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ジョセフ・クラフト 特別レポート

第4四半期民主党献金状況検証 ~ ウォーレンに暗雲・・・

掲載日:2020年01月20日

候補の世論調査支持率はその時の状況を表すが、必ずしも将来の行方・変動を示唆できるものでは無い。米大統領予備選の動向を占うのに支持率と共に注視すべきは候補の集金力、つまり献金状況と考える。ある意味、支持率は遅行指数で献金データは先行指数と個人的に考える。アメリカの選挙選は長く、全国展開ともなるとコスト負担は大きい。献金動向は候補の耐久力だけでなく、支持基盤の広がりや勢いを把握するのに役立つ。例えば、第3四半期の献金情勢を基に分析を行った11月4日のレポートでは、Amy KlobucharとCory Bookerが脱落の危機にあると指摘した。その後、クロブチャー女史は献金を伸ばし、選挙活動に息を吹き返したが、ブッカー氏は脱落した。次に危険性があるのがJoe BidenとKamala Harrisと指摘。バイデン氏は当初の(小口)献金の公約を破って大物献金者に切り替え、挽回したが、ハリス女史は立候補を打ち切った。

そこで第4四半期(10~12月期)の献金状況から各民主党候補らの勢いや持続性など検証してみたい(下記チャート参照)。支持率ではバイデン氏がトップだが、集金力ではバーニー・サンダーズがダントツの首位である。サンダーズ氏は10~12月の3ヵ月で3,450万ドル(約38億円)を集め、前期比で36%増そして平均献金額が18ドルと報告。小口献金の意味は支持の裾野が広いことを意味、献金者数は驚きの180万人。2位はピート・ブティジッジ氏で2,470万ドル(約27億円)で前期比29%増。献金者数は32.6万人と悪い数字では無いが、サンダーズには大きく引けを取る。検討しているブティジッジ氏だが、ここに限界が垣間見られる。支持率1位のバイデン氏は献金額が2,270万ドル(約25億円)と3位に入った。前期比は+49%と方針転換して大口献金に頼ったことがとりあえず功を奏した。しかし、左派有権者からは批判が高まっており、サンダーズ氏に、更に献金が集まる切っ掛けになったとことが考えられる。バイデンは献金者数を発表していないが、平均献金額が23ドル(第3四半期は44ドル)、初献金者とオンライン献金が前期からいづれも倍増したと発表。サンダーズほどでは無いが、小口献金そして献金者数を伸ばしたりと第四半期より選挙活動に回復・スタミナを備え始めたことが伺える。

問題はエリザベス・ウォーレン。第4四半期の献金額が2,120万ドル(約23億円)と前期比▽14%と主要候補の中で唯一減少した。平均献金額は23ドルで44.3万人が献金した。合格ラインの目安とされる2,000万ドルを超えたのは良かったが、明らかに勢いは後退している。実は、去年12月半ばにウォーレン選対本部は献金額が1,700万ドルに留まる可能性を示唆。それが支持層の危機感を煽ったのか、12月31日に150万ドルと同キャンペーンの1日の献金額として最高を記録するなど土壇場で維持を見せた。この意味は、まだ有権者からのサポートがあり、巻き返すチャンスが残っているということ。ウォーレン女史が勢いを取り戻すには予備選の出だし、アイオワとニュー・ハンプシャーの集会がこれまで以上に重要となった。それなのに彼女は弾劾裁判で今週から議会に出席せざるを得ず、現地での選挙活動が出来ない。個人的な推測だが、2月の4州の集会でウォーレン女史が不調に終わることになれば、左派組織から早期に撤退してサンダーズの応援に回る圧力が掛かるものと考える(おそらく本人は3月いっぱいはやり遂げたい心境と思う)。

【筆者プロフィール】

ジョセフ・クラフト 
SBI FXトレード株式会社 社外取締役

【略歴】
1986年6月 カリフォルニア大学バークレイ校卒業
1986年7月 モルガン・スタンレーNYK 入社
1987年7月 同社 東京支社
為替と債券トレーディングの共同ヘッドなどの管理職を歴任。
2000年以降はマネージングディレクターを務める。
コーポレート・デリバティブ・セールスのヘッド、債券営業
そしてアジア・太平洋地域における為替営業の責任者なども歴任
2007年4月 ドレスナー・クラインオート証券 入社
東京支店 キャピタル・マーケッツ本部長
2010年3月 バンク・オブ・アメリカ 入社
東京支店 副支店長兼為替本部長
2015年7月 ロールシャッハ・アドバイザリー㈱代表取締役 就任
現在に至る

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