FXの順張りと逆張りとは|エントリー方法の解説やインジケーターを紹介
目次
FXの「順張り」・「逆張り」とは
FXには「順張り」と「逆張り」の2つの取引方法があります。
順張り・逆張りは相対する取引方法ですが、どちらかが優れているということはありません。
投資家の性格によって、どちらを好むかは異なるでしょう。上手に使いこなすことで、利益を出す確率を上げることもできるはずです。
今回の記事では、FXにおける順張りと逆張りについて解説します。
FXの順張りとは
順張りとは、価格が上昇トレンドのときに「買い」、下落トレンドでは「売り」をする取引方法です。
現在のトレンドが引き続き同じ方向に進む想定で、流れに乗る形での取引方法です。どちらかというと素直な注文方法といえるのではないでしょうか。
順張りは、相場のトレンド(方向性)と同じポジションを持つため、どちらか一方向に相場が動く「トレンド相場」で有効です。特に息の長いトレンドが発生すると、利益を大きく伸ばせる可能性があります。
一方、トレンド相場ではなく、ある一定の値幅を行き来するような「レンジ相場」では、順張りだと十分な利益を狙うのが難しいといえます。
加えて、順張りではトレンドの見極めが重要です。上昇トレンドに入ったと考え「買い」をしたものの、すでに下落トレンドに入っていた場合には大きな損失を被る可能性があるからです。
FXの逆張りとは
「逆張り」とは、価格が上昇トレンドのときに「売り」、下落トレンドでは「買い」をする取引方法です。
順張りとは逆に、トレンドに逆らって売買するため、順張りに比べると難易度の高い取引方法といわれています。
順張りが「トレンド相場」に有効なのに対し、逆張りは一般的には「レンジ相場」に有効だといわれています。レンジの下限で「買い」、上限で「売り」をしていけば、理論上は効率的に利益確定していけるからです。
ただし、価格が下落しているからと逆張りで「買い」をしたものの、その後さらに下降トレンドに拍車がかかり急落してしまうと、損失が大きくなってしまうリスクがあるため、トレンド発生を見極める力が大切です。
なお、「トレンド相場」か「レンジ相場」かの見分け方は、順張りと同様にテクニカル分析やファンダメンタルズ分析で判断します。
順張りと逆張りの違い
順張りと逆張りは相対する取引方法のため、さまざまな違いがあります。
順張り | 逆張り | |
---|---|---|
取引方法 | トレンドに沿って売買する | トレンドに逆らって売買する |
得意な相場 | トレンド相場 | レンジ相場 |
メリット | 長期トレンドでは大きな利益を期待できる | 短期間で利益を狙える |
デメリット | トレンドを見誤ると損失を抱えるリスクがある | トレンドが発生すると、損失を抱えるリスクがある |
このような違いがある2つの取引方法ですが、どちらが優れているという指針はありません。
したがって「どちらが初心者向け・上級者向け」というものでもありません。順張りも逆張りも、相場の動きによっては、損失が出てしまうリスクがあります。
順張りと逆張り、2つの取引方法を試してみることで、自分に向いているのはどちらなのかを整理できます。また、可能であれば相場の動きに合わせて2つの取引方法を使い分けられると、売買の幅を広げることができるでしょう。
順張りのエントリー方法
トレンドに沿った売買をする「順張り」ですが、エントリーをする際にはタイミングに気をつけなければいけません。
タイミングを間違えると大きな損失が発生するため、エントリーのコツを覚えておくことは重要です。
順張りのエントリーのタイミング
順張りのエントリーのタイミングには大きく分けて2つあります。
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上昇トレンドの中でも一時的に下がったとき
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下降トレンドの中でも一時的に上がったとき
上昇トレンドの中でも一時的に下がったときに買うことを「押し目買い」、下降トレンドの中でも一時的に上がったときに売ることを「戻り売り」といいます。
「押し目買い」や「戻り売り」は、トレンドの流れに乗る感覚でエントリーする方法です
タイミングを図るのは、慣れるまでは難しいかもしれませんが、短い足のチャートを見ながらエントリーポイントを見極めましょう。
順張りのコツ
順張りをする際に覚えておきたいコツは、大きく分けて3つあります。
順張りのコツ
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積極派は「初動を狙う」
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慎重派は「トレンドの真ん中6~8割を狙う」
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トレンドフォロー系のツールを複数使う
積極派はトレンドが切り替わった初動を狙うことで、より大きな利益を狙うことができます。
慎重派は初動(最安値と最高値)を狙わずに、トレンドの真ん中6~8割を狙うようにしましょう。
また、トレンドを見極める際に活用される、 「移動平均線」や 「MACD」などのトレンドフォロー系のインジケーターを複数使うことで、より分析の確度を高められます。
逆張りのエントリー方法
順張りと同様に、逆張りをする際もエントリーのタイミングには注意が必要です。
特に逆張りはトレンドに反したポジションを持つため、エントリーのタイミングには特に気をつけた方がいいでしょう。もしも自分の思惑通りに相場が動かなかった場合には、大きな損失が出る可能性もあります。
ここでは逆張りのエントリーのタイミングのほか、逆張り時のコツを紹介します。
逆張りのエントリーのタイミング
逆張りのエントリーのタイミングには大きく分けて3つあります。
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レンジ相場の安値のとき・高値のとき
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短期的な急変動が起こったとき
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買われすぎ・売られすぎなとき
もっともベターなのは、レンジ相場における反転ポイントを狙って注文を入れる方法です。
経済指標の発表時や要人発言などで急変動が起こると、その後元の価格帯に戻りやすくなります。
例えば下方向に急変動が起こったら、下で買いを入れ、上昇して元の価格帯に戻ったタイミングで売りましょう。
また、 「RSI」や 「ボリンジャーバンド」といったインジケーターを使って、買われすぎ・売られすぎだと判断できたときにエントリーする方法もあります。
逆張りのコツ
逆張りをする際に押さえておきたいコツは、大きく分けて3つあります。
逆張りのコツ
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要人の発言や経済指標の結果発表時などに注意する
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利益確定は早めに
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損失が出る可能性を常に考えておく
要人がサプライズ発言をしたときや経済指標の結果発表時など、短時間で大きく価格が変動することがあります。逆張りではその変動したタイミングがエントリーチャンスになり得るため、情報を短時間で処理し、売買の有無を決める力が求められます。
逆張りをするチャンスは短いこともあるため、一瞬のチャンスを逃さず、素早く決断しましょう。
逆張りはトレンドと反対方向の売買注文をするため、いつトレンドが発生して損失が出るかわかりません。そのため、順張りに比べて利益確定は早めにする意識を持ちましょう。
「順張り」・「逆張り」の注意点
どんなにエントリータイミングやコツを理解したとしても、順張りや逆張りで100%の勝率を出すことは不可能です。
FXをする以上は、常に損失が出る可能性を考えておかなければなりません。
順張りや逆張りでの取引をする際に、覚えておいた方が良い注意点を紹介します。
順張りの注意点
順張りをする際に押さえておきたい注意点は3つです。
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トレンド終盤のエントリーに注意する
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「だまし」に注意する
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損切りラインを決めておく
トレンドが切り替わるタイミングでエントリーしてしまうと、すぐに反転して逆方向に向かうため、損失につながることとなります。エントリー後もトレンドが継続するかどうかの見極めを、自身でおこないましょう。
また、トレンド方向に価格が想定通りに伸びないなどの「だまし」が起こることもあります。そのような場合も含め、あらかじめ「いくらになったら損切りする」のかを決めておきましょう。
あらかじめ損切りラインを決めておかないと「きっと戻るはず」と根拠ではなく、感情で相場を判断してしまう恐れがあります。必ずエントリー前に損切りラインを決めておきましょう。
逆張りの注意点
逆張りをする際に押さえておきたい注意点は3つです。
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感覚で取引しない
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損失額が大きくなるリスクがあることを意識しておく
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損切りラインを決めておく
「なんとなく上がってきた(下がってきた)から」など、感覚で逆張りはやめましょう。なぜここで逆張りをするのか、しっかり根拠を持った上でエントリーしないと、勝因・敗因がわからず、振り返りもできません。
また、順張りと同様に「損切りラインを決めておく」ことが大切です。特に逆張りの場合はトレンドと逆行した売買を行うため、「損失額が大きくなるリスク」を常に頭に入れておく必要があります。
その意味でも、順張りと同じかそれ以上に損切りラインを決めることは重要です。
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インジケーターとは、売買のタイミングや今後の値動きなどを分析・予想するために活用するサポートツールのことです。
インジケーターはチャート上もしくはチャート下に表示され、視覚的にわかりやすい点が特徴です。インジケーターを使うことで、より確度高く、相場の分析ができるようになるでしょう。
今回はそんなインジケーターの中でも特に選ばれている4つを紹介します。
おすすめのインジケーター
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移動平均線
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RSI
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ボリンジャーバンド
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MACD
それぞれのインジケーターには、一長一短があります。またインジケーターで分析したからといって100%利益を出せるものではありません。
今回紹介するものも含めて、複数のインジケーターを併用し、判断に活用するようにしましょう。
移動平均線
「移動平均線」は、ある一定期間の終値の平均値を結んだ線のことで、最もポピュラーなインジケーターです。
例えば上の図は5日移動平均線といって、5日間の終値の平均値を結んだ線です。①~⑤の終値をAに記載し、続いて②~⑥の終値をBに記載します。このようにC・D・E・・・と記載し、それらの点を結んだ線が5日移動平均線です。
そんな移動平均線ですが、順張り・逆張りどちらにも活用可能です。順張りの場合は、移動平均線がきれいに傾いているかなどをチェックし、トレンドを判断・取引します。また、逆張りでは、例えば移動平均線と現在の価格との乖離率から、「買われすぎ」or「売られすぎ」を判断し、取引します。
RSI
「買われすぎ」or「売られすぎ」を判断できるインジケーターとしては 「RSI」も有名です。チャートの下に0~100%の数値で表示されます。
このRSIですが、逆張りに有効です。RSIが70~80%以上の場合は「買われすぎ」、20~30%以下の場合は「売られすぎ」と判断でき、逆張りができます。
RSIは、特にレンジ相場で活用できるツールです。上下変動を繰り返す相場の中で、チャートの折り返すタイミングを見計らいましょう。
ボリンジャーバンド
「ボリンジャーバンド」とは、価格の変動範囲の予想ができる、統計学を用いたインジケーターです。
ボリンジャーバンドは、下記画像のとおり「+1σ」「+2σ」「+3σ」「移動平均線」「−1σ」「−2σ」「−3σ」の7つの線で構成されています。
それぞれのライン内に収まる確率が以下のとおり異なります。
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+1σ〜−1σのライン内に収まる確率:約68.3%
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+2σ〜−2σのライン内に収まる確率:約95.5%
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+3σ〜−3σのライン内に収まる確率:約99.7%
このように、ボリンジャーバンドを使えば、この先の価格がどのラインまで変動するのかを確率で考えることが可能です。
そんなボリンジャーバンドはレンジ相場において、逆張りに活用できます。具体的な活用方法は、±1σ~±3σの各ラインを支持線・抵抗線と考え、価格が各ラインに来たときに売買するというもの。
例えば、+2σ〜−2σのライン内に収まる確率は、「約95.5%」です。そのため、価格はほとんどの確率で+2σ〜−2σのライン内で推移すると考えられます。そこで、価格が+2σ付近に来たら「売り」、−2σ付近に来たら「買い」をすれば、ボリンジャーバンド上では利益を上げられる可能性が高くなります。
さらに、ライン内に収まる確率が99.7%の±3σで同様の売買をすれば、利益を上げられる可能性はより高くなるといえるでしょう。
MACD
「MACD(マックディー)」とは、「MACDライン」と「シグナル」の2つの線を使用したインジケーターです。
MACDでは2つの線がどのように推移しているかで、売り買いのタイミングを測ることができ、2つの使い方で、一般的に順張りとして活用されます。
ゴールデンクロス=買いサイン
MACDラインがシグナルを下から上に抜いた状態になることを「ゴールデンクロス」と呼びます。これが発生したら、上昇トレンドと判断して買い注文をするタイミングと考えられます。
デッドクロス=売りサイン
MACDラインがシグナルを上から下に抜いた状態になることを「デッドクロス」と呼びます。これが発生したら、下降トレンドと判断して売り注文をするタイミングと考えられます。
まとめ
順張り・逆張りは相対する取引方法のため、メリットやデメリット、エントリーのタイミングなどが大きく異なります。
2つの取引方法をどちらも使いこなすことで、取引の幅を広げられますので、まずは先入観なく、実際に試してみることが大切です。
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