UPDATE 2025.03.24
POST 2025.03.24
日本では長期にわたる低金利の影響もあり、より高いリターンを求めて外貨投資(為替投資)に興味を持つ方が増えています。外貨投資は、金利の高い海外通貨で資産を運用でき、さらに為替変動で利益を得られる可能性がある点などが魅力です。
本記事では、外貨投資の基本的な仕組みからリスク、外貨建て商品の種類・特徴を解説します。外貨投資に関心を持つ方は、ぜひ参考にしてみてください。
外貨投資(為替投資)は、外国通貨を利用して資産を増やす手段の一つです。外貨投資でうまく利益を獲得するためには、投資を始めるタイミングが重要になります。外貨投資の基本的な仕組みや、投資を始める適切なタイミングについて解説します。
外貨投資 (為替投資) は、異なる国の通貨を取引して、金利収入や為替差益の獲得を目指す投資方法です。外貨投資では、米ドルやユーロ、ポンドなどの主要通貨をはじめとするさまざまな外国通貨を対象にします。
外国通貨は、各国の経済状況や金融政策により、それぞれ金利水準が異なります。金利が高い通貨を保有すれば、保有期間に応じて金利収入を得ることが可能です。
また、各国の経済状況や政策の変化、通貨に対する需給の変化により、異なる通貨同士の交換レート(為替レート)は常に変動します。もし、外国通貨の為替レートが保有期間の間に上昇すれば、為替差益を得られます。
外貨投資において、為替変動による利益を獲得するためには、投資開始のタイミングがとても重要です。外貨投資を始める際には、投資対象とする通貨の価値が今後どう変動するかを予測し、値上がりが期待できるタイミングで投資する必要があります。
ただし、円高が進行すると損失を被るリスクもあります。外貨投資を始める際には、為替市場の動向を注意深く観察し、適切なタイミングを見極めることが重要です。
外貨投資(為替投資)にはさまざまなメリットがあります。高金利通貨を利用した投資や、複数の通貨を用いる分散投資の利点が挙げられます。円安のタイミングで利益を得るチャンスがある点も魅力的です。外貨投資のメリットに魅力を感じる方は、ぜひ投資を始めてみてください。
外貨投資(為替投資)の最大のメリットの一つは、高金利通貨へ投資すれば、円建て資産よりも高い利回りを期待できる点です。2025年1月現在、米ドルやユーロ、ポンドなど多くの外国通貨は、日本円と比較して高い金利水準となっています。
こうした外国通貨を長期で保有し続ければ、潤沢な金利収入の獲得が可能です。ただし、外国通貨の金利水準は、その国の経済状況や金融政策によって変化します。今後も高金利が継続するかについて不確実性がある点には、注意しましょう。
外貨投資では、複数の外国通貨を保有することで分散投資が可能です。投資においてリスクを軽減するためには、投資先を分散するのが有効な戦略となります。
外国通貨は、それぞれ金利水準や値動きの特徴が異なるため、複数の通貨を保有するとリスク分散の効果が期待できます。値動きが異なる通貨を組み合わせて投資を行うことで、一つの通貨が値下がりしても他の通貨で損失を補える可能性があります。
外貨投資では、日本円から外貨に交換した時点よりも、円安が進行したタイミングで外貨を円に戻すことで、為替差益を得られます。
例えば、1ドル=150円で外貨を購入し、その後円安が進行して1ドル=160円になった場合、10円分の為替差益が得られることになります。為替レートの動向を予測し、適切なタイミングで取引を行うことが重要です。為替市場の動向を継続的に観察し、適切に投資判断をする必要があります。
外貨投資には、いくつか留意すべきデメリットもあります。預金保険制度の対象外である点や、為替変動による損失リスクがあること、多くの円建て金融資産同様で取引にコストがかかる点などに留意が必要です。外貨投資を検討する際には、これらのデメリットやリスクを理解しておきましょう。
外貨預金は、一般的な円預金とは異なり、預金保険制度の対象外です。万が一金融機関が破綻した場合には、外貨預金の資産は保護されず、投資家は全額を失うリスクを負います。
預金保険制度とは、金融機関が破綻した際に、預金者の資産を一定額まで保証する制度です。外貨預金や外貨建ての商品はこの制度の対象外となっているため、特に注意が必要です。金融機関の信用度やリスクを評価し、信頼できる先に資産を預けることが重要です。
ただし、FX取引においては、国内業者であれば資産は信託保全されています。万が一証券会社やFX会社が倒産しても、差し入れた証拠金や取引で得た金利収入、含み益は保護されます。
外貨投資において、為替レートの変動により損失が発生する可能性があります。例えば、円から外貨に投資する場合、外貨に交換した時点よりも円に戻す時の為替レートが円高であれば、為替差損が発生します。
為替レートの動向によっては、大きな損失が発生する可能性もあるのです。
外貨投資は、投資対象とする国の政治・経済情勢に大きく左右されます。ある国の経済が不安定になると、その国の通貨の価値が急激に変動するリスクがあります。特に、新興国の通貨は先進国に比べて国内外の情勢の影響を受けやすく、値動きが激しくなりがちです。
外貨投資を行う際には、投資対象国の経済状況や政治情勢を常に注視し、リスク管理を徹底することが求められます。地政学リスクなど、突発的な要因による値動きには十分に注意を払いましょう。
外国の株式・債券などに投資する時には、為替レートの変動が投資損益に影響を与える場合があります。こうしたリスクを低減する手段として「為替ヘッジ」があります。為替ヘッジを活用すれば、為替変動によるリスクを抑えて安定した投資成果を目指すことが可能です。
為替ヘッジは、為替リスクを低減するための手法です。将来交換する通貨の為替レートを事前に固定することで、為替変動による損失を防ぐ仕組みです。例えば、将来的に円高が予想される場合、為替先物予約で将来の交換レートを固定すると、円高による損失を抑えられます。
外国株や債券など、為替取引をともなう外国資産に投資する時には「為替ヘッジあり」と「為替ヘッジなし」のどちらで投資するかを検討しましょう。ヘッジなしの場合、為替レートの変動により利益拡大が期待できる反面、損失リスクも高まります。
「為替ヘッジあり」なら為替変動の影響を抑えられますが、ヘッジコストがかかるため、その分利益が縮小する可能性があります。
為替ヘッジのメリットは、円高による損失を回避できる点です。特に、投資先の値上がり益や金利収入を、為替変動の影響を受けずに確実に受け取りたい場合に有効です。その反面、金利の低い通貨を売って金利の高い通貨を買う場合にヘッジコストがかかる点が、為替ヘッジを利用する上でのデメリットといえます。
ヘッジコストは、金利差に基づくスワップポイント(またはフォワードレート差)から生じます。このため、金利差が大きい通貨ペアでは、ヘッジコストも高くなる傾向があります。例えば、円を売ってドルを買う場合、ドルの金利が円の金利を上回るため、その差額がコストとなります。
仮に為替変動の影響がない中で同一の外国資産に投資した場合、ヘッジコストの分だけ「為替ヘッジあり」の方が「為替ヘッジなし」よりもリターンは低下します。また、為替ヘッジを利用すると、円安による為替差益を得るチャンスを逃してしまう点も、デメリットの一つです。このため、為替ヘッジを行うか否かは、投資家のリスク許容度や金利動向を考慮して慎重に判断する必要があります。
外貨投資にはさまざまな種類があり、それぞれ異なるリスクとリターンがあります。ここからは、代表的な外貨投資の種類とその特徴をご紹介します。リスク・リターンや資産の特徴をもとに、自分に合った投資手法を検討してみてください。
外貨預金は、銀行などの金融機関で円を米ドルやユーロなどの外貨に交換し、普通預金や定期預金で運用する方法です。円預金と似た形で、預け入れた金額に対して金利がつきます。近年は日本円の預金金利が低いため、外国通貨の方が相対的に高い金利を期待できます。
長期間預けることで金利収入が積み重なり、資産を増やすことが可能です。ただし、預け入れを始めた時より円に戻す時に円高になっていると、為替損失が発生するので注意しましょう。
また、多くの金融機関では外貨預金にコストがかかります。預け入れや円に戻す際には、コストを負担しても利益が得られるかを判断することが大切です。
外国債券投資は、外国の政府や企業が発行する債券を購入する方法です。債券を保有していると定期的に利息を受け取ることができ、満期になると元本が戻ってきます。
ほとんどの外国債券は外貨建てで発行されるため、購入時と満期時の為替変動により損益が変化します。円安が進めば投資収益が拡大する反面、円高になれば収益が縮小したり、かえって損失が発生したりするリスクがあるのです。
外国債券は、長期で安定した収益を得たい投資家にとって魅力的です。金利収入を定期的に得られることから、安定したキャッシュフローが期待できます。
ただし、債券の出し手(発行体と呼ぶ)である企業・政府が破たんした場合には、元利金の支払いが滞り大きな損失が発生します。発行体の信用リスクや財務状況を踏まえて、投資の是非を判断しましょう。
外国株式投資は、海外の企業が発行する株式を購入する投資方法です。海外企業の株式は、基本的に株式の発行国の通貨で取引されます。
株を保有している間に株価が上昇すれば、値上がり益を獲得できます。また、株の保有を継続すると、定期的に配当金を受け取れます。
ただし、為替変動の影響を受けるのは他の投資方法と同様です。現地通貨ベースで株価が上昇していても、円高により利益が縮小したり、損失が発生したりするリスクがあります。逆に円安になれば、株の値上がり益、配当収入は共に拡大します。
また、海外企業に関する情報収集が難しく、比較的投資リスクが高い投資方法である点には注意が必要です。投資先の業績や経済環境の悪化が進めば、そもそもの株価が下落して損失を受けるリスクもあります。
投資信託は、運用会社が運用するファンドを通じて複数の資産に分散投資する方法です。外貨建てMMFや海外ETFの中には、多数の海外債券・株式に分散投資する商品があり、手軽に海外資産で分散投資を行えます。
また、国内の投資信託の多くは、日本円で売買されますが、海外資産に投資する投資信託であれば、間接的に為替変動の影響を受けます。
海外資産に投資する投資信託の基準価額(投資信託の価格)は現地通貨ベースの投資先の資産の変動と為替変動のかけ算で変化します。例えば、米国の株価指数S&P500に連動するインデックス投信の場合、S&P500の変動だけでなく、米ドルと円の変動によって基準価額が動きます。円安が進めば上昇圧力が、円高が進めば下落圧力がかかるのです。投資家は基準価額の上昇・下落という形で間接的に為替変動の影響を受けています。
投資信託によっては「為替ヘッジあり」「為替ヘッジなし」を選べるタイプもあります。為替変動による影響を抑えつつも、海外資産に投資したい時には、為替ヘッジありを選択しましょう。
FX(外国為替証拠金取引)は、一定の証拠金(保証金)を預けて、その何倍もの金額で為替取引を行う投資方法です。証拠金より大きな規模で取引を行う仕組みを「レバレッジ」と呼びます。
レバレッジ効果により、少ない資金で大きな利益を狙うことができますが、その反面、損失リスクも大きくなる可能性があるのが特徴です。FXでは、ロング(買い)・ショート(売り)の双方の取引を柔軟に実行できます。
例えば、円高が進むとの見通しを持つ投資家は、円に対して外国通貨を売る(ショートする)ことで、円高局面でも収益獲得が可能です。また、業者によっては、ユーロ/米ドルやユーロ/ポンドといったように、外貨同士の組み合わせによる取引も可能なため、取引の幅が広がります。
外貨投資(為替投資)では、外国通貨の金利や為替変動によって、円建てでの投資より大きな利益を得られる可能性があります。その反面、為替差損や手数料により損失が発生するリスクもあります。外貨投資の仕組みを正しく理解した上で、投資の是非を判断しましょう。
外貨投資にはさまざまな種類があり、それぞれにリスク・リターンや特徴が異なります。外貨預金、外国債券、外国株式、投資信託、そしてFXなどの投資方法から、自分に最も適した投資方法を見つけることが、成功の鍵です。
特に、為替取引に興味がある方は、FXのような手軽に始められる外貨投資方法も検討してみてください。SBI FXトレードは業界トップクラスとなる「34種類」の通貨ペアがあり、1通貨単位から取引できるため、非常に少ない資金からFX取引が可能です。また、スプレッドは業界最狭水準となっており、利益を上げやすい環境が整っているため、初心者の方にも安心してご利用いただけます。
SBI FXTRADE
FX(外国為替証拠金取引)は異なる通貨を売買し、売買時のレートによって生じた差額で利益を出そうとする取引です。
SBI FXTRADEは、スプレッドやスワップポイント、通貨ペア数など、業界最良水準のサービスをご提供しています。また、初心者の方から、上級者までご満足いただける取引ツールをご用意しております。
この記事を監修した人
SBIリクイディティ・マーケット株式会社
金融市場調査部長
上田眞理人