暗号資産市場レポート

ドルの上下動を受けレンジの動き、市場は早くも来週の米CPI待ち

2023年02月08日 更新

先週のハイライト

  • ・主要コインはレンジでの動き、一部のアルトコインは上値を試す展開
  • ・BTCとETHはFOMC後に直近の高値を更新、その後米雇用統計を受けて下落
  • ・先物ベーシスはほぼ変化なし、OTC市場でUSDステーブルコインのレンディング需要が強い
  • ・オプション市場はレンジ相場の中、若干ダウンサイドリスクを警戒
  • ・直近のドル高を受け、BTCは21,800ドル、ETHは1,500ドルのサポートラインを試すか

先週の動き

先週の暗号資産市場は、FOMCの結果を受けて利下げ期待から上昇したのち、週末の米雇用統計の強い結果を受けた利上げサイクルの継続懸念から下落し、1週間を通してみるとレンジの動きとなった。為替市場と貴金属市場が米雇用統計を受けて大きく反応したのと比べると、暗号資産市場は静かな動きであったと言える。
BTCはFOMC後に24,250ドル近辺まで直近の高値を更新した以外は概ね22,500ドル~24,000ドルのレンジで推移し、ETHも同様に一時的に1,715ドル近辺の高値を付けた以外は静かな動きであったが、直近のBTCに対するアンダーパフォームは若干改善し、BTC/ETHは0.068から0.071-72レベルまで上昇した。他のコインを見ると、SHIBが週末にかけて25%上昇、LTCが100ドルを上抜け、MATICとDOGEが直近の上値抵抗線を試すなどの動きがみられた。
フローデータを見ると、BTCとETHは売り買いがほぼ拮抗しており、SOL、XRP、ADA、XTZ、XLM、UNIなどが買い越し、DOGE、MATIC、DOTが売り越しとなっていた。地域別でみると、先週と同じくアジア・オセアニア、欧州・中東地域が買い手、北米地域が売り手となっていた。投資家別では、取引所と銀行系が買い手となっていた。
暗号資産先物市場の対ドルベーシスは安定的に推移し、3ヶ月物はBTCで+4%、ETHで+3%となっている。レンディング市場では米ドルやステーブルコインの借入金利が上昇していたが、先週はやや落ち着いた動きとなった。
暗号資産オプション市場ではボラティリティが低下し、ボラティリティのカーブがスティープ化した一方で、リスクリバーサルでは下買いが強まった。特にETHでは3月限月のリスクリバーサルは3.2%の下高になっており、BTCが0.5%の上高なだけにETHの下サイドの需要が際立っている。

今週の展望

今週は主要な経済指標の発表がないことから、市場では来週の米CPIに注目が集まっており、為替市場と貴金属市場の動きをにらんだ展開になると想定される。先週末の米雇用統計の結果は、強気派にとって注意が必要な内容となっており、短期的にはBTCで21,800ドル、ETHで1,500ドルのサポートラインを試すのではとみられている。

提供:SBIリクイディティ・マーケット。本レポートはグローバルで大きな取引シェアを持つ暗号資産マーケットメイカーのB2C2社のデータを元に、SBIリクイディティ・マーケットが作成しています。

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