暗号資産市場レポート

規制圧力の中、米CPIの結果待ちの動き

2023年02月14日 更新

先週のハイライト

  • ・米CPIを控え、ロングポジションの調整により下落
  • ・米SECの要請によりKrakenはステーキングサービスを終了へ
  • ・NY当局はPaxosに対してバイナンスのドルペッグステーブルコインBUSDの発行停止を指示
  • ・スポットの下落を受けて先物ベーシスは低下
  • ・スポット下落でオプションボラティリティも下落しており、正相関が強まる。
  • ・BTCは21,500ドル、ETHは1,500ドルの下値抵抗線をにらんだ攻防

先週の動き

米雇用統計の結果を受けたドル買いの織り込みに時間を要している中、規制当局の動きによってさらに売り圧力が強まることとなった。Krakenは米SECと米国内でのステーキングサービスを終了することに合意し、またNY当局はPaxosに対してバイナンスブランドのステーブルコインであるBUSDの新規発行停止を指示じた。BUSDの新規発行停止に関する報道を受け、BUSDは0.9950まで下落し、一方でテザー(USDT)は乗り換えの動きにより20bpのプレミアムで取引されることとなった。
先週木曜日にBTCは直近3ヶ月のレンジであった22,500~24,000ドルのレンジを割り込み、21,500ドルの下値抵抗線を試す動きとなり、ETHは直近1ヶ月のレンジである1,500~1,700ドル台でかろうじてとどまっている。直近の動きは、短期筋が米CPIを控えてロングポジションの調整を行ったことが主な要因とみられている。
フローデータを見ると、全般的に売り買い拮抗となっている中、BNBは例外として大きく売り越しとなっている。顧客別にみると銀行系が売り手となっており、また地域別では欧州・中東地域が売り手、アジア・オセアニア地域は買い手となっている。
暗号資産先物市場ではスポットの下落につれて暗号資産の対ドルベーシスが低下しており、BTCの3月限月のベーシスは主要取引所で1.5%~2.5%低下し、Binanceでは+3.5%程度で取引されている。
暗号資産オプション市場ではスポットの下落に合わせてインプライドボラティリティが低下しており、再びスポットの上下とボラティリティの上下が強い正相関を示すようになっている。3月限月のATMボラティリティは53%から46%に売られ、米CPIに向けて方向性に賭けるトレーダーにとっては買いやすい水準となっている。

今週の展望

2月初めの米雇用統計の強い結果を受け、今週の米CPIはインフレ圧力が引き続き低下傾向にあるのか、または強まっているのかを見極めたいとする向きが多くなっている。BTCは21,500ドル、ETHは1,500ドルの下値抵抗線をそれぞれ試す動きとなっており、仮に雇用統計以降はタカ派の動きを織り込んでいることから、仮に弱い結果であった場合は大きな買いフローがみられることが想定される。いずれにしても発表後は大きな動きとなることが想定され、コアCPIの中では賃貸および中古車価格が注目されている。

提供:SBIリクイディティ・マーケット。本レポートはグローバルで大きな取引シェアを持つ暗号資産マーケットメイカーのB2C2社のデータを元に、SBIリクイディティ・マーケットが作成しています。

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