ドル・コスト平均法とは?意味やメリットをわかりやすく解説 | SBI FXトレード 

ドル・コスト平均法とは?
意味やメリットをわかりやすく解説

FX用語集

UPDATE 2024.12.18
POST 2024.12.18

ドル・コスト平均法とは?意味やメリットをわかりやすく解説

1. ドル・コスト平均法とは?

ドル・コスト平均法とは、FXや投資信託など価格が変動する金融商品について、定期的に同じ金額を買い付けていく投資手法のことです。

一般的な投資では、安い時に購入し、高くなったら売却して利益を得ます。しかし、この投資方法では、売買タイミングを間違えると損失が生じるリスクがあります。

ドル・コスト平均法を用いることで、購入時期を分散させることができるため、購入単価の平準化が図れます。結果として、価格変動リスクを抑えることができるでしょう。

2. ドル・コスト平均法と定量購入法との違い

タイミングを見計らい、まとまった金額で売買するのではなく、同じ投資対象を少しずつ買い付けていくドル・コスト平均法は「分散投資」と呼ばれています。

分散投資にはドル・コスト平均法以外に「定量購入法」という手法もあります。これら2つの違いを押さえておきましょう。

ドル・コスト平均法
  • 「定額購入法」とも呼ばれる
  • 投資対象の価格に関係なく「毎月1万円ずつ」のように、定期的に同じ金額ずつ買い付けていくため、毎回購入できる数量は異なる
定量購入法
  • 投資対象の価格に関係なく「毎月100株」のように、定期的に同じ数量ずつ買い付けていくため、毎回の投資金額は異なる

どちらの方法も定期的な買付を行いますが、毎月同じ数量ずつ増えていく定量購入法に対し、ドル・コスト平均法は、投資対象の価格が安い時は多く、高い時は少ない数量の買付になります。結果として、ドル・コスト平均法の方が買付の平均単価を下げることが可能です。

3. ドル・コスト平均法の投資対象

ドル・コスト平均法の投資対象は以下のような金融商品です。

  • FX
  • 株式、投資信託

それぞれの特徴を見ていきましょう。

FX

FX(Foreign Exchange)は「外国為替証拠金取引」のことです。米ドルと日本円など、異なる通貨を売買する時に生じる差額によって利益を得られます。

さまざまな通貨の売買を繰り返すイメージも強いFXですが、ドル・コスト平均法で積み立てていくことも可能です。この方法では、選択した通貨ペアはそのままで、価格を気にせず決まった金額を買い付けていくだけで済みます。

例えば、米ドルを日本円で購入する場合、円高になれば多くの米ドルが購入でき、円安になれば購入できる米ドルは少なくなります。この繰り返しにより、購入価格の平準化が図れ、価格の変動リスクに強くなるというメリットがあります。

株式、投資信託

株式とは、企業が資金を出した人に対して発行する証券のことです。一方、投資信託は多くの投資家から集めた資金をまとめ、専門家が選定した複数の株式や債券などに投資し、運用するという金融商品です。証券市場に上場している株式や投資信託は、FX同様に安い時に買い、高い時に売ることで利益を得ることができます。

株式や投資信託もドル・コスト平均法で投資するのに最適な金融商品です。定期的に同じ金額を買い付けていくだけなので、日々の株価や投資信託の価格変動を気にせず投資を続けられます。積み立て方式になりますので、保有する株数や投資信託の口数も増えていきます。

4. ドル・コスト平均法のメリット・効果

ドル・コスト平均法のメリットや効果は次の通りです。

  • 投資する際にまとまった資金が必要ない
  • 相場の上昇・下降に関わらずタイミングを選ばずスタートできる
  • 高値掴みのリスクを軽減できる
  • 日々の価格変動を細かに気にする必要がない

詳しく見ていきましょう。

4-1. 投資する際にまとまった資金が必要ない

ドル・コスト平均法での投資は「定期的に決まった金額で投資対象を買い付けていく」という投資手法です。そのため、「1株1,000円の株式を100株買うために、10万円準備する」といったように、まとまった資金を準備する必要はありません。

ドル・コスト平均法で投資する場合、投資金額は「月5,000円」や「月1万円」で構いません。金融機関の中には、投資信託の積立が「月100円から」という会社もあるほどです。

タイミングを気にせずスタートでき、自分のペースで無理なく続けられる点が、ドル・コスト平均法の大きなメリットといえます。

4-2. 相場の上昇・下降でタイミングを選ばずスタートできる

投資を始めたいけれども、相場の動きが気になるという方もいるでしょう。特に、FXで特定の通貨ペアにまとまった資金を投資したい方、株式投資で1つの銘柄に集中投資したい方は、なるべく安い時に購入したいと考え、相場のチェックが欠かせません。

しかし、同じ投資対象を一定額ずつ購入するドル・コスト平均法を利用した投資であれば、いちばん低い価格の時にスタートしても、値上がり益を最大限に受け取れるわけではないものの、タイミングを気にせず投資が始められるという利点があります。

4-3. 高値掴みのリスクを軽減できる

「高値掴み」とは、投資対象を極めて高い水準、いわゆる「天井圏」で購入してしまうことを指します。まとまった資金で投資する際、タイミングを誤ると高値掴みとなり、大きな損失を抱えるリスクがあります。

しかし、毎回一定額を定期的に購入するドル・コスト平均法を利用すれば、タイミングを気にせず投資を続けることができるため、高値掴みリスクを軽減することができます。

これから投資を始めたいけれど、タイミングを探すのが難しいと感じている方には、ドル・コスト平均法を活用した投資が特におすすめです。

4-4. 日々の価格変動を細かに気にする必要がない

投資の基本は「安く買って高く売る」ことです。そのため、購入や売却をしたい時には、相場の動きを細かくチェックする必要があります。そして、良いタイミングが来たら、すぐに注文を入れる必要があります。

一方、ドル・コスト平均法での投資では、毎回の購入額が一定で、さらに「毎月〇日」など購入タイミングもあらかじめ決まっているため、日々の値動きを気にする必要がありません。長期的な視点で利益を狙っていきたい方だけでなく、相場を確認する習慣がない方、仕事で忙しく値動きをチェックする時間がない方にもおすすめの投資手法といえるでしょう。

5. ドル・コスト平均法のデメリット

ドル・コスト平均法にはメリットだけでなく、次のようなデメリットもあります。

  • 短期投資には向いていない
  • 手数料がかさむ場合がある

これらについても確認しておきましょう。

5-1. 短期投資には向いていない

ドル・コスト平均法は、長期間に渡って運用していく投資手法です。また、まとまった金額を一度に投資するのではなく、少しずつ積み立てていきます。そのため、短期間で価格が上昇した場合でも、大きなリターンはそれほど期待できません。

短期間でリターンを得たいというのであれば、ドル・コスト平均法ではなく、ある程度まとまった金額を使ってタイミングを見ながら売買する方が良いでしょう。

5-2. 手数料がかさむ場合がある

FX、株式、投資信託などの金融商品を売買する際には、手数料が発生します。ドル・コスト平均法の場合、定期的に買付を繰り返すことになりますが、一度にまとまった金額で購入するケースよりも手数料がかさむ可能性があるため、注意が必要です。

ただし、金融機関や金融商品によっては、手数料が抑えられる場合もあります。手数料の負担が気になる場合は、手数料が低い金融機関や金融商品を選ぶことが重要です。

6. ドル・コスト平均法が向いている人

ドル・コスト平均法を使った投資が向いているのは以下のような方たちです。

  • 結果をすぐに求めない人
  • 投資期間に余裕がある人
  • まとまった資金を用意できない人

詳しく見ていきましょう。

6-1. 結果をすぐに求めない人

先にご紹介したように、ドル・コスト平均法は短期間で利益を出せる投資手法ではありません。長期間にわたり、少しずつ資産を増やしていく方法です。そのため、目先の値動きに一喜一憂しない方や、短期的な結果を求めない方に向いているといえます。

「すぐにでも値上がりしてほしい」と考えるよりも、「数年後を見据えて、少しずつ資産を積み重ねていこう」という長期的な視点を持って投資を続けることが重要です。

6-2. 投資期間に余裕がある人

ドル・コスト平均法では、投資期間が長いほど、購入価格が平準化されていきます。そのため、少額でも長期間にわたって投資を続けられる方に向いています。逆に「2〜3ヶ月間程度だけ投資したい」という場合は、ドル・コスト平均法を用いても、投資対象の値動きによっては損失を出す可能性があります。数年間のスパンで投資を続けられる人ほど効果は出やすく、利益を得やすいことを覚えておきましょう。

6-3. まとまった資金を用意できない人

ドル・コスト平均法の大きなメリットは、少額から始められるという点です。投資初心者で「いきなりまとまった資金を準備できない」という方にも向いています。また、定期的に同じ金額を投資していきますので、積立預貯金などでコツコツと貯蓄する習慣がある方にもおすすめです。

7. ドル・コスト平均法の始め方

ドル・コスト平均法は少額から始められる投資手法です。投資を始める際には、まず適切な金融商品を選ぶ必要があります。株式や投資信託など、ドル・コスト平均法での投資に向いている金融商品はいくつもありますが、以下の点を満たしているか確認しましょう。

  • 満期がない金融商品なのか
  • 信託保全(※)されているか
  • いつでも売却(換金)できるか

※投資家から預かった資産を自社の資産と分別し、信託会社などに信託していること。金融機関が破綻した場合も投資家の資産は保全される。

なお、SBI FXトレードの積立FX「つみたて外貨」は、満期がなく、顧客の資産は全額信託保全されています。また、いつでも買い増しや売却が可能です。

投資する金融商品が決定したら、値動きを気にせず投資を開始できます。その後は、「毎月1万円」といったように、定期的に同じ金額ずつ買い付けていきましょう。

8. ドル・コスト平均法で投資を行う際のポイント

以下のポイントも確認して、ドル・コスト平均法を使った投資を行いましょう。

  • 長期的な投資計画を立てて運用する
  • 売却のタイミングを冷静に判断する

8-1. 長期的な投資計画を立てて運用する

ドル・コスト平均法は長期的な視点で行う投資手法です。購入時より値上がりし、少し利益が出た場合でも、売却せずにそのまま投資を続けましょう。一方、値下がりしても慌てて売却するのは避けて下さい。目先の価格変動に一喜一憂しないことが重要です。数年後を見据えた投資を心がけましょう。

ただし、目先の価格を気にする必要はありませんが、定期的に価格をチェックし、現時点でどの程度の利益が出ているか(もしくは損失が出ているか)は把握しておくことをおすすめします。

8-2. 売却のタイミングを冷静に判断する

ドル・コスト平均法での投資も、売却しないと現金化できません。売却のタイミングによっては利益が少なくなる、もしくは損失が出ることもあるため、冷静に判断する必要があります。投資を終えるタイミングとしては、次のようなパターンがあります。自分に合った方法を選びましょう。

1.「定年退職の時まで」など、一定の年数が経過したら売却する
2.「〇%プラスが出たら」「〇円程度の利益が確定できたら」など、目標の利益に達した時点で売却する

9. SBI FXトレードならつみたて外貨でリスクを抑えた投資が可能

SBI FXトレードならつみたて外貨でリスクを抑えた投資が可能

ドル・コスト平均法の特徴をご紹介しましたが、この投資手法に向いている金融商品の一つにSBI FXトレードの「つみたて外貨」がありますので、詳細をご紹介します。

9-1. 条件に合わせて通貨を自動購入できる

SBI FXトレードの「つみたて外貨」は、積立FXの愛称です。以下の4つの項目から自分の方針を決めて申し込むだけで、定期的に通貨が自動購入されます。

  • 購入する通貨
  • 1ヶ月あたりの購入額
  • 購入頻度
  • レバレッジ

これら4つの項目を一度設定すれば、日々の価格を確認する必要や、取引のタイミングを判断する必要はありません。FX相場をこまめに確認する習慣がない方やFX投資に不慣れで売買タイミングが難しいと感じている方でも、気軽にFX投資が始められます。

また、FX投資では、証拠金として差し入れた金額の数倍の取引ができる「レバレッジ取引」が可能です。つみたて外貨では、レバレッジを1倍~3倍で設定することができます。

また、通貨ペアも米ドル/円、ポンド/円、豪ドル/円など、10通貨ペアの中から選択可能です。

9-2. 貯まったスワップポイントは活用できる

スワップポイントとは、取引する通貨間の金利差を調整するためのものです。売った通貨の利子より、買った通貨の利子の方が多い場合、その差額分を受けとれます。(反対に、買った通貨の利子より売った通貨の利子が多い場合は支払いが生じます。)

SBI FXトレードのつみたて外貨では、受け取ったスワップポイントを次のように活用できます。

貯める

貯めたスワップポイントは、外貨を売却した際に出金が可能です。

再投資

定期的に買い付けする金額に加え、スワップポイントを再投資の原資として利用できます。

分配

スワップポイントが1万円以上累積されると、自動的に銀行口座へ振り込まれます。

9-3. 充実のツール・サービスを用意

SBI FXトレードでは、充実した投資のために、さまざまなサービスを用意しています。

自動入金サービス

入金忘れを防ぐために、住信SBIネット銀行口座からの自動入金が可能です。なお、振込手数料は無料となっています。
※自動入金サービスは10,000円以上からの入金でご利用いただけます。

クイック入金サービス

SBI FXトレードの取引ツール上から、振込手数料無料で24時間入金手続きができます。
※クイック入金サービスは1,000円以上からの入金でご利用いただけます。

各種シミュレーション

FXおよび「つみたて外貨」の取引に必要な証拠金を計算できる「証拠金シミュレーション」や、証拠金規制が発生するレートおよびロスカットが発動するレートを計算できる「ロスカットシミュレーション」なども利用できます。

10. ドル・コスト平均法を上手に活用しよう!

ドル・コスト平均法とは、定期的に一定の金額で同じ投資対象を継続して購入する投資手法です。長期間投資を続けることで、購入価格の平準化ができ、値下がりリスクに強くなるというメリットがあります。

短期間で売買を繰り返して利益を得るのが難しいと感じる方や、時間をかけて資産を育てたいという方に向いている投資手法です。

また、FX投資に興味があるけれども、まとまった金額を投資するのが不安という方にもドル・コスト平均法はおすすめです。SBI FXトレードの「つみたて外貨」では、定期購入申込をすることで通貨を自動的に購入していきます。
また、ドル・コスト平均法によって長期的に購入価格を平準化させる効果があります。
さらに、「自動入金サービス」で毎月決まった日に入金することができ、入金忘れによる買付停止を防ぐことができるので、自動的に積立し続けることが可能です。
投資効率(レバレッジ)も1~3倍を選択できるため、リスクを抑えながら長期での為替投資が可能です。
口座開設は無料で出来るので、リスクを抑えた長期運用のFX取引に興味がある方はぜひご利用ください。

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この記事を監修した人

SBIリクイディティ・マーケット株式会社
金融市場調査部長
上田眞理人

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