ジョセフ・クラフト 特別レポート

バイデン形成逆転、法廷闘争に突入

掲載日:2020年11月05日

結論:270対268という歴史的僅差でバイデン勝利の可能性強まる

昨日のトランプ勝利宣言は勇み足になりそうだ。土壇場でバイデンが粘りを見せ、ウィスコンシンで49.6%対48.9%を取った。そして、たった今ミシガンも49.8%対48.6%で勝つみ込み。これで勝負はネバダとペンシルバニアに絞られた。ペンシルバニアは現在のところトランプが優勢で、ネバダは大混戦ながら僅かにバイデンがリード。このままバイデンがネバダを取ると270対268という歴史的僅差で勝利することになる(下記図参照)。 一つだけ確かなのは、法廷闘争に本格的に入ることである。

一つ不思議なのが、バイデン巻き返しでも米国債10年金利は0.77%と更に低下している。バイデン勝利が織り込まれていた昨日東京の午前に0.90%まで金利が上昇、その後トランプ優勢に変わると0.79%へ下落して行った。バイデン優勢でも金利が上がらない理由は、おそらく上院が共和党に残ることが濃厚なため、大型財政出動の可能性が低下したとの見通しからと考える。

そこで下記に2州の情勢について検証してみたい。トランプ勝利の道は下記の2州を取る他に無い・・・。

ペンシルバニア ~ 現在開票85%で、バイデン46.8%対トランプ52.0%。トランプ優勢ながら、予断を許さないのは民主党が強い都市部票がまだ結構残っていること。ピッツバーグがあるAllegheny群(開票79%)、Philadelphia群(開票70%)あるいはその周辺のChester群(開票83%)、Delaware群(開票78%)そしてMontgomery群(開票90%)が残っている。更に、ペンシルバニアは郵便投票を6日まで受け付けるため、トランプに不利に動く可能性は否定できない。最終的にトランプが逃げ切るとの見方が主流ながら、票差はこれからかなり縮まっていくことが予想される。

ネバダ ~ 現在開票86%で、バイデン49.3%対トランプ48.7%。地方群の開票が88%~90%のため、トランプが巻き返す可能性は残っている。しかし、ラスベガスがあるClarke群(開票84%)とReno市があるWashoe群(開票89%)の都市部票も残っているので、どこまで差が縮まるかは疑問。ネバダ州は郵便投票を10日まで受け付けているので勝利の判断は来週まで長引く可能性がある。

因みに、候補の票格差が0.5%以内だと自動的に再集計に入る。そうでなくともトランプは僅差で負けた州で訴訟攻勢に出ることが予想され、既に手続きに入ったとの報道がある。最後に、バイデン勝利(2票差)であろうがトランプ勝利(10票差)であろうが、ここまでの僅差になると12月14日の選挙人投票での「不誠実選挙人票」が注目される。不誠実選挙人票とは、一般投票の結果に従わずに独自の判断で勝手に投票する選挙人を指す。以前のレポートでも指摘したが、2016年の大統領選挙では過去最多の7票もあった(クリントンが5票失い、トランプが2票減)。いろんな意味で2000年のブッシュ・ゴア大統領選を超える混迷劇と考える。

出所:ロールシャッハ・アドバイザリー

【筆者プロフィール】

ジョセフ・クラフト 
SBI FXトレード株式会社 社外取締役

【略歴】
1986年6月 カリフォルニア大学バークレイ校卒業
1986年7月 モルガン・スタンレーNYK 入社
1987年7月 同社 東京支社
為替と債券トレーディングの共同ヘッドなどの管理職を歴任。
2000年以降はマネージングディレクターを務める。
コーポレート・デリバティブ・セールスのヘッド、債券営業
そしてアジア・太平洋地域における為替営業の責任者なども歴任
2007年4月 ドレスナー・クラインオート証券 入社
東京支店 キャピタル・マーケッツ本部長
2010年3月 バンク・オブ・アメリカ 入社
東京支店 副支店長兼為替本部長
2015年7月 ロールシャッハ・アドバイザリー㈱代表取締役 就任
現在に至る

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