暗号資産市場レポート

前週に続きBTC主導で上昇

2023年01月24日 更新

先週のハイライト

  • ・金曜日に前週に続きBTC主導で上昇
  • ・BTCは21,500ドルの上値を抜けて23,375ドルの高値を付ける
  • ・ETHはBTCと比べ伸び悩み、アルトコインも目立った動きなし
  • ・多くのコインで先物取引の対ドルベーシスはプラス転
  • ・オプションボラティリティは短期物が上昇、一方で市場参加者は以前少ない

先週の動き

前週に続き、金曜日のNY時間からBTC主導で上昇する動きとなった。BTCは直近の上値抵抗線となっていた21,500~21,700ドルを上抜けると22,800ドル近辺までその流れで上昇し、最終的には23,375ドルの高値を付けた。ETHは若干出遅れているものの、1,520~1,600ドルのレンジから1,600~1,800のレンジへと値を切り上げている。その他のコインではSHIBが水曜日に20%近く上昇した以外は特に目立った動きはなかった。
BTCドミナンスが前週の43%から44%に上昇し、2022年の最後の5か月間のレンジであった39%~42%を上抜けたものの、それ以外に特筆すべきものはなかった。BTCドミナンスは2021年1月に70%近くまで上昇したことがあったが、今後そのレベルまで再び上昇すると考える向きは少ないものの、若干の増加余地はあるのではと考えられている。
フローデータを見ると、多くのコインでBTCの動きを受けて買い越しとなっている中、XRP、BCH、SOLは売り越しとなっている。地域別でみると、アジア・オセアニアは買い手となっており、投資家別でみるとHFT・マーケットメイカー、リテール業者が売り手、ファンド系や銀行系が買い手となっていた。
暗号資産先物市場の対ドルベーシスは再び上昇。BTCとETHの3ヶ月物はいずれも1%以上上昇し、それぞれ4.0%と3.0%となった。ほぼ全てのコインの対ドルベーシスはフラットもしくはプラスで推移しており、相対的に法定通貨の貸出金利が暗号資産の貸出金利を上回っていることを示している。
暗号資産オプション市場では期近物のボラティリティが再び上昇しており、弱気相場の原因となった騒動がまだ未解決のままスポットが反発したことで、ややサプライズと受け取られているのかもしれない。一方、リスクリバーサルは落ち着いた値動きとなっており、BTCでは全ての期間で1%~3%の上高となっている。また、BTCの9月限月などの長期物のボラティリティは約57%程度となっており、歴史的に見ても低い水準となっており、まだオプション市場参加者がこのスポット上昇に疑念を持っていることが伺える。

今週の展望

今週は欧州圏のPMIの発表があり、EU地域でリセッションが回避されているかの判断材料として注目されており、また米GDPと米国主要ハイテク企業の決算発表が米インフレ動向を見極めるために注目されている。
また市場ではすでに2月1日からのFOMCへも目を向け始めており、万が一パウエル議長が早期の利下げを示唆する可能性も考慮し、週末にかけてロングに対するリスク低減の動きがみられる可能性もある。
直近の暗号資産市場の動きは、一時的なショートカバーという見方と、昨年末までの信用不安等による市場混乱からの正常化への動きという見方の二手にわかれている。強気派は、新しい上昇サイクルに突入したのかを見極めたいと考えており、BTCが25,000ドルの上値抵抗線を抜けるかどうかに注目が集まっている。上抜けにはある程度のエネルギーが必要とみられているが、仮に上抜けた場合には再び市場参加者が戻ってくるきっかけになるポイントと考えられている。

提供:SBIリクイディティ・マーケット。本レポートはグローバルで大きな取引シェアを持つ暗号資産マーケットメイカーのB2C2社のデータを元に、SBIリクイディティ・マーケットが作成しています。

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