ジョセフ・クラフト 特別レポート

BREXIT迷走劇 ~ 残留へ着々と進行(地方選結果)

掲載日:2019年05月07日

以前から主張している2回目の国民投票そして残留(もしくは残留に近いソフト・ブレキジット)のシナリオは強まっている。5月3日にイギリス地方選の結果が揃った。今回の地方選は実質上のブレキジット投票でもあり、離脱派にとっては惨憺たる結果となった(下記表参照)。政権与党でEU離脱(メイ案)を掲げる保守党は4,828議席のうち1,269減と、4分の1の議席を失った。最大野党で2回目の国民投票を正式に掲げ、関税同盟などソフト・ブレキジット支持と曖昧なスタンスを取る労働党は▽63と最小限の議席減に止まった。大勝したのが残留を掲げる自由民主党と緑の党。自由民主党は675議席から1,351に議席を倍増。緑の党は80議席から265議席と3倍以上に躍進。

5月7日から議会が再開するが、もはや国民は離脱を望んでいるとは主張できず、政局の風向きが変わるものと見る。4月30日に労働党は公式に2回目の国民投票を支持すると表明、地方選の結果を受けてメイ首相に譲歩するのが難しくなった。逆にメイ首相が踏み込んで譲歩すれば、党の分裂が深刻化する。4月13日のレポートでメイ首相の退陣を主張したが、地方選の結果を受けて5月23日のEU議会選(遅くとも6月30日)までにメイ首相退陣の可能性が濃厚になって来たと考える。メイ首相が辞任すれば、10月30日までの2回目の国民投票準備に具体的に動き出すであろう。ブレキジットと言う名の喜劇のオチは残留・・・。

出所:The Guardian誌

【筆者プロフィール】

ジョセフ・クラフト 
SBI FXトレード株式会社 社外取締役

【略歴】
1986年6月 カリフォルニア大学バークレイ校卒業
1986年7月 モルガン・スタンレーNYK 入社
1987年7月 同社 東京支社
為替と債券トレーディングの共同ヘッドなどの管理職を歴任。
2000年以降はマネージングディレクターを務める。
コーポレート・デリバティブ・セールスのヘッド、債券営業
そしてアジア・太平洋地域における為替営業の責任者なども歴任
2007年4月 ドレスナー・クラインオート証券 入社
東京支店 キャピタル・マーケッツ本部長
2010年3月 バンク・オブ・アメリカ 入社
東京支店 副支店長兼為替本部長
2015年7月 ロールシャッハ・アドバイザリー㈱代表取締役 就任
現在に至る

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