為替ノート

2018/04/24

為替ノート

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北朝鮮情勢を巡る今後の注目点


北朝鮮情勢を巡る今後の注目点


 先週末のNY市場取引を終了後、北朝鮮が核実験やICBM(大陸間弾道ミサイル)発射実験の中止に加え、核実験場の廃棄を発表しました。20日に開催されていた北朝鮮労働党中央委員会総会は党大会に次ぐ重要会議に位置付けられており昨年10月7日以来約半年ぶりの開催となります。今回の決定で、27日に予定されている南北朝鮮半島首脳会談や6月初旬にまでに開催が予定される米朝首脳会談を前に融和ムードを示し、経済制裁の解除、さらには経済支援に向けた道筋を開く狙いを持った用意周到な動きと見られています。トランプ大統領は「北朝鮮にも世界にとっても朗報、米朝会談を楽しみにしている」とツイートしたほか、韓国大統領府からも「朝鮮半島の非核化に向けた意味ある進展」と評価しています。しかしながら「核の脅威や挑発がない限り、核兵器を絶対に使用しない」とした北朝鮮に対し今回の決定は「非核化」を意味するものでなく、核保有国として認めることを前提としたものではないかとの警戒感が残っています。



朝鮮労働党機構図

朝鮮労働党機構図



これまでの主な動き

・2月韓国平昌冬季オリンピックに選手団を派遣、韓国と合同チームで参加
・金正恩労働党委員長の妹・金汝貞率いる代表団が訪韓、韓国文在寅大統領と会談
・韓国代表団、北朝鮮を訪問し金正恩労働党委員長と会談
・南北朝鮮半島首脳会談開催や米朝首脳会談に前向きな意向を表明
・3月初旬から半ば訪朝した韓国特使がロシア、米国、日本を訪問し北朝鮮の立場を報告
・3月下旬:金正恩北朝鮮労働党委員長が北京を電撃訪問、習近平国家主席と首脳会談
・4月10日、北朝鮮李容浩外相がロシアを訪問、ラブロフ外相を会談
・4月第2週?米ポンぺオ現CIA委員長(次期国務長官)、訪朝し金正恩労働党委員長と会談



 先週末20日に開催された北朝鮮労働党中央委員会総会を巡っては、核開発の凍結などが発表されるのではとの事前の思惑を背景に海外勢を中心にドル買いが優勢となり、東京市場で107円73銭まで上昇しました。さらにNY市場ではこうした動きに加え、原油高やトランプ政権による鉄鋼・アルミの輸入制限に影響から原材料価格が上昇しており、インフレ警戒感が台頭、米10年債利回りは2014年1月以来となる2.96%台へ上昇、ドル円も107円86銭まで上昇しました。さらにNY市場取引終了後の北朝鮮の発表を好感した週明けの東京市場では107円89銭まで上昇するなど108円台を伺う動きとなっています。



北朝鮮を含めた6各国の動向や思惑

北朝鮮を含めた6各国の動向や思惑



 4月27日の南北朝鮮半島首脳会議で韓国が6月初旬までに開催が予定される北朝鮮と米国首脳会談を成功に導く糸口を見つけられるか注目されます。北朝鮮は制裁解除や経済支援への道筋を得るために核実験やICBM発射実験の中止を表明したものの、『非核化』に至っていません。今後も北朝鮮が容易に核保有国として認めてもらうとの主張を簡単に諦めることはないと見られており米国や韓国が北朝鮮の意向にどこまで妥協点を見い出せるのか焦点となりそうです。仮に核査察を受入れた場合でも、どれだけの核ミサイルを保有しているのか不明であるほか、さらに核実験場の廃棄に対する資金援助を求める可能性もあるなど必ずしも楽観的な見通しばかりではありません。

 少なくとも「協議継続」で話合いを継続することが最低条件であり、6ヵ国協議への枠組みへ移行する可能性も残されていることから北朝鮮の核開発継続の時間稼ぎにならないか不安視する声も聞かれています。万が一、米朝会談が決裂することになれば軍事的脅威が高まる可能性もあるだけに米朝首脳会談までは緊張が続くことになりそうです。それだけにドル円がこのまま円安基調を進めることができるのか、しばらくは目の離せない展開が予想されます。




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