ジョセフ・クラフト 特別レポート

驚き?!トランプ支持率事実上過去最高

掲載日:2019年05月10日

対中関税引き上げに伴い米株価が約700ポイント(2.7%)下落、モラー捜査批判、民主下院から追求、イラン制裁強化に伴う中東情勢の緊張そして農業団体からの突き上げなど米国内情勢は波乱含みでトランプの支持率もさぞかし地に落ちていると思っても不思議では無い。ところが実態はその逆。4月26~5月8日に発表された主要8の世論調査を集計したRealclear Politicsの支持率平均値が45.1%と就任以降事実上最高値を付けてた(下記チャート参照)。歴代大統領に比べれば依然低い水準だが、逆風と思われる情勢でこのトレンドは驚きというか興味深い。

要因としていくつか推測される。一つはモラー捜査にまつわる民主下院の(過剰な?)追求。法的に起訴されない中、弾劾を視野に確定申告要求、側近の証言など召喚状を連発。しかし、こうした強硬姿勢がやり過ぎとのシンパシーを読んでいるようである。これを感じているナンシー・ペロシ下院議長は民主下院議員らに自制を促している。二つ目は対中強硬姿勢。対中関税引き上げのツイート(5月5日)が打たれる前の支持率は43.9%。その後、5月8日までに45.1%と1%以上も上昇している。5月8日に発表され、どちらかと言えば反トランプとされるReuters(43%)やEconomist/YouGov(45%)の支持率は改善、ロイターに至っては前回調査(4月30日)から4ポイントも上昇している。やはり反中感情は根強いようで、多少株価が下がってもトランプが中国に対して戦う姿勢が共感されているのかもしれない。もし本当なら米中通商交渉でトランプは簡単に妥協しない可能性が考えられる。三つ目は支持基盤(ベース)の危機感が挙げられる。ここまで民主党やリベラル系メディアに過剰な攻撃を受け、再選できない懸念から普段は世論調査に答えない支持層が浮上している可能性を指摘する専門家が居る。

いづれにせよ、トランプの支持率は改善基調にある。この流れを大統領選が本格化する今年後半から2020年年初まで維持できるか?

出所:Realclear Politics

【筆者プロフィール】

ジョセフ・クラフト 
SBI FXトレード株式会社 社外取締役

【略歴】
1986年6月 カリフォルニア大学バークレイ校卒業
1986年7月 モルガン・スタンレーNYK 入社
1987年7月 同社 東京支社
為替と債券トレーディングの共同ヘッドなどの管理職を歴任。
2000年以降はマネージングディレクターを務める。
コーポレート・デリバティブ・セールスのヘッド、債券営業
そしてアジア・太平洋地域における為替営業の責任者なども歴任
2007年4月 ドレスナー・クラインオート証券 入社
東京支店 キャピタル・マーケッツ本部長
2010年3月 バンク・オブ・アメリカ 入社
東京支店 副支店長兼為替本部長
2015年7月 ロールシャッハ・アドバイザリー㈱代表取締役 就任
現在に至る

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