マーケット情報 米雇用統計レポート

2018/01/29

米雇用統計レポート

12月 米雇用統計レポート

12月雇用統計 結果

前回値予想値結果
失業者数 22.8万人増→25.2万人増 19.0万人増 14.8万人増
失業率 4.1% 4.1% 4.1%
時間給賃金(前月比) 0.2%→0.1% 0.3% 0.3%
時間制給賃金(前年比) 2.4% 2.5% 2.5%

12月雇用統計のポイント

① 就業者数は3ヵ月ぶりに20万人を下回った一方、前月分は上方修正
② 失業率は3ヵ月連続で4.1%とリーマンショック前を維持、ほぼ完全雇用
③ 時間給賃金は予想通り、前月分(前月比)は下方修正、低インフレ継続
④ 3月利上げの可能性は微妙、緩やかな利上げペースに株式市場は堅調
⑤ ネット販売増加の影響により実店舗を中心に小売業就業者は2万人減

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12月雇用統計前後のドル円の値動き(ドル/円 60分足)

雇用統計時USDJPYチャート12result.png

2017年就業者数は月平均17.12万人増と堅調を維持。
但し時間給賃金は伸び悩んでおり、理論上、FRBの掲げる物価目標2.0%達成には前年比時間給賃金上昇率3.5%前後が必要とされるだけにFRBの利上げペースを加速させるほどのインフレ期待が高まっておらずNY株式市場にとって良好な環境(景気回復、緩やかな利上げペース)が整っているとされるだけに、今後物価指数を注意深く見ていく必要がありそう。

今回(1月5日)の12月雇用統計予想

7月8月9月10月11月12月
非農業部門 就業者数 13.8 20.8 3.8 24.4 22.8 19.0
失業率 4.3 4.4 4.2 4.1 4.1 4.1
時間給賃金(前月比) 0.3% 0.2% 0.5% -0.1% 0.2% 0.3%
時間制給賃金(前年比) 2.6% 2.7% 2.9% 2.3% 2.5% 2.5%

12月雇用統計の注目点

①失業率は4.1%とリーマンショック前の水準を回復している状況にあり、就業者数への反応は一時的なものに留まると予想。こうした中で3月の利上げの有無を占う意味でも時間給賃金に注目。市場予想は前月比+0.3%、前年同月比+2.5%だが、前月比が予想を上回る+0.4%~+0.5%であればドル買いに反応、一方+0.2%と予想を下回る場合にはドル売りに反応すると予想。

②昨年12月にトランプ大統領の署名による税制改革法案の可決・成立がインフレ期待の上昇にどの程度影響を及ぼすのか、さらには時間給賃金が予想以上に上昇する場合、FRBの利上げペース(年3回予想)に影響を及ぼす可能性があるだけに注目。

③失業率が4.1%(予想、前月分)と歴史的低水準にありほぼ完全雇用の状態にありながらも、一段の改善が進むのか注目。

④米S&P500指数の向こう30日間の予想変動率を測る指数であるシカゴ・オプション取引所のVIX指数(恐怖指数)は、2017年を通じて長期平均である19を一度も上回ることがなかったほど、低ボラティリティー状態が続きましたが、今回の雇用統計でも低ボラティリティーが続くのか注目。

⑤ISM製造業景況指数は予想を上回る59.7と堅調を継続するも雇用指数は前月の59.7から57.0へ低下しており製造業の雇用改善が継続しているか注目。

⑥12月年度末に絡んだ米企業のポジション調整を消化した後だけに、米債券市場10年債利回りが税制改革期待もあって2.5%台まで再上昇するのか、低下が続くのかドル円の行方を占う上で注目。

12月雇用統計への注目指標

米国雇用統計関連指標前月分予想結果
12月ISM製造業景況指数(雇用指数) 59.7 59.0 57.0
12月ADP雇用統計(就業者数) 19.0万人 19.0万人 25.0万人
12月企業人員削減数(前年同月比) 30.1% - -3.6%