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ジョセフ・クラフト 特別レポート

トランプの一方的な勝利宣言で大統領選を手中に? ~ ナンセンス!

掲載日:2020年11月04日

一部米メディアは、「トランプが一方的に勝利宣言を行う考えを示している」と報道、日本でも注目を浴びている。これはCNNを筆頭に左派メディアによる「トランプの冒涜イメージを煽るプロパガンダ」に過ぎない。トランプが側近に勝利宣言を仄めかした可能性は否定しない。しかし、それは無意味である。米大統領選は1880年以降、慣例として敗北宣言があって初めて公式に大統領が決まることになっている。勝利宣言しても効力は無く、犬の遠吠えに過ぎない。敗北宣言が無くとも選挙は法的プロセスにのっとり、決められていく。いくらアメリカが体たらくでも、無法国家では無い。更に大統領の任期は(4年と)憲法に定められているため、1月20日に居座ることは出来ない(全例が無いが、議会が退去命令をシークレット・サービスに告げると予想)。

このことは当然CNNも分かっており、無視すれば良いものをトランプの傲慢さと冒涜イメージを煽ることで、更なる反トランプ票を発掘したい狙いがあるものと思われる。トランプ自身も分かっており、プライベートでそのような発言はしても公的には否定している。正直、こんなことで(米左派)メディアが一喜一憂するのはナンセンスだと思う。ただし、一つ危惧すべき問題がある。仮にトランプが勝利宣言をした場合、後にバイデンに結果が傾くと、極右派のトランプ支持層を逆なでして抗議でもや暴動に繋がる懸念はある。勝利宣言は大統領選の結果に関して何ら影響は無くとも、社会秩序の観点からは無責任・危険な発言と考える。

米大統領選(州別)開票スケジュール ~ 当日投票よりも郵便・期日前が先行!

下記表は全州の開票時間と分かっている範囲での発表方法で(当日票対郵便・期日前票の発表順位)。一般的には当日投票が先に発表され(トランプ優勢)、後から郵便・期日前投票が発表(バイデン追い上げの展開が)予想されている。しかし、下記表を見ると、18州で先に郵便・期日前投票が発表予定であり、逆に当日票を先に発表する州は7つに止まっている。つまり、大方の予想に反して開票直後はバイデンが優勢に立って、後からトランプが追い上げる展開の可能性が示唆される。

この展開を把握していないと、出だしからバイデンがリードすると株式市場はバイデンの逃げ切りと判断(特に上院も民主に傾いている場合)、株価が反発する可能性がある。ところが後からトランプが追い上げ混戦の様相を呈し始めると株価が下落に転じるリスクが考えられる。先ず、各州の開票特徴を把握することで、大統領選の情勢をより正しく読むことが出来ると考える。

下記表の読み方: 東海岸時間午後8時は、日本時間の翌日午前10時となる。郵便投票の締め切りが3日以降でも、多くの州ではそれ以前に受け取った郵便投票を集計、公表して残りは順次発表していくことが主流。一部の州では3日まで集計が規制されている州もある。

青表記 = バイデン優勢で始まる (郵便・期日前票が先に発表される)
赤表記 = トランプ優勢で始まる  (当日票が先に発表される)
黒表記 = 中立・どちらの優勢では無い (当日票も郵便・期日前も一緒に発表)



郵便・期日前投票最新結果 ~ バイデン優勢でも当初見込まれたほど優位性は無い

11月1日を終えた時点で8,769.8万の郵便・期日前票が集計、最終的に1憶に達するともいわれている。全国ベースで民主党員の投票率が43%に対して共和党が37%とバイデンがリードするもトランプの猛追に会う結果となった。10月21日(大統領討論会前)の時点で14ポイントのリードが6ポイントまでに縮まった。フロリダ州に至っては16ポイントあったリードが僅か2ポイントまでに縮小。アリゾナでも13ポイントのリードが今や1ポイントとほぼ互角の展開。ノーズカロライナでも17ポイントのリードが5ポイントに縮小。更に互角だったウィスコンシンとミシガンはトランプに逆転され、ウィスコンシンに至っては8ポイントと大きく溝を開けられた。バイデン優勢シナリオは変わらないものの、当初見込まれたほどのリードに至っていない。バイデン陣営としては無党派票の取り込みと当日投票での検討に期待したいところ。

【筆者プロフィール】

ジョセフ・クラフト 
SBI FXトレード株式会社 社外取締役

【略歴】
1986年6月 カリフォルニア大学バークレイ校卒業
1986年7月 モルガン・スタンレーNYK 入社
1987年7月 同社 東京支社
為替と債券トレーディングの共同ヘッドなどの管理職を歴任。
2000年以降はマネージングディレクターを務める。
コーポレート・デリバティブ・セールスのヘッド、債券営業
そしてアジア・太平洋地域における為替営業の責任者なども歴任
2007年4月 ドレスナー・クラインオート証券 入社
東京支店 キャピタル・マーケッツ本部長
2010年3月 バンク・オブ・アメリカ 入社
東京支店 副支店長兼為替本部長
2015年7月 ロールシャッハ・アドバイザリー㈱代表取締役 就任
現在に至る

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