FXでは資金管理が重要?成功方法や損失を抑える注意点を紹介 | SBI FXトレード 

FXでは資金管理が重要?成功方法や損失を抑える注意点を紹介

FX初心者ガイド

UPDATE 2025.04.15
POST 2025.04.15

FXでは資金管理が重要?成功方法や損失を抑える注意点を紹介

1. FXの資金管理とは?

FXの資金管理とは、目標とする利益を得るために資金を管理することです。

具体的には、以下の計画を立てて取引を行うことを指します。

  • 1回当たりの取引で使う資金はいくらにするか
  • 狙う利益額はいくらにするか
  • 許容できる損失額はいくらにするか
  • レバレッジはいくらかけるのか
  • 取引が完了した後にはいくらの利益が見込めるのか

FX初心者の多くは資金管理ができていないために、取引で勝てないといわれています。損失を抑えて利益を得るためには、資金管理の実践が不可欠なのです。

FXでは「買い方」や「売り方」に意識が向きがちですが、最終的な目標は資産運用です。そのため、FX初心者は売買方法を追究するよりも、どうすれば資金が減らないのか、どうすれば資金を増やせるのか、しっかりとした資金管理術の習得から始めることが大切です。

2. FXの資金管理で重要ポイント

FXにおいて資金管理を怠ると、一回の取引で大きな損失を出す可能性があります。損失が出ると焦りが出てしまい、取り戻そうとして無理な取引を重ね、さらに損失が膨らむという悪循環に陥る恐れもあります。

FXで失敗しないためには、資金管理をしっかりと行い、冷静な分析に基づいて取引することが大切です。以下、FXの資金管理で重要な2つのポイントを押さえておきましょう。

  • 利確と損切ラインを決める
  • トレード1回の取引数量を決めておく

それぞれ詳しく解説します。

2-1. 利確と損切ラインを決める

利確と損切りのラインを決めておくことで、感情に左右されず、ルールに基づいた取引ができます。利確とは、一定の利益が生じたらそのタイミングで決済すること、損切りとは、一定の損失が生じたらそのタイミングで決済することです。

利確と損切りのラインの目安は、トレード方法によって異なります。損切りラインは、直近の安値やサポートラインなど、価格が反転する可能性のあるポイントに設定することが大切です。

なお、多くのトレーダーが、口座の資金に対して、一回の取引でリスクを2%以内になるように損切ラインを決める「2%ルール」を採用しています。

このルールは、例えば100万円の資金でトレードする場合、含み損が2万円に達したら損切りを行います。以下は、資金100万円で損切りを5回連続した場合の資金残高です。

1回目 2回目 3回目 4回目 5回目
2%減 98万円 96万400円 94万1,192円 92万2,368円 90万3,920円
5%減 95万円 90万2,500円 85万7,375円 81万4,506円 76万9,980円
8%減 92万円 84万6,400円 77万8,688円 71万6,393円 65万9,081円

損切りラインを8%に設定すると、5回損切りした場合の残高は65万9,081円と、約35万円も失ってしまうことになります。一方、損切りライン2%の場合は5回損切りしても90万3,920円です。

2%ルールでリスクを限定することにより、損失を抑えながらトレードすることができるでしょう。

また、利確ラインは損切りラインよりも高く設定することが重要です。なぜなら、勝率が低い場合でも利益を残しやすくなるからです。損切りラインからの値幅の等倍、もしくはそれ以上を目安とし、リスクリワード比率が1より大きくなるように設定しましょう。

利確と損切りのラインを事前に決めておけば、感情に左右されることなく、1回の取引で大きな損失を被ることを避けられます。FX初心者は特に意識しておきたい重要なポイントです。

2-2. トレード1回の取引数量を決めておく

FXにおける取引数量とは、取引通貨の量を表す単位のことです。取引数量によって1pipsの価値が変わり、それが利益や損失につながります。pipsとは、通貨ペアの値幅を表す最小単位のことです。

取引数量が多いほど利益も多く得られますが、その分損失リスクも高くなります。そのため、リスク管理を徹底した上で自分の取引スタイルに合わせて取引数量を決めることが大切です。特にFX初心者には、少額から取引を始めることをおすすめします。

スキャルピングでは、短時間で小さな値幅のトレードを繰り返すため、取引数量を上げることで効率的に利益を狙います。取引1回当たりの損失を資金全体の1%から2%程度に抑えることが推奨されています。

一方、デイトレードでは、1日の中で取引を完結させるため、スキャルピングよりも損失リスクが高くなります。そのため、取引数量を落とすことが一般的です。

さらに、スイングトレードでは数日から数週間かけて利益を狙う分、損失のリスクが高くなります。そのため、デイトレードよりも適正取引数量は小さくなります。

あくまで目安ですが、証拠金10万円で1ドル=150円の場合の例を挙げます。

まず、FXでは最大25倍のレバレッジをかけることができるため、250万円分の取引が可能です。

10万円 × 25倍 = 250万円

次に、取引可能金額を現在の米ドル/円レートで割ることで、実際に取引可能な通貨数を計算できます。計算式は以下の通りです。

250万円 ÷ 150円 = 約16,667ドル

したがって、証拠金10万円で取引可能な数量は約16,667ドルとなります。この数量をもとに、利確、損切り、推奨取引数量を以下の取引手法に当てはめてみましょう。

トレード手法 利確(pips) 損切り(pips) 推奨取引数量(ドル)
スキャルピング 20 10 10,000
デイトレード 50 25 5,000
スイングトレード 300 100 2,000

トレード手法に応じて取引数量を設定することで、資金管理をしっかりと行いながら効率的に利益を得られるでしょう。

3. 1回のトレードリスクの計算方法

FXの資金管理では、1回のトレードにおけるリスクコントロールが重要です。FXは大きなリターンが期待できる一方で、為替変動のリスクが生じるからです。

1回のトレードにおけるリスクは、以下の計算式で求めることができます。

保有したポジションの大きさ×損切り水準

トレードリスクの計算は、ポジションの大きさと損切り水準に基づいて算出します。例として、米ドル/円で10万通貨を保有し、損切りが60Pipsの場合、リスクは6万円になります。なお、ポジションを5万通貨に減らすと、リスクは3万円に減ります。また、損切り水準を30Pipsに狭めることで、10万通貨保有時のリスクを3万円に抑えられます。

このように、ポジションサイズと損切り水準を調整することで、リスク管理を行うことができます。

4. FXの資金管理で注意すること

資金管理を意識しても、必ずしも勝てる訳ではありません。場合によっては、期待していた結果が得られないこともあります。

実際の取引で効率的に利益を上げていくためには、資金管理をする際に以下の3つに注意する必要があります。

  • 経済指標の発表時に注意
  • 感情的にならない
  • 証拠金維持率を高く保つ

それぞれ詳しく解説します。

4-1. 経済指標の発表時に注意

為替相場は、経済指標の発表時に値動きが激しくなる傾向があります。その他にも、大規模な政治・経済イベントの開催や国際情勢に影響を与える事件、災害の発生などでも為替相場は激しく変動します。そしてこの時、スリッページやスプレッドの拡大など、想定外の事態が発生することに留意しましょう。

スリッページとは、注文価格到達時刻と約定時刻のタイムラグによって生じる価格差です。マーケットは常に変動しているため、注文価格到達のタイミングで相場が急変動し、注文価格と約定時の価格に差が生じることがあります。

スプレッドとは、同じ通貨ペアでも、買う時の価格と売る時の価格の差のことを言います。これは、海外旅行に行くために両替をして、余った外貨を日本円に戻す場合と同じ仕組み。FXでは売買の度にスプレッドによる差額が生じ、それが実質的な取引コストでもあります。スプレッドの値はFX会社によって異なり、差額が小さいほど取引コストを抑えられます。経済指標の発表で為替相場が変動すると取引コストが増えるため注意しましょう。

また、相場が急変した時は、スプレッドが拡大することによってロスカットになることがあります。ロスカットは一定以上の損失を避けられる一方で、証拠金よりも損失が上回る状況が発生することもあるため、証拠金には余裕を持たせておきましょう。

4-2. 感情的にならない

FXでは、メンタルがトレードに影響を与えます。人は感情を伴う生き物。勝てばうれしい一方で、負けたら悲しさや悔しさがこみ上げるでしょう。しかし、その時の感情に振り回されると適切な判断ができなくなり、損失が大きくなることがあります。

FXで感情的にならないためには、細かい損益よりも、自分が決めたトレードルールにしたがって資金管理をすることが大切です。自分のトレードルールが定まっていれば、あらゆる場面でルールに則った行動がとれるからです。想定外の事態が発生しても、損失を最小限に抑えることができるでしょう。

また、たくさん取引をして経験を積むことも大切です。特に経験が浅いFX初心者は、最初のうちは損失を出すと取り乱してしまうことがあります。しかし、何度も同じ経験を積めば慣れてきて、取り乱した時と同じくらいの損失を被っても、動じにくくなるでしょう。

取引中にどうしても感情的になる方は、一旦ポジションを閉じて相場から離れることも効果的です。感情的なまま取引をしても、良い成果は出ないでしょう。今すぐ取引できなくても、利益を得られる場面はそれ以後もたくさんあるはずです。取引中にどうしても感情的になってしまう場合は、勇気を持って相場から離れてみましょう。

さらに、取引数量を減らすことや、余剰資金だけで取引することでリスクを軽減し、落ち着いた判断ができるようになるでしょう。

4-3. 証拠金維持率を高く保つ

レバレッジとは、少ない資金でまとまった金額を取引できる仕組みです。国内FXの最大レバレッジは25倍、つまり、100万円の資金で最大2,500万円の取引ができるということです。

しかし、レバレッジは高いほど損失リスクが大きくなるため、少しの値動きで大きな損失を抱えるおそれがあることに注意しましょう。損失を抑えるためには、証拠金に対して取引数量を少なくすることが大切です。

例えば、1ドル=150円の時に150万円を使って米ドルを購入したとすると、1ドル=149円に値下がりした場合、それぞれのレバレッジに応じて以下の損失を抱えることになります。

レバレッジ 損失
1倍 1万円
5倍 5万円
10倍 10万円
20倍 20万円
25倍 25万円

失敗するFX初心者に多い特徴の一つが、レバレッジを高く設定することです。

FXで利益を出せるようになってくると、「今度はもっと大きなリターンを得るために、より高いレバレッジを設定しよう」と考え始めます。しかし、先述した通り、レバレッジは高いほど損失リスクも大きくなるため、FX初心者が高いレバレッジでトレードを繰り返すことはおすすめできません。

FX初心者のうちは、レバレッジを5〜10倍程度に抑え、証拠金と取引数量を調整してリスクを管理することが大切です。

5. FXの資金管理について学ぶ方法

FXを学ぶには、身近な経験者に教えてもらうことも一つの手です。しかし、それだけに頼り切っていては、FXを行う上で大切な状況判断力や自己解決力は伸びません。知人に教えてもらった場合でも自ら勉強し、独自の視点や学びを活かすことが大切です。

FXの資金管理を効率的に学ぶためのポイントは、自分のライフスタイルに合った勉強方法を選ぶことです。その上で、初心者向けのツールやコンテンツを活用し、知見を深めましょう。

FXの資金管理について学ぶ方法は下記があります。

  • トレード記録を付ける
  • WEBサイトで学ぶ
  • FX専門のYouTubeチャンネルで学ぶ
  • 本で勉強する
  • 少ない数量で試してみる

いずれも、低コストで今すぐできます。ぜひ取り組んでみて下さい。

以下、それぞれ詳しく解説します。

5-1. トレード記録を付ける

トレード記録とは、日々のトレード結果や為替相場の状況、エントリーした背景などを記録として残すことです。

FXでは、トレードが終わったら結果を振り返ることが非常に重要です。なぜなら、新規ポジションを建てた理由や決済のタイミング、感情の変化などを記録することで、自分のトレードの強みや弱みがつかみやすくなるからです。それにより、自分のトレード手法や勝ちやすいパターンなども分析できます。ぜひ活用して、取引の改善に役立てましょう。

トレード記録は、手書きのノートやエクセル、専用のアプリなど、さまざまなツールで残すことができます。手書きのノートの場合は、データの分析には向いていませんが、自分の感情や考えを記すことができます。一方、エクセルや専用のアプリは、自分の思いを言語化できませんが、データの分析やグラフ化が容易にできます。

また、トレード記録に残す項目は、以下が一般的です。

  • エントリーした時間や通貨ペア
  • エントリーした価格
  • エントリーした理由
  • 利益確定ライン
  • 損切りライン
  • 結果(利益か損失か、証拠金の残りなど)
  • 反省、振り返り

トレード記録は、資金管理とトレード上達の両方においてメリットがあります。特にFX初心者は、綿密にトレード記録をつけることをおすすめします。

5-2. FX専門のWEBサイトで学ぶ

FXを無料で学びたい方や隙間時間で手軽に勉強したい方は、FX専門のWEBサイトがおすすめです。

WEB上には、銀行やFX会社等が発信している情報が豊富にあります。基礎知識や用語解説、難易度の高いトレード手法まで、ニーズに合った情報をすぐに入手できます。

キーワード検索すれば、自分が知りたいことや、それに関連したさまざまなコンテンツが見つかるでしょう。

特に、証券会社が運営するメディアは、取引に役立つ最新情報やオリジナルのレポートなどが掲載されていることもあり、学びに活かせるコンテンツが豊富です。

WEB上で閲覧できる記事は、無料でありながら書籍と同等、もしくはそれ以上の知識を得ることができます。忙しくて本を買ったり読んだりする時間がない方は、ぜひWEBメディアで学んでみて下さい。

5-3. FX専門のYouTubeチャンネルで学ぶ

YouTubeなどの動画配信サービスでは、FX初心者向けの情報も多数配信されています。映像と音声で構成される動画なら、視覚的に分かりやすく知識を蓄えられるメリットがあります。気になるFX系のYouTuberがいれば、チャンネル登録して、視聴してみましょう。

FXを題材としたYouTubeチャンネルの中には、登録者数10万人を超える人気チャンネルもあり、初心者向けから上級者向けまで、学びのあるコンテンツを配信しています。このような動画ではプロ目線のトレードを映像で学べるため、より実践に活かせるでしょう。

YouTubeなどの動画は、電車やバスなどに乗っている間でも視聴可能ですし、家事をしながら音声を聞いて学びを深めることもできます。まとまった時間が取れない方や、隙間時間を有効活用したい方にはおすすめの勉強法といえます。

5-4. 本で勉強する

FX初心者向けの入門書は、多数出版されています。じっくりと知識を深めたい方には、本を複数冊読むことをおすすめします。

本は、編集者によってWEB上の情報よりも体系的にまとめられています。難しい専門用語も分かりやすく解説しているため、基本からしっかり学べるでしょう。

FXの本の中には、イラストを使って図解したものや、マンガで分かりやすく解説しているもの、有名トレーダーが書いたものなど、さまざまな本があります。まずは、自分が「読みたい」と思った本から読んでみましょう。興味を持てる本でないと、内容が頭に入りにくくなります。

FXの本は書店で買えますが、忙しく書店に行く時間がない方にはネットショッピングがおすすめです。ネットショッピングなら関連する本をまとめて検索できますし、どのような内容か、レビューで確認することもできます。

5-5. 少ない数量で試してみる

まずは、少ない数量で試してみることが大切です。FXは元手が多いほど利益も高くなりますが、その分、負けた時の損失も大きくなってしまいます。

一度損失が出ると、取り戻すためには損失以上の利益を出す必要があります。しかし、取り戻せなかったら当然、損失は膨らむばかりです。生活費や貯金にまで手を出してしまうと破産する恐れがあるため、FXは余剰資金から始めることが前提にあります。

特に初心者は少ない数量から始め、さまざまケースを経験して慣れてきたら、少しずつ数量を増やしましょう。

6. FXの資金管理をシミュレーションできるツールやアプリはある?

FXの資金管理を簡易的にシミュレーションできるツールやアプリの活用もおすすめです。資金管理シミュレーションを活用すれば、リスクを最小限に抑えつつ、取引の精度を高めることができます。

資金管理シミュレーションを活用すれば、どの程度のリスクを取るべきか、どのくらいの損失に耐えられるか、事前に把握できます。そのため、過度なリスクを避けた上で計画的な取引が実現します。

また、シミュレーションを繰り返すことで、市場の動きやパターンをより深く理解できます。マーケットの変動に対して迅速かつ適切に対応できるスキルも習得できるでしょう。

さらに、最大のリターンを得るための資金分配方法も学べます。適切なポジションサイズやレバレッジの効果的な利用をシミュレーションすることで、資金の効率的な運用が可能です。

近年は、無料で利用できる取引数量の計算アプリも多数リリースされています。なお、SBI FXトレードでは、以下のシミュレーション機能が提供されています。

  • 証拠金シミュレーション...FXとつみたて外貨の取引に要する証拠金を計算
  • ロスカットシミュレーション...証拠金規制発生価格とロスカット発動価格を計算
  • スワップポイントシミュレーション...1ヶ月分・1年分・3年分・5年分・10年分をグラフで表示し、スワップポイントの積み重ねを視覚的に確認できる
  • つみたて外貨シミュレーション...つみたて外貨の運用のシミュレーション

これらのシミュレーションを活用すれば、どこでも簡単に適切な取引数量をすばやく算出することができ、「計算をしていたがためにエントリーに乗り遅れた」といった機会損失も防げます。

7. まとめ

FXの資金管理は、損失リスクを抑え、効率的に利益を得るための重要なプロセスです。FX初心者にとっては難しい側面があるかもしれませんが、資金管理のスキルは、預金管理などにも役立てることができるでしょう。

FX初心者には少額から取引することをおすすめします。少額の取引は大きなリターンを見込めませんが、大きな損失を避けられることに加え、資金管理の練習にもつながるからです。

資金管理のポイントは、利確と損切りのラインを決め、トレード1回の取引数量をあらかじめ設定しておくことです。自分のトレードルールを設けることで、想定外の事態に直面しても感情的にならず、冷静に対応できるようになります。

資金管理を徹底し、安全かつ安定的な取引を目指しましょう。

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この記事を監修した人

SBIリクイディティ・マーケット株式会社
金融市場調査部長
上田眞理人

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