ゴトー日の仲値トレードで勝率が上がる?稼ぎ方から注意点まで解説 | SBI FXトレード 

ゴトー日の仲値トレードで勝率が上がる?稼ぎ方から注意点まで解説

FX用語集

UPDATE 2025.03.07
POST 2025.03.07

ゴトー日の仲値トレードで勝率が上がる?稼ぎ方から注意点まで解説

1. ゴトー日の仲値トレードで稼げるのは本当?

FX取引において、ゴトー日の東京時間に「米ドル/円」を買って利益を狙う手法は、一部のFXトレーダーに人気があります。また、ゴトー日の仲値トレードについては専門家の研究も進んでおり、2019年には電子情報通信分野で国内有数の規模を誇る学会である「電子情報通信学会」で発表された経緯もあります。

ゴトー日の仲値トレードは、仕組みや注意点を押さえておけば、統計的にも勝率が高くなりやすいといわれています。

まずは、「ゴトー日」や「仲値トレード」について定義を簡単に確認しましょう。その上で、ゴトー日に円安となり「米ドル/円」の購入で利益をあげやすい理由をご紹介していきます。

1-1. ゴトー日とは5日や10日などの5と10が付く日

ゴトー日(五十日)は、日本のビジネスや金融市場で特に注目される日です。1ヶ月のうち5か10が付く日がゴトー日と呼ばれ、5日、10日、15日、20日、25日、30日が該当します。

ただし、ゴトー日が土日の場合はその前の金曜日、祝日の場合はその前の平日、といったように繰り上がった日がゴトー日にあたるので注意が必要です。加えて、31日が平日の場合は、30日ではなく31日がゴトー日とされます。

ゴトー日には、日本企業の多くが給与の支払いや決済を行うため、資金移動が多く発生しがちです。同様に、海外への送金や決済処理もこのタイミングに集中しやすいといえます。

1-2. 仲値とは金融機関が為替取引をする基準価格

仲値(なかね)とは、銀行が顧客と為替取引を行う際の基準となる価格を指します。日本では、金融機関が午前9時55分の価格を仲値とし、これがその日の取引における基準となります。

仲値を設ける理由は、円滑に取引できるようにするためです。
FXのように1秒ごとに1日中価格が動いていては、銀行が顧客と適切な取引を行うのが困難です。そのため、その日の取引の基準をあらかじめ決定しているのです。

仲値は、銀行や企業が取引の決済や為替リスクの管理を行う際に用いられ、特に大企業が輸出入や資金移動を行う際に重要な役割を果たします。また、FXトレーダーにとっても、仲値は短期的なトレードの参考指標になり得ます。

1-3. ゴトー日に円安になりやすい理由

ゴトー日は米ドル/円の価格が上昇しやすい(円安になりやすい)というアノマリーがあります。

アノマリーとは、「現代ポートフォリオ理論や相場に関する理論の枠組みでは説明することができないものの、結果として観測できるマーケットの規則性」を指します。アノマリーは、FXや株式など資産運用の世界では一つの指標として用いられるケースも多いですが、あくまで経験則で語られるものであり、理論的な根拠は存在しない点に注意しましょう。

ゴトー日は、日本企業の海外への送金や決済処理が集中する日付であるという点が、「円安になりやすい」というアノマリーの根拠になりうると考えられています。日本の企業は、海外で得た米ドルなどの外貨を円に換える必要がありますが、その一方で、決済のために日本円を外貨に換える動きも発生します。これにより、ゴトー日には米ドル買い・日本円売りの圧力が高まりやすく、結果として円安が進む傾向があるといわれています。

2. ゴトー日の仲値トレードの時間帯と手順

ゴトー日の仲値トレードを行うために、以下のように最適と思われる時間帯と手順を押さえておきましょう。

  1. ゴトー日の午前9時までに「米ドル/円」買いのポジションを保有する
  2. 同日の午前9時55分までに決済する

ゴトー日に仲値トレードをする際は、東京市場の取引が活発となる時間である午前9時までに米ドル/円の買い注文をし、ポジションを保有します。9時ぴったりではなく、早い時間帯に注文をしておいても問題ありません。

そして、仲値が発表される9時55分までポジションを保有し、決済しましょう。9時55分を過ぎると米ドル/円が下落するケースもあるので、思ったような結果になっていなくても、決済するのが重要です。

また、ゴトー日前日や当日の朝のニュースは必ずチェックし、米ドル/円が下がるファンダメンタルズ要因がないかを確認してください。

3. ゴトー日の仲値トレードにおける注意点

利益が出やすいというアノマリーがあるゴトー日の仲値トレードですが、思考停止で行うのはおすすめできません。ゴトー日の仲値トレードにおける注意点をしっかり理解しておかないと、損失が出る可能性が高まります。

具体的には、以下の3つの注意点を覚えておきましょう。

  • 通貨ペアは米ドル/円で行う
  • ゴトー日の前日や当日に円高に進むような要因がないか確認する
  • 利益が出ていなくても9時55分にはポジションを手仕舞う

それぞれ解説します。

3-1. 通貨ペアは米ドル/円で行う

ゴトー日の仲値トレードにおいて、通貨ペアとして米ドル/円を選ぶことが推奨されます。その理由は、海外と取引する日本企業の多くが米ドルを決済に使っているため、ゴトー日には特に米ドル/円の取引が集中しやすくなるからです。

米ドル/円は日本の輸出入における決済通貨であり、ゴトー日には日本企業が日本円を米ドルに換える動きが活発化します。このため、ゴトー日においては米ドル/円の価格に明確なトレンドが生まれることが多く、仲値トレードに適した通貨ペアといえるでしょう。米ドル/円に連れて他の通貨ペアでも似たような動きになるケースもありますが、基本的には米ドル/円でのトレードがおすすめです。

3-2. ゴトー日の前日や当日に円高に進むような要因がないかを確認する

ゴトー日の仲値トレードを成功させるためには、前日や当日に円高に進む要因がないかを事前に確認することが重要です。ここまで解説した通り、ゴトー日は円安が進みやすい傾向があります。しかし、円高に動く可能性のある要因があれば、その影響を受けて期待通りのトレード結果が得られないケースもあるでしょう。

具体的には、「前日のNY市場が大荒れであった」「日銀のドル売り・円買い介入があった」などの要因があると、円高を引き起こす可能性が高くなります。これらの要因を無視すると、ゴトー日特有のトレンドに反して市場が動いた場合に損失を被るリスクが高まります。そのため、トレードを始める前に、最新の経済ニュースや市場動向をチェックし、円高リスクがないかを確認しておくことが不可欠です。

また、ゴトー日の前日だけでなく、当日に政府要人の発言が予定されている場合などは、為替相場がどう動くか予測しづらくなるため、トレードを控えることも検討すべきでしょう。

3-3. 利益が出ていなくても9時55分にはポジションを手仕舞う

ゴトー日の仲値トレードは、必ず勝てるわけではありません。

ゴトー日の仲値トレードにおいては、たとえ利益が出ていない状態でも、仲値発表後の市場の動きが一段落する9時55分にはポジションを手仕舞うのがおすすめです。

FXの基本として、「あらかじめ決めたルールにのっとる」「長期的に勝つために損切りは必須」などの鉄則がありますが、ゴトー日の仲値トレードにおいてもこれらの基本を守るべきでしょう。

ゴトー日の仲値トレードにおいて、仲値が決定される9時55分を過ぎると、市場の動きを予測しづらく、米ドル/円が下落して損失を被るリスクも高まります。そのため、含み損になっている状況であっても、9時55分以降もポジションを保有し続けるのは避けるべきといえます。ポジションを手仕舞うのは9時55分ぴったりではなくてもよいのですが、相場の動きを見ながらできるだけ速やかに行うべきでしょう。そもそも、10時を過ぎると「ゴトー日の仲値トレード」とはいえないのですから。

ゴトー日の仲値トレードのような短期トレードにおいては、損失を最小限に抑えることが成功の鍵となるため、時間を守ってポジションを解消するように心がけましょう。

4. ゴトー日の仲値トレードで勝率を上げるコツ

ゴトー日の仲値トレードで勝率を上げるためには、以下の2つのコツを押さえておきましょう。

  • ゴトー日と金曜日が重なる日は狙い目
  • 移動平均線に着目する

それぞれ解説します。

4-1. ゴトー日が金曜日に当たる日は狙い目

ゴトー日が金曜日に当たる日は、仲値トレードにおいて特に狙い目とされています。

2019年3月の「外国為替市場におけるゴトウビアノマリーの有用性検証」という学会では、金曜日かつゴトー日の3時か5時に米ドル/円を買って仲値発表直後の10時に売った場合、63.4%の確率で上昇していたというデータも発表されました。

ゴトー日が金曜日に当たる日が勝ちやすい理由としては、金曜日は週末を控えてポジションの手仕舞いが活発化しやすく、市場の価格変動が大きくなるためといわれています。

実際に、日本企業の決済や米ドル買いの動きと週末前のポジション調整が重なり、日本円売り・米ドル買いの流れが強まるケースも多いです。結果として、円安が進みやすく、仲値トレードにおける勝率が高まる傾向があるといえるでしょう。

4-2. 移動平均線に着目する

ゴトー日の仲値トレードにおいては、移動平均線に着目すると勝率を上げやすくなります。
移動平均線は、過去の価格データを基にして算出されるもので、トレンドの方向性や勢いを把握するための指標として広く利用されています。

ゴトー日にトレードを行う際は、ゴトー日当日の8時〜9時ごろの5分足や15分足のロウソク足チャートで、短期・中期・長期の移動平均線を確認しましょう。全てが上昇傾向であれば、仲値トレードで勝つ可能性が上がると考えられます。

5. ゴトー日の仲値トレードに絶対はない

ゴトー日の仲値トレードは、「①ゴトー日の9時までに米ドル/円の買いポジションを保有する」「②9時55分の仲値決定後速やかに手仕舞う」という鉄則を守れば、何も考えずにトレードするより安定して利益をあげられます。

とはいえ、FXにおいて勝率100%ということはありえません。ゴトー日の前日や当日に、円高が進むような要因がないかどうかを確認しておくことや、利益が出ていない状況でも遅くとも10時にはポジションを手仕舞うという注意点もしっかり押さえておきましょう。

ゴトー日を理解したら、実際にどのように為替が動くのかを確認してみてください。SBI FXトレードは取引単位が1通貨(一部通貨ペアを除く)となっているため、少額の資金で実際にトレードすることも可能です。ぜひ、特異日の為替動向を生かした取引を経験してみてください。

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この記事を監修した人

SBIリクイディティ・マーケット株式会社
金融市場調査部長
上田眞理人

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