UPDATE 2025.02.17
POST 2025.02.17
これからFXを始めようと色々調べる中で、初めて「三尊天井」という専門用語を聞いて戸惑っているのではないでしょうか?三尊天井を覚えておくことで、適切なエントリーポイントを見つけやすくなります。
今回は、三尊天井についての基礎知識からエントリーポイント、さらに三尊天井を活用するメリット・デメリット、さまざまなチャートパターンや分析に役立つテクニカル指標までを解説します。
FXの初心者や少しでも勝率を上げたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
FXにおける三尊天井(ヘッド・アンド・ショルダー・トップ)とは、上昇トレンドから下降トレンドへの転換を示唆するチャートパターンのことです。「三尊天井」という名前は、釈迦と左右の菩薩から成る三尊像に形が似ていることに由来します。
このパターンは、高値圏で見られることが多く、3つの主要な高値(左肩・頭・右肩)によって形成されます。三尊天井の特徴は、左右の高値よりも中央の高値が高い形状になる点です。それぞれの高値についての解説は、以下を参考にしてみてください。
左肩と右肩が反発する下部は「ネックライン」と呼ばれ、一般的にこのラインで下値が支えられる傾向にあります。しかし、右肩を形成したあとに価格がネックラインを下回ると、上昇トレンドが下降トレンドへと転換したと見なされるため、三尊天井の形成自体が売りシグナルとされるのが一般的です。そのため三尊天井が形成された場合、売りでのエントリーを検討してみましょう。
トリプルトップは三尊天井と同様に、上昇トレンドから下降トレンドへの転換を示唆するチャートパターンです。三尊天井とトリプルトップの主な違いについて、以下の3つのポイントで比較して解説します。
比較項目 | 三尊天井 | トリプルトップ |
---|---|---|
出現タイミング | 上昇トレンドの高値圏 | 上昇トレンドの高値圏 |
形状 | 「左肩・頭・右肩」という3つの高値を形成し、左右よりも中央の高値が最も高くなる | 3つの高値を形成するものの、三尊天井のように中央が一番高くならず、同水準になりやすい |
売りシグナルの強さ | トリプルトップよりも売りシグナルは強い | 三尊天井よりも売りシグナルは弱め |
出現タイミングとしては、三尊天井もトリプルトップも上昇トレンドの高値圏で発生しやすく、どちらも出現した場合には、上昇トレンドの勢いが弱まり、下降トレンドへの転換の可能性が高まります。
三尊天井とトリプルトップの形状には、微妙な違いがあります。三尊天井は中央の高値が最も高くなるのに対し、トリプルトップは3つの高値がほぼ同水準で形成されます。
一般的に、売りシグナルはトリプルトップよりも三尊天井の方が強いとされています。特にネックラインを下回ると、下降トレンドへの転換の可能性がさらに高まるでしょう。
逆三尊(ヘッド・アンド・ショルダー・ボトム)とは、下降トレンドから上昇トレンドへの転換を示唆するチャートパターンです。三尊天井が高値圏で発生しやすいのに対し、逆三尊は安値圏で発生しやすいパターンといえます。
逆三尊は3つの安値(左肩・頭・右肩)を形成し、三尊天井を反転させた形状が特徴です。価格が安値圏まで下落した後、一旦反発して左肩を形成。上昇した後、ネックラインで抑えられ再び下落します。
左肩の安値を抜けて頭を形成した後、反発して上昇しますが、ネックラインで抑えられて再度下落します。下落後、右肩を形成しますが、頭の最安値を下回ることなく上昇します。その後、ネックラインを超えれば、下降トレンドの終了(上昇トレンドへの転換)が示唆されるので、逆三尊の形成自体が買いシグナルと考えることが一般的です。
なおトリプルトップの逆パターンにあたる「トリプルボトム」との主な違いは、形状と買いシグナルの強さです。逆三尊は中央が最安値の頭を形成する一方で、トリプルボトムは3つの安値がほぼ同じ水準で形成されます。また、一般的に逆三尊の方が、トリプルボトムよりも強い買いシグナルとされています。
三尊天井ができる理由は、上昇トレンド中の買い圧力が弱まり、売り圧力が徐々に強くなるためです。順を追って解説します。
初めの段階では買いの勢いが強く、上昇トレンドが形成されます。これは、上昇が続くとトレーダーが予想し、ポジション(建玉)を保持したり、押し目買い(上昇トレンド中に一時的に下がったポイントで買う手法)を行ったりすることで、徐々に高値が更新され、市場が強気になっていくためです。
上昇トレンド中でも、経済指標の影響や利益確定の売りなどで一時的に価格が下落することがあります。ただし、買いの勢いが強いため、大きく下がることなく反発し、左肩を形成します。
価格が左肩を超えて上昇し、頭を形成します。これは、市場で最も上昇トレンドが強い時期で、トレーダーの期待も高まっていますが、同時に上昇トレンドの限界を示唆する段階でもあります。
頭が形成された後、価格は一旦下落しますが、押し目買いによって再び反発します。しかし、この反発後の高値は頭を超えることなく、再び下落して右肩を形成します。右肩が形成されることで、上昇トレンドの勢いが弱まっている可能性が高まります。
右肩を形成した後、価格がネックラインを下回ると三尊天井のパターンが完成します。ネックラインを突破することで、売り圧力が強まる可能性が示され、トレーダーは買いよりも売りをメインにトレードする傾向が強くなります。
このように、三尊天井は上昇トレンドから下降トレンドへの転換を示唆するチャートパターンです。三尊天井を活用したトレード戦略を意識してみましょう。
三尊天井を活用するための基本的なエントリーポイントの見つけ方を解説します。今回は「ネックラインで判断する」「右肩形成を狙う」という2つの手法について説明します。これらのエントリーポイントを把握してトレードすることで、損失のリスクを低減できるでしょう。ぜひ、これらのエントリーポイントを意識してトレードに活用してみてください。
1つ目の基本的なエントリーポイントは、ネックラインの突破(下抜け)を狙うパターンです。三尊天井においてネックラインの突破は、トレードにおいて重要な判断基準となります。ネックラインを突破することで売り圧力が強まり、下降トレンドに転換する可能性が高まります。
具体的なエントリーポイントは、右肩形成後のネックラインを突破したタイミングです。この突破が売りシグナルとなり、さらに価格が下落する可能性があるため、売りでエントリーする判断基準となるでしょう。
また、ネックラインを突破して下落することで、下降トレンドへの転換が期待できます。下降トレンドへ転換した場合、ネックラインがレジスタンスライン(上値抵抗線)となり、戻り売り(押し目買いの逆)によって再度下落していく可能性があります。
このように、ネックラインを突破すること自体がエントリーポイントとして大きな役割を果たします。
2つ目の基本的なエントリーポイントは、三尊天井の右肩形成を狙うパターンです。三尊天井において右肩を形成することは、上昇トレンドの転換が近いことを示唆しています。そのため、右肩を形成すると予想して早めに売りでエントリーする方法も有効です。
具体的なエントリーポイントとしては、左肩の高値を参考にしつつ、右肩が左肩と同水準の高値を付けた時点で売りのエントリーをします。三尊天井では、左肩と右肩を結んだ直線がレジスタンスラインとして意識される可能性が高いため、価格が下落することが予想されます。
予想通りに価格が下落した場合、ネックラインの突破に注目します。ネックライン付近では反発する可能性もありますが、三尊天井が完成したことで売り圧力が強まっており、ネックラインを突破する可能性が高いでしょう。
右肩形成時に売りでエントリーした場合、ネックラインが突破した後よりも多くの利益に期待できます。このように、ネックラインの突破を待たずに右肩形成を狙ったエントリーポイントがあることも覚えておくと良いでしょう。
逆三尊のエントリーポイントは、三尊天井と逆になります。1つ目のエントリーポイントは、ネックラインを突破(上抜け)した時です。逆三尊は下降トレンドから上昇トレンドへの転換を示唆しているため、右肩を形成した後にネックラインを上に突破したタイミングで買いのエントリーをすると良いでしょう。
またネックラインを上に突破した後、一時的に価格が下がってくることがあります。この場合、ネックラインがサポートライン(下値抵抗線)として機能する可能性があるため、反発を狙ってエントリーしても良いでしょう。
2つ目のエントリーポイントは、右肩形成を予想して、左肩の安値を参考にした右肩の左肩と同水準の安値付近です。右肩の安値付近で買いのエントリーをし、ネックラインを突破すれば上昇トレンドへの転換に期待できます。
三尊否定とは、トレンドが転換したかのように見える「だまし」を指します。三尊天井が形成された際は、上昇トレンドから下降トレンドへの転換を期待して売り圧力が強まる傾向があります。
しかし、トレンドが転換するとは限らないため、再度上昇していく可能性も考慮しておく必要があります。三尊否定を回避する方法として、有効な方法は主に2つあります。
三尊否定を回避する方法として有効なのが、ネックラインを突破した後に一旦、様子見することです。ネックラインを突破したからといって、必ずしも下落するとは限りません。したがって、一旦様子見に徹し、時間をおいて再度価格が下落するのを確認してからエントリーすることで、三尊否定を回避しやすくなります。
もう一つの有効な方法は、上位足を見ることです。上位足とは、現在よりも長い期間のローソク足を指します。例えば、1時間足を見ている場合は4時間足を確認することです。上位足を見ることで大きなトレンドが把握しやすくなり、三尊否定を回避しやすくなります。
このように、三尊否定を回避する方法を把握しておくことで、損失を抑えることができるでしょう。
逆三尊に関しても、三尊否定と同様に必ずしもトレンドが転換するとは限りません。そのため、逆三尊否定を回避する方法も把握しておくことで、損失を抑えられる可能性が高くなります。
逆三尊の否定も、三尊否定と同じく2つの方法で回避することができます。まずは一旦様子見してから買いのエントリーをすることです。逆三尊で右肩のネックラインを上に突破した場合、基本的に買い圧力が強くなる傾向にあります。
しかし、逆三尊否定によって再度ネックラインを下回ることも考えられます。そのため、ネックラインを上に突破した後は、様子見して再度上昇するのを確認してからエントリーすることで、逆三尊否定を回避できる可能性があります。
さらに、現在よりも上位足を確認し、大きなトレンドを把握することも重要です。本来、大きな下降トレンドの中の逆三尊否定が存在しているのに、下位足(上位足よりも短時間の足)だけを見て買いのエントリーを行うと、大きな損失につながる恐れがあるため、注意が必要です。
三尊天井を形成した後は、損切りのタイミングも重要です。三尊天井が形成されたからといってトレンドが転換する保証がないため、損切りを設定しておかないと大きな損失につながる可能性があります。
三尊天井における損切りのタイミングとして一般的なのは、ネックラインを下に突破した後に再度ネックライン付近に戻ってきた時です。ネックラインを下に突破した場合、ネックラインは最初のレジスタンスラインとして意識されます。しかし、反発してネックラインを上に突破した場合は、強い買い圧力によって上昇する可能性があります。そのため、ネックラインを上回ったポイントに損切りを設定するトレーダーが多いと言えるでしょう。
次に損切りのタイミングとして意識されるのは、右肩の高値まで戻ってきた時です。右肩の高値を超える勢いの上昇トレンドが発生した場合、買い圧力が強くなり高値を更新していくリスクを考慮する必要があります。そのため、ネックラインや右肩の高値付近に損切りを設定しておかないと、大きな損失につながる可能性があるため注意が必要です。
三尊天井が出現した際の利益確定ポイントは、頭からネックラインまでの値幅を測定して算出した価格です。具体的には、頭からネックラインまでの値幅を垂直に測定し、その値幅分をネックラインから下に移動させた価格が利益確定ポイントとなります。
ネックラインを下に突破して下降トレンドが継続するようであれば、そのまま売りポジションを保有しても良いでしょう。ただし、利益確定ポイントの手前で価格が下げ止まり、トレンドが反転する兆しを見せた場合は、早期に利益確定を検討する必要があります。
また、三尊天井でも活用できる有効な利益確定の方法は、トレール注文を活用することです。トレール注文とは、設定した値幅を維持しながらトレール(価格に追従)することで、リスクを抑えつつ利益を確保できる注文方法です。例えば150.00円で売りのエントリーをし、トレール注文の値幅を150.50円(50銭)に設定したケースを考えてみましょう。
この時、予想に反して150.50円まで上昇した場合は、150.50円で損切りすることになります。しかし、予想通りに価格が下落し149.30円になった場合、設定した50銭のトレール注文も移動し、149.80円まで下がります。下落の勢いが弱くなり上昇したとしても、20銭分の利益が確保できることになります。損失を限定し、利益を確定するために有効な注文方法です。
逆三尊が出現した際の利益確定ポイントは、三尊天井の利益確定ポイントの逆になります。頭からネックラインまでの値幅を測定し、その値幅分をネックラインから上に移動させた価格が利益確定ポイントです。
逆三尊では、ネックラインを上に突破することで上昇トレンドへの転換が期待され、買い圧力が強くなる傾向があります。そのため、上昇トレンドが強いと判断した場合は、買いポジションを保有しながら様子を見るのも有効です。
ただし、設定した利益確定ポイントに届かずに下落し、上昇トレンドが弱まっていると判断した場合は、早めに利益確定を検討する必要があります。上昇トレンドが継続すれば、大きな利益を得られる可能性もありますが、それはあくまで一つの可能性に過ぎません。
早期に利益を確定することで、利益の確保し、将来的な損失を抑えることができるでしょう。投資においては現状を的確に把握し、確実に利益を積み重ねていくことが重要です。また、トレール注文を活用することで、損失を限定しつつ利益を追求することも効果的な手段として検討してみましょう。
三尊天井や逆三尊を利用したトレードのメリットは、主に次の4つです。
トレンド転換を示唆するパターンとして有効なため、トレンドが形成され始めるタイミングを掴みやすいといえるでしょう。上昇・下降トレンドが形成されれば大きな値動きになる可能性があり、利益を得るチャンスが生まれます。
ネックライン、頭、右肩を活用することで、損失を限定しつつ利益を確保することが容易になります。損切りポイントはネックラインや右肩を基準に、利益の確保は頭とネックラインの値幅を参考にするとよいでしょう。
三尊天井や逆三尊は、相場を見慣れている経験者であれば、比較的簡単に見つけられるパターンです。初心者でも、慣れることでこのパターンを見つけやすくなり、トレンド転換を狙った有効なトレードができるようになるでしょう。
三尊天井や逆三尊は、典型的なパターンとして広く認知されているため、FXのみならず株式や暗号資産(仮想通貨)などでも活用できます。このように、さまざまな金融商品で応用できる点は大きなメリットといえます。
三尊天井や逆三尊を利用したトレードには、メリットだけでなくデメリットも存在します。主なデメリットは次の4つです。
三尊天井や逆三尊はトレンド転換のパターンとして有効ですが、形成後に必ずしもトレンド転換が起きるとは限りません。そのため、上位足を参考にして大きなトレンドを把握し、全体の相場環境を見極めることが重要です。
経験者であれば見つけやすいものの、相場に慣れていない初心者には三尊天井や逆三尊の判断するのが難しい場合があります。過去のチャートを分析し、パターンを見つける練習を積むことが大切です。
三尊天井や逆三尊が不完全な形で終わり、トレンド転換が起こらない場合もあります。迷ったときや自信がない場合は、無理にトレードせず、相場を静観することが賢明です。
一般的な利益確定ポイントで利確(利益確定)した場合、トレンドが継続した時に利益を最大化できない可能性があります。損切りポイントを慎重に考慮しつつ、利益確定ポイントを柔軟に設定することが必要です。
ローソク足のチャートパターンには、三尊天井・逆三尊・トリプルトップ以外にもさまざまな種類があります。今回は「ダブルトップ・ダブルボトム・トリプルボトム・ソーサートップ・ソーサーボトム・三角持ち合い・ボックス型」の7つのパターンについて解説します。それぞれの特徴を理解することで、トレード戦略の幅をさらに広げることができるでしょう。
ダブルトップは、2つの高値(同水準)と、高値の間の安値で形成されるチャートパターンです。ダブルトップが形成されると、上昇トレンドから下降トレンドへの転換を示唆します。ダブルトップが形成される流れは以下の通りです。
上昇トレンド中に勢いが弱まることで一時的に下落し、1つ目の高値を形成。
一時的に下落するものの、上昇トレンドであることを期待して反発することで押し目を形成。
押し目を形成した後は、1つ目の高値付近まで再上昇。
1つ目の高値が意識されると再度下落して、2つ目の高値を形成。
押し目から水平に引いたネックラインまで下落後、突破することでダブルトップが完成。
ダブルボトムは、2つの安値(同水準)と、安値の間の高値で形成されるチャートパターンです。ダブルボトムはダブルトップの逆パターンであり、形成されることで下降トレンドから上昇トレンドへの転換を示唆します。ダブルボトムが形成される流れは以下の通りです。
下降トレンド中に売り圧力が弱まり、一時的に反発して1つ目の安値を形成。
一時的に上昇するものの、下降トレンドの継続を期待して反落し戻り目を形成。
戻り目を形成した後は、1つ目の安値付近まで再下落。
1つ目の安値が意識され再下落し、2つ目の安値を形成。
戻り目から水平に引いたネックラインまで上昇後、突破することでダブルボトムの完成。
下降トレンド中は、ダブルボトムを見逃さないようにしましょう。
トリプルボトムは、3つの安値(同水準)と、その間に位置する2つの高値で形成されるチャートパターンです。トリプルボトムは3つの安値を形成した後に反発することから、買い圧力が強く下降トレンドから上昇トレンドへの転換を示唆しています。トリプルボトムが形成される流れは以下の通りです。
下降トレンド中に勢いが落ち着いて反発することで、1つ目の安値を形成。
下落した反動により少し上昇するものの、再下落によって1つ目の戻り目を形成。
1つ目の戻り目を形成したら、1つ目の安値付近まで再下落。
1つ目の安値が意識されて再下落し、2つ目の安値を形成。
安値が意識されて上昇するも、再下落することで2つ目の戻り目を形成。
再度、上昇の勢いが弱まり、2つ目の安値付近まで下落。
1つ目・2つ目の安値が意識され、3つ目の安値を形成。
戻り目から水平に引いたネックラインまで上昇後、突破することでトリプルボトムが完成。
トリプルボトムはダブルボトムよりも強めのチャートパターンなので、ぜひ有効活用してみてください。
ソーサートップは、上昇トレンド中の高値圏で、小さく安値と高値を上下に行き来する「揉み合い」を繰り返して形成されるチャートパターンです。細かい上下を高値圏で繰り返した形状が、受け皿(ソーサー)に見えることから、ソーサートップと名付けられました。
このパターンが高値圏で形成されることで天井が意識され、上昇トレンドから下降トレンドへの転換が予測されます。ソーサートップが形成される流れは以下の通りです。
上昇トレンドの勢いが一時的に弱くなり、少し下落することで最初の高値を形成。
最初の高値を形成した後は、しばらく揉み合い(複数の押し目や戻り目を形成)が続く。
最初の押し目から水平に引いたネックラインまで下落し、突破することでソーサートップが完成。
ソーサートップは下降トレンドへの転換を示す有効なチャートパターンなので、見つけた時は売りでエントリーすることを検討しましょう。
ソーサーボトムは、ソーサートップの逆パターンです。下降トレンド中の安値圏で発生し、揉み合いが続いて形成されるチャートパターン。安値圏でソーサーボトムの形成を確認できた場合、下降トレンドから上昇トレンドへの転換を示唆します。ソーサーボトムが形成される流れは以下の通りです。
下降トレンドの勢いが徐々に弱まり、少しの反発により上昇することで最初の安値を形成。
最初の安値を形成した後は、しばらく揉み合い(複数の押し目や戻り目を形成)が続く。
最初の安値から水平に引いたネックラインまで上昇し、突破することでソーサーボトムが完成。
ソーサーボトムも逆三尊・トリプルボトムといったチャートパターンと同様に、上昇トレンドに乗る絶好のチャンスなので、買いでエントリーを検討してみましょう。
三角保ち合いは、トレンドの継続を示唆するチャートパターンです。トレンドの中での調整中に発生する「ペナント」、上昇トレンド中に発生する「上昇三角保ち合い」と、下降トレンド中に発生する「下降三角保ち合い」の3つがあります。
三角保ち合いは高値をつないで引かれる上値抵抗線、下値をつないで引かれる下値支持線の中で徐々に値動きが収束していき、三角形の形状を形成します。上昇の場合は上値抵抗線が同水準、下降の場合は下値支持線が同水準になる特徴があります。三角保ち合いが形成される流れは以下の通りです。
トレンド中に最初の高値または安値を形成。
上昇なら安値を切り上げ(直近の安値を上回る安値)ながら、下降なら直近の高値を切り下げ(直近の高値を下回る高値)ながら、トレンドが継続。
上昇の場合は同水準の上値抵抗線をつないだライン、下降の場合は同水準の下値支持線をつないだラインを突破することで三角保ち合いが完成。
このように、三角保ち合いはトレンドが再び勢いづく可能性のあるチャートパターンです。タイミングを見計らってエントリーを検討しましょう。
ボックス型は、同水準の高値をつないだ上値抵抗線と、同水準の安値をつないだ下値支持線の中で上下を繰り返すチャートパターンです。上値抵抗線や下値支持線を突破することで、トレンドの継続が示唆されます。ボックス型が形成される流れは以下の通りです。
トレンド中に最初の高値または安値を形成。
最初の高値または安値を形成した後は、2つ目の高値または安値を形成し、上値抵抗線や下値支持線の間で上下。
上値抵抗線または下値支持線を突破することでボックス型の完成。
同水準の高値・安値では反発しやすいため、トレンド継続だけではなく、逆張り(下がったら買い・上がったら売り)にも活用できるでしょう。
FXのテクニカル指標(将来の動きを予想する手法)の中でも、トレンド分析に役立つ「MACD」と「移動平均線」の2つを解説します。チャートパターンだけではなくテクニカル指標も活用しながらトレードを行うことで、よりトレードの信頼性が上がると期待できます。テクニカル指標も学んで、トレードに取り入れてみましょう。
MACD(移動平均収束拡散法、通称マックディー)とは、移動平均線を活用した相場のトレンドや売買タイミングを判断するためのテクニカル指標です。MACDにはMACD(移動平均線収束拡散)と、シグナル(MACDの移動平均線)という2つの線が用いられています。
MACDがシグナルを下回る(デッドクロス)場合は下降トレンドで売り、MACDがシグナルを上回る(ゴールデンクロス)と上昇トレンドで買いと判断することが可能です。またMACDは「0」を基準にしており、0より上のプラスへ向かうと上昇トレンド、0より下のマイナスへ向かうと下降トレンドになる傾向にあります。
そのため、ゴールデンクロスやデッドクロスだけではなく、0を上抜けまたは下抜けしたタイミングで同じ方向の売買をすることで、勝率を上げやすくなるでしょう。なお、MACDでは期間の設定が可能で、短期に設定するほど値動きに敏感になるため、「だまし」が多くなります。適切な期間設定(こだわりがなければデフォルトの期間)を行うことが大切です。
移動平均線は、一定期間の平均価格を線で表したテクニカル指標です。移動平均線を活用することで、トレンドの向きと強さを判断しやすくなります。向きに関しては移動平均線が上向きの時は上昇トレンド、下向きの時は下降トレンドと判断できます。
上下せずに横ばい状態の場合は、相場に方向感がないことを表しています。強さに関しては移動平均線の上にローソク足があれば上昇の勢いが強い相場、下にあれば下降の勢いが強い相場だという判断できます。
また、移動平均線は抵抗になることもあり、活用することで押し目や戻り目のタイミングを掴みやすくなります。上昇トレンドでは移動平均線が抵抗になり押し目、下降トレンドでは移動平均線が抵抗になり戻り目になることもあります。
さらに、期間の異なる移動平均線を2本以上組み合わせることで、トレンド転換のシグナルや売買タイミングの判断材料としても有効です。一般的に、長期の移動平均線が短期の移動平均線を上に抜ければ上昇トレンド(買い)、逆に下に抜ければ下降トレンド(売り)に転換したと判断されます。
三尊天井は、トレンドの高値圏で見られる上昇トレンドから下降トレンドへの転換を示唆しているチャートパターンです。三尊天井を活用することで、早期に相場の転換を発見しやすくなるでしょう。
また、三尊天井の逆パターンである逆三尊をはじめ、似たような形状のトリプルトップやダブルトップなど複数のチャートパターンもあります。これらのチャートパターンを把握しておくことで、より効果的なトレードが可能になります。
SBI FXトレードでは、スマートフォンやPCからご利用いただける取引ツールをご用意しており、チャートやテクニカル指標を確認できる環境が整っています。ぜひSBI FXトレードを活用して、自分なりの手法を確立してみてください。
SBI FXTRADE
FX(外国為替証拠金取引)は異なる通貨を売買し、売買時のレートによって生じた差額で利益を出そうとする取引です。
SBI FXTRADEは、スプレッドやスワップポイント、通貨ペア数など、業界最良水準のサービスをご提供しています。また、初心者の方から、上級者までご満足いただける取引ツールをご用意しております。
この記事を監修した人
SBIリクイディティ・マーケット株式会社
金融市場調査部長
上田眞理人