大統領選第一回TV討論会
更新日:2020年9月30日
妥協しない人々に譲歩してキャリアを築いた人間は、大統領になっても本当の意味での大統領にはなれないといった論評も聞かれる民主党の大統領候補、バイデン元副大統領。この数カ月間に及ぶ選挙遊説でのバイデン氏の影の薄さが際立っているとの一部のメディアからの声も聞かれます。
バイデン候補が大統領選に立候補した理由の一つに国政に威厳を取り戻すことであると主張。多くの米国民が感じているトランプ大統領の立ち居振る舞い・・・得意げに自身を賛美し、分裂国家を率いるという責務を明らかに軽視しているトランプ大統領に心からうんざりしている国民からの支持を受けていると自負しており、トランプ大統領への信任投票のような大統領選の様相との論評も一部のメディアからは聞こえてきます。
トランプ大統領 | バイデン候補 | |
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税制 | ・21%の法人税を維持 | ・法人税を28%に引上げ ・富裕層への資産取引税強化 |
育児・介護 | ・子育て世代への減税 | ・10年間で7750億㌦を投じ保育士や介護士など300万人の雇用創出 |
環境 | ・環境規制を緩和、石炭火力推進 | ・温暖化対策、パリ協定へ復帰 |
経済対策 | ・失業給付の上乗せ延長 ・給与税の納税猶予 | ・2兆㌦の環境対策 ・太陽光への税制優遇 |
産業保護 | 新NAFTAの自動車税免除の条件として域内の部材調達比率引上げ | ・4年間で4000億㌦の米国製品の政府調達 |
対中政策 | ・TikTokの米事業売却 ・米上場の中国企業の監査厳格化 | ・強硬路線 同盟国との協調を重視 |
トランプ大統領がバイデン候補の息子に対する中国やウクライナから数十億を受領していた疑惑を追及した一方、バイデン候補もトランプ大統領を「ロシアの飼い犬」と揶揄するなど罵倒。米国の大統領の品格を疑うほどのひどい内容といった批判的なコメントが数多く聞かれました。また司会者から大統領選投票日から結果が出るまでに時間がかかった場合、支持者に対して抗議活動には加わらず、平静を保つよう求めるかとの質問に対し、トランプ大統領は「公正な選挙であれば、私は100%賛成だが、何万もの投票用紙が操作されていたら、それには賛成できない」と明言を避けた一方、バイデン候補は選挙結果を受け入れると対象的な発言となりました。
罵倒を繰り返し、トランプ大統領の度重なるバイデン候補の発言途中での遮断など議論にならなかったとの批判が聞かれた第一回の討論。また10月15日、22日には2回目、3回目となる大統領候補によるTV討論会が予定されています。第一回目の罵倒・非難合戦から一転し、トランプ大統領は米経済の実績をより強調し、支持を訴えるのか、あるいは第一回目と同様にバイデン候補を口撃し、バイデン候補が即答に窮する様子を報じることで大統領としての対応力を問う戦略となるか注目されます。
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