でよく見られ、もみ合いの後再び元のトレンドに回帰することが予想されます。
具体的な継続型チャートパターンには、以下のものがあります。
反転型のチャートパターンとは、現在のトレンドが終了し、新しいトレンドが始まることを示唆するパターンであり、「リバーサル・パターン」とも呼ばれています。
このパターンは主に高値圏や安値圏で発生しやすく、その後のトレンドの転換を示す重要なサインとなります。
具体的な反転型のチャートパターンには、以下のようなものがあります。
継続型のチャートパターンは、現在のトレンドが一時的に停滞した後、再び同じ方向に進むことを示唆するパターンです。
ここからは、継続型のチャートパターン13種類の特徴・見分け方・ポイントなどをご紹介していきます。
アセンディングトライアングルは、チャートが上昇トレンド中に現れる継続型のパターンです。このパターンは、水平な抵抗線(レジスタンスライン)と上昇する支持線(サポートライン)が形成する三角形の形状が特徴であり、これが「トライアングル」という名称の由来になっています。
アセンディングトライアングルを見分けるポイントは、価格が上昇する度に抵抗線に近づき、支持線に支えられて価格が下がらない点です。最終的に、価格が抵抗線を上抜けると、強い上昇トレンドに発展する可能性が高まります。
このパターンでは、抵抗線を上抜けた直後に買いエントリーすることで、その後の上昇トレンドに乗れる可能性が高まります。
ディセンディングトライアングルは、アセンディングトライアングルとは逆の動きを示すチャートパターンで、下降トレンド中に現れる継続型パターンです。
ディセンディングトライアングルを見分けるポイントは、価格が下がる度に支持線に近づき、抵抗線に抑えられて価格が上がらない点です。最終的に、価格が支持線を下抜けると、強い下降トレンドに発展する可能性が高まります。
このパターンでは、支持線を下抜けた直後に売りエントリーをすることで、その後の下降トレンドに乗れる可能性が高まります。
上昇フラッグは、強い上昇トレンド中に一時的な調整局面として現れる継続型のパターンです。チャートの形状が旗竿のような形状であることが「フラッグ」という名称の由来になっています。
上昇フラッグを見分けるポイントは、価格が急激に上昇した後、短期間にわたって平行または右上がりのチャネル内で推移することです。この状態が続いた後、再び上昇トレンドに戻りやすい傾向にあります。
このパターンでは、フラッグの上端を上抜けた直後に買いエントリーをすることで、次の上昇に乗れる可能性が高まります。その後、フラッグの開始地点からフラッグの長さ分を上乗せした価格帯に利確ポイントを、フラッグの下端を下抜けた地点を損切りポイントに設定すると良いでしょう。
下降フラッグは、上昇フラッグとは逆に強い下降トレンド中に一時的な調整局面として現れる継続型のパターンです。
下降フラッグを見分けるポイントは、価格が急激に下落した後、短期間にわたって平行または右下がりのチャネル内で推移することです。この状態が続いた後、再び下降トレンドに戻りやすい傾向にあります。
このパターンでは、フラッグの下端を下抜けた直後に売りエントリーをすることで、次の下降に乗れる可能性が高まります。その後、フラッグの開始地点からフラッグの長さ分を差し引いた価格帯に利確ポイントを、フラッグの上端を上抜けた地点を損切りポイントに設定すると良いでしょう。
上昇ペナントは、強い上昇トレンド中に一時的な調整局面として現れる継続型のチャートパターンです。
上昇ペナントが形成されると、それまでのトレンドの勢いが一時的に弱まってはいるものの、再び強い上昇トレンドが続くことを示唆します。このパターンでは、ペナントの上辺を上抜けた直後に買いエントリーをすることで、次の上昇に乗れる可能性が高まります。
なお、チャートの形状はトライアングル・ウェッジ・フラッグと良く似ていますが、それぞれ特有の特徴と見分け方があります。
ペナントは旗の持ち手にあたる「フラッグポール」があるのが特徴で、フラッグポールがあればペナント、なければトライアングルだと判断できます。
ペナントは上下がほぼ対称の三角形を形成するのに対して、ウェッジは三角形が上昇・下降のいずれかに傾いている点が異なります。また、フラッグは三角形ではなく狭い長方形である点がペナントと見分ける際のポイントです。
下降ペナントは、上昇ペナントとは逆に強い下降トレンド中に一時的な調整局面として現れる継続型のチャートパターンです。
下降ペナントを見分けるポイントは、価格が急落した後に短期間で収束する三角形を形成します。三角形が収束した後は、価格が再び下落して下降トレンドが続く傾向にあります。
このパターンでは、ペナントの下辺を下抜けた直後に売りエントリーをすることで、次の下降に乗れる可能性が高まります。
上昇ウェッジは、価格が徐々に上昇する中で価格帯が狭まっていく継続型のチャートパターンです。
このパターンは、トレンドの継続を示唆することもありますが、反転を示すことが多く、上昇ウェッジでは下落への転換が警戒されます。
ウェッジの形状はペナントやフラッグと似ていますが、トレンドの方向が明確に継続されるというよりも反転や調整を示唆することが多いです。
上昇ウェッジを見分けるポイントは、価格が高値を切り上げながら、安値も同時に切り上げる形で収束していく動きにありますが、このパターンが発生した後の価格は急激に下落する傾向にあるため注意が必要です。
このパターンでは、ウェッジの下限を下抜けた直後に売りエントリーをすることで、次の下降トレンドに乗れる可能性が高まります。その後、ウェッジ形成前の最安値やフィボナッチリトレースメント※を利確ポイントに、ウェッジの上限を上抜けた地点に損切りポイントを設定すると良いでしょう。
※フィボナッチリトレースメントは、フィボナッチ比率を用いたテクニカル指標
下降ウェッジは、上昇ウェッジとは逆に、価格が徐々に下落しながら価格帯が狭まっていく継続型のチャートパターンです。このパターンも、トレンドの継続を示唆することもありますが、反転を示すことが多く、下降ウェッジでは上昇への転換が警戒されます。
下降ウェッジを見分けるポイントは、価格が安値を切り下げながら、高値も同時に切り下げる形で収束する動きです。このパターンが完成すると、価格が急激に反発し、上昇トレンドになる可能性が高まります。
このパターンでは、ウェッジの上限を上抜けた直後で買いエントリーをすることで、次の上昇トレンドに乗れる可能性が高まります。その後、ウェッジ形成前の最高値やフィボナッチリトレースメントを利確ポイントに、ウェッジの下限を下抜けた地点に損切りポイントを設定すると良いでしょう。
上昇ボックスは、相場が一定の価格帯で推移し、最終的には上昇トレンドが続くことが期待されるチャートパターンです。
価格が一定範囲の中で行ったり来たりする様子が「ボックス」という名称の由来になっており、「レンジ相場」「レクタングル(長方形)」とも呼ばれています。
上昇ボックスを見分けるポイントは、価格が一定のレンジ内で繰り返し動く状況が続くことです。上昇ボックスでは、価格の上下が収束した後、上方にブレイクアウトして上昇トレンドが再開されることを示唆します。
このパターンでは、ボックスの上限を明確に上抜けたタイミングで買いエントリーをすることで、次の上昇トレンドに乗れる可能性が高まります。その後、ボックスの下限を下回った地点に損切りポイントを設定すると良いでしょう。
下降ボックスは、上昇ボックスとは逆に相場が一定の価格帯で推移した後、最終的には下降トレンドが続くことを示唆するチャートパターンです。
下降ボックスを見分けるポイントは、基本的に上昇ボックスと同様です。価格がボックスの下限を下抜けることで、下降トレンドに回帰する可能性があります。
このパターンでは、ボックスの下限を明確に下抜けたタイミングで売りエントリーをすることで、次の下降トレンドに乗れる可能性が高まります。その後、過去の安値やフィボナッチリトレースメントを利確ポイントに、ボックスの上限を上回った地点に損切りポイントを設定すると良いでしょう。
カップ&ハンドルは、価格が一度底打ちした後、再度上昇する過程で形成される継続型のチャートパターンで、強い上昇トレンドが継続する可能性を示唆します。
価格が底打ちした後、再び上昇に転じるまでの様子がカップとハンドルに見えることが名称の由来となっており、「カップウィズハンドル」とも呼ばれています。
カップ&ハンドルを見分けるポイントは、カップ部分で価格が徐々に下落し、その後ハンドル部分で短期的な調整が発生することです。
このパターンでは、ハンドルの上端を上抜けたタイミングで買いエントリーをすることで、次の上昇トレンドに乗れる可能性が高まります。
反転型のチャートパターンは、現在のトレンドが終わり、新たなトレンドが始まる可能性を示す重要なサインです。
ここからは、反転型のチャートパターン10種類の特徴・見分け方・ポイントなどをご紹介していきます。
ヘッド&ショルダートップ(三尊天井)は、上昇トレンドの終盤に現れる反転型のチャートパターンです。
このパターンは一つのヘッドと2つのショルダー、合計3つの高値から構成され、左右の高値の中央に最高値が挟まれている形状が特徴です。最高値が頭、両脇の高値が肩に見えることが名称の由来となっています。
ヘッド&ショルダートップを見分けるポイントは、2つ目のショルダーを形成した後に、2つのショルダーの低い価格を結んだ「ネックライン」ができているかどうかです。このラインを下抜けると、トレンドが反転する可能性が高まります。
そのため、ネックラインを下抜けた直後に売りエントリーをすることで、その後の下降トレンドに乗れる可能性が高まります。
ヘッド&ショルダーボトム(逆三尊)は、下降トレンドの終盤に現れる反転型のチャートパターンです。一つのヘッドと2つのショルダー、合計3つの安値から構成され、ヘッド&ショルダートップと上下対称の形状が特徴です。
ヘッド&ショルダーボトムを見分けるポイントはトップの場合と同様で、2つのショルダーの高い価格を結んだ「ネックライン」ができているかどうかです。このラインを上抜けると、トレンドが反転する可能性が高まります。
そのため、ネックラインを上抜けた直後に買いエントリーをすることで、その後の上昇トレンドに乗れる可能性が高まります。
ダブルトップは、価格が上昇トレンドのピークに達した後に現れる反転型のチャートパターンです。
このパターンは、2つのほぼ同じ高さの高値と、その間に一時的な下落(谷)が見られるのが特徴です。ダブルトップが形成されると上昇トレンドが終わり、価格が下落する可能性が高いことを示唆します。
ダブルトップを見分けるポイントは、価格が最初の高値をつけた後に一時的に下落し、その後再び上昇してほぼ同じ高さの2つ目の高値を形成することです。その後、谷の底値を下抜けるとトレンドが反転する可能性が高まります。
このパターンでは、谷を下抜けた直後に売りエントリーをすることで、次の下降トレンドに乗れる可能性が高まります。
ダブルボトムは、下降トレンドの終盤に現れる反転型のチャートパターンです。
ダブルトップとは逆に、2つのほぼ同じ高さの安値と、その間に一時的な上昇(山)が見られるのが特徴です。ダブルボトムが形成されると下降トレンドが終わり、価格が上昇する可能性が高いことを示唆します。
ダブルボトムを見分けるポイントはダブルトップと同様で、価格が最初の安値をつけた後に一時的に上昇し、その後再び下落してほぼ同じ高さの2つ目の安値を形成することです。
このパターンでは、山の頂点を上抜けた直後に買いエントリーをすることで、次の上昇トレンドに乗れる可能性が高まります。
トリプルトップは、価格が3回連続して同じ高値に達した後に、上昇の勢いを失い、下降トレンドに転じることを示す反転型のチャートパターンです。
このパターンは、3つのほぼ同じ高さの高値と、その間に2回の下落(谷)が見られるのが特徴です。トリプルトップは、相場のピークが強力な抵抗線として機能していることを示し、上昇トレンドが終わる可能性を示唆しています。
トリプルトップを見分けるポイントは、価格が3回高値を試した後、ネックラインを下抜けたタイミングです。3度目の高値をつけることで、ダブルトップよりもトレンド転換の可能性が高いと判断します。
チャートの形状はヘッド&ショルダートップと似ていますが、3つの高値が全て同程度の水準である点が異なります。
このパターンでは、ネックラインを下抜けた直後に売りエントリーをすることで、その後の下降トレンドに乗れる可能性が高まります。
トリプルボトムは、価格が3回連続して同じ安値に達した後に、下降トレンドが終わり上昇トレンドに転じることを示す反転型のチャートパターンです。
トリプルトップとは逆に、3つのほぼ同じ高さの安値と、その間に2回の上昇(山)が見られるのが特徴です。
トリプルボトムを見分けるポイントは、トリプルトップとは上下対称の形状で、価格が3回安値を試した後、ネックラインを上抜けたタイミングです。
このパターンでは、ネックラインを上抜けた直後に買いエントリーをすることで、次の上昇トレンドに乗れる可能性が高まります。
ソーサートップは、価格がゆるやかに上昇し、頂点を形成した後に徐々に下降する反転型のチャートパターンです。「ソーサー」はお皿を意味する言葉で、「円形転換」とも呼ばれています。
ソーサートップは、長期間にわたって形成されることが多く、トレンドの変化を捉えるための重要な指標として知られています。
ソーサートップを見分けるポイントは、価格が上値を切り下げながらゆっくりと下降していき、ある地点で出来高の増加を伴う明確な下落が起こり、下落後にネックラインがレジスタンスとなる過程です。 このパターンは、相場が反転する前に長い時間を要するため、忍耐強く形成を待つ必要があります。
このパターンでは、価格がソーサーの右端を下抜けた時点で売りエントリーをすることで、その後の下降トレンドに乗れる可能性が高まります。
ソーサーボトムは、価格がゆるやかに下降し、価格が底打ちした後に徐々に上昇する反転型のチャートパターンです。
チャートの形状がソーサートップと上下対称である点が異なりますが、見分けるポイントや形成までに長い時間を要する点では共通しています。
このパターンでは、価格がソーサーの右端を上抜けた時点で買いエントリーをすることで、その後の上昇トレンドに乗れる可能性が高まります。
スパイクトップは、価格が急激に上昇し、その後急激に下落する反転型のチャートパターンです。チャートが急角度な形状をしていることから、「スパイクハイ」「V字トップ」「尖端天井」とも呼ばれています。
スパイクトップは、短期間で価格が急騰・急落することに加えて、その後の急激なトレンド変化を示唆するため、素早い判断と対応が求められる重要なサインです。
スパイクトップを見分けるポイントは、価格が急激に上昇し、その後すぐに急落するA型(逆V字型)のパターンを形成することです。
このパターンでは、価格が急落してV字型を形成した後、直近の安値を下抜けたタイミングで売りエントリーを行うことで、その後の下降トレンドに乗れる可能性が高まります。
スパイクボトムは、スパイクトップとは逆に価格が急激に下落し、その後急激に上昇する反転型のチャートパターンです。スパイクボトムは「スパイクロー」や「V字ボトム」、「尖端底」とも呼ばれています。
スパイクトップと同様に、非常に短期間で急激に価格変動が起こることと、その後の急激なトレンド変化を示唆するため、特に注意が必要なサインです。
スパイクボトムを見分けるポイントは、ごく短期間で価格が急激に下落し、その後すぐに急上昇するV字型のパターンを形成することです。
このパターンでは、価格が急上昇してV字型を形成した後、直近の高値を上抜けたタイミングで買いエントリーをすることで、その後の上昇トレンドに乗れる可能性が高まります。
FX取引において、チャートパターン分析は非常に有用ですが、正確な判断を下すためには以下の4点に注意する必要があります。
チャートパターン分析においては、「だまし」の存在を理解しておくことが重要です。
「だまし」とは、チャートパターンが形成された後に、本来進むはずだった方向とは逆方向に価格が動く現象を指し、トライアングルパターンやフラッグパターンなど、比較的シンプルな形状のパターンで発生する傾向にあります。
「だまし」を回避するコツは、以下の3点です。
チャートパターンの完成を待たずに勇み足で行動してしまうと、「だまし」に巻き込まれやすくなるため、特に注意しましょう。
また、チャートパターンの信頼性を高めるには、短期的な価格変動だけではなく、長期的なトレンドや他のテクニカル指標と組み合わせるなどの方法も有効です。加えて、取引量が急増している場合も、その動きが一時的なものか、持続的なトレンドに発展するかを見極める材料になるでしょう。
チャートパターンは絶対ではないことにも留意しておく必要があります。チャートパターンはある種の法則のようなものであることに対して、実際の値動きは多くの要素が複雑に絡み合って起こっているためです。
完璧にチャートパターンを覚えたとしても、急な状況変化や、場合によっては全くパターンが機能しない場合もあるため、それだけに頼るのはリスキーといわざるを得ません。
チャートパターンは、価格の動きを予測するための一つのヒントに過ぎないことを理解しつつ、他のテクニカル分析やファンダメンタルズ分析と組み合わせて総合的に判断することが大切です。
複数の根拠を基に取引の判断を下すことで、予測の精度や取引の成功率を高められるでしょう。
チャートパターンはローソク足に線を引いて確認するのが一般的ですが、線の引き方によって見え方やイメージが変わってしまう点にも注意が必要です。
チャートのローソク足は実体とヒゲの部分に分けられ、実体の中央から線を引いた場合とヒゲの先端から線を引いた場合とでは、線の角度や形状が異なります。さらに、水平ラインやトレンドライン、チャネルラインなど、線の引き方にも複数の方法が存在しています。
それらの中から自分の取引スタイルに合った線の引き方を探し、一貫した分析を行うことが分析精度の向上につながります。
ファンダメンタルズもチャートの値動きに大きな影響を与えることがあります。ファンダメンタルズとは、経済指標や金利動向、政治的要因など、相場に影響を与える社会的な要因を指します。
例えば、米国の雇用統計や世界的大企業の決算などが発表された後は、チャートパターンが示す方向とは逆の動きになることも珍しくありません。
予測の精度を高めるためには、ニュースや経済指標が発表されるスケジュールを把握しておき、チャートパターンが示すシグナルと照らし合わせながら、総合的に判断を行うことが大切です。
FXのチャートパターンを活用することで、取引の精度を高め、リスクを抑えたトレードが可能になります。一方で、効果的な取引を行うためには、適切なエントリーポイントや利食い・損切りポイントの設定が欠かせません。
ここからは、FXのチャートパターンを使って実践的に取引するためのポイントを解説します。
FX取引において重要なことは、エントリーポイントを正しく設定することです。間違ったエントリーポイントを選んでしまうと利益を伸ばしにくいだけでなく、逆に損失が拡大してしまう可能性もあるでしょう。
例えば、チャートパターンが完成する前にエントリーしてしまうと、予想とは異なる動きが発生することや、「だまし」による損失を被るリスクが高まります。
チャートパターンを適切に活用するには、チャートパターンが明確に形成されたことを確認してからエントリーすることが大切です。また、適切なエントリーポイントを見極めるためには、テクニカル分析だけでなく、市場のファンダメンタルズも考慮することも重要です。
あらかじめ利食いと損切りのポイントを決めておくことも意識しておきましょう。
利食いとは、保有しているポジションを決済して利益を確定させることを指し、損切りは損失を最小限に抑えるためにポジションを決済することを指します。
これらのポイントを決めておかないと、相場が予想に反した動きをした際に冷静な判断ができず、感情的なトレードをしてしまうおそれがあります。
感情に左右されずにトレードするには、目標売値や相場が予想の逆に動いた時の売値をあらかじめ設定しておくことが大切です。損切りポイントを決めていてもなかなか実行できない場合は、指定した価格に到達した時点で自動的に決済する逆指値を活用するのも一つの方法です。
取引にチャートパターンを活用する場合は、パターンが完成するまでじっくり待つことが重要です。根拠に欠ける状態でエントリーしていると、機会損失や不必要な取引を重ねてしまい、結果的に損失を増やす原因になってしまうためです。
また、チャートパターンの完成を待つことで「だまし」を避けられるケースも多く、リスクや損失を軽減することにもつながります。
特に初心者のうちは、頻出するチャートパターンをしっかり覚えることと、パターンが完成するのを見届けてからエントリーすることで、確実性を高めると良いでしょう。
チャートパターン分析を活用して取引する際には、チャートが見やすいツールを使うことが大切です。視覚的に分かりやすいチャートを使用することで、トレンドの変化やエントリーポイントを的確に把握でき、取引の精度を高められるためです。
ツール選びに迷った際は、SBI FXトレードがおすすめです。SBI FXトレードは、初心者からプロまで幅広いトレーダーに対応した取引ツールを提供しています。
インストール型やブラウザ型、スマートフォンアプリなどさまざまなタイプが利用可能で、どのデバイスからでも簡単に取引が行えます。見やすさと操作性にも優れており、チャート上でテクニカル分析を行いやすく、FX初心者が最初に使うツールとしても良いでしょう。
FX取引でなかなか成果が出ないと感じている方は、まずはチャートパターンをしっかりと覚えることから始めてみましょう。
チャートパターンはトレンドの変化を見極める助けとなり、正しいエントリーポイントや利食い・損切りポイントを設定するのにも大いに役立ちます。一方で、取引の精度を高めるためには、チャートパターンの完成をじっくり待つことや、チャートが見やすいツールを選ぶことが大切です。
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この記事を監修した人
SBIリクイディティ・マーケット株式会社
金融市場調査部長
上田眞理人