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ジョセフ・クラフト 特別レポート

米大統領討論会再検証 ~ やはりトランプ勝利、バイデンの失言・失策目立つ

掲載日:2020年10月05日

国内報道で米政治評論家らの見解と小生の見解が異なるため、再度討論会の検証を行ったが、先週のレポートで指摘した通りトランプが優勢との分析は変わらない。誤解の無いように、討論会前も現時点でも僅差ながら大統領選はバイデンが優勢と見ている。しかし、トランプが引き続き差を縮めていくだろうと考える。国内メディアの多くはCNN、ニューヨークタイムスそしてワシントンポストなどのリベラル系メディアから情報を取得するため、報道・見解がトランプに関して悲観的へ寄りがち。討論会でのトランプの言動・態度は確かに酷かったものの、私のような中道派アメリカ人は感覚的に、討論会はトランプにとってさほど不利に働かないどころか、プラスに寄与すると思う。品格に欠けるトランプの討論会映像を取り除いて、中身(政策提言)だけに注目するとバイデンの失言、あるいは失策が目立つ。そこで討論会の書記(全文)を読み返し、問題視されるバイデン発言を下記に紹介したい。

増税
バイデン:「I'm going to make the corporate tax 28%. It shouldn't be 21%.」
*増税をはっきり打ち出すが、同時に低中所得者への減税にも言及しなかったのはミス。増税の印象がより強く出てしまい、景気不安が煽られる。トランプはその点に深く付け込まずにチャンスを逃した。

最高裁人事(承認妨害策)
司会者:「So my question to you is, you have refused in the past to talk about it, are you willing to tell the American tonight whether or not you will support either ending the filibuster or packing the court?」
バイデン:「Whatever position I take on that, that'll become the issue. The issue is the American people should speak.」
トランプ:「Are you going to pack the court?」
バイデン:「Vote now.」
トランプ:「Are you going to pack the court?」
バイデン:「Make sure you, in fact, let people know, your Senators.」
トランプ:「He doesn't want to answer the question.」
*バイデンが質問から逃げたのは明白、一般有権者への印象は悪かったはず。「Pack the Court」とは現在の9人よりも多い判事を据えてイデオロギー・バランスを変えることを意味する。カバノー承認の記憶はまだ新しく、最高裁人事のプロセスに関して民主党の対応に疑問を抱く者は民主党員の中でも少なくない。この点はCNNでも問題視された。

コロナ対策と経済再開
バイデン:「You can't fix the economy until you fix the COVID crisis.」
トランプ:「No, people want their schools open. They don't want their state shut down.」
バイデン:「People want to be safe.」
トランプ:「They'll be careful, but they want their schools open.」
バイデン:「People want to be safe.」
*トランプは経済再開、バイデンは経済封鎖という対照的な姿勢(差別化)を見せた。良かれ悪かれ、今の世論は感染予防(自粛)よりも経済再開に傾いている。バイデンは事業や学校封鎖を強調してしまった分、不利に映った可能性が高い。経済活動の両立を上手く伝えられなかったバイデンのミスと言える。

法と秩序
トランプ:「And you still haven't mentioned. Are you in favor of law and order?」
バイデン:「I'm in favor of law. You...」
司会者:「You asked a question, let him finish.」
バイデン:「Law and order with justice, where people get treated fairly.」
トランプ:「it is crazy what's going on and he doesn't want to say law and order because he can't because he'll lose his radical left supporters and once he does that, it's over with.」
*6~7月は人権・BLM運動に世論の支持が傾いていたが、暴動や凶悪犯罪の横行で現在はむしろ法と秩序に有権者が同調している。バイデンが秩序にハッキリ言及しなかったのはトランプの思うつぼ。共和党が主張する「法と秩序」を重要視しない民主党のイメージを強めてしまったと言える。

環境問題
トランプ:「The Green New Deal is a hundred trillion dollars.」
バイデン:「The Green New Deal is not my plan.」
司会者:「So, do you support the Green New Deal?」
バイデン:「Pardon me? No, I don't support the Green New Deal.」
*因みにバイデンのホームページにはこのように明記されている、「Biden believes the Green New Deal is a crucial framework for meeting the climate challenges we face.」
上記はプログレッシブ・左派有権者の最重要政策の一つを真っ向否定したもの。リベラルメディアはこの問題を避けようとほとんど報道していない。この発言を修正・撤回しないと11月3日に左派有権者が投票を控えるリスクがあり、2016年の二の前を踏みかねない。

国民年金保険
トランプ:「Joe, you agreed with Bernie Sanders, who's far left, on the manifesto, we call it. And that gives you socialized medicine.」
バイデン:「Look Hey...」
トランプ:「Are you saying you didn't agree?」
バイデン:「I'm not going to listen to him. The fact of the matter is I beat Bernie Sanders. I beat him by a whole hell of a lot.」
トランプ:「Not by much. Listen, you agreed with Bernie Sanders and the manifesto」
バイデン:「There is no manifesto, number one.」
トランプ:「He just lost the left.」
* トランプの言動・態度に批判が集まったが、戦術としてバイデンのこの発言(そして上記のGreen New Deal発言)を引き出したなら価値は十分あったと考える。バイデンはトランプにつられてバーニー・サンダーズと共に左派をこき下ろしたのは実に無意味な失言と言わざるを得ない。この議論からバイデンは、左派が主張する国民年金制度を推奨しないことがバレてしまった。今後、トランプ・共和党としてはこの点につけ込み、左派有権者を孤立させる絶好のチャンスとなる。

最後に政策提言では無いが、仕草というか映像的に多くのアメリカ人の脳裏に引っかかったことを紹介したい(下記参照)。トランプの攻撃的態度は品格に欠け、大統領の資質に値しないことは明白。しかし、同時にバイデンには闘争心が欠け、落ち着きが無く、弱腰の印象を受けた有権者は少なくないと思われる。

出所:ロールシャッハ・アドバイザリー

意外?!大統領討論会後の世論調査がトランプ有利に傾く

大統領討論会(29日)はトランプが負けたとの主張が圧倒的に多い。そこでより客観的に影響を探るため、討論会直後に集計、あるいは討論会の影響に特化した聞き取りを行った三つの世論調査を紹介したい(下記参照)。RealClear Politics平均支持率集計の中で討論会後の期間(9月30日~10月1日)、そしてトランプのコロナ感染期間(2日)を含まない調査は下記に紹介する①と②だけである。現段階で討論会の影響を純粋に反映する世論調査は小生が知る限り下記の三つに限られる。例えばCNNが行った討論会評価(トランプ28%対バイデン60%)が紹介されるが、これは無作為調査でなく視聴者に特化したもので、当然バイデンに偏るのは当たり前で参考にならない。

下記調査に触れる前に一つ指摘したい。直近のRealClear Politicsの平均支持率集計でバイデンのリードが7.8%と開いている。これは、多くの調査を反映したものよりも、一つの変則データ(アノマリー)が背景にあることを認識すべきである。全ての調査がバイデンの一桁リードを示す中、9月30日付けのCNBC/Change Researchの調査が13ポイントと大きく乖離していることが要因。一方でこのデータを除いても、この1週間の動きとしてはバイデンのリードが多少開いていることは確かである。今後の世論調査の動向として、討論会を受けて有権者は今まで以上に世論調査でトランプ支持と主張することが難くなるのではないか。つまり隠れトランプ票が増えるということ。従って気を付けなければいことは、世論調査でバイデンの支持が増えても今まで以上にミスリーディングかもしれないことである。

IBD/TIPP世論調査 ~ 1984年に設立された金融紙「Investor's Business Daily(IBD)」が、統計専門会社の「TechnoMetrica Institute of Policy and Politics(TIPP)」と共同で作成する定評のある世論調査(下記①参照)。そこで9月30日~10月1日に集計した大統領支持率は、バイデン48.6%対トランプ45.9%とバイデンが2.7ポイントリードながらも、トランプがこの差を半分近くも縮める結果となった(下記表参照)。それ以前、9月21日付けの同調査ではバイデンの49.5%に対してトランプが43.9%と差は5.6ポイントとバイデンがリードしていた。そこで調査のバイアスを確認するため回答者バランスを確認。最新の同調査の回答者比率は1,015人のうち、民主党が40.5%に対して共和党が39.7%のため、トランプに有利な構成になっていない。

Hill-Harris X世論調査 ~ ワシントンDCの政治誌「The Hill」と著名世論調査会社の「Harris Insights and Analytics」が9月30日~10月1日に世論調査を実地(下記②参照)。先ず、一般有権者に大統領支持を問うと、バイデンの47%に対してトランプが40%とバイデンが7ポイントの差を付けた。ところが「討論会を視聴した」有権者に限って集計すると、バイデン44%に対してトランプが45%となんと1ポイント差で逆転したのである。この調査で討論会を見たと答えた回答者比率は515人中、民主党が38%に対して共和党が33%と民主党優勢のため、トランプが1ポイントでもリードしたことは驚きに値する。

FiveThirtyEight調査 ~ 「ファイブ・サーティ・エイト」はオンラインで毎日集計される世論調査である(下記③参照)。インターネットに特化するため、回答者は若年層そして左派系有権者が主流と思われる(実際の回答者構成は公表されていない)。討論会前日(28日)の同調査支持率はバイデン50.2%対トランプ43.1%とバイデンが7.1ポイントをリード。討論会翌日の30日は、バイデンのリードが8.2ポイントに反発する。しかしその翌日の10月1日にはバイデンのリードが7.4ポイントまで戻っている。結果は、討論会前と後の影響は限定的と判断。

この三つの調査からは、大統領討論会がトランプの負けと判断することは到底できない。上記でも指摘したが、もう一つ重要なポイントとしてこれら調査はトランプのコロナ感染ニュースの前に集計したことから純粋に討論会の影響を反映している。2日以降に集計される調査はコロナ感染のセンチメントが含まれることから討論会の影響が分かりにくくなる。

出所:ロールシャッハ・アドバイザリー

有権者登録状況から見た大統領選 ~ 激戦4州で共和党が優位に立つ

以前から大統領選を決めるのは「投票率」と指摘させていただいた。支持率調査は当日の投票率を必ずしも反映しないため、予想が外れることがある(2016年は黒人と若年層の投票率が下落、トランプの勝利に寄与)。そこで投票率の先行指標の一つとなるのが「有権者登録数」である。一般的には、投票者の事前登録は投票意欲を示すとされ、登録者数を多く確保する党に勢い・モメンタムがあるとも言える。無論、登録者が多いからと言って当日に投票に出向く保証は無い。それを踏まえ、激戦4州での両党の有権者登録比率(2016年対比)が発表された。一つの州を除いて共和党の方が民主党を上回る登録比率を計上している(下記表参照)。下記データについて一言、人口の中で民主党有権者の方が共和党有権者よりも多い。下記データは2016年対比での登録者の増減比率を示している。
ノースカロライナ州 ~ 2016年11月時と比べると民主党の有権者登録数は6.2%減少しているのに対して共和党は3.5%増えている。コロナ禍で民主党が誘致活動を控える中、共和党はトランプの号令のもと活動が功を奏している。TargetSmart社の調査では全体的に民主党の方が登録有権者数が多いものの、投票比率は共和党有権者の方が高いとのこと。この背景には、民主党は若年層有権者の比率が高く、この層は投票比率が比較的低いことが挙げられる。
ペンシルバニア州 ~ 2016年以前、同州が共和党大統領に投票したのは1988年以来。2016年と比較して民主党は登録者が1.5%減少に対して共和党は3.7%増えている。バイデンの生まれ故郷である州としてこの結果は不甲斐ないと言えよう。
フロリダ州 ~ 最も大きく且つ重要な激戦州であるフロリダは、両党共に登録者数を増やしている。しかし、民主党が5.8%(28.9万人)増に対して共和党は+9.6%(44.2万人)と上回った。同州で注目される動きはラテン系有権者である。共和党はキューバ系、そして警察など治安職に就く有権者、あるいはその家族の登録数が急速に伸びているとのこと。
アリゾナ州 ~ 4州のうち唯一民主党の登録比率が共和党を上回った。従来は共和党優勢な州だったが、近年は民主党が健闘している。特に共和党は上院選で追い詰められている。近年の傾向として中道・独立派の有権者が増えている。現段階、アリゾナの中道・独立有権者比率は31%と高いものなっている。こうした浮動票のため、アリゾナ州の行方が非常に読みにくくなっている。

出所:ロールシャッハ・アドバイザリー

トランプに神風?! ~ コロナ感染はトランプに追い風

トランプに神風が吹いているのではないかと思わせる出来事が相次いでいる。7月はバイデンが大半の世論調査で二桁リード、トランプの勝利は無いと断言するメディア・政治評論家も少なく無かった。ところが8月は、全米各地で暴動が勃発して凶悪犯罪も横行し、トランプが主張する「法と秩序」に世論が傾き始める。9月に入るとギンズバーグ最高裁判事が死去、宗教団体を筆頭に保守有権者が任命をめぐって沸き立つ。そしてご存じ10月に入り、トランプがコロナウイルスに感染する。国を揺るがすこのニュースは、トランプに同情が集まり、大統領選にプラスに働く可能性があると個人的に考える。政局を揺るがす大きなイベントが立て続けに起こったことは、神がかったとしか言いようがない。

直近の報道では、コロナ感染はトランプにとってマイナスに寄与すると指摘する専門家が主流。軽傷に止まる条件付きながら、トランプのコロナ感染はそうした指摘とは真逆のポジティブに働くと小生はあえて主張したい。確かにコロナ感染によって選挙活動が制限されるのは不利。しかし、そのマイナスを上回る世論からの同情や親近感が増える可能性が考えられる。米国民は所謂「Underdog(苦難・逆行に立ち向かう者)」が大好き、応援したくなる性質がある。今回の感染によって、トランプ支持層はより結束、(民主党員を含む)中道層の同情が増え、トランプへの見方が多少変わることが予想され、反トランプ層は動じずとも批判を強めにくくなる。再度主張させていただくが、ポジティブ効果は感染が軽傷に止まり、早期(2週間ほど)の回復シナリオに限る。そこでトランプのコロナ感染に関するポイントをいくつか紹介したい。

支持率 ~ 過去にコロナに感染した政治家の例を見ると支持率が反発している。一番有名どころでは、ジョンソン英首相が挙げられる。ジョンソン首相が4月に感染、入院前にあった54%の支持率が入院後には66%まで反発した。ブラジルのボルソナロ大統領も7月末に感染、30%前後だった支持率が37%に上昇、不支持率が10ポイント下落するなどポジティブ効果が見られている。上記で指摘したが、米国民は兎に角「Underdog」が好き、応援したくなるのである。コロナと闘うトランプは正しくアンダードッグである。支持率において注視する必要があるのは、当初は上昇しても持続性は長くないかもしれない。持続期間はせいぜい1ヶ月と推測。この意味ではトランプの感染タイミングは絶妙かもしれない。

同情 ~ 深夜にトランプの感染ニュースが流れ、翌朝早朝に、討論会で罵声を浴びせられたにも関わらずバイデン氏はトランプ大統領とメラニア婦人へ回復を願うお見舞いツイートを投稿した。ジェントルマン精神での行動と言いたいが、それだけでは無い。このようなメッセージを発信しなければ同情する世論から反感を買うリスクがあったからである。マナーとは言え、各国首脳から同様のお見舞いメッセージが寄せられた。これは、有権者から見てトランプの世界的地位のイメージアップに多少なりとも寄与すると思われる。

親近感 ~ トランプの感染は一見、バイデン・民主党にとって好都合と思われるかもしれないが、今後の選挙選が戦いにくくなったのが本音であろう。先ず、トランプは自らの不注意で感染、自業自得との批判は危険である。トランプを批判することはこれまでの感染者を批判していると受け止められかねない。更にコロナ禍に関する提言・意見は、経験者の方が説得力がある。その観点からトランプの発言は違った重みで受け止めらるかもしれない。最後に民主党はトランプが感染者やその家族の気持ちが分からない、軽んじていると批判して来たが、これも難しくなる。時にはトランプに厳しいワシントンDCの政局誌「The Hill」は、今回の感染はトランプにがより親しみやすく見え、逆行から立ち直った強い大統領との印象が助長される可能性があると指摘。更に反トランプの著名誌「The Atlantic」は感染が軽傷で済めば、これまでトランプが示唆して来た「コロナはインフルエンザのようにさほど深刻でない」との主張がより肯定され易くなり、少なくともトランプ支持基盤が強まる可能性が考えられる。

トランプの近況報告ツイートの概要紹介 ~ 「かなり気分は良くなった」

日本時間10月4日午前8時ごろにトランプは4分に渡る近況報告のツイートを投稿した。下記にツイートの概要訳を添付した。ツイートを見る限り、若干声がかすれているようにも聞こえるが、元気な様子がうかがえる。特に4分もしゃべり続ける中で全く息切れせず、淡々としゃべる様子は予想以上に元気だと思った。メディア・専門家の中にはキャンペーン活動が出来ないことは大統領選に不利との指摘がある。しかし、ツイートの投稿から14時間が経ち、2,700万人が視聴している。これは集会20回以上の効果があると思われる。

トランプのツイート訳:「先ず、ウォルター・リード病院の全ての医療専門家に感謝したい。皆素晴らしい仕事をしてくれている、世界一だ。私がここに来た時、気分はあまり良くなかったが、今はかなり回復した。専門家たちは私の完全な回復に取り組んでいる。一日も早く復帰して「Make America Great Again」に取り掛からなければならない。私は早期に復帰するつもりだ。今回の感染は(予想外だったが)、世界で何百万人に起きたことで、私は彼らのためにも戦う、アメリカだけでなく世界のために戦う。このコロナウイルスにしっかりと打ち勝つ。コロナに関する治療法は進展しており、今後も奇跡的な発展がある。兎に角皆さんに言いたいのは気分が良くなっていること。本当のテストは今後数日に明らかになるのでそれを見極める必要があるが、今は元気にしている。そして世界中から寄せられたお見舞いに感謝を申し上げたい。特に国内から心配や同情の声に感謝したい、これは超党派から寄せられたもので大変素晴らしいことだ。私はこのことは忘れない。そして各国のリーダーたちにも感謝を申し上げる。今回の感染は仕方がなかった。ホワイトハウスに立てこもり、誰とも会わない選択肢もあったが、私にはそんなことは出来ない。ここはアメリカ合衆国だ、世界で最も素晴らしく強いの国だ。(その国の大統領である)私だけ部屋で隔離、安全に過ごすことなんてありえない。我々は問題・苦難に立ち向かわなければならにのだ。逆行に立ち向かわないなんてリーダーじゃない。もう一度言いたい、私は順調に回復している。ファースト・レディも元気だ。メラニアは私より若干、ほんの少しだけ若い(ジョーク)。このウイルスは若者への影響が少ないことが分かっており、メラニアは順調に回復している。私も大丈夫だ。今後数日間でより鮮明に状況が把握できるだろう。兎に角、世界のみんなに感謝したい、特にアメリカ国民に感謝したい。みんなから寄せられた愛は素晴らしく、絶対に忘れない。ありがとう。」

トランプは四つのアピールを狙ったと受け止める:①良好な健康状態、②国内外からの人気、③強いリーダーシップそして④バイデンの(隔離)批判。一つ目は元気であることをアピールし、国民の不安を払拭すると共に74歳という高齢でもコロナに打ち勝つ強さを主張しようとしている。二つ目は多くの海外要人からのお見舞いが届いていることで人気・国際地位をアピール。国内では、民主・共和からの同情や心配の声が寄せられたことを強調、超党派的な結束を促した。三つ目は苦難・逆行に立ち向かうリーダーであることをアピール。所謂「Underdog(苦難・逆行に立ち向かう者)」を好む米国民から見れば必然的にトランプを応援したがる有権者は少なくないと思われる。最後にアメリカのリーダーは(コロナ感染を恐れて)隔離することは出来ないとアピールした。名指しはしないまでも、明らかに自宅で自粛するイメージのあるバイデン氏を連想させるもので、間接的に批判するものである。

【筆者プロフィール】

ジョセフ・クラフト 
SBI FXトレード株式会社 社外取締役

【略歴】
1986年6月 カリフォルニア大学バークレイ校卒業
1986年7月 モルガン・スタンレーNYK 入社
1987年7月 同社 東京支社
為替と債券トレーディングの共同ヘッドなどの管理職を歴任。
2000年以降はマネージングディレクターを務める。
コーポレート・デリバティブ・セールスのヘッド、債券営業
そしてアジア・太平洋地域における為替営業の責任者なども歴任
2007年4月 ドレスナー・クラインオート証券 入社
東京支店 キャピタル・マーケッツ本部長
2010年3月 バンク・オブ・アメリカ 入社
東京支店 副支店長兼為替本部長
2015年7月 ロールシャッハ・アドバイザリー㈱代表取締役 就任
現在に至る

【ご注意事項】

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