ジョセフ・クラフト 特別レポート

経済活動再開後のコロナ情勢から占う米大統領選

掲載日:2020年06月05日

アメリカは連邦制度のため、コロナ対応に関して州知事に多くの権限が与えられている。以前のレポートで、アメリカのコロナ対策や経済活動再開の判断は医療データに基づくよりも政局によって分かれていることを紹介した。つまり、民主党の州知事は経済活動再開に慎重な姿勢、逆に共和党の州知事は積極的な決断を下している。経済活動再開に最も早く踏み切ったのは、4月27日にジョージア州(ケンプ共和党州知事)。最も遅かったのが、5月31日にミシガン州(ホィットマー民主党州知事)。そして各州でのコロナ対応・決断の評価が11月の大統領選に大きく影響することが予想される。結論付けるのはまだ早いが、中間報告として各州のコロナ情勢はどうなっているのか、そしてそれが大統領選にどのような影響を与えるか下記に検証してみたい。

直近1~2週間でのコロナ感染者数を見てみると、増加している州が15州ある(下記図参照)。逆に減少している州は14州で、残りは横ばい。感染者が増えている15州のうち、3分の2を占める10州は共和党州知事が舵を取っている。逆に民主党州知事が居て、感染者が増えている州は僅か五つ。経済活動再開を積極的に動いた州(主に共和党州)で感染が増加しているのは理にかなっている。次に、コロナ感染者数が減少している14州を検証すると、10州は民主党の州知事で4州は共和党州知事となっている。このデータだけで一概に結論付けることはできないが、現時点でのコロナ対応は共和党よりも民主党の方が成果を挙げていると言えるのではないか。

特に注目なのが、大統領選で重要となる激戦州の状況である。先ず、ペンシルバニアとミシガン州は感染者が減少傾向にあり、州知事は民主党員。アリゾナとテキサス州は感染者が増加傾向にあり、州知事は共和党員。この四つの激戦州は民主党に有利に傾く可能性が考えられる。次に、ウィスコンシン州は民主党の州知事で感染が増加、逆にアイオワ州は共和党州知事で感染者が減少傾向にある。総括すると、激戦州の現状は4対2で民主党に有利と判断できるかもしれない。

出所:Worldometer NYT氏

【筆者プロフィール】

ジョセフ・クラフト 
SBI FXトレード株式会社 社外取締役

【略歴】
1986年6月 カリフォルニア大学バークレイ校卒業
1986年7月 モルガン・スタンレーNYK 入社
1987年7月 同社 東京支社
為替と債券トレーディングの共同ヘッドなどの管理職を歴任。
2000年以降はマネージングディレクターを務める。
コーポレート・デリバティブ・セールスのヘッド、債券営業
そしてアジア・太平洋地域における為替営業の責任者なども歴任
2007年4月 ドレスナー・クラインオート証券 入社
東京支店 キャピタル・マーケッツ本部長
2010年3月 バンク・オブ・アメリカ 入社
東京支店 副支店長兼為替本部長
2015年7月 ロールシャッハ・アドバイザリー㈱代表取締役 就任
現在に至る

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