UPDATE 2024.12.18
POST 2021.10.08
FX市場は東京に限らず、ウェリントン・シドニー・ロンドン・ニューヨークなど、世界各国で取引が行われています。
そのため、月曜日から金曜日であれば原則24時間取引が可能で、取引時間の自由度が非常に高いのが特徴です。
基本的に日中のみ取引可能な株式取引に対し、自分のライフスタイルに合わせて投資できる点が、FXの大きな魅力の一つです。
相場の動きは世界の主要となる市場のオープン時間に合わせて活発になりますが、取引を行う時間帯には注意する必要があります。
相場が活発に動く時間帯や値動きが激しくなる時間帯を理解し、慎重に取引することが重要です。
この記事では、「FXの取引可能時間」「相場が活発に動く時間帯」「取引のタイミングや時間帯における注意点」などについて詳しく解説していきます。
FXは、24時間相場が動いています。東京市場が閉まっている時間帯でもロンドンやニューヨークなどの市場が開いており、世界のどこかで絶えず通貨の売買が行われているためです。
ここでは、FXで取引できる時間帯と取引できない時間帯について解説します。
FXは月曜日から金曜日であればほとんどの祝日を含め、ほぼ24時間取引可能です。
日本の株式市場である東京証券取引所では、取引可能な時間帯が午前と午後でそれぞれ決められています。午前の部にあたる「前場」は平日9時〜11時30分、午後の部にあたる「後場」は平日12時30分〜15時30分までとなっており、取引可能な時間帯は1日の間で5.5時間しかありません。
一方、FXは東京市場が閉まっていても、シドニー・ロンドン・ニューヨークなどの世界各地で外国為替市場が入れ代わり立ち代わり開かれているため、事実上ほぼ24時間取引可能なのです。
ただし、FX口座への振込入金は、金融機関などの都合もあり、翌営業日の反映となることがあるため注意が必要です。
FXでは、基本的に土日は取引ができません。これは世界各地の外国為替市場が一斉に休場となるためです。
ただし、イスラム圏では土日ではなく金曜日が休日となっている地域がある関係で、中東のごく一部では土日でも取引が行われています。そのため、主要な市場が休場していても、為替相場は変動し続ける可能性があるため注意が必要です。
取引できない時間帯はFX会社によって異なりますが、概ね土曜日の朝5時30分もしくは6時30分に取引が終了し、翌月曜日の朝7時から開始される傾向にあります。
また、取引時間外に大規模な災害や重大事件などが発生した場合、週明けに価格が急激に変動する場合があることも理解しておく必要があります。
カレンダー上では祝日であっても、月曜日から金曜日であれば取引可能です。ただし、いくつかの注意点があるため、ここで解説します。
年間を通して、元日(1月1日)だけはどこの市場でも取引ができません。世界共通の祝日であり、外国為替市場が一斉に休場となるためです。
ただし、FXの取引スケジュールは欧米に準じているため、取引できないのは元日(1月1日)のみとなっており、1月2日からは取引が再開されるのが一般的です。
1月2日の取引開始時間はFX会社によって異なりますが、概ね朝7時頃に設定されています。
クリスマスである12月25日は、通常よりも取引時間が短縮されるため注意が必要です。日本は祝日ではありませんが、欧米の多くの地域で祝日となるためです。
特に、取引量の多いロンドン市場・ニューヨーク市場が休場になることで、取引参加者と取引量が激減するため、通常時よりも大きく流動性が低下する傾向にあります。流動性が低下すると、注文が約定しにくくなったり、突発的な値動きに巻き込まれたりするリスクが高まるため、取引は控えるのが賢明です。
FX会社は定期的にシステムのメンテナンスを実施しており、このメンテナンス中はシステムが停止するため取引ができません。
メンテナンスの周期や時間帯はFX会社によって異なるため、必ず利用しているFX会社のスケジュールを確認しておきましょう。また、状況に応じて定期メンテナンス以外に臨時メンテナンスが実施されたり、通常よりもメンテナンスが長引いたりすることもあるため、FX会社のメンテナンス情報は常にチェックしておくことが大切です。
為替市場は、一日を通してさまざまな国の市場がリレー方式でオープンとクローズを繰り返していますが、特に値動きが活発になりやすい時間帯があります。
相場が動きやすいのは、各市場がオープンする時間帯です。
FXで効率よく利益を狙うには、値動きが活発になる時間帯を意識することが重要です。ただし、相場が活発に動くということは、利益だけではなく損失も拡大しやすいことを意味するため、注意が必要です。
特に、値動きが活発になりやすいオープン前後は、リスクを十分に踏まえた上で、慎重に取引を行うことが大切です。
ここからは、各市場で値動きが活発になる時間帯やその特徴などについて解説します。各市場の特性を理解し、取引に活かしましょう。
日付が変わってから一番早く動き出すのはニュージーランドのウェリントン市場で、日本時間の朝5時頃から取引がオープンし、その後シドニー市場が朝7時頃にオープンします。
市場参加者は基本的には少なめで、あまり値動きのない時間帯です。
しかし、週末に市場に影響を与える出来事や中央銀行総裁会議などがあった場合、一番早く反応します。
そのため、週末に大きなニュースがあった後の月曜日の早朝は価格が乱高下するリスクがあるため、十分に注意が必要です。
ウェリントン市場、シドニー市場に続いて、朝9時頃には東京市場がオープンします。日本のほかに、中国、シンガポール、オーストラリアの市場参加者が多い時間帯です。
9時55分には各金融機関がその日に提示する基準レート(TTM)を決定するため、この時間に向けて取引が活発になります。
また、5日・10日・15日などの「ゴトウビ(5と10がつく日)」は企業の決済日であることが多く、海外での支払いのためにドルが多く買われるため、「ドル高・円安」になりやすい傾向があります。
その後、10時を過ぎると相場の動きは穏やかになっていくことが多いです。
日本時間の16時頃からオープンするロンドン市場は、欧州の取引の大半を占めており、17時からは市場参加者が増加するため、一気に値動きが活発になります。
主に取引されるのはユーロやポンドなどの欧州通貨で、ユーロ圏で重要な経済指標が発表された際には、相場の動きがかなり大きくなることもあります。
ただし、欧州勢がお昼休みに入る19時頃になると、値動きは一旦落ち着くことが多いです。
その後の21時以降はニューヨーク市場と重なる時間帯であり、1日の中でも取引が最も活発になる時間帯であるため、日中はFXができないという方は、この時間帯だけに限定して取引をするのも良いでしょう。
1日の値動きのピークを迎えるのが、ニューヨーク市場がオープンする21時以降の時間帯です。ニューヨーク市場では、「米ドル/円」や「ユーロ/米ドル」など、ドルストレートと呼ばれる通貨ペアが多く売買されます。
世界でも取引量の多いロンドン市場とニューヨーク市場の時間が重なる21時〜深夜2時頃は、最も取引が活発になり、トレンドの発生しやすい重要な時間帯です。
米国の重要な経済指標の発表や、24時以降のオプションカット(通貨オプション取引の権利行使の期限)が相場を大きく動かす要因となっています。
日本時間の21時以降は仕事が終わって帰宅したり、家事が一段落したりするため、慌ただしい平日の中でもゆっくりできる時間帯であることが多いことから、落ち着いて慎重な取引が行いやすいでしょう。
世界中に点在する各市場にはそれぞれ特徴があり、値動きも異なります。
特に、FXにおけるニューヨーク時間は「Eastern Standard Time(EST)」とも呼ばれ、世界最大の金融中心地として注目されています。ここでは、ニューヨーク時間の特徴について解説します。
ニューヨーク時間は米ドルを基軸とした米ドル/円・ユーロ/米ドルが主要な通貨ペアであり、最も取引が活発になります。
この時間帯は、世界経済に大きな影響を与えるアメリカの経済指標の発表があり、発表されたニュースによってこれらの通貨ペアが大きく動くことがあります。
また、取引量の多いロンドン時間と重なる時間帯では、取引参加者が増えるためさらに活発化します。ユーロ圏の経済ニュースによってユーロが大きく動くこともあり、その影響で為替相場全体が大きく変動する場合もあります。
経済指標の発表などによる急激な変動はプロトレーダーでも予測が難しく、大きな損失に繋がるリスクがあるため、慎重な取引が求められます。
ニューヨーク時間は、経済イベントが多い点も特徴です。ここでは、主要な3つの経済イベントを紹介します。
ニューヨークオプションカットとは、ニューヨーク市場での通貨オプション取引の権利行使をする期限時刻を指し、「NYオプションカット」「NYカット」「NYOP」などとも呼ばれています。
具体的な時間は、ニューヨーク時間の10時、日本時間では24時(サマータイム時は23時)に設定されています。
この時間帯はオプション行使に伴う売買が活発になるため、通常時よりも為替相場の変動が大きくなる傾向にあります。
ロンドンフィキシングとは、ロンドン外為市場において、ロンドン貴金属市場協会(LBMA)が金の取引価格を決定する時間のことを指します。日本時間で25:00(サマータイム時は24:00)に設定されています。
通常、金の取引は米ドル建てで行われているため、金の価格変動がドル相場にも影響を与える場合があります。この時間帯は大量の取引が集中する傾向にあるため、急激な価格の変動に注意しましょう。
アメリカは世界経済の中心であり、その雇用状況を示す米国雇用統計は、外国為替市場に大きな影響を与える重要な指標の一つとして、世界中の注目を集めています。
特に、非農業部門雇用者数や失業率に注目が集まり、これらのデータが予想を上回ると米ドルの価値が上昇し、逆に予想を下回ると米ドルが下落する傾向にあります。
米国雇用統計の発表は毎月第1金曜日、日本時間の22時30分(サマータイム時は21時30分)に行われます。
FXは平日であれば基本的に自分の好きなタイミングで取引が可能ですが、いくつか注意点もあります。
リスクを抑えた取引を行うためにも、タイミングや時間帯の注意点について理解しておくことが重要です。
FXは、社会情勢によって相場が大きく動きます。
下図は、代表的な相場の変動要因を示しています。テロなどの予測不能な出来事も相場に大きな影響を与えるため、ニュースは常にチェックしておきましょう。
経済指標の発表 | 政策金利の変動 | 政治的な要因 | 戦争・紛争、テロ |
---|---|---|---|
各国の経済に関する統計であり、経済動向を把握する上で重要となる | 景気が良くなると、その国の通貨の需要が増加することがある | 各国の首脳や要人の発言によって、相場が大きく変動することがある | 戦争や紛争などによる経済への影響が懸念されると、相場変動の要因となることがある |
FXを始めたばかりの方は避けた方が良いとされるのが、金曜日の取引です。
その理由は、金曜日は多くの投資家がポジション調整(保有ポジションを決済すること)を行うため、値動きが激しくなる可能性があるからです。
特に、さまざまな指標の中でも毎月第1金曜日に発表される米国の雇用統計は注目度が高く、相場が大きく動く傾向があります。
投資には「売るべし、買うべし、休むべし」という格言があります。相場が荒れている時は、無理に取引をせず、一旦休むことも選択肢の一つです。
無理に参加して損失を生むリスクを避け、好機を待って取引をした方が、勝率を上げることにつながるでしょう。
FXでは「米国サマータイム制度」が導入されており、夏の間は標準時より1時間早い時刻が適用されます。そのため、夏時間と冬時間で取引可能な時間が異なる点に注意しましょう。
下記は、SBI FXトレードの取引可能な時間です。
夏時間の取引可能時間 「3月第2日曜日~(3月〜10月)」 |
冬時間の取引可能時間 「11月第1日曜日~(11月〜2月)」 |
---|---|
月曜日AM7:00~土曜日AM5:30 | 月曜日AM7:00~土曜日AM6:30 |
たった1時間の違いですが、相場の動きが激しくなりがちな重要な経済指標の発表時などは、タイミングを逃してしまうことのないよう注意が必要です。
FX初心者が取引を避けた方がいい時間帯を2つ解説します。
日本時間の早朝6時~7時頃は取引を避けた方がいい時間帯です。
この時間帯は、取引参加者と取引量が共に少なく、値動きが小さくなる傾向にありますが、突発的な急騰や急落が発生するリスクが高まるためです。また、流動性が低い場合、希望価格での取引が成立しにくく、買値と売値の差額であるスプレッドが広がり、取引コストが上昇しやすくなるデメリットもあります。
そのため、日本時間の早朝は特段の理由がない限り、積極的な取引は避けるのが無難です。
重要な経済指標の発表前も取引を避けた方がいいタイミングです。発表前は多くの参加者が様子見をするため、値動きが小さくなる傾向にありますが、発表された内容によって為替相場が急激に変動するリスクが高いためです。
為替相場に影響する重要な経済指標には、以下のようなものがあります。
発表された経済指標によって、それまでのトレンドが大きく転換するケースも多く、発表前後の動きは予測しづらい傾向にあります。
思わぬ値動きが大きな損失につながる恐れもあるため、重要な経済指標の発表前はむやみに取引をしない方がいいでしょう。
FX市場は世界中で開かれており、平日であれば24時間(月曜日の朝〜土曜日の朝)取引を行うことができます。
取引時間の自由度が高いため、忙しい方も自分のライフスタイルに合わせた運用ができるでしょう。
ただし、取引の時間帯やタイミングによっては値動きが激しくなるなど、リスクが高くなるため注意が必要です。
時間帯ごとの値動きの特徴を理解し、リスクを抑えながら効率よく利益を上げられるよう、慎重に取引しましょう。
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この記事を監修した人
SBIリクイディティ・マーケット株式会社
金融市場調査部長
上田眞理人