FXは長期保有が効果的?ほったらかしで利益を狙う際の注意点

長期保有の仕組みとメリット

FXは短期売買と長期保有、どちらが良いのか迷っていませんか?

ネット記事や書籍によって言われていることが異なり、一体どちらが良いのか迷ってしまうでしょう。また、どちらの手法を取るかによって、FXに対する関わり方が大きく異なってきます。

この記事で紹介している、FXの長期保有のメリットやデメリット、始め方などを学び、長期保有が自分に合っているかどうか判断しましょう。

目次

FXの長期保有とは

FXの長期保有

FXの長期保有とは、保有している通貨を決済せず、数週間~数年単位で保有し続けることを指します(通貨を保有している状態のことを「ポジションを持っている」という)。

そもそもFXとは「外国為替証拠金取引」のことで、日本円や米ドルなどの通貨を売買し、その差益を狙うトレードのこと。FXの長期保有では、ポジションを長期で持つため、短期売買では得られないような値幅を1回でとれる可能性があります。

また、短期売買に比べて取引コストが低く、値動きを頻繁にチェックする必要もありません。

FXの長期保有の仕組み

スワップポイント、為替差益

ポジションを長期で保有することで狙える利益は、大きく下記2つです。

スワップポイントでの利益

「スワップポイント」は、「低金利通貨売り+高金利通貨買い」のポジションを持っているときに得られる収益です。

日本円を売って外貨を買う場合であれば、日本円よりも金利の高い通貨である「トルコリラ」や「南アフリカランド」などを買うことで、ポジションを持っている期間は定期的に受け取ることができます。

ただし、逆に「低金利通貨買い+高金利通貨売り」のポジションを持ってしまうと、スワップポイントを支払わなければいけません。

為替差益

一方、為替差益は、売り買いした値幅の収益を指します。

例えば「1ドル=100円」で1万通貨を買い、1ドル110円で1万通貨を売った場合、110円×1万通貨-100円×1万通貨=「10万円」が為替差益となります。

FXの長期保有のメリット

FXの長期保有には以下5つのメリットがあります。

スワップポイントを定期的に得られる

スワップポイントは定期的に得られる収益。長期保有すればするほど、スワップポイントを多く得られます(ただし「低金利通貨売り+高金利通貨買い」した場合に限る)。

ただし、各国の政策金利の動きによりスワップポイントが変動する点には注意しましょう。

1回の取引で大きな為替差益を狙える

短期売買に比べて、1回の取引で大きな値幅を取れる可能性が高くなります。

じっくりと価格が上昇(下落)するのを待って、タイミングを見て決済することで、効率よく大きな利益を狙うことができます。

取引コストが低い

短期売買をメインとするトレーダーに比べると、単純な売買の回数は長期トレーダーの方が少なくなります。

FXでは、1回の取引あたりには必ずスプレッド(実質的な手数料)がかかるので、頻繁に取引をする短期トレーダーに比べるとコスト面での負担は小さくなります。

FXに時間を取られない

短期トレーダーは、頻繁に売買をするため、常にチャートの動きをチェックする必要があります。

それに対して長期保有の場合は、一度ポジションを持ったらしばらく保有する前提でいるため、画面に張り付いて売買する必要がありません。このため、生活の中でFXに費やす時間は少なくなります。

本格的な取引環境を整える必要がない

短期売買に比べて、細かい分析を必要としないため、取引環境はアプリでも十分となります。

もちろん、スマホでも短期売買をするに十分な情報は手に入りますが、各指標をチャート上に表示したり、ラインを引いたりといった必要性は低くなります。

FXの長期保有のデメリット

FXの長期保有する際にはメリットだけでなく、以下3つのデメリットも把握しておきましょう。

塩漬けになる可能性がある

ポジションとは逆方向に為替レートが動くと、大きな評価損を抱えたまま決済できずに「塩漬け」となる可能性があります。可能であれば、損切りのタイミングを事前に決めておきましょう。

十分な資金が必要

少ない証拠金でポジションの長期保有をすると、相場が自身の想定と逆に進んだ場合に、すぐにロスカットが発動してしまいます。ロスカットになるとポジションが強制的に決済され、損失が確定することとなります。

長期保有をする前提であれば、あらかじめ十分な証拠金を口座に入れておき、ある程度の含み損には耐えられる状態にしておきましょう。

スワップポイントを多く支払うことも

「低金利通貨買い+高金利通貨売り」のポジションで長期保有した場合、短期売買に比べて多くのスワップポイントを支払わなければいけなくなります。

スワップポイント狙いでなく為替差益狙いで長期保有をする場合には、スワップポイントの支払い額には十分に注意しましょう。

オンライン本人確認(eKYC)対応

最短5分 無料で口座開設をしてみる

FXの短期売買とは

FXの短期売買

FXの短期売買とは、数秒~1日単位で売買を繰り返し、細かく利益を積み上げていく手法のこと。

長期保有に比べて、トレード回数が多く、小さな変動幅で収益を狙っていく点が特徴です。

また、短期売買では、為替レートの変動幅に敏感にならなければいけない分、小さなニュースや要人発言の見落としなどが損失に繋がりかねません。そのため、常にチャート画面を見て、トレードする必要があります。

FXの短期売買の仕組み

FXで、数秒~1日単位で売買を繰り返せば、それは短期売買といえます。短期売買における利益は、主に「為替差益」です。

為替差益とは
「安く買って高く売る」もしくは「高く売って安く買う」際に得られる収益のこと

スワップポイントは、ポジションを翌日以降に持ち越さないと得ることができません。そのため1日の内に「注文→決済」を完結させる短期売買ではスワップポイントを受け取れませんので、注意しましょう。

FXの短期売買のメリット

FXの短期売買には以下3つのメリットがあります。

細かい利益の積み重ねが狙える

短期売買はトレード回数が多いため、資金を長期間寝かすことなく、利益を積み重ねられる可能性があります。上手くいけば、長期保有では得られない大きな利益を得られます。

相場は上昇と下落を繰り返します。細かい上昇・細かい下落を狙って利益を狙いたいという場合には、短期売買の方が向いていると言えます。

塩漬けになりにくい

短期売買は、利益や損失を確定させるまでの時間も短くなります。そのため、保有したポジションをいつまでも決済できずに損失が膨らんでいくという可能性も低くなります。

長期保有のように「数カ月後には戻ればいい」という考え方で売買をしているトレーダーは少ないでしょうから、塩漬けになる可能性も低くなるという事になります。

資金効率が良い

FXでは最大25倍までのレバレッジを効かせることができるので、少ない資金であっても自分の持っている資金以上の力で取引が可能です。

ただし、相場が思惑と逆に動いた場合の損失も大きくなりますので、十分な注意が必要です。

FXの短期売買のデメリット

一方、FXの短期売買には以下3つのデメリットがあります。

取引コストがかかる

短期売買をするトレーダーは、1日のうちに何度も売買を繰り返すため、コスト面(スプレッド)の負担が大きくなります。

数ヶ月~年単位で保有する長期トレーダーに比べると、数十倍~数百倍のコストがかかるというケースも起こりうります。

FXに時間を取られる

画面に張り付いてトレードする必要があるため、FXに時間を取られてしまいます。

短期トレーダーはチャートの動きを見ての決済速度が重要であるため、場合によっては仕事や家事に支障が出る可能性もあります。

スワップポイントは得られない

日をまたがない短期売買では、スワップポイントを得ることはできません。

基本的には為替差益を狙った取引となるため、各通貨の金利差は考慮する必要はありません。

FXの長期保有と短期売買はどっちが効果的なのか

どちらがいいのか

FXの長期保有と短期売買は、どちらか一方が優れた手法である、ということはありません。

双方にメリットとデメリットがあり、どちらが良いのかは、その人のトレード手法やトレードする通貨ペアにより異なります。

また、人によっては「長期保有は損失が出ない」と考えている場合もありますが、100%損失の出ないトレードは存在しません。

FXの長期保有と短期売買の違い

長期や短期のFXトレードの手法は以下4つに分類されます。

FXトレードの手法 トレード時間の目安 利益を得る方法
ポジショントレード 長期売買 数週間~数年 為替差益
スワップポイント
スイングトレード 中長期売買 2日~数週間 為替差益
スワップポイント
デイトレード 短期売買 ~1日 為替差益
スキャルピング 超短期売買 数秒~数分単位 為替差益

※明確な用語の定義はありません

「トレード時間が短い=FXに費やす時間が増える」という傾向にあるため、スキャルピングやデイトレードは生活の中でFXの時間を確保できる人と相性が良いトレード手法です。

一方、ポジショントレード(長期売買)は数週間~数年にわたりトレードをするため、時間的な制約はあまり受けないでしょう。また、スワップポイントをコツコツ貯められるため、「低金利通貨売り+高金利通貨買い」で中長期での資産形成をしたい人と相性が良くなっています。

このように、長期保有か短期売買、どちらが自分にとって相性が良いのかは、FXにかけられる時間や取引対象の通貨ペアによっても左右されます。そのため、どの手法が自分に一番適しているかを見極めることが大切です。

FXの長期保有は「損失が出ない」は本当か

FXの長期保有は、短期売買に比べて取引コストが低く、加えて「ほったらかしにしていれば、いつか利益が出るタイミングが来る」という理由から、「損失が出ない」と考えている方もいるようです。

しかし、実際には「損失が出ない」とは言い切れません。そもそも「100%損失の出ないトレード」は存在せず、トレードした後に大暴落してずっと戻らないとも言い切れないからです。

また、「暴落したけど、ほったらかしにしていてればいつか利益が出る」と考えたとしても、仮にそのタイミングが10年後だとしたらどうでしょうか。確かに「確定した損失は出ない」と言えますが、他の通貨ペアに投資をして利益を得るチャンス(機会損失)を10年間失っていることになります。

オンライン本人確認(eKYC)対応

最短5分 無料で口座開設をしてみる

【初心者でもできる】FXの長期運用の始め方

長期運用の始め方

FXの長期運用の始め方の流れは上記の通りです。

最初にFX口座を開設し、その後は通貨ペアや取引数量を決め、注文を出します。注文後、一定期間が経過すると、為替差益やスワップポイントが発生します。ただし、相場が思惑と逆に進んだ場合には損失が出る可能性もあります。

それぞれの項目を以下で詳しく解説します。

①FX口座を開設する

取引を始めるためには、最初にFX口座の開設が必要です。FX口座とはその名の通り、FXをするための口座のこと。FX口座はFX会社の公式サイトより開設することができ、手続きは全てネット上で完結できます。一般的にFX口座開設に必要なものは以下のとおりです。

本人確認書類

運転免許証やマイナンバーカード、住民票の写しなど

マイナンバー書類

マイナンバーカード、マイナンバー通知カード、個人番号付の住民票の写しなど

満20歳未満の方は上記の書類に加えて、法定代理人の本人確認書類などの書類が別途必要です。書類を用意できたら、FX口座開設画面の案内に従って、個人情報の入力や必要書類のアップロードを進めていきましょう。もし何か分からないことがあれば、FX会社が設置しているヘルプデスクに問い合わせもできます。

②最初の資金を入金する

まずは最初の証拠金をFX口座に入れる必要があります。多くのFX口座への入金は、インターネットバンクを経由したクイック入金や、通常の銀行振込による入金などがあります。

入金額は自身の余剰資金により変わりますが、長期保有を前提にするのであれば多くの人は10万円程度で始めています。

仮に預けた証拠金が全て無くなったとしても、生活に支障が出ない金額を預け入れましょう。

③通貨ペアと取引数量を決める

通貨ペアとは、トレードする2つの国の通貨の組み合わせのこと。

例えば米ドルと日本円をトレードする場合には「米ドル/円(USD/JPY)」が通貨ペアとなります。取り扱っている通貨ペアはFX会社によって異なりますが、メジャーな通貨ペアである「米ドル/円(USD/JPY)」や「ユーロ/円(EUR/JPY)」、「ポンド/円(GBP/JPY)」、「豪ドル/円(AUD/JPY)」、「NZドル/円(NZD/JPY)」などは、どこのFX会社も用意しているでしょう。

これらの通貨を無理のない取引数量だけ売買することになります。通貨ペアの選び方ですが、以下3つのポイントがあります。

流動性の高い通貨ペア

流動性が高い(=取引量が多い)通貨ペアは、自分の希望通りのレートで売買できる可能性が高いです。「米ドル/円」や「ユーロ/円」などの通貨ペアがこれにあたります。

スワップポイントが高い通貨ペア

スワップポイントの高い通貨ペアを長期保有すれば、長期にわたって得ることができます。「トルコリラ/円」や「南アフリカランド/円」などがこれにあたります

トレード手法に合った通貨ペア

短期トレードをする場合は値動き(ボラティリティ)のある通貨ペアを、長期トレードをする際にはスワップポイントと中長期での利益が期待できる通貨ペアを選びましょう。60分足チャート・日足チャート・月足チャートなど、さまざまな視点から推移を見ることが重要です。

④新規注文をする

ここまで決めたら、具体的な新規注文をおこないましょう。スワップポイントを重視するのであれば、低金利通貨を売って高金利通貨を買う注文をすることになります。

新規注文をする時には、同時に決済タイミングも決めておくのがベストです。どれぐらいのプラスになったら利益を確定するのか、どれぐらいのマイナスになったら損失を確定するのか。これらを事前にシミュレーションしておきましょう。

FXを長期で運用するときのコツ・注意点

FXを長期で運用するときの主な注意点は以下3点です。

FXを長期で運用するときの主な注意点

  • 損切りのタイミング

  • 資金管理

  • スワップポイントのチェック

損切りのタイミング

短期売買と同様に、長期保有する場合も損切りのタイミングは重要です。確かに「長期保有なのだから、多少の下げは気にしない。下がってもいずれ上がってくるのを待てば良い」という考え方も分かります。

ただ投資効率の観点から考えると「評価損を抱えたまま、上がるのを待つ」より「一度損切りして、これからより大きな利益を上げられそうな通貨ペアに移る」方が効率は良いという考え方もあります。

長期保有であっても損切りのタイミングには注意が必要です。他の通貨ペアの方が、パフォーマンスが良いと判断した際には、「損切り+乗り換え」も検討しましょう。

資金管理

少ない証拠金の状態で想定とは逆方向に為替レートが動いてしまうと、大きな評価損を抱えることになります。

さらに、そのままの状態で放置していると証拠金維持率が低下して自動的に決済がされることとなります。その際には、口座資金の多くを失うこととなります。

常日頃から口座資金とポジションの状態には気を配り、必要に応じて証拠金を追加する・ポジションの一部を決済するなどの措置を取りましょう。

スワップポイントのチェック

スワップポイントはFX会社ごと・通貨ペアごとに異なります。

FX会社の各社は、直近のスワップポイントの実績を公開しています。これをもとに、事前にスワップポイントをどれぐらい受け取ることができるのか、シミュレーションを立てましょう。

SBI FXトレードのスワップポイントの実績は業界最良水準となっています。詳細は 「業界最良水準のスワップポイント」のページで公開していますので、確認してみてください

まとめ:FXの長期取引について

FXの長期保有は短期売買よりも効果的だと断言はできませんが、スワップポイントを受け取れる点や取引コストが低い点は短期売買よりも有利といえます。

一方、短期売買についても資金効率や塩漬けのリスクがないなど、長期保有にはないメリットがあります。

自分がFXにどれくらいの時間をかけられるのか、またFXでどれくらいの利益を目指すのかなどを踏まえて、自分に合ったスタイルでFXをしましょう。

SBI FXトレードでは、中長期でFXをしたい人のための環境を、下記の通り豊富に取り揃えています。

  • 業界最良水準のスワップポイント

  • 豊富で早い為替ニュース

  • 1通貨から取引可能(少額取引可能)

FXの経験が浅い人でも、少額から中長期のトレードを始めることができます。まずは無料でできる口座開設から始めてみてください。

オンライン本人確認(eKYC)対応

最短5分 無料で口座開設をしてみる