デイリーレポート

2024年04月30日(火)

29日の東京市場(~17時00分)

概況

先週末26日の日銀金融政策決定や植田日銀総裁の会見、さらには米3月PCEコアデフレーターが市場予想を上回ったことを受けてドルが全面高、円が全面安となる中、ドル円は158円44銭へ上昇したほか、ユーロ円も169円39銭へ上昇し、ドル円は158円34銭、ユーロ円は169円30銭で取引を終了。一方、ユーロドルは1.0674㌦へ下落し1.0693㌦で取引を終了。こうした流れを受けた29日のアジア市場では157円98銭から取引を開始したドル円が午前10時半にかけてドル円が160円17銭、ユーロ円が168円94銭から171円56銭まで円安が進行。こうした中、ユーロドルもユーロ円の上昇にサポートされ朝方の1.0687㌦を安値に1.0734㌦へ反発。しかし、13時過ぎには本邦通貨当局による円買い介入観測も聞かれ16時半にかけてドル円が154円54銭へ急落するなど円が全面高となりユーロ円も165円66銭へ下落したことに伴いユーロドルも1.0708㌦へ反落。ただ、4月30-5月1日のFOMCのほか、5月1日の米4月ISM製造業景気指数や3日の米4月雇用統計を控え、ドル円は155円割れからの買いも観測され17時にかけて155円67銭へ反発したほか、ユーロ円も166円台後半へ切り返したことからユーロドルも1.0725㌦へ反発し1.07㌦台前半での小幅な値動きとなりました。

ドル円

①先週末26日の日銀金融政策決定での「緩和的な金融環境を維持する」との方針を確認したほか、植田総裁の会見でも「円安のインフレへの影響は一時的に留まる」としたこと、②米3月PCEコアデフレーターが市場予想を上回ったことを受け158円44銭へ上昇し、158円34銭で先週末の取引を終了。さらに28日の衆院補選で島根1区での自民党候補の大敗を含め民意の自民党離れが鮮明となったことから岸田政権を巡る政局不透明感も円売りにつながったと見られ29日のアジア市場では朝方から円売りが加速し、午前10時半過ぎに160円17銭まで上昇。その後もアジア株が全面高となったリスク選好にサポートされ159円台前半から半ば付近での値動きを続けたものの、13時過ぎには本邦通貨当局による円買い介入観測も聞かれ16時半にかけて154円54銭へ急落。一方、4月30‐5月1日のFOMCのほか、1日の米4月ISM製造業景気指数や3日の米4月雇用統計を控え155円割れでのドル買いも観測され17時にかけて日足・基準線(155円47銭)を上回る155円67銭へ反発しました。

ユーロドル

先週末26日発表の米3月PCEコアデフレーターが市場予想を上回ったことから1.0674㌦へ下落し、1.0693㌦で取引を終えた一方、ユーロ円は169円39銭へ上昇し169円30銭で取引を終了。こうした流れを受けて29日のアジア市場では朝方の1.0687㌦を安値にユーロ円が午前10時半に史上最高値を更新する171円56銭へ上昇して以降、170円台後半での堅調な値動きを続けたことにサポートされ14時過ぎに1.0734㌦へ反発。こうした中、13時以降、16時半にかけてドル円が急落したことに伴いユーロ円が165円66銭へ下落したことが対ドルでの上値抑制につながり16時過ぎには1.0708㌦へ反落。しかし、1.0700㌦割れを回避したほか、ユーロ円が166円台後半へ切り返したことから1.0725㌦を高値に17時にかけて1.07㌦台前半での底堅い値動きとなりました。

豪ドル円

先週末26日に円が全面安となる中、103円48銭まで上昇し103円45銭で取引を終えた流れを受けて、29日の午前10時半にかけてドル円が160円17銭、ユーロ円が171円56銭まで上昇したことに伴い104円94銭まで上昇。その後もアジア株全般が上昇したリスク選好にサポートされ104円台半ば付近を中心に堅調な値動きを継続。しかし、13時過ぎ以降の本邦通貨当局による円買い介入観測を背景にドル円、ユーロ円の下落とともに16時半にかけて101円39銭へ急落。一方、日足・転換線/基準線(いずれも101円34銭)を下値支持線として17時過ぎにかけてドル円、ユーロ円の反発とともに102円26銭へ反発しました。

29日の日経平均株価

29日の東証は休場。先週末26日の日経平均株価は前日比306円28銭高(+0.81%)の37,934円76銭と大幅に反発し、週間ベースでも866円41銭高と上昇しました。前日25日に発表された米IT企業の決算を好感した半導体関連株を中心に、前日25日に大幅下落した反動から買いが先行。注目された日銀金融政策決定会合では、政策金利である無担保コールレート翌日物の誘導目標を0.0-0.1%で据え置いたことを受け円安が進んだことをを追い風に、後場の取引開始直後には469円06銭高の38,097円54銭まで上げ幅を拡大。一方、連休を控えていることから利益確定売りも観測され38,000円を維持できないまま取引を終えました。

29日の海外市場(17時00分~6時00分)

概況

アジア市場で観測された本邦通貨当局による円買い介入観測が上値抑制につながったものの、4/30-5/1のFOMCを控え日米の金融政策の方向性の違いがあらためて意識される中、ドル円は155円割れからのドル買い観測にサポートされ17時半の155円06銭を安値に23時前にかけて156円89銭へ反発。一方、神田財務官が「異常とも言える為替変動が国民経済にもたらす悪影響には看過しがたいものがある」とのコメントがあらためて意識されドル円は再び上値の重い値動きを続け深夜2時前には155円09銭へ反落したものの、ここでも155円割れを回避。その後も深夜3時前の156円17銭までの反発に留まる156円00銭を挟んだ小幅な値動きを続けたものの、取引終盤にかけて再び156円台前半へ上昇し156円34銭で取引を終えました。一方、ユーロドルは18時過ぎに1.0697㌦を安値にその後の反発も1.0727㌦までに留まる上値の重い値動きを続け、ドイツ4月CPIを受けて22時半にかけて1.0690㌦へ反落。その後、ドル円を軸にしたドル売りにサポートされ深夜2時過ぎにお1.0729㌦へ反発するも、アジア市場での高値(1.0734㌦)を前に伸び悩む1.07㌦台前半での小幅な値動きを続け1.0719㌦で取引を終えました。

ドル円

本邦通貨当局による円買い介入が上値を抑制した一方、4/30-5/1のFOMCを控えてあらためて日米金利差が意識されたことを背景に17時半の155円06銭を安値に155円台後半での小幅な値動きを続け米10年債利回りが4.64%台まで低下幅を縮小した23時半前に一時156円89銭まで上昇。また、23時半に発表された米4月ダラス連銀製造業活動指数は-14.5と市場予想(-11.3)を下回り、3月(-14.4)から悪化したことから156円50-60銭台での小幅な値動きを継続。一方、円買い介入への警戒感が上値抑制につながり深夜2時前には155円09銭へ反落したものの、ここでも155円割れを回避するとともにNY株式市場の主要3指数が上昇を継続したことから深夜3時前の156円17銭を高値に156円00銭を挟んでの値動きを続け取引終盤にかけて156円台前半での値動きを続け156円34銭で取引を終えました。

ユーロドル

17時の1.0724㌦を高値に18時過ぎに1.0697㌦へ下落したものの、オセアニア市場での安値(1.0687㌦)を前に下げ止まった一方、4/30-5/1のFOMCを控えて反発も20時過ぎの1.0727㌦までの反発に留まる上値の重い値動きを継続。21時発表のドイツ4月CPIは前年比+2.2%とほぼ3年ぶりの低水準となった3月と変わらなかったことを受けて22時半にかけて1.0690㌦へ反落。しかし、本邦通貨当局による円買い介入観測を背景にドル円を軸にしたドル売りに加え、オランダ中銀クノット総裁が「可能性の高い6月利下げの後は慎重になる必要。6月以降の会合について語るのは時期尚早。四半期の賃金データが政策判断の助けになる」などと発言したことから深夜2時過ぎにお1.0729㌦へ反発するも、アジア市場での1.0734㌦を更新できないまま、NYダウが深夜4時過ぎに一時的ながらマイナス圏へ反落したことから1.0715㌦へ反落するなど1.07㌦台前半での小幅な値動きを続け1.0719㌦で取引を終えました。

ポンドドル

先週末26日発表の米3月PCEコアデフレーターが市場予想を上回ったことを受け1.2449㌦へ下落し1.2494㌦で取引を終えた流れを受けて、29日のオセアニア市場での1.2480㌦を安値にポンド円が200円57銭まで上昇したことにサポートされ14時前に1.2549㌦へ上昇。一方、ユーロドルの下落とともに18時過ぎに1.2507㌦へ反落。その後、NY市場序盤にかけて1.2543㌦までの反発に留まり22時半過ぎに1.2515㌦へ反落。しかし、ユーロドルの上昇とともに深夜2時過ぎにかけて1.2569㌦へ反発。その後も対ユーロでのポンド買いにサポートされ1.25㌦台半ば付近からの底堅い値動きを続け200日移動平均線(1.2555㌦)を上回る1.2562㌦で取引を終えました。

豪ドル円

17時半の101円79銭を安値に21時過ぎにかけて102円75銭へ反発。その後も102円47銭までの反落に留まり深夜1時過ぎには102円88銭へ反発。しかし、ドル円が155円09銭へ反落した深夜2時前に101円92銭へ反落。一方、NY株式市場の主要3指数が先週末に続き上昇したリスク選好を好感しNY市場終盤にかけて102円台半ば付近での値動きを続け102円65銭で取引を終えました。

29日のNY株式市場

NYダウは146.43㌦高(+0.38%)の38,386.09㌦、ナスダックも55.18Pts高(+0.35%)の15,983.08Pts、さらに、S&Pも16.21㌦高(+0.32%)の5,116.17㌦と3指数揃って続伸して取引を終えました。先週4.7%台へ上昇した米10年債利回りが小幅ながら低下したことが好感されNYダウは取引序盤から上昇。こうした中、アップルは先週末にアナリストが投資判断を引き上げたほか、対話型生成人工知能(AI)「チャットGPT」を手掛けるオープンAIと技術利用に関する協議を再開したことが好感され上昇。さらに、中国で運転支援機能「フルセルフドライビング」の実用化への期待が高まったテスラも大幅高となったことが指数上昇につながりました。こうした中、シカゴ日経平均先物(6月限/円建)は前日比40円安の38,325円で取引を終え、26日の日経平均株価(37,934円76銭)と比べ391円高で取引を終えました。






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